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マブラヴ オルタネイティヴ RETURN OF START 十二話 嵐の前の静けさ

モアイ像さん

アージュめ・・・360だけではなくPS3でもマブラヴを発売決定だと!?
これでは絶望(アポリア)になってしまうではないか!

というわけで、今回は明日が忙しいので一日早く投稿します
もうそろそろA―01が乗る機体が完成しますが吹雪ではなく不知火の予定です

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2012-07-24 22:24:46 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:11048   閲覧ユーザー数:10095

マブラヴ オルタネイティヴ RETURN OF START

 

 

十二話 嵐の前の静けさ

 

 

アスカ SIDE

 

 

空は快晴、太陽は眩しいほど照り付け海は穏やかで風が気持ちいい

 

「桜咲チーフ、竿が引いてますよ」

 

「え?・・・よっしゃあー、晩御飯ゲエエェェットォォォーーーーーーーーー!!」

 

リールを巻くと海面に魚の姿が見え、一心不乱に竿を上げた

海面から飛び出したのはカツオだった、そのカツオは放物線上を描きこっちに来る

 

「これ当たるよねぇ―――ヘブラバッ!!」

 

始めてのキスは、すっぱいレモン味と言われているが、磯の香りと硬くてゴツゴツした衝撃の味でした

 

 

 

 

 

 

 

 

話を戻そう、何故白陵基地にいないかと言うと、改修された吹雪の最終テストに無人島が選ばれた

この無人島は訓練兵たちの評価試験になっている場所で、今は評価試験がなく周囲に監視の目もないので自由に試験を行なっていた

ちなみにさっきの釣りは毎回同じ食事に飽き飽きしたところで食料の調達をしていた

 

「チーフ、全システムチェック完了しました」

 

「分かった」

 

強化装備とパイロットスーツを組み合わせたスーツの内部電源を起動させA―01専用の吹雪に乗り込む

強化装備は体に密着して変な感じで人前に出ると恥ずかしいので作り直した

さらに女性の見るとなぜかエロい、体のラインが丸分かりでエロい、そしてなぜか男どもは平然としている

おまえら、すこしくらいオスという本能を目覚めさせようよ、暗い世の中だって良い物くらい見れるんだから

それと男女ともに同じ物を作った?

開発者は裸体好きか?それともあっち系か?

どっちにしろ、全ての強化装備(女性限定)を見るため死ねないというおバカな誓いを立ててしまった

 

「全システム起動確認、跳躍ユニット始動」

 

『ターゲット表示します』

 

まぶたを開くと外の映像、機体情報、レーダー映し出され、視線をずらすと外の映像も移動する

レーダーには幾つもの赤いマーカーが島全体に表示された

 

「18、19、20個か・・・普通だったら簡単に終わるけど」

 

赤いマーカーの他に青いマーカーが表示され、障害物に身を隠しながらこっちに向かってくる

この青いマーカーは、主砲に電磁投射砲に変更したジャーチョー

自律機能は戦術機の支援を中心に書き換えているがまだ発展途上で動きに無駄があるので実戦投入は、まだ先になりそうだ

 

「低空飛行による高機動射撃でジャーチョーをかく乱して各個撃破・・・う~ん、さすがに一般の衛士はできないんだろ」

 

この吹雪はA―01専用に調整が施されているため、自分の動きについてこれない

関節や電子機器など対応できないなら別な方法を考えればいい

 

「一番近いターゲットは・・・500m先かぁ・・・狙撃してみるか!」

 

ターゲットは赤いバルーンで風に揺られている

ブレないように、こまめに操縦桿を動かしながら赤いバルーンに狙いを定める

タイミングを呼吸に合わせ、トリガーを引く

トライデントストライカーの銃口からプラズマが迸り、銃弾が放たれる

 

『初弾・・・命中!?』

 

最大望遠で見ると赤いバルーンは白いペイントに染め上げられている

開発及び整備班は驚いているが、ジャーチョーはそんなことお構い無しに包囲を始めた

 

「次、連射モード!」

 

