それから、２４刻後

霞「よっしゃ！！ようやく着いた！！」

葵「ようやくか！！」

翠「無限に感じたぜ！！」

恋「（コクコクコクコク！！！）」

白蓮「それより一刀だ！！！一刀は何処なんだ！！？？」

純夏「一刀！！！どこなの！！！？」

足の速い者から順に長安へと辿り着いていく

一同はここまで来るのにざっと４日を要した

これは奇跡的な速さである、本来大軍を率いての行軍であれば６日かかってもおかしくないくらいの距離を２日短縮して消化したのだから

そして、一同は次々と長安へと入っていく

しかし、そこに見たものは

霞「っ！！？？うそやろ・・・・・」

葵「北郷隊が・・・・・」

翠「これって・・・・・全滅している？」

純夏「一刀の牙門旗が・・・・・」

一同が見たのは、城壁で倒れている北郷隊兵士達とぼろぼろになった一刀の牙門旗だった

純夏「それより一刀は！！？一刀は何処なの！！？」

何とか一刀の姿を確認しようと一同は城壁の上を走り回る

そんな中

霞「あ！！徐栄！！徐栄やないか！！」

白蓮「おい！！徐栄！！無事か！！！？」

徐栄「・・・・・うぅ・・・・・」

一同は、城壁に寄りかかり気絶している徐栄を発見した

翠「おい！！しっかりしろ！！」

徐栄「・・・・あぁ・・・・・・翠・・・・殿？」

葵「起きろ徐栄！！なにがあったんだ！！？」

徐栄「・・・・・葵・・・・・様？・・・・」

純夏「徐栄！！大丈夫！！？しっかりして！！」

徐栄「・・・・はっ！？・・・・・純夏殿！？」

純夏「徐栄！！一刀は！！？一刀はどこなの！！？」

徐栄「た・・・・・隊長？・・・・・そうだ！！隊長！！隊長はどこに！！？」

何日も休まず指揮を取っていたため二日に渡って気絶してしまっていた徐栄は、飛び上がって辺りを見回す

その間に遅れていたほかの者達が到着した

華琳「ちょっと！！葵！！霞！！翠！！白蓮！！純夏！！速過ぎよ！！後ろがついてこれないわ！！」

雪蓮「今はそんなことどうでもいいでしょ！！？」

桃香「そうだよ！！ご主人様は！！？ご主人様は何処！！？」

張済「徐栄！！兄上はどこに！！？」

徐栄「隊長は・・・・・隊長は・・・・・一人で五胡に向かっていきました！！！」

華琳「なんですって！！！？」

雫「そんな！！？徐栄さんは何をしていたんですか！！？」

愛紗「そうだぞ！！こんなところで気絶している場合か！！？」

徐栄「隊長は、わたしを気絶させて、その後城壁から飛び降りて・・・・・」

雪蓮「あの馬鹿！！」

恋「ご主人様！！」

徐栄「申し訳ありません！！！自分が隊長を止められなかったために！！！」

月「いいんです！！徐栄さんを責めることは出来ません！！」

朱里「そんなことより、早くご主人様を探さないと！！」

そして、魏・呉・蜀の将達は一斉に一刀の捜索を開始した

一刀「はぁはぁ！・・・・・はぁはぁ！・・・・・はぁ！・・・・・はぁ！・・・・・はぁはぁ・・・・・」

片膝を付いて息を完全に切らす一刀

眉間に五胡兵の攻撃を受け、そこから大量の血が溢れ出し視界を歪ませる

おまけに、氷雨によって体の体温が奪われ手足の感覚が麻痺している

氣も尽きかけ、意識を保つことさえままならない

忠久は、刃毀れが酷く元の芸術品としての形を留められずくの字に折れ曲がっていた

金剛刀は、刃毀れこそしていないが、五胡の血がべったりと付いている

天の御遣いの衣、フランチェスカの制服はズタズタになり、五胡兵の返り血と自分の血と跳ね上がった泥によって完全に赤黒く染まり、威厳を放っていたあの美しさはもはや欠片もなかった

