No.454720

世界を越えし男と数の子たち 第1訓 出会いはいつも突然っていうけどこれは特殊過ぎる

俺はこの日、掛け替えの無い奴らに出会った。
俺は車に跳ねられて死んだと思ったら、なんかよく分からんが別世界に行ってしまったみたいだ。
気が付けば、マッドな科学者や12人の姉妹と暮らしていたり、組織にケンカ売って犯罪者になっちまったり。平凡な日々を送っていたり
そして--俺は戦う。ナンバーズ達を、世界を守るために。

2012-07-17 18:41:25 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:2241   閲覧ユーザー数:2181

今回、ナンバーズとマッドな科学者と出会います。

ユウト「あれ?生きてる…」優斗は呆然と突っ立っていた。自分は車に衝突したはず。それなのに体には何ひとつ怪我も無く、車に衝突したときに襲ってくる強烈な痛みも無い。

優斗が目を開けた先に映ったのは、五体満足の体と、どこかの建物の中であろうか、見知らぬ通路だった。

ユウト(どこだ?此処。天国って訳じゃ無さそうだが)

優斗は上着のポケットに手を入れ、赤い石を取り出した。

ユウト(これが無事って事は、車に轢かれてはいないって事か。轢かれていたら、これも粉々になっているだろうからな)

それにしても、何故自分は無事なのか、ここはいったいどこなのか疑問は尽きる事はなかった。

ユウト「ここに突っ立っていても仕方ない。とりあえず、この建物の外に出てみるか」

優斗は、見知らぬ通路を歩き始めた。

 

 

ユウト「そういえばこの建物、誰か人が居たりするのか?もし居たら俺、侵入者だとか言われたりするんかな?」

冗談半分でそう呟いた。その時、警報のような激しい音が突然鳴りだした。

ユウト「な、なんだぁ!?」

警報の音に驚く優斗。

ユウト「これ…俺のせいか?だとするとまずいよなぁ……」

そう言うと優斗は走り出した。この警報の原因が自分なら、捕まった後、警察にでも突き出されて逮捕、という事になるかもしれない。

持っていた疑問を後回しにして、優斗は通路を駆け抜けた。

ユウト「ったく、出口は何処だよ」

独りそう言うと、優斗は通路の壁に寄りかかった。

すると、左腕が何かにいきなり掴まれた感じがした。

左腕の方を見るとそこには、信じられない事が起きていた。なんと、壁の中から一人の女の子が現れたのだ。

???「つっかま〜えた」

可愛らしい声と共に、優斗の体を拘束した。

普段なら女の子と密着すれば、男としては少しは興奮したり恥ずかしいと思ったりするだろうが、今の優斗にはそれどころではなかった。

???「セイン!侵入者は捕まえたか!」

 走って来た通路の奥の方から別の女の子……ではなく女性がやって来た。

セイン「うん、捕まえたよトーレ姉」

セインという名の女の子が、通路から来た女性ーートーレにそう答えた。

そして、トーレは優斗の所に来て、質問して来た。

トーレ「貴様……何者だ?管理局の魔導師か?」

ユウト「何者だぁ?相手が何者か尋ねるときはまず自分からじゃねーのか?それに、管理局とか魔導師って何だよ?」

それもそうか、と言うようにトーレは名乗った。

トーレ「私はNo.3 、トーレだ。お前の名は何だ?何故、ここに侵入した?(管理局を知らない?この男はいったい……) ユウト「ああ、 俺の名は優斗、五十嵐優斗だ。ここには、気が付いたらいたって感じだな。つーか、ここ何処だよ。」

 

 

あのやり取りの後、俺はトーレとセインにとある一室に案内……と言うか連れて行かれた。トーレに「持っているものを全て渡せ」と言われたので、持っているもの……携帯と財布、あと赤い石を渡した。赤い石を見たトーレが何か呟いたようだがよく聞こえなかった。

トーレが部屋から出て行った後、今の状況を整理していると、扉の開く音と共に、二人の人が入って来た。

片方は紫色の髪に白い白衣を着た男、もう一人は薄い紫っぽい色の髪をした女性だ。

???「すまない、待たせてしまったね。私の名はジェイル・スカリエッティ、隣に居るのはウーノ、私の秘書だ」

ウーノ「はじめまして、ウーノです」

ユウト「あ、五十嵐優斗です。」

挨拶を交わした後スカリエッティは、赤い石を取り出して言った。

スカリエッティ「君の持ち物を調べさせてもらったよ」

ユウト「それは、さっきトーレに渡した石」

スカリエッティ「これは、時空移動型のロストロギアのようだ。」

時空移動は映画とかで有ったから何となく分かるが、ロストロギアっていうのは知らないな。

ユウト「なあ、その…ロストロギアっていうのはどういう物なんだ?時空移動ってのは何となく分かるけど」

 

 

スカリエッティからロストロギアについて聞いた。何でも、世界は一つだけでなく、星の数程あるらしい。そしてロストロギアとは、進化し過ぎた世界の危険な技術の遺産なんだとか。しかも、物によっては世界を滅ぼす程の力を持った物や、俺の持っていたような時空移動型の物もあるんだとか。

 

ユウト(何でそんなものが俺の居た世界にあったんだ?)

スカリエッティ「さて、これらの事から君は次元漂流者……世界規模の迷子になってしまった訳だが……」

ユウト「ま、迷子……、って、まだ何かあるのか?」

スカリエッティが優斗の目を見ながら言う。

スカリエッティ「ああ、このロストロギアの魔力が切れていたからね、魔力を注入してみたが、全く反応しなかった」

ユウト「つまり、もうそれは使えない…そう言う事か?」

優斗は嫌な予感を覚えつつ、尋ねてみた。

スカリエッティ「そうだ。この石での時空移動は出来ない。仮に出来たとしても、元いた世界に帰れる可能性はゼロに等しい」

……ここまで言われたら誰でも分かる。

スカリエッティ「…君はもう、元の世界には帰れないという事だ」

 


 
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