レーダーが反応している方にばら撒きながら射撃

トライデントストライカーは中心に単射式1門と左右に連射式2門が備わっている兵器だ

これなら出力を切り返る必要なく安定した射撃が出来る

 

『無人戦車5機、機能停止』

 

レーダーにはジャーチョーの反応が無く、警戒されて身を隠したようだ

こっちにとって好都合、跳躍ユニットを作動して次のターゲットに向かった

次のターゲットは複数あるが、一々狙撃していると時間が掛かる

武装をトライデントストライカーから吹雪の肩部に装備した多目的自律誘導弾に切り替える

多目的自律誘導弾は元々あったものだが、センサー類が強化されているため命中率が格段と上がっている

視線を素早くターゲットから次のターゲットへ移していく、移していったターゲットはロックオンされる

コンテナから発射されたミサイルは不規則な軌道を変えながらロックオンされたターゲット命中して爆発を起こした

 

「全弾命中、全身にミサイルコンテナを付けてもいいかもしれない・・・となるとフルアーマーあたりか」

 

いくら装甲を増やしても重くなって頑丈な棺桶になる、パージできるようなフルアーマーを考えておくのがベストかも

 

それとBETAの基本戦術は開戦以来30年余、まったく変化していない

BETA各属種中最大の進軍速度と突撃力を誇る突撃級(デストロイヤー)が先陣を切り

要撃級(グラップラー)と随伴する戦車級(タンク)が中核戦力として進撃し、要塞級(フォート)が後衛、あるいは後ろに続く光線級(レーザー)の盾として後詰めに控え、重光線級や光線級が最後列から遠距離攻撃を担当している

つまりそこに付け込む隙があるので別なタイプを考えておこう

 

一時間後、全てのターゲットを白色に染め上げ、砂浜に立てられたパイプテントで反省会をしていた

誰もがモニターを一点見つめる中、光州作戦などの数々のデータを踏まえてA-01が乗りこなせのか計算されていく

 

「今回は上手くいくのだろうか?」

 

「大分データは修正と機体に制限掛けたから上手くいくはずだ!」

 

「結果がでます!」

 

「・・・」

 

「・・・」

 

「・・・」

 

「今回のデータは許容範囲内です、これならいけます!」

 

「よっしゃあー!」

 

「やっと出来たぞー!」

 

「おおおおおおおおおおっ!」

 

拍手や歓喜が起こり、砂浜を駆け出す者、海に向かって叫んでいる者、ソレスタルビーグ号から持ってきた酒を飲んでいた・・・・・・・・・ッ!?ちょっと待て!なんで酒がここにある?しかも地球に来るよりも半分減っている!

日本からここまで機材を運ぶのにトレミーを使ったが、誰も知らないはず?

 

「あ、チーフ先ほど通信が入りまして『いい物あったから勝手に貰っておくわね♪』と香月博士が言っていました」

 

「なん・・・だと・・・!?」

 

「今夜は祝杯だー」

 

「飲めー!歌えー!」

 

・・・もう勝手に始めている

自分達が携わってきた機体が、今の状況を打開するかもしれないと思うと誰もがそうなるだろう

 

「チーフ、なにか一言お願いしまーす」

 

「え?あ・・・なんというか・・・開発部と整備部及び残留組の皆、いままで変更や修正に付き合ってくれてありがとう、だがここで終わりではなく、次に繋げるための通過点として認識してくれ、慢心した気持ちでいくと痛い目に合う、開発兼整備部は気を引き締めて取りかかってほしい・・・という長くて堅苦しい話は、今はおいといて今夜だけは遠慮なく騒げーー!!」

 

「「「了解ッ!!」」」

 

うう~さすがに上手いこと言えないが、香月博士だったらさらりと言えるかも・・・

完成したデータを送ると香月博士から通信がきた

 

『そっちは騒いでいるわね~』

 

「はは・・・やっと完成したんでみんなハメを外しています・・・ところで酒持って行くならちゃんと言ってください、いくらでも上げますよ」

 

『・・・逆に持っていっていいと言われると困るわね』

 

「拒否したら強引に持っていくでしょ?」

 

『分かっているじゃない♪』

 

まったく子供みたく悪戯好きなんだから・・・

あとで日用雑貨品の中にあったテレビゲームとか渡しておくか?