かつて、霞と一緒に買った十字架のネックレスも自身の血と五胡の血により紅い光を放っていた

一刀「はぁはぁはぁ・・・・・はぁはぁ・・・・・～～～～っ」

それでもなんとか顔を上げ状況を確認する一刀

一刀の視界に入るのは

「「「「「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」」」」」

ザッザッザッザッザッザッザッザッザッザッザッザッザッザッザッザッザッザッザッザッ

これまで一刀が葬ってきた兵などほんの一部だといわんばかりに、次々と地平線から湧いてくる五胡兵

今まで幾度も死ぬような思いをし気の遠くなるような数々の修羅場を潜り抜け、この国の頂点に立ちつつあった一刀の武も、これほどの物量の前には焼け石に水でしかなかった

一刀「はぁ・・・・・はぁ・・・・・・・・・くっ！」

それでも気力を振り絞り、忠久と金剛刀を持ち上げる一刀

シュバババババババ！！！

そんな一刀に五胡兵達は容赦無く矢の雨を浴びせる

一刀「ぐっ！」

ガガガガがガガガガがガガガガ！！！！

足を動かすことはもう出来ない

ただひたすらに相手の攻撃を受けることしか出来なかった

それでも、なんとか金剛刀を盾にして矢の雨を防ぐ一刀

「UOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOO！！！！！」

そして、これがとどめといわんばかりの気合で一人の五胡兵が一刀に斬りかかる

一刀「～～～～～っ！！ふっっっっ！！！」

ギシイイイイイイイイン！！！ザバァッ！！！

五胡兵の首刈り刀を忠久で受け流し金剛刀を腹にもぐりこませて、その五胡兵を上半身と下半身とに泣き別れさせ即死させる

しかし

バキイイイイイイイイイイイイイイイン！！！

その衝撃により、この世界に来た時からの相棒、今まで数多くの困難を共に乗り越えてきた、一刀の魂、陸奥守忠久が・・・・・ついに折れた

一刀「っ！・・・・・はぁ・・・・・はぁ・・・・・はぁ・・・・・」

そのせいか、一刀の体から一気に力が抜け、最早立っているだけで精一杯となる

金剛刀を持ち上げることも出来なくなった一刀は、腕をだらんとぶら下げ完全に体を晒していた

「「「「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・（コク）」」」」」

ギリギリギリギリ

そんな一刀の様子を見た五胡兵達は、お互いに頷き合い一刀に向けて弓を引き絞る

その様子をぼやけた視界で確認した一刀は

一刀「（・・・・・もう・・・・・好きにしな・・・・・）」

死を覚悟するのだった

華琳「っ！！？？これは！！！？」

雪蓮「忠久と金剛刀の鞘じゃない！！！」

一同は、地面に転がっている一刀の鞘を見つけ焦りを募らせる

月「・・・・・ご主人様！！！！」

桃香「何処！！！？何処にいるの！！！？ご主人様！！！！」

霞「一刀！何処や！？何処にいるんや！？」

小雨の中、馬を駆り張遼隊を率いて一刀の捜索を必死でする霞

一刀との婚約指輪をしている左手で、以前一刀に買ってもらった一刀と御揃いの十字架のネックレスを握り締め祈るような思いで一刀を探す

その時

霞「・・・・・あ！」

視界の隅、丘の麓に一刀の姿を目視した

霞「ああ・・・・・一刀ぉ」

ようやく一刀の姿を見ることが出来、霞の口から安堵の声が出る

しかし

ドドドドドドドドド！！！！！

一刀「ぐはあっっっっっ！！！！！」

ドチャアア！！！　　ガシャアアアン！！！

霞「っっっっっっ！！！！！！？？？？」

霞の目の前で一刀は五胡の矢を全身に受け、後ろの水溜りに大の字に倒れこんだ

その拍子に、龍滅金剛刀は一刀の手を離れ大地に転がった

「「「「「ＵＯＯＯＯＯＯＯＯＯＯＯＯＯＯＯＯＯＯＯＯＯＯＯＯＯＯＯＯＯＯ！！！！！！！！」」」」」

一刀を討ち取り、勝ち鬨を上げる五胡兵達

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ぶつんっ

霞「うわああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ！！！！！！！！！！！」

その光景にぶち切れた霞が飛龍堰月刀を振りかざし、丘を駆け下る

霞「おのれらああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ！！！！！！！！！」

「「「「「「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお！！！！！！！！！！！」」」」」」

張遼隊も一刀が討たれたのを目の当たりにし、霞の後に続く

「「「「「！！！！！！！！！？？？？？？？」」」」」

それに気付いた五胡兵達も臨戦態勢を取る

雪蓮「っ！！！？？？・・・・・霞！！？？」

華琳「あっちね！！」

桃香「ご主人様！！！」

霞の凄まじい怒声は戦場全体に響き渡る

一同は声のした方向へ急いで駆け出した

そして、一同の目に飛び込んできたものは

華琳「っ！！！！？？一刀！！！！」

雪蓮「一刀！！！！？？」

桃香「・・・・・ご主人様ぁっっ！！！！？？」

全身に矢を受けハリネズミになり血溜まりの中に大の字に倒れこんでいる一刀の姿だった

月「あ・・・・・あああぁ・・・・・・ご主人様？」

詠「ちょっ！！！？ちょっと！！！？冗談しょっ！！！？」

雫「いやあああああああああああああああああ！！！！！！一刀様ああああああああああああああああ！！！！！！」

菖蒲「そんな！！？一刀様！！？一刀様ぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー！！！！！」

恋「ご主人様！！！！」

音々音「な！！？なにをしていやがるのですか！！！？起きやがれなのです！！！」

零「あなた様？・・・・・あなた様ぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー！！！！！！」

嵐「一刀！！！！しっかりしろ！！！！」

徐栄「隊長ぉーーーーーーーーー！！！！！」

張済「兄上！！！兄上ーーーーーーーーーーーー！！！！！」

愛紗「ご主人様？・・・・・ご主人様！！！！！！」

鈴々「お兄ちゃーーーーーーーーーーーーん！！！！！」

星「主ぃーーーーーーーーーーーーーーーー！！！！！」

朱里「ご主人様？・・・・・・あああああああああああああああああ！！！！ご主人様！！！！！」

雛里「え？・・・・・ご主人様？」

紫苑「そんな・・・・・そんな・・・・・ご主人様！！！！！」

桔梗「お館様！！！！」

焔耶「お館・・・・・嘘・・・・・だろ？・・・・・」

柊「一様！！！！？？？そんな！！！！一様ぁ～～～～～～～～～～～～～～！！！！！」

雛罌粟「・・・・・なんで・・・・・こんな・・・・・ご主人様！！！！？ご主人様！！！！？」

杏奈「・・・・・ご・・・・しゅ・・・・・・じん・・・・・・・さま？・・・・・」

翠「う・・・・・嘘だ・・・・・嘘だよな！！！？？ご主人様！！！！！」

蒲公英「うわあああああああああああああああああ！！！！！ご主人様ああああああああああああああああああああ！！！！！」

葵「おい一刀！！！！！お前を殺すのは俺だぞ！！！！！五胡になんか殺されてるんじゃない！！！！！」

聖「・・・・・一刀・・・・・何かの間違いよ・・・・・一刀が・・・・・」

麗羽「一刀さん！！！！！起きてください！！！！！一刀さん！！！！！」

斗詩「ご主人様！！！！ご主人様！！！！」

猪々子「兄貴いいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい！！！！！！」

桂花「ちょっと！！！！？？なに倒れてんのよ！！！！？起きなさいよ！！！！！」

春蘭「一刀？・・・・・嘘だよな、お前はこんな程度でやられたりしないよな？一刀？」

秋蘭「一刀！！！！しっかりしろ！！！！一刀！！！！！」

季衣「兄ちゃん？・・・・・兄ちゃん！！！！」

流琉「そんな・・・・・兄様・・・・・・」

悠「一刀！！！！目を覚ませ！！！！一刀！！！！」

凪「師匠？・・・・・隊長？・・・・・一刀様？・・・・・ああ・・・・・・ああああああああああああああああああ！！！！！！」

沙和「たいちょーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー！！！！！」

真桜「嘘やろ！！！！？？嘘や！！！嘘や嘘や嘘や！！！！！」

風「お兄さん！！！！！」

稟「一刀殿！！！！！」

蓮華「そんな・・・・・一刀？・・・・・一刀ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー！！！！！」

小蓮「一刀！！！？？嘘でしょ！！！？？」

純夏「一刀！！！！約束を破るつもり！！！？？わたしを幸せにしてくれるって言ったでしょ！！！！！？？」

思春「おい！！！！北郷！！！！！」

明命「嘘です！！！！一刀様が死ぬはずがありません！！！！！」

冥琳「一刀！！！！！死ぬな！！！！！一刀！！！！！！」

穏「一刀・・・・・・さん？・・・・・・」

亜莎「一刀様！！！！うわあああああああああああああああああ！！！！！！一刀様ああああああああああああ！！！！！」

百合「・・・・・・・・・・」（ガタガタガタガタ）

祭「一刀！！！！おい！！！！起きんか！！！一刀！！！！！」

美羽「な・・・・・・七乃？・・・・・・彩？・・・・・一刀が・・・・・・一刀が・・・・・・・」

七乃「違います！！！美羽様！！！！あれは一刀さんじゃありません！！！！」

彩「その通りです！！！！一刀殿がやられるわけがありません！！！！！」

華佗「一刀！！！！！おい！！！！一刀！！！！！」

蓮華「華佗！！！一刀を助けて！！！お願い華佗！！！！」

雫「華佗さん！！！一刀様を！！！！一刀様を！！！！」

華佗「ああ！！！必ず助ける！！！だがここじゃ治療は無理だ！！！天幕を張るんだ！！！！」

徐栄「はい！！！」

張済「兄上！！！気を確かに！！！！」

徐栄と張済は、急ぎ天幕を張る

華佗「凪！！！真桜！！！柊！！！雛罌粟！！！俺と一緒に一刀に氣を送れ！！！体温の低下を防ぐんだ！！！」

凪「はい！！！一刀様！！！死なないで下さい！！！！」

真桜「隊長！！！死なんどって！！！！」

柊「一様！！！死なないで！！！」

雛罌粟「僕を置いて行っちゃ嫌です！！！ご主人様！！！」

フワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア

4人は、ありったけの氣を一刀に注ぎ込む

華佗「誰か！！！この手に縛り付けてある布を斬ってくれ！！！」

雪蓮「分かったわ！！！」

そう言って雪蓮は南海覇王で一刀の右手の忠久を縛り付けている布を切ろうとする

雪蓮「（そんな・・・・・一刀の剣が・・・・・）」

一刀の魂、陸奥守忠久は刀身の半分が完全に折れて無くなっていた

雪蓮「（あんなに綺麗で・・・・・何をしても傷付かなかった一刀の魂が・・・・・）」

震える手で、なんとか布を取り払うが、一刀は忠久を握り締めて離さない

華佗「関節が固まっている！！！指を一本ずつ引き剥がすんだ！！！」

沙和「んっ！！たいちょぉ！！！離してなの！！！」

ギチチチ　　　　ギチチチチチ　　メリメリメリメリ

沙和は、なんとか忠久を握る手を開かせようとするが、なかなか開かない

ガチャン！！

ようやく取れたが、忠久の柄も五胡の血と泥によって無残な状態になっていた

徐栄「華佗殿！！！天幕出来ました！！！」

華佗「よし！！！一刀を運び込め！！！」

張済「はい！！！」

華佗「柊！！！雛罌粟！！！お前達も手伝え！！！」

柊「はい！！！華佗さん！！！」

雛罌粟「はい！！！」

凪「華佗さん！！！わたしも！！！」

華佗「凪は駄目だ！！！」

凪「ど、どうしてですか！！！？」

華佗「凪は五斗米道を使えるのか！！！？」

凪「・・・・・・・・・・」

華佗「ここからは五斗米道を使える俺と柊と雛罌粟の仕事だ！！！お前は邪魔だ！！！」

徐栄「どいて下さい！！！」

張済「兄上が通ります！！！」

二人は、一刀を担架に乗せ天幕に運び込んだ

そして、華佗と柊と雛罌粟は天幕に入った

華琳「華佗！！！柊！！！雛罌粟！！！一刀を救ってあげて！！！！」

桃香「華佗さん！！！！ご主人様を助けて！！！！お願い華佗さん！！！！」

月「ご主人様ぁ・・・・・・・」

ズバッ！！！バシュッ！！！ザンッ！！！ズババババババババババババババ！！！！！

霞「おのれらあああああああああああ！！！！一人も生かして帰すかあああああああああああああああああああ！！！！」

張遼隊「「「「「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお！！！！！」」」」」

霞率いる神速の騎馬隊が乾坤一擲の精神で突撃を慣行する

しかし、圧倒的な五胡の数に張遼隊は次々と討ち取られていく

霞「くっそ！！！お前らーーーー！！！！！こんな程度でへばんな！！！張遼隊の恐ろしさを五胡のやつらに刻み付けたれーーーーー！！！！！」

張遼隊「「「「「遼！！！！来々！！！！遼！！！！来々！！！！」」」」」

それでも、張遼隊の数は見る見る減っていく

その時

春蘭「チェストーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー！！！！！！」

ドッゴーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン！！！！！

「「「「「GOHAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA！！！！！」」」」」

霞「っ！！！？？春蘭！！！？」

春蘭「生温いぞ霞！！！！！」

春蘭の闘気を纏った七星牙狼の一撃が五胡兵達をふっ飛ばす

春蘭「夏侯惇隊！！！！！やつらに自分達のやったことの罪の重さを思い知らせてやれ！！！！！！！」

夏侯惇隊「「「「「チェーーーーーーーーーストーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー！！！！！！！！！！！」」」」」」

