No.460221

IS学園にもう一人男を追加した ~ 51話 分戦①

rzthooさん

・セシリア&鈴

・シャルロット&ラウラ

・ダリル&フォルテ

2012-07-27 08:42:08 投稿 / 全3ページ    総閲覧数:1907   閲覧ユーザー数:1852

チェルシーSIDE

 

 

チ 「みなさん、慌てないで、冷静にこちらに非難してください!」

 

突如、鳴り響いたサイレン。

何でも、各ピットに襲撃者が現れた模様。

 

ク 「おい、お前も非難しろ!」

チ 「いえ、私は誘導に専念します。あなたは?」

ク 「私は軍人だ、やるべき事がある。誘導頼むぞ!」

チ 「はい、分かりました」

 

軍人さんは、皆さんとは違う方向に走り去ってしまった。

 

(・・・お嬢様、どうかご無事で)

 

 

セシリアSIDE

 

 

セ 「一体、これはなんですのっ!?」

鈴 「あたしが知るわけ無いでしょ! ああもう、イライラする!」

 

天井をぶち抜いて、ピットに現れた黒いIS。

どれだけ、攻撃をぶつけても、ダメージの損傷は確認できない。

 

鈴 「きゃあ!」

セ 「鈴さんっ!」

 

大型ブレードに吹っ飛ばされた鈴さんを受け止め、そこに打ち込まれた熱線を避ける。

 

セ 「近づけば、ブレードの餌食。距離を取っても、あの熱線にやられる・・・やり辛い敵ですわ」

鈴 「・・・でも、一度は倒した相手よ」

セ 「大丈夫なんですの? 前は最終的に一夏さんが居たから勝てましたのに・・・しかも、あの姿から見て、あのISの発展機でしょう」

鈴 「やるしかないでしょ・・・あたし達だけで、ね」

 

笑みを浮かべる鈴さんに釣られ、わたくしも笑みを零す。

 

セ 「では、一瞬で華麗に決めますわよっ!」

鈴 「乗ったっ!」

 

熱線が飛んで来たところで、二手に分かれる。

 

セ 「ブルー・ティアーズ!」

 

四機のビットを敵ISに向かって飛ばす。

そして、敵ISがビットに気が向いているうちに・・・

 

鈴 「あたしが、全力でぶち込む!」

 

懐に入った鈴さんが、衝撃砲を最大火力で何発も連射。

 

鈴 「今回の衝撃砲は、一味違うわよーっ!」

 

今、鈴さんが使用しているのは、IS暴走事件に使用していた拡散衝撃砲ではなく、貫通力が高い衝撃砲『貫通衝撃砲』なのである。

だが、その衝撃砲をもってしても、敵ISの装甲を歪めるだけ。

それだけではなく、鈴さんに気づいた敵ISの巨大な左腕で殴り飛ばされ、飛ばされた鈴さんはピットの壁に叩きつけられた上、崩れた壁の下敷きに。

 

セ 「っ! 鈴さんをよくもっ!」

 

わたくしは頭に血が昇り、新装備ロングライフル『ブルー・ピアス』を発砲。

だが、それは敵ISに届く前に、ショルダーの装備が外れ、円を掻く様に球状の物体が並べられる。

そして、その円にエネルギーが生じ、それによって、全ての攻撃が防がれる。

 

セ 「まさか、シールドビットッ!?」

 

奪われた『サイレント・ゼフィロス』と同じ搭載機。

それが、余計にわたくしの心に火を点ける。

 

セ 「必ず・・・必ず、落としますわ!」

 

ミサイルビットも射出して、敵ISを総攻撃。

そして、敵ISの周りに砂塵が舞い、確認できないが、手応えを確かに感じた。

 

セ 「これで、どうですの・・・?」

 

ジャミングが張られているため、敵ISの現状が分からず、砂塵の中を見つめる。

だが、次の瞬間・・・

 

セ 「え・・・?」

 

目の前には、瞬時加速した敵ISの拳が。

 

(そんな・・・この防御力でこの機動性、しかも、火力もあるなんて、反則じゃありません?)

[ドゴッ!!]

