今回、ナンバーズとマッドな科学者と出会います。
ユウト「あれ?生きてる…」優斗は呆然と突っ立っていた。自分は車に衝突したはず。それなのに体には何ひとつ怪我も無く、車に衝突したときに襲ってくる強烈な痛みも無い。
優斗が目を開けた先に映ったのは、五体満足の体と、どこかの建物の中であろうか、見知らぬ通路だった。
ユウト(どこだ?此処。天国って訳じゃ無さそうだが)
優斗は上着のポケットに手を入れ、赤い石を取り出した。
ユウト(これが無事って事は、車に轢かれてはいないって事か。轢かれていたら、これも粉々になっているだろうからな)
それにしても、何故自分は無事なのか、ここはいったいどこなのか疑問は尽きる事はなかった。
ユウト「ここに突っ立っていても仕方ない。とりあえず、この建物の外に出てみるか」
優斗は、見知らぬ通路を歩き始めた。
ユウト「そういえばこの建物、誰か人が居たりするのか?もし居たら俺、侵入者だとか言われたりするんかな?」
冗談半分でそう呟いた。その時、警報のような激しい音が突然鳴りだした。
ユウト「な、なんだぁ!?」
警報の音に驚く優斗。
ユウト「これ…俺のせいか?だとするとまずいよなぁ……」
そう言うと優斗は走り出した。この警報の原因が自分なら、捕まった後、警察にでも突き出されて逮捕、という事になるかもしれない。
持っていた疑問を後回しにして、優斗は通路を駆け抜けた。
ユウト「ったく、出口は何処だよ」
独りそう言うと、優斗は通路の壁に寄りかかった。
すると、左腕が何かにいきなり掴まれた感じがした。
左腕の方を見るとそこには、信じられない事が起きていた。なんと、壁の中から一人の女の子が現れたのだ。
???「つっかま〜えた」
可愛らしい声と共に、優斗の体を拘束した。
普段なら女の子と密着すれば、男としては少しは興奮したり恥ずかしいと思ったりするだろうが、今の優斗にはそれどころではなかった。
???「セイン!侵入者は捕まえたか!」
走って来た通路の奥の方から別の女の子……ではなく女性がやって来た。
セイン「うん、捕まえたよトーレ姉」
セインという名の女の子が、通路から来た女性ーートーレにそう答えた。
そして、トーレは優斗の所に来て、質問して来た。
トーレ「貴様……何者だ?管理局の魔導師か?」
ユウト「何者だぁ?相手が何者か尋ねるときはまず自分からじゃねーのか?それに、管理局とか魔導師って何だよ?」
それもそうか、と言うようにトーレは名乗った。
トーレ「私はNo.3 、トーレだ。お前の名は何だ?何故、ここに侵入した?(管理局を知らない?この男はいったい……) ユウト「ああ、 俺の名は優斗、五十嵐優斗だ。ここには、気が付いたらいたって感じだな。つーか、ここ何処だよ。」
あのやり取りの後、俺はトーレとセインにとある一室に案内……と言うか連れて行かれた。トーレに「持っているものを全て渡せ」と言われたので、持っているもの……携帯と財布、あと赤い石を渡した。赤い石を見たトーレが何か呟いたようだがよく聞こえなかった。
トーレが部屋から出て行った後、今の状況を整理していると、扉の開く音と共に、二人の人が入って来た。
片方は紫色の髪に白い白衣を着た男、もう一人は薄い紫っぽい色の髪をした女性だ。
???「すまない、待たせてしまったね。私の名はジェイル・スカリエッティ、隣に居るのはウーノ、私の秘書だ」
ウーノ「はじめまして、ウーノです」
ユウト「あ、五十嵐優斗です。」
挨拶を交わした後スカリエッティは、赤い石を取り出して言った。
スカリエッティ「君の持ち物を調べさせてもらったよ」
ユウト「それは、さっきトーレに渡した石」
スカリエッティ「これは、時空移動型のロストロギアのようだ。」
時空移動は映画とかで有ったから何となく分かるが、ロストロギアっていうのは知らないな。
ユウト「なあ、その…ロストロギアっていうのはどういう物なんだ?時空移動ってのは何となく分かるけど」
スカリエッティからロストロギアについて聞いた。何でも、世界は一つだけでなく、星の数程あるらしい。そしてロストロギアとは、進化し過ぎた世界の危険な技術の遺産なんだとか。しかも、物によっては世界を滅ぼす程の力を持った物や、俺の持っていたような時空移動型の物もあるんだとか。
ユウト(何でそんなものが俺の居た世界にあったんだ?)
スカリエッティ「さて、これらの事から君は次元漂流者……世界規模の迷子になってしまった訳だが……」
ユウト「ま、迷子……、って、まだ何かあるのか?」
スカリエッティが優斗の目を見ながら言う。
スカリエッティ「ああ、このロストロギアの魔力が切れていたからね、魔力を注入してみたが、全く反応しなかった」
ユウト「つまり、もうそれは使えない…そう言う事か?」
優斗は嫌な予感を覚えつつ、尋ねてみた。
スカリエッティ「そうだ。この石での時空移動は出来ない。仮に出来たとしても、元いた世界に帰れる可能性はゼロに等しい」
……ここまで言われたら誰でも分かる。
スカリエッティ「…君はもう、元の世界には帰れないという事だ」
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俺はこの日、掛け替えの無い奴らに出会った。
俺は車に跳ねられて死んだと思ったら、なんかよく分からんが別世界に行ってしまったみたいだ。
気が付けば、マッドな科学者や12人の姉妹と暮らしていたり、組織にケンカ売って犯罪者になっちまったり。平凡な日々を送っていたり
そして--俺は戦う。ナンバーズ達を、世界を守るために。