春蘭の鼓舞によりかつてない勢いで突進する夏侯惇隊

かつて一刀に教えられたこの掛け声で、次々と五胡兵を叩き斬っていく

その他の魏、呉、蜀の部隊も建業からここまでほとんど休みなしで走ってきた疲れなど忘れ、五胡兵を蹂躙していった

鈴々「うわああああああああああああああああん！！！！！！よくもお兄ちゃんをおおおおおおおおおおおおおお！！！！！」

「「「「「うおりゃああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ！！！！！！！！」」」」」

霞「鈴々！！！！！？？？」

後の世に燕人と呼ばれるその存在と、その燕人が鍛えた精強無比の一団が呂布隊に匹敵する五胡兵達を叩き潰していく

純夏「このおおおおおおおおおおおおおお！！！！！絶対許さない！！！！！お前らはここで死ねえええええええええ！！！！！」

「「「「「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお！！！！！」」」」」

霞「純夏！！！！！？？？」

呉の中でも精強で知られる赤き紅の太史慈隊

純夏「はあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ！！！！！！」

ゴウワアアアアアアアアアアアアアアアアアア！！！！！！

「「「「「GUGYAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA！！！！！！？？？」

純夏の紅蓮槍から迸る焔は、次々と五胡兵を灰燼にきしていく

その姿は、まさに紅の夜叉、紅き狼

春蘭「このくそ外道どもには、わたしが天罰を下してやるんだ！！！！！」

霞「どかんかいおのれら！！！！！ウチがやるんや！！！！！！」

鈴々「鈴々がやるのだ！！！！！」

純夏「あたしが燃え散らす！！！！！」

シュバババババババババババババ！！！！！

ドドドドドドドドドドドドドド！！！！！

「「「「「GAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA！！！！！」」」」」

霞「！！！！？？？」

春蘭「！！！？？？」

鈴々「！！！！？？？」

純夏「！！！！？？？」

言い合いをする二人の横で五胡兵が矢の餌食になった

秋蘭「霞！！！！姉者！！！！鈴々！！！！純夏！！！！今はそんなことをしている時か！！！！？夏侯淵隊！！！！！五胡のやつらをハリネズミにしてやれ！！！！！」

「「「「「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお！！！！！！」」」」」

シュバババババババババババババババババババババババババババババババババ！！！！！！！！！！！

ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド！！！！！！

「「「「「GUOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOO！！！！！」

秋蘭「貴様らああああああ！！！！！よくもやってくれたなあああああああ！！！！！わが弓の前に屍を晒せえええええええ！！！！！！」

かつて氷の将と恐れられ称えられた、曹操の片腕こと夏候淵こと秋蘭

しかし、そんな通り名など嘘だと言わんばかりの激昂に夏侯淵隊の士気は大いに上がり次々と五胡を討ち取っていく

春蘭「夏侯惇隊！！！！！秋蘭の部隊に負けるな！！！！！一人千人斬るまで死ぬことは許さんぞ！！！！！！！」

鈴々「春蘭お姉ちゃんと秋蘭お姉ちゃんには負けないのだ！！！！！」

純夏「五胡のやつらに地獄を与えてやれ！！！！！」

霞「張遼隊！！！！！根性見せいやああああああああああああああああああああああ！！！！！！」

「「「「「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお！！！！！！」」」」」

「「「「「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお！！！！！！」」」」」

夏侯惇、夏侯淵隊の加勢により元の勢いを取り戻す張遼隊

夏侯惇隊も夏侯淵隊の援護射撃によりさらに勢いを増す

しかし

秋蘭「姉者！！！！前に出すぎだ！！！！それでは援護が出来ん！！！！！」

春蘭「うおりゃあああああああああああああ！！！！！！チェ～～～～ストーーーーーーーーーーーーーーーーー！！！！！！」

ドゴーーーーーーーーーーン！！！！ドガーーーーーーーーーーーーーン！！！！！バガーーーーーーーーーーーーーン！！！！！

完全に冷静さを失いただひたすらに五胡兵を切り崩していく春蘭

その時

シュバッ！！

ドスッ！！

春蘭「ぐっ！！！ぐあああああああああああああああああああああああっっ！！！！！！！」

霞「春蘭！！！！！！？？？」

鈴々「春蘭お姉ちゃん！！！！？？」

純夏「ちょっ！！！？？春蘭！！！！？？」

秋蘭「姉者ぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー！！！！！！！」

五胡の放った矢が左目に突き刺さり蹲る春蘭

秋蘭「姉者っっっっ！！！！！大丈夫か姉者ああああああああああぁっ！！！！」

霞「しっかりせい！！！！春蘭！！！！」

春蘭「ぐ、ぐううううう・・・・・・・・」

鈴々「春蘭お姉ちゃん！！！！」

純夏「ちょっと！！！！？？なにくらってんのよ！！！！？？」

左目に突き刺さった矢を握り苦痛の声を上げる春蘭に霞と秋蘭と鈴々と純夏が駆けつける

猛将夏侯惇が負傷し魏、呉、蜀の兵士達の士気に陰りが見えた

しかし

春蘭「ぐああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ！！！！！！！！」

ブシュウウウウウウウウウウウウッ！！

霞「ちょっ！！！！？？なにやっとんねん！！！！？？」

鈴々「にゃにゃっ！！！！？？」

純夏「そんな無理やり引っこ抜いても出血が酷くなるだけよ！！！！」

秋蘭「姉者っ！！！！姉者ああああああああああああああああああああああ！！！！！」

心からの叫び、渾身の力と気合で左目に刺さった矢を自分の目ごと抜き放つ春蘭

噴出す血潮は、五胡の血と共に大地を赤く染め上げる

だれもが春蘭戦線離脱を予感する

しかし

春蘭「天よ！！！！地よ！！！！そして兵士達よ！！！！！よく聞けぇーーーーーーーい！！！！！我が精は父から、我が血は母より頂いたもの！！！！！そしてこの五体と魂、今は全て華琳様！！！！・・・・・そして北郷一刀のもの！！！！断り無く捨てるわけにも失うわけにもいかぬ！！！！我が左の眼、永久に我と共にありいいいいいいいいい！！！！！！！」

そう言い放つと春蘭は抜き放たれた自らの左目の眼球飲み干す

「「「「「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお！！！！！！！！！！！！！！！！」」」」」

その苛烈なまでの春蘭の姿に三国の兵士達はたちまち精力全開

一気果敢に五胡へ突貫していった

霞「春蘭・・・・・」

純夏「嘘・・・・・でしょ・・・・・」

鈴々「た、食べちゃったのだぁ・・・・・」

秋蘭「・・・・・・・・・・」

呆然として立ち尽くす霞、鈴々、純夏、秋蘭

春蘭「何をしているお前達！！！！！こんな程度で臆するな！！！！一刀は全身に矢を浴びるまで戦ったんだぞ！！！！目玉の一つくらいなんてこと無い！！！！」

秋蘭「あ、姉者・・・・・せめて左目の手当てを！！！」

そう言い、秋蘭は自らの服を破り震える手で春蘭の左目に包帯のように巻いてあげた

春蘭「ありがとう秋蘭・・・・・お前達！！！！一刀の敵を討つ！！！！これは聖戦なりいいいいいいいいいいいいいい！！！！！」

霞「おうっっっ！！！！！いっくでーーーーーーーーーーーーーー！！！！」

鈴々「やってやるのだーーーーーーーーーーーーーーー！！！！！」

純夏「一刀をあんな目に合わせたやつらに天誅をくれてやる！！！！！」

秋蘭「委細承知！！！！！」

雫「（神様！！！どうか一刀様を助けて下さい！！！神様！！！）」

朱里「（ご主人様！！！神様！！！ご主人様をお救い下さい！！！）」

雛里「（ご主人様ぁぁぁぁぁぁ！！死んじゃいやでしゅ～～～～～！！！）」

百合「（神様！！！どうか一刀君に祝福を！！！）」

一刀の治療が続けられる天幕に水鏡塾の４人が跪いていた

雫は、折れた忠久の刀身を胸に抱きしめ朱里と雛里と百合も雫の手を取り必死で祈っていた

雫＆朱里＆雛里＆百合「「「「（わたしはどうなってもかまいません！！！どうか一刀（ご主人）様（君）を助けてください！！！）」」」」

水鏡塾の門下生4人はただただひたすらに祈っていた

雪蓮「三国の将兵よ！！！わが朋友達よ！！！我らは父祖の代より受け継いできたこの土地を守ってきた！！！だが！！！！今、愚かにもこの地を欲し、無法にも大群で押し寄せてきた一団がいる！！！敵は卑劣にも、我ら三国の恩人！！！！天の御遣い！！！！英雄王！！！！この国の守護神！！！！そして、我が夫、北郷一刀を傷つけた！！！！やつらの卑劣な侵略を勇敢に防ぎ、力尽きた我が夫は瀕死の重傷を負った！！！！しかし案ずるな！！！！我が夫、北郷一刀はあれくらいでは死なない！！！！きっとあの優しい笑顔をまた我らに見せてくれるだろう！！！！しかし！！！われらもこのままただでこの蛮族どもを帰すわけには行かない！！！！我ら三国の恩人の回復を早くするためにも、この薄汚い蛮族どもを生贄に捧げるのだ！！！！我が身、魂魄となりて永久に北郷一刀と共に在らん！！！！我が魂魄は盾となり北郷一刀を守らん！！！！我が魂魄は矛となり、北郷一刀の敵を打ちこらそう！！！！勇敢なる三国の将兵達よ！！！！その猛けき心を！！！！その誇り高き振る舞いを！！！！その勇敢なる姿を我に示せ！！！！」

　　　　　　　　　　　（あなたはまだ、死ぬべき人じゃない）

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（許すも許さないも無いよ）

（俺は、もともと強い人間でもなんでもない、ごく普通の一般人だよ）

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（雪蓮、俺が今まで、何千、何万、何十万人殺してきたと思う？）

　　　　　　　　　　　　　　　（俺の勝ちだな、雪蓮）

雪蓮「（一刀ぉ・・・・・）」

つぎつぎと脳裏に浮かぶ一刀との思い出

雪蓮「三国の将兵よ！！！！我が友よ！！！！愛すべき仲間よ！！！！愛しき民よ！！！！この孫伯符も、命を燃やしこの卑劣な蛮族共を打ち滅ぼそう！！！！天に向かって叫べ！！！！心の奥底より叫べ！！！！己の誇りを胸に叫べ！！！！その雄たけびと共に、この蛮族共の屍を越えていけ！！！！・・・・・総員・・・・・かかれえええええええええええええええええええええええええ！！！！！！！！！！！！」

「「「「「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお！！！！！！！！！！！！」

穏「みんなやっちゃえ～～～～～！！！！一刀さんを傷つけた不届き者に天誅をあげちゃえ～～～～～～～～～～～！！！！！」

詠「全軍突撃！！！！！！五胡のやつらを皆殺しにしなさいーーーーーーーーーーーーーー！！！！！！」

風「よくもお兄さんをやってくれましたね・・・・・この筋肉達磨共は・・・・・死んじゃえなのですーーーーーーーー！！！！！」

亜莎「一刀様・・・・・・一刀様・・・・・・っっっっ！！！・・・・・皆！！！頑張れ！！！一刀様の治療が少しでも早く進むように！！！！この蛮族達をこの国から追い出して一刀様を安心させて差し上げましょう！！！！！！」