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

鈴 「何、しけた面してんのよ・・・」

セ 「え・・・?」

 

殴られたのはわたくしではなく、鈴さんが双天牙月で殴った敵ISだった。

 

セ 「・・・無事だったのですね」

鈴 「無事とは言えないけど、ね・・・」

 

そう言った鈴さんの額から、赤い液体が垂れる。

 

セ 「り、鈴さんっ! ち、血が・・・」

鈴 「これぐらいは大丈夫よ。でも、気をつけないと。あのIS、絶対防御システムを無効にするジャミングを持ってる」

 

だから、IS装着時で、怪我を負っているんですのね・・・

 

セ 「で、ですが、それでは余計に・・・」

鈴 「ええ、さっきの作戦は危険すぎる・・・だから、引くしかないわね」

セ 「引くって、どこにですの?」

 

アリーナは緊急事態発令により、すべての扉はもちろん、フィールドに出るピットも塞がれている。

 

鈴 「良いのがあるじゃない、あそこに」

 

鈴さんが指差す方向には、起き上がろうとしている敵ISの姿。

 

セ 「・・・なるほど、あの熱線を使うのですね」

 

もし以前、現れた黒いISの発展機ならば、アリーナのシェルターを突き破るほどの威力を持っているはず。

 

鈴 「なら、作戦開始よっ!」

セ 「分かりましたわっ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

クラリッサSIDE

 

 

メイドと別れ、私は隊長のいるピットを目指して、廊下を走る。

 

(ラウラ隊長・・・)

 

走りながら、ポケットに手を伸ばす。

出てきたのは・・・

 

(シュヴァルツェア・ツヴァイク・・・私に力を貸してくれ!)

 

待機状態のツヴァイクを足に装着して、走っている速度を速める。

 

ク 「私が必ず・・・!」

 

 

レーアSIDE

 

 

レ 「ったく、どうなってんのよ?」

 

私は人並みを掻き分けて、観客席の真ん前に出る。

すると、向こう側に、2人の男女が・・・

 

レ 「あの、非難しないんですか?」

優 「ん? あ、はい、見届けなくちゃいけないので・・・」

 

男の方は、優男(やさおとこ)のような雰囲気をかもし出してるものの、目を見れば、この人物が底知れない人物だというのが分かる。

隣の女性もしかりだ。

 

春 「ごめんなさい、私達はここに居ないといけませんので」

レ 「・・・そうですか。でも、危険になったら、すぐに非難してくださいよ」

優 「分かりました」

春 「はい」

 

とりあえず、私も誘導している人を手伝おう。

 

(シャルロット・・・大丈夫よね)

 

 

シャルロットSIDE

 

 

ラ 「くっ・・・何なんだ、こいつ、は?」

シ 「ら、ラウラ・・・」

 

突然襲撃してきた謎の黒いIS。

そのISは、高い戦闘能力を持ち、容赦のない攻撃に、僕達は窮地に立たされた。

現に今、僕は叩きのめされ、ラウラは敵ISの左腕に頭を鷲掴みにされて、ギシギシと音を立てている。

 

ラ 「く、くそっ!」

 

ラウラはプラズマ手刀で、敵ISの腕ごと切り裂こうとするが、敵ISの右腕の大型ブレードに防がれてしまう。

そして、その勢いでブレードをラウラに振り下ろそうとする瞬間、僕は敵ISめがけ瞬時加速(イグニッション・ブースト)。

 

シ 「ラウラを離せぇ!!」

 

左盾ショルダーの装甲をパージ、そこから顔を出す『盾(シールド)殺(・ピアーズ)し』

それを、敵ISの左腕に全弾打ち込み、ラウラの敵ISの拘束から逃す。

 

ラ 「っ! シャルロット、来るぞっ!」

 

ラウラに指摘され、敵ISの方を向くと、エネルギーチャージしている敵ISの左の手の平。

 

シ 「っ!」

 

咄嗟に『高速切替(ラピッド・スイッチ)』で、物理シールド3枚を呼び出し、前に重ねて放たれた熱線を防ぐ。

だが、エネルギーが強すぎたのか、3枚もろとも破壊され、僕の右腕を焼く。

 

ラ 「シャルロット! 許さん、貴様ぁっ!」

 

左目の眼帯をむしり捨て、反射速度を数倍に跳ね上げる補助ハイパーセンサー『ヴォーダン・オージェ』が金色に輝く。

その輝きが増すと、ラウラはAICをフルパワーで敵ISに使用する。

 

ラ 「貴様だけはぁ!」

シ 「ラウラ駄目! 下がって!」

 

だが、頭に血が昇ったラウラには、僕の声は届くこと無かった。

 

ラ 「うおおおおっ!」

 

