No.457445

境界線上のクロニクル13

すいません。風邪をひいて更新が遅れました。

追伸
前回書いた「次回ラスト」は取り消します、次がマジです

2012-07-22 15:44:55 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:5004   閲覧ユーザー数:4640

「十年以上前だったかしら?たしか武蔵がIZUMOにいた時だったわね。そのころ私と愚弟、ホライゾンはともかく浅間は小狼が来た当初、あまり

 

近づかなかったわねえ」

 

「それはそうですよ、だっていきなり武蔵にやってきていつのまにか喜美やトーリ君と仲良くなっているんですから。それに初めて会った時は無口で何を考えているか何て

 

分らなかったんですから」

 

「へえ、昔の小狼君はそんな感じだったんだね。今とは大分違うね」

 

確かに、と皆が頷いた。

 

「そんな風体だから武蔵で働く時とかは結構怪しまれていたんだけど、小狼って物覚えいいじゃない。だから一週間ぐらいたったらここの人達も気にしなくなってね、

 

しかも妙に気がきくから武蔵の大人達に気に入られてよく店に行くとおまけしてもらたりいたもの」

 

と一息おき、

 

 

 

「そして、浅間が誘拐されたんだったわね」

 

 

 

 

 

浅間視点

 

喜美やトーリ君達と遊び終わって帰ってくる途中の事だった。浅間神社に向かう路地に入った瞬間に大人二人に捕まえられ意識を失わせられ、

 

気付いた時には知らない倉庫の中に閉じ込められていた

 

自分の周りを見てみればちらほら自分よりも幼い子供達がロープで縛られて横たわっている

 

浅間自身も縛られており身動きがとれない

 

「お父さん・・・、お母さん・・・・」

 

父母を呼んでいるうちに涙が出てきた。もう両親にも友達にも会えない、そう思うと止まらなかった。

 

そうして泣いていると倉庫の扉の方から男達の声が聞こえてきた。

 

「・・・小僧・・んのよう・・・だ!」

 

浅間はその声に耳を傾けようとした時、大きな音とともに男の一人が倉庫の扉と一緒に飛ばされてきた。

 

そして扉の方を見ると体中傷だらけの姿で小狼が立っていた。

 

 

「・・・見つけた・・・」

 

そんな小さな声が浅間の心には大きく響いた。

 

 

 

 

「殺せ!その小僧を生きて返すな!」

 

その声に浅間は我に返った。見れば彼を囲んで二人の男が刃物を持って襲おうとしている

 

相手は子供のせいであろうか、それとも武器の扱いが素人のせいだろうか中々致命傷にはならない

 

だが少しづつではあるが小狼の体に傷が増えていく

 

それでも彼は大人二人を相手に戦っている、蹴られても殴られても斬られてもそれでも立ちあがってくる

 

浅間には分らなかった。小狼とは仲がいいという訳ではない、むしろ悪いといったほうが正しい。

 

いきなり自分の前に現れて友人の二人とも仲良くなって自分の居場所が取られたように感じていた。

 

そんな自分を取り戻すために戦う彼が分らなかった。

 

 

 

何度目であろう小狼が倒れている。頭からは血を流し、上半身は傷だらけで足は刺されたのであろう服の上からでも分るぐらいに血が流れている。

 

「小狼君逃げて!」

 

そんな彼を見たくなかった。自分の事はいいからもう逃げてほしい、そんな思いがあった。

 

そうしてると、

 

「・・目を・・・」

 

言葉が聞こえた

 

「目を・・閉じていろ・・・・」

 

彼が立っている

 

「俺を見なくていい、お前が助かることだけを考えろ」

 

その言葉を聞いて挑発と感じたのだろうか、男達は彼を殺そうと向かっていた。

 

浅間は思わず目をつむった。だが何も起きない、そうしているとなにかがぶつかったような音が聞こえた。

 

思わず目を開けてみると一人の男性が小狼君を抱きかかえ二人の男を無力化していた。

 

「もう大丈夫だからね」

 

その言葉で安心してしまったのだろうか、私は眠るように意識を失った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「へえ、そんなことがあったんだね」

 

「はい、あのあと番屋の人達が犯人を捕まえて、私達は酒井学長に連れられて武蔵に戻りました」

 

ふぅ、と皆が一息ついた

 

「ふふふ、何あんたグッドエンディングにしようとしてるのよ。重要なのはここからよ!」

 

「って喜美!この話はこれでお終いです!あれは関係ありません!!」

 

まあまあ、と周りが浅間を抑えている

 

「あのあと浅間が入院している小狼のところに行って「何でそんなに自分の事を大切にしないんですか!!」って泣きながら説教してね。

 

あのとき初めて小狼の戸惑った顔を見たわ」

 

へえ、と皆が浅間を見ると顔を赤らめ俯いている。

 

「そういえば小狼君はどこだい?」

 

見ればもう一人の主役が見当たらない。見回してみると、

 

「「あ」」

 


 
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