桂花「あんた達なんか、あんた達なんか・・・・・・死ねーーーーーーー！！！！！死になさいーーーーーーー！！！！！」

杏奈「皆さん！！！！ご主人様の恨みを晴らします！！！！全軍突撃！！！！！」

稟「一刀殿・・・・・わたしは・・・・・あなたを目標としてきたのに・・・・・なのに・・・・・全軍突撃！！！！！下賎な蛮族に天の裁きを！！！！！！」

音々音「よくもやってくれましたねーーーー！！！！！この筋肉妖怪共はーーーー！！！！！死ね死ね死ねなのですーーーー！！！！！！」

冥琳「全将兵に告げる！！！！この外道共に三国の将兵の力を見せ付けてやれ！！！！！見敵必殺！！！！繰り返す！！！！見敵必殺！！！！！」

思春「殺せ殺せ！！！！殺し尽くせ！！！！我らの怒りを蛮族共に叩きつけろ！！！！一刀を・・・・・我らの英雄王を穢した罪をその命で償わせろ！！！！その血を大地に吸い込ませ二度と三国に刃向かえないようにせよ！！！！」

星「主ぃ・・・・・我が名は趙雲子龍！！！！一身これ胆なり！！！！主の為にいざ参らん！！！！！！」

明命「邪魔者は殺してください！！！！一人として逃しては駄目です！！！敵に・・・・・一刀様を傷つけた奴らに！！！この世の地獄を味わわせてやるのです！！！！」

紫苑「よくもご主人様を！！！はああああああああああああああああああああああああ！！！！！！」

七乃「～～～～～っ！！！！このおおおおおおおおおお！！！！！わたし達の夫をよくも傷付けましたねえええええええええ！！！！！」

彩「やりおったな貴様ら！！！！！！その罪どのようなことをしても贖い切れん！！！！！貴様らは煉獄行きだあああああああああ！！！！！」

麗羽「この図体だけの油虫は・・・・・容赦しなくってよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお！！！！！」

斗詩「このおおおおおおおおおおおおお！！！！！！ご主人様を！！！！よくもご主人様をおおおおおおおおお！！！！！」

猪々子「よくも兄貴をやりやがったなああああああああああ！！！！どりゃああああああああああああああああああ！！！！！」

小蓮「このおおおおおおおおおおおおおおお！！！！！わたしの旦那様になにしてくれるのよおおおおおおおおおお！！！！！」

みい「にゃ～～～～！！！！！なんばんのへいのちからをみせてやるにゃ～～～～～！！！！！！おにいの敵討ちにゃ～～～～～！！！！！」

ミケ＆トラ＆シャム「「「行くにゃ～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～！！！！！」」」

桔梗「くらいやーーーーーーーーーーーー！！！！！お館様をよくも・・・・・・よくもーーーーーーーーーーーーーーー！！！！！」

焔耶「お館をよくも！！！！！どっせーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーい！！！！！！！」

蓮華「進め進め進め進め進めーーーーーーーーーーーーーーー！！！！！蛮族どもを血祭りにあげよ！！！！三国の恩人を・・・・・・一刀の血を！！！やつらの血で償わせよ！！！！殺し尽くせ！！！！腐った魂を持つ下種共を！！！その血を三国の大地に吸い込ませるのだ！！！！贖え！！！！やつらの体内に流れる血で！！！！わたし達の夫の命を贖わせるのだ！！！！」

白蓮「白馬隊！！！！突撃だ！！！！五胡の奴らを揉み潰せーーーーーーーーーーーーーーーーーー！！！！！」

翠「やりやがったなてめーーーーら！！！！！！吹っ飛びやがれーーーーーーーーーーーー！！！！！」

祭「一刀よ！！！逝くな！！！ワシは皇蓮の時のようなことはもう二度と御免なのじゃぞ！！！！・・・・・黄蓋隊に告げる！！！！一兵たりとも敵を逃がすな！！！みなみな殺し尽せ！！！！良いか！！！！敵兵の耳を削げ！！！鼻をもげ！！！目玉をくりぬき、喉を貫け！！！！敵の亡骸を踏みにじり、三国の怒りを天に示めせ！！！我らが英雄王を傷つけた者達に、怒りを！！！哀しみを！！！憎しみを！！！見せ付けるのだ！！！！」

蒲公英「このーーーーーーーーーーー！！！！！よくもご主人様をーーーーーーーーーーーー！！！！！」

沙和「蛆虫共ーーーーー！！！！！目の前の人間の皮を被ったくそ蛆虫を駆逐するのーーーーー！！！！！隊長を傷つけた罪を償わせるのーーーーーーーーーー！！！！！！」

真桜「おのれらあああああああああああああああ！！！！！よくも隊長をやってくれたなあああああああああああああ！！！！！」

「「「「「GUOAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA！！！！！！！」」」」」

雪蓮の鼓舞に、三国の軍師、将兵達、そして彼女達が鍛え上げた精鋭達が呼応し次々と五胡兵を蹴散らしていく

桃香「（ご主人様！！！約束したよね！！！死なないって！！！だからご主人様は死なない！！！これからもわたし達と一緒に生きていく！！！そうだよね！！！ご主人様！！！）」

