No.455235

世界を越えし男と数の子たち 第2訓  何処の世界も組織の裏は真っ黒

俺はこの日、掛け替えの無い奴らに出会った。
俺は車に跳ねられて死んだと思ったら、なんかよく分からんが別世界に行ってしまったみたいだ。
気が付けば、マッドな科学者や12人の姉妹と暮らしていたり、組織にケンカ売って犯罪者になっちまったり。平凡な日々を送っていたり
そして--俺は戦う。ナンバーズ達を、世界を守るために。

2012-07-18 19:41:21 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:1728   閲覧ユーザー数:1684

何か、半分位が説明になってしまった気がする。

帰れない。

それが意味する事は、二度と元の世界に帰る事は出来ない。

スカリエッティの言葉を聞いた優斗の反応は………

 

 

 

 

 

凄く軽かった。

ユウト「あー…まあ、いっか。」

優斗の余りにも軽い発言に、スカリエッティは思わずずっこけた。

スカリエッティ「ず、随分と軽くないかい?元の世界に帰れないと言うのに」

ユウト「ああ、どうせ帰れても家族もいなければ友人もいないし、元の世界に未練は無い。それに、ここに来る直前、車に跳ねられて死ぬ寸前だったんだ。多分、俺は車に跳ねられて死んだ事になっているんじゃないか?」

優斗のその言葉を聞いたスカリエッティは少し考えた後、何を思いついたのか、ニヤリと笑みを浮かべて優斗に言った。

スカリエッティ「それならば優斗君……此処に住まないかい?」

優斗はスカリエッティのこの提案に思わず「………は?」と言わんばかりの表情になってしまった。

スカリエッティの言った提案には、隣にいたウーノ達も驚いていた。

スカリエッティ「君は元の世界に帰れない以上、この世界で暮らすしかない。しかし、今の君には頼れる人もいなければ先立つ物もない。管理局の所に行けば、次元漂流者という事で保護して貰えるけど、これはオススメ出来ないね」

ー管理局ー、トーレも言っていた、貴様は管理局の魔導師か、と。

ここで優斗は、先ほどから持っていた疑問を口にした。

ユウト「そういやあ、さっきもトーレが言ってたけど、その…管理局ってのは何なんだ?何かの組織か?」

スカリエッティ「ああ、管理局というのは…………」

 

 

 

優斗はスカリエッティから管理局の事を聞いた。

管理局とは、時空管理局の事で、そこでは魔導師という魔法を使う者達が働いている。魔導師は、体の中にある〔リンカーコア〕という器官から生じる魔力を用いて魔法を使う。〔リンカーコア〕がなければ、魔法を使う事は出来ないとのこと。

そして、管理局についてだが……表向きは、魔法というクリーンな力を用いて、次元世界の平和を守る正義の組織。

しかしその裏……真実は、リンカーコアを持つ人は少ないため、管理局は万年人材不足である。そこで、魔導師の人数不足を補うために管理局が行っていることが、…人造魔導師の製造だった。スカリエッティに、映像で管理局の裏を見せてもらったが…映像の中身は『地獄』といえるものだった。

そこにあったのは、

 

生態実験により、原型を留めていない『何か』、

泣き叫ぶ子供や女性、男性、動物達。

気にもせずに実験を繰り返す研究員達。

 

 

ユウト「な…何なんだよ!これは!!」

余りの残酷さに、声を荒げる優斗。

 

スカリエッティ「…これが、管理局の実態だ」

 

そう言うと、スカリエッティは優斗の方を見た。すると、優斗の体が震えている。そして、優斗は叫んだ。

 

ユウト「ざけんじゃねぇよ!!何が正義だ!何が魔法だ!、」

 

優斗の心からの怒りと叫びに、優斗の後ろにいたトーレも思わず後ずさりしてしまった。

 

ユウト「何が世界を『管理』するだ!自分の世界すらまともに『管理』出来てねぇ癖に!それに…人の命を何だと思ってんだよ!」

 

少しして、落ち着いた優斗は

ユウト「スカリエッティ、此処に住ませてくれ。そして、アンタ達の計画に協力する。でも、唯の協力じゃねぇ」

 

ユウト「管理局は……ぶっ潰す」

その言葉を聞いたスカリエッティは、

 

スカリエッティ「分かった。歓迎するよ、優斗君」

 

 

 

あの後、俺はセインに部屋に案内された。その途中で改めて自己紹介した。

No.6って言ってたけど、No.って何?

そのうち聞けばいいか。

 

暫く案内された部屋でゴロゴロしてたらスカリエッティが来て、夕食という事で食堂に案内された。そこで他のナンバーズ達に紹介するんだと。道中で聞いたらNo.ってのは、ウーノ達ナンバーズの製造番号の事で、スカリエッティの作品であり娘、そして『戦闘機人』だと言っていた。

あれこれ話しているうちに食堂に着いたので、中に入った。

 

食堂には自分とスカリエッティを除いた他のメンバーが全員揃っていた。

 

最初は驚きやら何やらで余裕が無かったが、落ち着いて周りを見ると、…なんつうか…あの全身タイツみたいなスーツ姿…エロくねぇ?目のやり場に困るんだけど。見てる方が恥ずかしいんだけど!?

 

そんな事を思いつつ、俺は食堂に居るメンバーと自己紹介した。

 

ユウト「五十嵐優斗だ。今日から此処に住む事になった。よろしくな」

そう言うと、向こうも自己紹介をした。

 

濃いピンク色の髪を後ろでまとめている女の子が、ウェンディ。

 

赤髪の女の子が、ノーヴェ

 

茶色のロングヘアーを、黄色いリボンで後ろで縛っている女の子が、ディエチ。

栗色の髪を両脇で結び、眼鏡をかけてる女性が、クアットロ。

そして……

 

 

チンク「チンクだ、よろしくな」

チンクと名乗った少女は、銀髪は腰の下まで伸びて、右目を黒の眼帯で隠した十代前半の少女だった。

 

……俺はその姿を見たとき驚いたよ。

 

チンクと…死んだ妹の沙耶が、

 

 

 

 

……あんなにも、似ていた事に……

 

 


 
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