氷付けのように、動かなくなった敵ISに、ラウラは容赦なく、レールカノンを何発も叩き込む。

 

ラ 「これでっ!」

シ 「ラウラッ、避けてっ!」

ラ 「っ!?」

 

煙から、固まっていたはずの敵ISの大型ブレード。

そのブレードがラウラを切り裂いた・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ク 「危ないところでした、隊長」

 

・・・の様に見えた。

 

ラ 「クラリッサ・・・」

 

間一髪、敵ISの動きをAICで止めた、ラウラの部隊の副隊長さん。

 

ラ 「お前、ツヴァイクを?」

ク 「はい、許可なしに使用してしまい、すみません」

 

副隊長さんが乗っている『シュヴァルツェア・レーゲン』に似た黒いIS。

両肩には30㎜ビームガトリングがそれぞれ1門、両肘にミニガン、レーゲンと同じプラズマ手刀。

そして、バックパックのスラスターと同化しているマイクロミサイル6門×50が確認できた。

 

ラ 「いや、おかげで助かった・・・っ! シャルロットはっ!?」

シ 「僕は平気だよ・・・もう、勝手に飛び出しちゃ駄目でしょ!」

ラ 「す、すまん・・・」

 

シュンとなるラウラ。その様子を副隊長さんは・・・

 

ク 「はあ~、シュンとなってる隊長・・・」

 

頬を赤くしていた・・・

 

(何も見てない、聞いてない・・・)

 

そう自分に言い聞かせていると、どういう事か、またもやAICの拘束を破った敵ISが暴れ始める。

 

ク 「くっ・・・」

ラ 「クラリッサッ! シャルロット、一度散開するぞ!」

シ 「了解!」

 

二手に別れ、僕は敵ISを牽制しながら、ラウラが副隊長と合流を援護。

 

ラ 「シャルロット! 私が突っ込む、援護してくれ!」

シ 「分かったっ!」

 

ラウラが一度距離を取り、僕は副隊長と共に、突っ込むラウラを援護。

 

ラ 「はぁあああっ!」

 

ワイヤーブレードで、敵ISの腕や脚に巻きつき、プラズマ手刀とレールカノンを零距離射撃を行う。

 

ラ 「くっ、なんて硬さだ!」

 

だが、ラウラの攻撃は頑丈な装甲を凹ますだけ。

そこに、敵ISがワイヤーを引きちぎり、ラウラを殴り飛ばそうとする瞬間・・・

 

[ドゴォォ!]

3人 「っ!?!?」

 

突如、ピットの壁が壊され、もう一機の敵ISがこちらの敵ISに直撃し、二機もろとも壁に埋まる。

その衝撃でピット内部に亀裂が入った。

 

ダ 「あれ? やりすぎた?」

フォ 「何やってんッスカ、先輩・・・」

 

隣のピットから出てきたのは、二年のフォルテ・サファイアの専用IS『コールド・ブラッド』に、三年のダリル・ケイシーの専用IS『ヘル・ハウンド・Ver2,5』

 

ク 「隊長、今の衝撃で、フィールドに脱出できますっ!」

ラ 「なら、脱出するぞ!」

シ 「え、あ、ちょ・・・先輩方、後はよろしくお願いします・・・」

ダ 「え、ちょ!」

フォ 「何、勝手に出ていってんッスカー!」

 

・・・ごめんなさい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

投稿者SIDE

 

 

ダ 「・・・押し付けられたな」

フォ 「押し付けられたッスね・・・」

 

2人の目の前には、さっきまでシャルロットが戦っていた敵IS.

ちなみに、ダリル達が相手していたISは、その場に突っ伏して動かない。

 

ダ 「あ~あ、どうすっかな~・・・?」

 

ダルそうに言うダリル。だが、敵ISの攻撃を全て避けていた。

 

フォ 「まぁ、頑張ってくださいッス、先輩。ウチ寝るんで・・・」

 

そう言って、空中浮遊したまま、寝転がるも、敵ISの熱線はすべて両ショルダーに搭載されている『ゲシュマイディッヒ・パンツァー』によって、ビームの軌道を変えている。

 

ダ 「あ、フォルテ! てめぇ、また私に押し付ける気だな!?」

フォ 「何、言ってんッスか、先輩! 先輩こそ、最初はウチに押し付けようとしたじゃないッスか!」

 

言い合いを始める2人。

だが、その間も敵ISの攻撃は止まない。

 