華琳「（一刀！！！こんなものが償いだなんて、わたしは認めないわよ！！！！）」

美羽「（一刀～～～～～！！！死にたもう事なかれなのじゃ～～～～～～！！！）」

聖「（一刀・・・・・お願いです！！！劉弁兄上！！！一刀を守ってください！！！兄上！！！）」

桃香と華琳は、忠久の鞘を握り締め、美羽と聖は忠久の柄を握り一刀の無事を祈り続けた

季衣「うわあああああああああん！！！！！お前らあああああああああ！！！！よくも兄ちゃんをおおおおおおおお！！！！！」

流琉「このおおおおおおおおおおおお！！！！！よくも兄様をおおおおおおおおおおおおおおお！！！！」

怒轟御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御音！！！！！

怒我亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜庵！！！！！

「「「「「GUHOAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA！！！！！！！」」」」」

曹操孟徳親衛隊隊長と後の世に悪来と呼ばれるその存在

怪力無双と呼ばれるこの小さき戦士達は岩打武反魔と伝磁葉々で五胡兵をつぎつぎと吹き飛ばしていく

愛紗「・・・・・・・・・・」

愛紗は棒立ちで、戦場を歩いていた

「「「「「OOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOO！！！！！」」」」」

そんな愛紗に五胡兵達は容赦なく襲い掛かる

愛紗「・・・・・・・・・っ」

ドッカーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン！！！！

「「「「「UOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOO！！！！？？」」」」」

しかし、愛紗は棒立ちのまま青龍堰月刀を振りかざし、五胡兵を吹っ飛ばす

愛紗「・・・・・わたしは・・・・・嘘吐きだ・・・・・」

ズバンッ！！　ザバッ！！　　ザンッ！！　　　ドッカーーーーーーーーーーーーーーーーン！！！

うつろな瞳で次々と五胡兵を切り捨て吹き飛ばす愛紗

愛紗「この身に代えても・・・・・ご主人様を守ると・・・・・約束したのに・・・・・誓ったのに・・・・・」

後に関帝聖君、軍神と称えられる関羽雲長

愛紗「貴様ら・・・・・貴様らああああああああああああああああああああああああああああああああ！！！！！」

バガーーーーーーーーーーーン！！！　　ドゴーーーーーーーーーーーン！！！　　ズバシーーーーーーーーーーーーン！！！

「「「「「GUOAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA！！！！！」」」」」

愛紗「誰一人として生かしては帰さん！！！！我が正義の鉄槌をその身で受けろおおおおおおおおおおおおおおおおおお！！！！！」

後の世に神として崇められるその存在は、武神となりて五胡兵を蹂躙していく

凪「・・・・・よくも」

ドガッ！！！

五胡「ＧＯＧＹＵ！！！」

凪「・・・・・よくもやってくれたな」

ゴガゴガ！！！バキバキ！！！ガシィッ！！！バキッ！！！

「「「「「GOHUGA！！！！」」」」」

凪「師匠を・・・・・」

ベキベキッ！！！グシャッ！！！ゴキッ！！！べキャべキャッ！！！

「「「「「GOGYUAAAAAAAAAA！！！！」」」」」

凪「一刀様を・・・・・・」

ガンッ！！！バシッ！！！ゴキンッ！！！ドガンッ！！！ボコボコッ！！！ドゲシッ！！！ボカッ！！！ドゴンッ！！！

「「「「「GUGIAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA！！！！！」」」」」

凪「隊長を・・・・・・」

バシッ！！！ガキィッ！！！ガシィッ！！！ボコンッ！！！バシバシッ！！！ゴキッ！！！メキャキャキャ！！！ゴキッ！！！ゴキャッ！！！ドゴンッ！！！

「「「「「GUGYAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA！！！！！」」」」」

北郷一刀の一番弟子、楽進文謙は北郷流無刀術で五胡の急所を打ち砕き確実にしとめていく

空手のパワー、柔術の体捌き、忍術のスピード

それらが一体となって凪の格闘術をもう一つ上の次元へと押し上げていく

素手でどう効率的に人を殺すか

それだけを徹底的に極めた無刀術で凪はひたすらに五胡の大群をただの肉の塊へと変えていく

凪「～～～～～～～っ・・・・・ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ！！！！！！！！！」

ドガーーーーーーーーーーーン！！！ボガーーーーーーーーーーーン！！！チュドーーーーーーーーーーーーーーーーン！！！！

凪は、特大の氣弾を五胡に向けて撃ちつける

氣弾による砂塵が晴れると、そこにはまるで空襲によってできたような痕がのこり、五胡兵達はミンチになっていた

凪「殺す！！！！！みなみな殺してやる！！！！！ここで全員地獄に送ってやるううううううううううううううううううう！！！！！！」

嵐「でりゃああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ！！！！！！！！」

怒轟御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御音！！！！！

「「「「「GUHAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA！！！！！」」」」」

嵐は、ひたすらに金剛爆斧を地面に振り下ろす

その衝撃によって五胡兵達は、まるで藁人形のように宙を舞う

その強さは、一刀の金剛刀を振るう恋と同等かそれ以上

かつて一刀に貰った真名

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　嵐

その名に相応しい疾風怒濤の一撃が五胡兵を瞬く間にあの世へと誘う

嵐「貴様らだけは許さん！！！！我が戦斧の錆となれえええええええええええええええええええええええええええ！！！！！！」

徐栄「（隊長・・・・・隊長はわたしが守ります、もう二度と誰にも傷付けさせません・・・・・ですから隊長！！！生きていてください！！！」

張済「（兄上はきっと助かります・・・・・死ぬなんてありえません・・・・・認めません・・・・・）」

徐栄と張済は後から来た北郷隊を率い、一刀の天幕の周りを完全に固めていた

その瞳には、誰もここを通さないという気迫がひしひしと伝わってきていた

一刀の天幕を中心に半径１里を埋め尽くす北郷隊兵士達も心の中で一刀の無事を祈りながら盾を握り締めるのだった

悠「おりゃあああああああああああああああああああああああああああああああああああああ！！！！！！！！」

シュバババババババババババババババババババババババババババババババババババ！！！！！！

ブシュウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウ！！！！！！

「「「「「GUGYAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA！！！！！」」」」」

鉤爪風月を振るい五胡の兵団を切り裂き続ける悠

まさに圧巻、悠が素通りした途端に五胡のあらゆる急所から血が噴出し辺りを真っ赤に染めていく

一刀との鍛錬によりさらにスピードの上がった俊足は、一刀と凪の縮地のそれと大差ない

その姿は、史実の負けっぱなしな残念将軍の面影など何処にも無かった

まさに一騎当千

万夫不当

疾風迅雷

悠「一刀の仇いいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい！！！！！！！」

シュビビビビビビビビビビビビビビビビビビビビビビビビビビビビビビビビビビビビビビビビビ！！！！！！！

「「「「「UOOOOOOAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA！！！！！」

その姿はまさに鬼神だった

菖蒲「一刀様を・・・・・よくもおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお！！！！！！」

ズバンズバンズバンズバン！！！！！

「「「「「GUGYA！！GYAHA！！GUHAAAA！！GOGYU！！！」」」」」

その両手に携えた大斧を血で染め上げながら、五胡を一刀両断にしていく菖蒲

菖蒲「ようやく・・・・・ようやく男の人が好きになれたのに・・・・・ようやく平穏な日々を一緒に過ごせると思っていたのに・・・・・」

史実の魏の五大将軍の一人、徐晃公明

菖蒲「おまえ達に明日は無い！！！！ここで朽ち果てろおおおおおおおおおおおおおおお！！！！！」

銀髪の戦姫が戦場を駆ける

葵「てめえええええらああああああああ！！！！！！この俺の夫になにしてくれるんだあああああああああああ！！！！！」

怒我亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜庵！！！！！

「「「「「ＧＵＧＹＡＡＡＡＡＡＡＡＡＡＡＡＡＡＡＡＡＡＡＡＡＡＡＡＡＡＡＡＡＡ！！！！！」」」」」

かつて、孫堅と同等の実力を誇り五胡の大群を一騎で止めた涼州筆頭

その強さは恋と同等かそれ以上

葵「我は涼州筆頭馬寿成なり！！！！てめえらの記憶に刻み付けてやる！！！！！」

愛刀戦皇刀姫を振りかざし、五胡を瞬く間に蹂躙する

零「・・・・・なんで？」

バキバキ！！！

五胡兵「ＧＯＧＹＡ！！！」

零「・・・・・どうして？」

ボキボキ！！！

五胡兵「GUGOGA！！！」

鉄扇、黒翼乱舞による舞は次々と五胡の骨を折り、ひしゃげ、砕く

零「ようやく・・・・・見つけたのに・・・・・・」

思い出すのは、許昌で一刀と手を繋いだあの日

（握手だよ、俺のいた所では互いに手を繋いで信頼の証や互いの健闘を祈る習慣があるんだ）

救われたような気がした、あの手に、あの笑顔に

（改めてよろしくな、零）

零「（あの手が・・・・・あんなにぼろぼろに・・・・・）」

（これからも俺を支えてくれ、司馬懿仲達・・・・・いや・・・・・零）

零「っっっっ！！！よくもわたしのご主人様をおおおおおおおお！！！！！わたしの居場所を壊したわねえええええええ！！！！！」

史実では諸葛亮孔明に匹敵する大軍師、司馬懿仲達

晋の国を創設し、事実上天下を手中に収めたその軍師は、一騎当千の将となりて五胡兵を叩き潰していく

月「（ご主人様、ご主人様、ご主人様、ご主人様ぁ・・・・・きっと助かりますよね・・・・・ご主人様は死んだりしませんよね・・・・・ご主人様ぁ）」

月は一刀の龍滅金剛刀の鞘を抱きしめ、必死で祈っていた

恋「（ご主人様・・・・・恋・・・・・ずっとここにいる・・・・・もうご主人様の傍を離れない・・・・・絶対離れない・・・・・だから居なくならないで・・・・・ご主人様ぁ・・・・・）」

恋は龍滅金剛刀を抱きしめ、一刀の治療が行われる天幕の入り口でご主人様の無事を祈っていた

華佗「（一刀！！！お前に子供が出来たんだぞ！！！なのに死ぬのか！！！？そんなこと許さないぞ！！！一刀！！！）」

柊「（一様！！！なんて・・・・・なんて酷い！！！）」

雛罌粟「（こんなに矢が！！！ご主人様！！！大丈夫です！！！すぐに直してあげますからね！！！）」

天幕内で、必死に一刀の治療をする華佗、柊、雛罌粟

矢を一本引き抜き、それと同時に五斗米道で瞬時に治療を施す

しかし、五斗米道はあくまで人の回復力の手助けをするだけの治療法

五胡との戦いで、体力気力共に尽きている一刀

華佗「（頼む一刀！！！死ぬな！！！お前に子供が出来たんだぞ！！！ここで死んだら、お前は完全に親失格だ！！！）」

柊「（お願い一様！！！いろんなことを教えてくれるって約束したじゃないですか！！！）」

雛罌粟「（ご主人様！！！雛を置いて行かないで！！！まだご主人様にいっぱい教えてもらいたいことがあるのに！！！）」

三人は一刀の生命力を信じて、必死で治療を続けるしかなかった

その後、三国の将兵達は見事五胡の兵団をこの国から追い出した

今回の戦で、この国に攻め込んできた五胡の数は500万

その内の１００万は長安の北郷隊に討たれ２０万は一刀に斬られ、300万は三国の将兵によって討たれた

今回の戦に参加した三国の兵士の数は50万

その内の20万人が戦死

長安を守っていた北郷隊の内、生き残ったのは徐栄を含め僅か85人だった

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　そして、北郷一刀

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　戦死、享年２３

恋「ご主人様ぁ・・・・・ご主人様何処ぉ・・・・・・」

恋は、一刀の龍滅金剛刀を抱きしめながら、長安の城内を徘徊していた

一刀の気配を求めて、ご主人様の姿を探して

その姿は、捨てられた子犬同然だった

恋「ご主人様ぁ・・・・・ぐっす・・・・・恋を一人にしないでぇ・・・・・」

頭の触覚を振りたくり、グシャグシャな顔で滝のように涙を流しながら必死で一刀の気配を探す恋

恋「もう我侭言わないからぁ・・・・・ぐすっ・・・・・ちゃんと言う事聞くからぁ・・・・・だからぁ・・・・・」

そして、長安の中庭に差し掛かって、恋はおぼろげだが確かに光るものを見つけた

恋「？・・・・・あ」

その光は、少しずつ集束していき一つの場所に集まる

そして

？？？（・・・・・恋）

恋「・・・・・・・・・・・？」

その光が自分に呼びかけている

？？？（・・・・・恋、こっちにきてくれ）

恋「っ！？」

その声に聞き覚えがあったので、恋はその光の下へと駆け寄った

恋「ご主人様！！？」

そして、その光の中から一刀の姿が現れる

しかし

恋「・・・・・ご主人様？」

そこには何の気配もなかった

まるで、そこに居る一刀が幻であるかのように

一刀（ごめんな・・・・・恋・・・・・生きて恋の前に立てなくて）

恋「ご主人様！恋もそっちに行きたい！恋も連れて行って！」

一刀（・・・・・駄目だ、恋はまだ生きているんだろう？ならちゃんと生きないと駄目だ）

恋「・・・・・ご主人様ぁ・・・・・恋はどうすればいいのぉ？・・・・・恋、これから何をすればいいのぉ？」

一刀（・・・・・好きなことをすればいいさ、恋の望むままに・・・・・どこまでも）

恋「ご主人様ぁ・・・・・」

一刀（金剛刀は恋にやる、好きに使ってくれて構わないよ）

恋「・・・・・・・・・・」

一刀（本当にごめんな恋・・・・・生きていられなくて・・・・・本当に・・・・・・・・・・）

恋「あ！？ご主人様ぁ！！」

それを最後に、一刀は消えていった

恋は、一刀から舞い落ちる白い羽と黒い羽を見たような気がした

恋「・・・・・ご主人様ぁ・・・・・」

長安玉座の間

五胡兵をこの国から追い払った一同は、一刀の安否が心配でここに戻ってきていた

しかし、一同を迎えたのは、完全に冷たくなった一刀だった

桃香「ううぅ・・・・・ぐっす・・・・・えっぐ・・・・・ご主人様ぁ・・・・・」

華琳「・・・・・・・・・・」

雪蓮「こんな・・・・・こんなこと・・・・・」

蓮華「一刀！！！わたし髪を切ったのよ！！！それに出来たのよ！！！あなたとわたしの赤ちゃんが！！！だから目を開けて！！！わたしを見て！！！お願い一刀！！！」

愛紗「ご主人様！！！ぐっす・・・・・うっぐ・・・・・どうか目を開けてください！！！」

雫「どうして・・・・・なぜわたしは一刀様を一人にしてしまったの？・・・・・これじゃあ何も変わっていない・・・・・連合の時と何も変わっていない・・・・・一刀様ぁ・・・・・」

