ねぇ、アーチャー
貴方は今どうしているのかしら
今もどこかに召喚されてるの
あの日貴方に出会って喰えないやつだと思った
でもすぐにいいやつだって思いなおした
わざわざしなくてもいい名前の交換を大切にしたり魔力が空になった宝石を父親の形見というだけで渡してくれたりしてくれた
だから聖杯戦争が終わっても貴方をこの世界にとどめようと思った
でも、バーサーカー相手に足止め役を頼むしかなかった
あのときの貴方の台詞に私の心は救われたような気がした
だから貴方を信頼して士郎とセイバーをつれて逃げた
でも予想外なことに―――いえ、予想通り貴方はバーサーカーに殺されてしまった
それで私の心の中にどれだけ貴方の存在というものが大きかったのか理解した
もう貴方はこの世界に存在しない
もう私を「マスター」と呼んでくれる存在はいない
そのことが私の心を締め付けた
でも貴方が足止めをしてくれたおかげでまだあるこの命を無駄にするわけにはいけないと思って、私は自身を奮い立たせて士郎たちにも「心配ない」と伝えて走り出すことができた
聖杯戦争が終わり、時計塔に訪れた私は第二の魔法の研究をする合間に降霊学科の方にも顔を出して聖杯の恩恵を受けなくても英霊を召喚する方法を研究した
貴方を再び呼び出して、あの頃のように貴方のそばで笑って暮らせるように
今度は聖杯戦争もないのだから死ぬまで一緒にいられる
そう想いながら
それからどれだけ時間が過ぎていったのか憶えていないけれど、私は第2の魔法に至り時計塔で名を馳せた頃、士郎が私の許にやってきた
再開したときは本当に驚いた
もしかしたら、とは思っていたけれどやはり貴方は士郎だった
だって今の士郎の姿は私の大切な従者そっくりだったから
士郎は
貴方の記憶を視てきた私にはその結末を知っている
私はなれないとわかっていたけれど一つ考えが浮かんだ
この方法ならどれだけ時間がかかろうとも終焉はないのだから
私は士郎を手助けし、対価として共にあることを望んだ
士郎が貴方になるのなら付いてけば私も英霊となれるかも
単純な発想でなれるかどうかもわからないけど、「士郎」を触媒にして私が呼ばれる可能性もあるのだからやってみる価値はあると思う
士郎は驚いていたけれど快く受け入れてくれた
すぐさま準備をして私たちは「
アーチャー
いつかまた会いましょう
血なまぐさいかもしれないけど
再びあの日の
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なんとなく頭に浮かんだ物語。FATEエンド後の凛のお話。
ちなみに、アーチャーこと英霊エミヤの世界とは違う世界の凛です。