ダ 「てめぇ、いつも先輩に対する態度がな!」

フォ 「それが、可愛い後輩に対する言い方なんッスカ!?」

ダ・フォ 「・・・つか」

 

キッと、熱線を放っている敵ISを睨みつけ・・・

 

ダ・フォ 「ウザイ(ッス)!」

 

瞬時加速で敵ISに接近した後、同時に顔面をローキック。

敵ISはバランスを崩し、地面に倒れるが、負けじと熱線を放つ。

 

ダ 「ああ~、しつこい!」

 

ヘル・ハウンドの周りに浮遊している四つの球体・・・『片思い』の内、黄色の球体が前に出して、熱線を受け止める。

その熱線はパチンコみたいに、黄色からオレンジ、オレンジから赤、赤から黒に跳ね返り、最後の黒で敵ISの方に熱線が跳ね返る。

すると、敵ISは周りに浮遊しているシールドビットを発動しようとするが・・・

 

ダ 「させないぞ」

 

ジジッと、ヘル・ハウンドから出る音・・・ジャミングがピット内部に響き渡ると、敵ISのシールドビットが寿命尽きたセミのように、機能を停止する。

そして、防御手段を失った敵ISに熱線が直撃。

だが・・・

 

ダ 「・・・おいおい、まだ動くのかよ」

フォ 「何やってんッスか、ダリルせんぱ~い」

ダ 「ああぁ~! お前も戦えや、フォルテッ! 先輩が頑張ってるのに!」

フォ 「頑張ってくださいッス!」

 

ガッツポーズで返されたダリルは、ブチッと頭の何かが切れる。

すると、ダリルは敵ISが討ってきた熱線を黄色の球体で受け止め、フォルテの方に跳ね飛ばす。

 

フォ 「うわっ!」

 

フォルテは咄嗟に空中で寝ている体制から、起き上がりパンツァーで熱線の軌道を歪曲する。

 

フォ 「な、何するんッスか!?」

ダ 「フォルテが手伝わねぇからだろ! もう一発、やってやろうか!?」

 

ダリルのキツイ目にやられて、フォルテは必死に・・・

 

フォ 「わ、分かりましたッス! ちゃんと、手伝いますッスから!」

 

そう言って、フォルテの手に大鎌『スィンズ』が握られ、敵ISに突っ込む。

その後を、ダリルが付いていく。

 

フォ 「じゃあ、さっきのでいいんッスか?」

ダ 「・・・別にいいぞ、一人でやるなら」

フォ 「やりませんッスよ。あんな化け物相手に・・・」

 

そう言ってる間にも、敵ISの大型ブレードの間合いに入り、ブレードがフォルテを襲う。

 

フォ 「うっ!」

 

重い一撃を鎌で防ぎ、その間にダリルが両手脚の爪『瓜爪(うりづめ)』で、敵ISを切りつける。

 

ダ 「くっ・・・」

 

だが、その攻撃は空しく、左腕で邪魔をされ、距離を取ったダリルに熱線が放たれる。

 

ダ 「それを待ってた!」

 

熱線を黄色の球状で受け止め、オレンジ、赤と跳ね返し、敵ISの方ではなく、フォルテの方に飛ばす。

そして、フォルテは笑みを浮かべ、熱線をパンツァーで軌道を歪め、至近距離で敵ISに直撃させようととした。

これは、さっき戦闘していた敵ISに使った技なのだが・・・

 

ダ・フォ 「っ!?」

 

軌道を変えた熱線が敵ISに当たる直前、敵ISは踊るように身をくねらせて避ける。

無人機だからこそできる異質な動き。

さらには、二度も同じ技を喰らうほど、このISを作った相手は甘くは無い。

 

フォ 「うぐっ!」

ダ 「フォルテッ! ぐわぁ!」

 

鎌ごと吹き飛ばされたフォルテに気を取られたダリルは、横からの衝撃に壁に叩きつけられる。

 

ダ 「くっ、まだ生きていたのか・・・」

 

ダリルを叩きつけたのは、先まで突っ伏していた敵IS。

 

フォ 「せんぱ~い、これはちょっとヤバイッスよぉ!」

ダ 「かくなる上は・・・」

フォ 「かくなる上は・・・?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ダ 「逃げるぞぉ!!」

フォ 「賛成ッス!!」

 

フィールドに逃げ出した2人であった・・・


 
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