百合「一刀君・・・・・一刀君・・・・・起きて・・・・・ねぇ・・・・・一刀君・・・・・」

聖「一刀ぉ・・・・・葵ぃ・・・・・一刀が起きてくれないのぉ・・・・・葵なら起こせるかもしれない・・・・・一刀を起こしてぇ・・・・・葵ぃ・・・・・」

葵「～～～～～～～っ・・・・・聖様ぁ・・・・・」

月「ご主人様ぁ・・・・・うう・・・・・ぐっす・・・・・ご主人様ぁ・・・・・」

詠「なんで？・・・・・どうして？・・・・・うあああああああああ・・・・・」

凪「どうか目を開けてください！！！一刀様！！！うわああああああああああああああああああああん！！！！」

柊「ごめんなさい・・・・・わたし達の力が足りなかったばかりに・・・・・ごめんなさい・・・・・」

雛罌粟「申し訳・・・・・ありません・・・・・わたし達がついていながら・・・・・」

死体となった一刀を取り囲んで、一同は全員大粒の涙を流していた

桂花「風！！！稟！！！戦の準備よ！！！！五胡の存在をこの世界から消してやるわよ！！！！」

風「はいです！！！お兄さんを亡き者にした罪は人の歴史上最大の罪なのです！！！！」

稟「春蘭殿！！！五胡討伐の筆頭に立ってください！！！！あなた無しでは五胡を根絶やしにすることはできません！！！！」

春蘭「当たり前だ！！！！これほどのことをされて黙っていられるか！！！！やつらの領土に攻め入ってなにもかもを駆逐してやる！！！！」

秋蘭「姉者！！！！わたしも手伝う！！！！だがその前に傷の手当てだ！！！！」

春蘭「こんなものなんでもない！！！！一刀に比べたら、こんなもの蚊に刺された程度だ！！！！」

季衣「春蘭様！！！！僕も行きます！！！！兄ちゃんの敵を絶対討ってやります！！！！！」

流琉「わたしも！！！！わたしも連れて行ってください！！！！！」

悠「奴らの腸を引き裂いてやるぜ！！！！！」

零「ご主人様の仇、なんとしてでも討つ！！！１０日以内に五胡の血をこの世から消してみせるわ！！！！！」

霞「おう！！！！やったるでーーーーーーーー！！！！！」

嵐「この戦斧を五胡の血で赤く染めて見せよう！！！！！」

菖蒲「絶対・・・・・絶対奴らを許しません！！！！！」

焔耶「お館の敵討ちだ！！！！」

桔梗「我が豪天砲で全てを無に返してくれよう！！！！」

思春「五胡の奴らを黄泉路へと誘ってやる！！！！」

明命「やつらを冥府へ送ってやります！！！！」

純夏「燃え散らす・・・・・一刀を殺した奴らを我が火炎で燃え散らす！！！！」

祭「一刀の弔い合戦じゃ！！！！全兵力を持ってしてやつらの息の根を止めてくれる！！！！」

穏「よくも一刀さんを・・・・・・絶対絶対絶対許さないのです～～～～～～～～！！！！！」

亜莎「わたくしも・・・・・ぐすっ・・・・・一刀様の敵が・・・・・えっぐ・・・・・討ちたいです・・・・・」

思春「雪蓮様！！！ご命令を！！！我らに五胡討伐のご命令を！！！」

雪蓮「もちろんよ！！！冥琳！！！！！」

冥琳「分かっている！！！我が知略の全てをもってしてやつらを根絶やしにしてやる！！！！」

沙和「沙和も手伝うの～～！！！五胡のくそったれ共に北郷隊の力を見せてやるの～～！！！」

真桜「ウチの螺旋であの筋肉怪人共を挽き肉にしたるで！！！！！」

桃香「朱里ちゃん、雛里ちゃん・・・・・わたし・・・・・どうしたらいいんだろう？」

朱里「・・・・・桃香様」

雛里「桃香様？」

桃香「わたしの国では、もう敵討ちをしちゃいけないんだよね・・・・・」

朱里「・・・・・・・・・・」

雛里「・・・・・・・・・・」

桃香「でも、わたし・・・・・五胡の人達が憎い・・・・・憎くて憎くてしょうがない・・・・・」

朱里「・・・・・・・・・・」

雛里「・・・・・・・・・・」

桃香「心の中に、黒いものが広がっていくのが分かる・・・・・それが止まらないの・・・・・どうしたらいいんだろう・・・・・」

朱里「・・・・・・・・・・」

雛里「・・・・・・・・・・」

愛紗「桃香様・・・・・何も悩む必要はありません」

桃香「愛紗ちゃん・・・・・」

愛紗「そんな法案など、無視すればいいんです！！！」

紫苑「そうです！！！夫の敵も討たないで何が妻ですか！！！？」

鈴々「鈴々も、お兄ちゃんの敵を討ちたいのだ！！！」

翠「ご主人様の弔い合戦！！！必ず成し遂げてやるぜ！！！」

愛紗「我ら五虎将は、桃香様の望みを叶える為に存在するんです！！！」

蒲公英「蒲公英も頑張っちゃうんだから～～～！！！」

みい「やってやるにゃ～～～～～～～～～！！！！！！」

ミケ＆トラ＆シャム「「「にゃ～～～～～～～～～！！！！！！！」」」

桃香「・・・・・・・・・・」

愛紗「星！！！お前も来い！！！五胡のやつらに蜀の五虎将の力を見せ付けてやるぞ！！！」

星「・・・・・・・・・・」

桔梗「どうしたというのだ！！？星！！！」

焔耶「星！！！どうして黙っているんだ！！！？お館を殺されて悔しくないのか！！！？」

白蓮「そうだ！！！どうして何も言わないんだ！！！？星！！！」

星「・・・・・・・・・・」

星は迷っていた

かつて一刀が言っていた言葉が頭の中で連想されていく

『そして樊城の戦いの後、呉への報復として夷陵の戦いというものが起き、その戦いで張飛に黄忠が立て続けに死んでしまうんだ』

『その戦いには劉備本人も参戦しているんだけど・・・・・その後劉備は、自分の我が侭で多くの仲間を死なせてしまったことを悔み、白帝城にてこの世を去る』

星「～～～～～～～～～～っ！！」

星は激しく歯軋りをした

ここで愛紗達の意見に賛同してもいいのだろうか

ここに来て五虎将どころか、他の将達が犠牲になる事になれば一刀の言っていた歴史の二の舞になってしまう可能性大だ

それこそ、一刀のやってきた事が水泡に帰す事になってしまうのだ

しかし、一刀の敵を討ちたいという気持ちは星も同じだった

星「（主・・・・・わたしは、どうしたらいいのですか？・・・・・教えてくだされ、主ぃ・・・・・）」

一刀の敵を討つという意見が大半を占める玉座の間

そこに

恋「・・・・・・・・・・」

音々音「おお恋殿！！どこに行っていたんですか！！？」

一刀の金剛刀を携え、恋が入ってきた

蒲公英「ご主人様の敵討ちにいくよ！！！恋！！！」

杏奈「恋さん！！！行きましょう！！！！」

悠「五胡の奴らに目に物見せてやろうぜ！！！！恋！！！！」

祭「共に行こうぞ！！！！恋！！！！」

蓮華「恋！！！！天下無双の力を五胡のやつらに見せ付けてやって！！！！」

恋「・・・・・・・・・・」

音々音「・・・・・恋殿、どうしたのですか？」

恋「・・・・・恋・・・・・」

愛紗「どうしたんだ？恋？」

恋「恋・・・・・行かない」

「！！！！？？」

一同は恋の言葉に耳を疑った

この中でも特に一刀に心酔している一人の恋の言葉とは思えなかった

音々音「な・・・・・何を言っているんですか？恋殿」

小蓮「恋！！！一刀を殺されて悔しくないの！！！？」

恋「・・・・・悔しい」

春蘭「一刀を殺したあやつらが憎くないのか！！！？恋！！！！」

恋「・・・・・憎い」

冥琳「ではいいではないか！！！一刀の龍滅金剛刀でやつらに地獄を見せてやれ！！！」

恋「・・・・・でも・・・・・・恋・・・・・行かない・・・・・」

月「・・・・・いったいどうしたんですか？恋さん・・・・・」

恋「・・・・・ご主人様・・・・・戦い・・・・・嫌いだった・・・・・」

「・・・・・・・・・・」

恋「ご主人様・・・・・言ってた・・・・・殺し合い・・・・・憎しみ合い・・・・・嫌いだって・・・・・」

「・・・・・・・・・・」

恋「だから・・・・・恋・・・・・行かない・・・・・」

春蘭「～～～～～～っ！！分かった、もう頼まん！！！！腰抜けは必要ない！！！！」

音々音「なっ！！！？恋殿は腰抜けじゃないのです！！！」

春蘭「腰抜けだろう！！！これが天下無双の飛将軍だと！！！！？自分の主の敵も討たずのうのうと生き長らえるやつが将であるものか！！！！」

音々音「・・・・・・・・・・」

華佗「静かにしろ・・・・・」

春蘭「華佗！！！お前は悔しくないのか！！！？お前と一刀の友情はそんな程度のものだったのか！！！？」

華佗「いいから静かにするんだ！！！！！！」

「・・・・・・・・・・」

華佗の怒声に玉座の間は静まり返る

華佗「静かにするんだ・・・・・一刀がゆっくり眠れない・・・・・」

涙を流しながら一刀の傍に寄り添い冷たくなった頬を優しく撫でた

雪蓮「何を言ってるの？華佗・・・・・」

華佗「なぁ、一刀ぉ・・・・・お前は満足したのか？・・・・・悔いは残さなかったのか？・・・・・」

華琳「いったい・・・・・何を言ってるの？・・・・・」

そして、涙を拭きながら立ち上がり、華佗は一同に向かって言葉を紡ぎだした

華佗「・・・・・俺は、一刀との約束を果たす・・・・・みんな、俺の話を黙って聞いて欲しい・・・・・」

華佗「・・・・・・・・・・という事なんだ」

「・・・・・・・・・・」

一同は愕然とした

一刀の寿命が残り五年だったこと

回天丹田が寿命を縮める技だということは知っていた

一刀の寿命も、いくらか減っているであろうこともある程度予測していた

しかし、残りの寿命を聞くことは恐ろしくてできなかった

それゆえに一刀の寿命について触れることは、一同にとって最大のタブーだったのである

だが、現実は彼女達が考えている以上に残酷だった

愛紗「そんな・・・・・華佗殿は何をしていたのだ！！！？」

蓮華「そうよ！！！あなたは、この大陸一の名医なんでしょ！！！？？どうして一刀を助けてくれなかったの！！！？」

華佗「あらゆる手を尽くした・・・・・だがどうにもならなかったんだ・・・・・すまない・・・・・」

「・・・・・・・・・・」

葵「・・・・・俺は知っていたよ」

華佗「葵さん！？」

葵「俺は、一刀の寿命が残り五年だということを知っていた」

翠「何だって！！？」

蒲公英「おば様！！？それどういうこと！！？」

葵「俺が一刀に問い詰めたんだ・・・・・俺も聞いた時は愕然としたけどな・・・・・」

翠「そんな・・・・・どうして母さんにだけ・・・・・・」

蒲公英「何で、蒲公英達に教えてくれなかったの？・・・・・おば様・・・・・」

葵「ならお前達は耐えられたのか！！！？この真実を知って、その後一刀と普通に接する事が出来たっていうのか！！！？」

翠「・・・・・・・・・・」

蒲公英「・・・・・・・・・・」

華佗「これが一刀の気持ちなんだ・・・・・一刀は、自分がどんな選択をしようとも必ずお前達を悲しませてしまう・・・・・それが分かっていた・・・・・だから一刀は口を閉ざす事を選んだ・・・・・お前達に詫びながらな・・・・・」