社とか同年齢の子とかいないから格納庫で一日中暇していたし

 

「ところでそっちの様子はどうですか?」

 

『そうね・・・桜咲が提案した北九州及び中国地方を中心とした防衛強化は、「当分の間、BETAは侵攻して来ないため必要ではない」という上の考えで却下されたわよ』

 

前回の作戦で損耗しているのは分かるが、BETAの進軍ペースは未だに分かっていない以上、出来る限りの手を打っておこうと香月博士を通して帝国軍に提案したが却下されたか・・・

 

『想定内って顔をしているわね~それでどうする?』

 

「さらに言っても答えは同じですから、被害を抑えるためなにか別な方法を・・・たとえば、政府に交渉して西日本に避難勧告を発令してもらうとか・・・」

 

『却下』

 

「え?」

 

『却下よ、今の政府は頭が固いだけで「検討します」と言うわよ、それとフラッグの技術を流用した量産計画案は、まだ条約を結んでいる帝国に簡単には渡せないわ』

 

前の世界の政府でも一字一句同じことを言っていたような・・・?

条約を結んでいる分、なにも隔てていないからフラッグの技術を流用した物はそのまま渡され五番目にさらに勢いがついてしまう、それだけは避けたい

 

『来るも来ないにしてもそれなりに問題があるわ、今は力を溜めておきなさい後で馬車馬の如く働いて貰うから』

 

「ははっ・・・」

 

『話は変わるけど、いまあるテスト終わってこっちに戻って来るとき、泡盛買ってきてくれないかしら?』

 

「泡盛?あれって原産地は沖縄あたりだったような・・・」

 

『その沖縄で天然物を買ってきて頂戴、お金なら後払いで』

 

「大分帰路から逸れて帰ってくるのに時間掛かり作業に支障をきたしますけど?」

 

『別にいいわよ、そっちにいる全員、特別有休扱いになっているから』

 

「はい?」

 

『・・・・・・・・・それじゃ、あとお願いね、お土産楽しみに待っているわよ』

 

「ちょ、ちょっと特別有休ってなんですか!?・・・・・・あ、切れている」

 

モニターは砂嵐が淡々と流れていた

しかし沖縄で泡盛(天然物)を買いに行くとしても初夏で台風のシーズンだ

海は荒れ海上には雷が落ちるなか行くとすると、どう見ても死亡フラグ立てているような・・・

 

「チーフ、そんなところでボーっとしてどうしたんですか?こっちにきて皆で騒ぎましょう!」

 

目の前で楽しんで騒いでいる人達を見ると、今考えていることがアホらしくなってきた

今はただ前向きに楽しむか!!

 

 

アスカ SIDE

 

 

日本帝国 SIDE

 

 

七月某日、本土防衛軍司令部に通信が入る

 

“対馬にBETAが上陸した”

 

そのことは司令部全員を戦慄させるものだった

鉄原ハイヴ建設時期からBETA群の本土侵攻を99年初頭と予測していた帝国にとって、まさに晴天の霹靂(へきれき)だった

対馬を制圧したBETAは・・・

 

「長崎・佐賀に師団規模級(1万~2万)のBETA群が上陸しました」

 

「海軍はどうした?」

 

「BETAによる大陸地形改造の影響で超大型化した台風が沖縄・九州地方を直撃され、海上戦力の展開が遅れた模様!」

 

「まさか、ヤツラはそこまで読んでいたのか?・・・現時刻をもって各軍にコード991を発令!迎撃しつつ住民の避難を最優先せよ!」

 

「「「了解ッ!!」」」

 

司令部は最悪の事態を回避させようと動き出すが、一度動き出した歯車は止められない

その歯車はパンドラの箱のように災いをもたらすのか、もしくは希望を見出すのか、誰も知らなかった

 


 
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