「・・・・・・・・・・」

華佗「お前達は、いくらなんでも一刀に頼り過ぎた・・・・・もうここで一刀を休ませてやってもいいんじゃないのか？・・・・・」

「・・・・・・・・・・」

そして、その後の話し合いで五胡討伐は中止に決まった

河南

天和「みんな～～～～～♪盛り上がってきたね～～～～～♪」

「「「「「ほわ～～～～～～～～！！！天和ちゃんほわ～～～～～～～～～！！！！」」」」」

地和「次の曲で最後だけどくよくよしちゃだめよ～～～～～～～♪」

「「「「「地和ちゃ～～～～～～ん！！！！！ほわ～～～～～～～～～！！！！」」」」」

人和「最後まで付き合ってね～～～～～♪」

「「「「「ほわ～～～～～～！！！！ほわ～～～～～！！！！！人和ちゃ～～～～～～ん！！！！」」」」」

天和「それじゃあ最後の曲行ってみよ～～～～♪」

「「「「「ほわ～～～～～～～～～～～～～～～～～～～！！！！！！！」」」」」

ここでは張三姉妹による舞台公演が華々しく開かれていた

そして、最後の曲に移り観客の盛り上がりも最高潮に達しようとした

その時

「中止だ！！！！この舞台は中止だ！！！！」

天和「えっ！！！？」

地和「ちょっ！！！？」

人和「な、なに！！！？」

突然一人の兵士が舞台に踊り出て舞台の中止を呼びかけた

地和「ちょっと！！！？何勝手なこと言ってるのよ！！！あと１曲で終わりなんだから最後までやらせてよ！！！」

観客席からも『そうだそうだーーーー！！！』やら、『ひっこめーーーー！！！』やらのブーイングが殺到する

しかし、この兵士の次の言葉を聞いて会場は凍り付く

「北郷一刀様、五丈原に死す！！！繰り返す！！！天の御遣い北郷一刀様が五丈原にて戦死！！！！」

天和「・・・・・・・・・・え？」

地和「・・・・・・・・・・な？」

人和「い・・・・・今・・・・・なんて・・・・・」

「「「「「・・・・・・・・・・」」」」」

三姉妹も観客もこの兵士の言ったことが理解できなかった

地和「ち、ちょっと！！！？ふざけないでよ！！！あの一刀が死ぬなんてありえないわ！！！！」

兵士「間違いありません！！！かの英雄王は五丈原にて五胡と戦い、討ち死にされました！！！」

天和「そ、そんな・・・・・」

地和「か、一刀が・・・・・」

人和「う、嘘です・・・・・そんなこと・・・・・」

北郷一刀、五丈原に死す

後に、星落五丈原と呼ばれるこの報は、瞬く間に三国全体に響き渡る

成都

韓弾「そ・・・・・そんな・・・・・北郷様が・・・・・」

「嘘だ・・・・・そんなの・・・・・嘘だ・・・・・」

「そ、そうだ！！そんなの嘘に決まっている！！！」

「そうよ！！一刀様が死ぬなんてありえないわ！！！」

「こんな報でたらめよ！！！」

洛陽

陳寔「そんな・・・・・一刀殿が・・・・・」

荀爽「ま、間違いじゃ！！！何かの間違いであろう！！！？」

兵士「間違いありません！！！三国の王直々の申し立てであります！！！」

李膺「そんなことが・・・・・」

許昌

「な・・・・・嘘だろ・・・・・そんなことあってたまるか！！！」

「あの英雄王様が・・・・・・」

「嘘よ・・・・・北郷様が・・・・・」

「お願い！！！嘘って言って！！！」

司馬朗伯達「そんな・・・・・あの北郷様が・・・・・」

司馬孚叔達「姉さん！！！そんなことあるはずない！！！あの北郷様が死ぬなんて！！！」

司馬馗季達「そうよ！！！ありえないわ！！！お姉ちゃんが北郷様を死なせるなんて！！！」

司馬恂顕達「北郷様ぁ・・・・・」

司馬進恵達「おねぇ・・・・・なにやってるのよぉ・・・・・」

司馬通雅達「・・・・・・・・・・」

司馬敏幼達「北郷・・・・・様ぁ・・・・・」

天角

「嘘だーーーーーーーーーーーー！！！！！」

「そうだ！！！そんなことあるわけが無い！！！隊長が死ぬなんて！！！」

「一刀様が死ぬなんてありえないわ！！！」

「そうよ！！！一刀様は天の御遣い様なのよ！！！五胡なんかに殺されるなんてあるはずない！！！！」

時雨「・・・・・そんな・・・・・旦那様が・・・・・」

この報を聞き、時雨は体の芯から震え上がっていた

村長「落ち着くんじゃ！！時雨！！！こんな報でたらめにきまっておる！！！一刀殿が死ぬなどありえんわい！！！」

村長も、時雨を励ますも内心穏やかではいられなかった

時雨「そ・・・・・そうですよね・・・・・旦那様に限って・・・・・そんなこと・・・・・」

時雨は、なんとか心を落ち着けようとするが胸の中の劣等感を拭い去ることが出来なかった

しかし、後に大陸全ての者達は一刀死去の報が真実であることをまざまざと突きつけられる

このあまりに若い英雄王の死に、大陸中が沈んだという

そして、一同は一刀の死体を棺に入れ天角へと運んだ

時雨「旦那様！！！！！」

村長「一刀殿！！！！！」

天角に付くと同時に時雨と村長が一刀の入る棺に駆けつける

華琳「時雨・・・・・村長・・・・・」

雪蓮「・・・・・・・・・・」

桃香「・・・・・・・・・・」

三国の王達は申し訳ない気持ちで一杯だった

天和「一刀！！！！」

地和「嘘よね！！！一刀！！！！」

人和「一刀さん！！！！」

舞台を即刻中止し、大急ぎで天角へ来た天和、地和、人和も一刀の傍へ駆けつけた

時雨「そんな・・・・・ぐすっ・・・・・旦那様ぁ・・・・・旦那様ぁ！！！」

村長「天よ・・・・・このようなこと・・・・・あっていいのですか？・・・・・」

天和「一刀ぉ・・・・・嘘だよね・・・・・嘘だって言ってよ・・・・・一刀ぉ・・・・・」

地和「あんたは・・・・・ぐすっ・・・・・ちぃのまねーじゃーなんでしょ？・・・・・うっぐ・・・・・何死んだふりしてんのよぉ・・・・・起きなさいよぉ・・・・・」

人和「一刀さぁん・・・・・ひっぐ・・・・・一刀さぁん・・・・・」

５人は、完全に冷たくなった一刀を前にして一刀が死んだことが真実である事を理解した

そして

華琳「・・・・・本当に・・・・・ごめんなさい・・・・・」

雪蓮「急いで駆けつけたんだけど・・・・・間に合わなかったの・・・・・」

桃香「皆さん・・・・・申し訳ありません・・・・・」

三国の王達は天角の一同に心の底から謝った

しかし

時雨「みなさん・・・・・いったい何をしているんですか！！！？」

村長「お、おい！！！時雨！！！？」

華琳「・・・・・・・・・・」

雪蓮「・・・・・・・・・・」

桃香「・・・・・・・・・・」

時雨「旦那様が討たれたというのに、こんなところで何をしているんですか！！！？」

天和「そうだよ！！！！何で一刀の敵を討ちに行かないのよーーーーーー！！！！？」

地和「一刀がやられたっていうのに、悔しくないのーーーーーー！！！！？」

人和「ちょっと！！？姉さん達！！！」

華佗「一刀がそんなことを望むと思うか！！！！？？」

時雨「・・・・・華佗・・・・・さん？」

天和「華佗・・・・・」

地和「・・・・・・・・・・」

華佗「お前達は、今まで一刀の何を見ていたんだ！！！？一刀が一番嫌いだったのは戦争だ！！！」

「・・・・・・・・・・」

華佗「一刀は常に平和の為に動いていた、なのにここで一刀の敵討ちと称して戦争をしてみろ！！！さらに多くの犠牲者が出るんだぞ！！！」

「・・・・・・・・・・」

華佗「それに・・・・・見てみろ・・・・・一刀の顔を・・・・・」

時雨「え？」

天和「・・・・・・・・・・」

地和「・・・・・・・・・・」

時雨達が棺の中を覗き込むと

そこには、優しく微笑を浮かべた一刀がいた

それは、とても戦で死んだ人物とは思えないほど清清しく満足そうな笑みだった

華佗「こんな満足そうに死んでいくやつが、敵討ちなんて望んでいると思うのか？」

時雨「・・・・・ううぅ・・・・・旦那様・・・・・旦那様ぁ・・・・・うあああああああああああああああああああああ！！！！！」

村長「一刀殿ぉ・・・・・」

天和「一刀ぉ・・・・・」

地和「こんなの・・・・・ありなのぉ・・・・・」

人和「一刀さん・・・・・」

この時の天角では、一刀の死を悼むように、その死を嘆くように

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　時雨が降っていた

そしてその夜、天角では一刀の葬儀がひっそりと行われた

天角の住人が一人一人、手に松明を持ち一刀の行く道を赤く照らす

「ううううううう・・・・・北郷様ぁ・・・・・」

「隊長ぉ・・・・・隊長ぉ・・・・・」

「ぐすっ・・・・・一刀様ぁ・・・・・」

「どうしてこんなことになっちゃったのぉ・・・・・」

小雨の中、その全ての人達が一刀の死を悼み、大粒の涙を流していた

一刀は、四輪車に乗せられ天角の城へと運ばれていく

その傍らには折れた忠久、ズタズタのフランチェスカの制服、その他にも様々な一刀の持っていた道具が並んでいる

一刀の棺の後ろを付いていくのは、三国の王、将、軍師達

月「うわあああああああああん・・・・・詠ちゃん・・・・・詠ちゃ～～～～～ん」

詠「月ぇ～～～～～～～・・・・・うわああああああああああああああん」

雫「一刀様ぁ・・・・・ひっぐ・・・・・ぐっす・・・・・一刀様ぁ・・・・・」

菖蒲「神様ぁ・・・・・一刀様を還してください・・・・・神様ぁ・・・・・」

恋「ご主人様ぁ・・・・・ぐしゅ・・・・・ご主人様ぁ・・・・・」

嵐「わたしは・・・・・お前を超えていないんだぞ・・・・・なのにこんなに早く逝きおって・・・・・一刀ぉ・・・・・」

零「一緒に・・・・・夢を見ようって・・・・・約束したのに・・・・・あなた様ぁ・・・・・」

音々音「ひっぐ・・・・・お前は・・・・・うっぐ・・・・・恋殿と・・・・・ぐっす・・・・・同じくらい強いのに・・・・・ぐっず・・・・・どうして・・・・・」

徐栄「隊長ぉ・・・・・申し訳ありません・・・・・自分が不甲斐無いばかりに・・・・・」

張済「兄上ぇ・・・・・」

麗羽「一刀さん・・・・・ううう・・・・・一刀さぁ～～～～～～～～ん・・・・・」

斗詩「ご主人様ぁ・・・・・うっぐ・・・・・」

猪々子「兄貴ぃ・・・・・」

村長「こんな老いぼれより先に逝ってしまうなんて・・・・・神よ・・・・・なぜワシを一刀殿の代わりにしてくださらなかったのですかぁ・・・・・」

時雨「旦那様ぁ・・・・・うわああああああああ・・・・・旦那様ぁ・・・・・」

もう、あの笑顔に会えない

桃香「ご主人様ぁ・・・・・どうしてぇ？・・・・・ご主人様ぁ・・・・・」

愛紗「うわあああああああああああん！！ご主人様ぁぁぁぁあああああああああ！！！」

鈴々「お兄ちゃん、お兄ちゃ～～～～～～～～～～ん！！！」

星「主ぃ・・・・・ぐすっ・・・・・主ぃ・・・・・」

朱里「ぐしゅ・・・・・えっぐ・・・・・ひっく・・・・・ご主人様ぁ・・・・・」

雛里「朱里ちゃ～～ん・・・・・ひっく・・・・・泣かないでぇ・・・・・えっぐ・・・・・」

紫苑「ご主人様ぁ・・・・・ご主人様ぁ・・・・・」

璃々「ねえねえ、お母さん、どうして泣いているの？どうしてご主人様、あんなところに入っているの？」

桔梗「うう・・・・・うううう・・・・・お館様ぁ・・・・・」

焔耶「・・・・・何死んでいるんだよ・・・・・みんなを孕ませといてそれかよ・・・・・お館ぁ・・・・・」

柊「一様ぁ・・・・・ごめんなさい・・・・・わたしの力が及ばなくて・・・・・ごめんなさい・・・・」

雛罌粟「ご主人様ぁ・・・・・」

杏奈「・・・・・うう・・・・・ぐっす・・・・・ひっぐ・・・・・」

翠「ひぐ・・・・・ううううううう・・・・・・ご主人様ぁ・・・・・・」

蒲公英「なんでぇ・・・・・どうしてこうなっちゃったのぉ？・・・・・誰か教えてよぉ・・・・・」

葵「・・・・・・・・・・」

聖「一刀ぉ・・・・・ぐっす・・・・・一刀ぉ・・・・・」

みい「おにぃ～～～～～～～・・・・・」

ミケ「あにしゃま～～～～～・・・・・」

トラ「にぃにぃ～～～～～・・・・・」

シャム「にいしゃま～～～～～・・・・・」

もう、彼の声を聞くことは出来ない

華琳「一刀ぉ・・・・・うう・・・・・うううううう・・・・・うわあああああああああああああああああ！！」

春蘭「一刀ぉ・・・・・うぐううううううううう・・・・・一刀ぉ・・・・・」

秋蘭「・・・・・うう・・・・・うわあああああああ・・・・・ひっぐ・・・・・うううううううう・・・・・」

季衣「兄ちゃ～～～～ん・・・・・兄ちゃ～～～～～～～～～～～～～～ん！！！」

流琉「兄様ぁ・・・・・こんなこと・・・・・・兄様ぁ・・・・・」

悠「・・・・・一刀ぉ」

凪「うわああああああああああああああん！！！隊長ぉ～～～～！！！師匠ぉ～～～～～！！一刀様ぁ～～～～～～！！！」

沙和「たいちょ～～～～・・・・・ひっぐ・・・・・えっぐ・・・・・たいちょ～～～～～・・・・・」

真桜「なんでや・・・・・なんでなんや・・・・・隊長ぉ・・・・・」

桂花「なに死んでるのよぉ・・・・・ひっぐ・・・・・人を孕ませといて・・・・・うっぐ・・・・・この責任放棄、自分勝手、全身精e・・・・・うう・・・・・うああああああああああああああ！！！！」

風「お兄さん・・・・・風を置いていくなんて・・・・・お兄さんは・・・・・とんでもない大馬鹿なのです・・・・・」

稟「一刀殿ぉ・・・・・このようなこと・・・・・あっていいのですか？・・・・・一刀殿ぉ・・・・・」

天和「嘘だよ・・・・・こんなことあっていいわけないよ・・・・・一刀ぉ・・・・・」

地和「あんたはちぃ達のまねーじゃーなのに・・・・・どうしてなのぉ・・・・・一刀ぉ・・・・・」

人和「一刀さん・・・・・一刀さん・・・・・うああああ・・・・・うわあああああああああああああああああ！！！！！」

もう、二度と彼の寵愛を得られない

雪蓮「一刀ぉ・・・・・どうしてぇ・・・・・どうして死んじゃったのぉ・・・・・一刀ぉ・・・・・」

蓮華「ううぅ・・・・・一刀ぉ・・・・・わたしは・・・・・これからどうしたらいいのぉ・・・・・」

小蓮「妻を置いて先に逝くなんて・・・・・どういう神経してるのよぉ・・・・・一刀ぉ・・・・・」

純夏「・・・・・嫌い・・・・・一刀なんて、大っ嫌い・・・・・幸せにしてくれるって・・・・・約束したじゃない・・・・・なのに・・・・・一刀ぉ・・・・・」

思春「・・・・・馬鹿が・・・・・わたしをこんな体にしておいて・・・・・自分は満足そうに死ぬだと・・・・・ふざけるな・・・・・一刀ぉ・・・・・」

明命「一刀様ぁ・・・・・あううううううううう・・・・・一刀様ぁ・・・・・」

冥琳「うわああああああああああああああ！！！！一刀おおおおおおおおおおおお！！！！！」

穏「一刀さん・・・・・穏を置いて行くなんて・・・・・いけない人です・・・・・うう・・・・・ぐっす・・・・・」

亜莎「ううううううああああああああああ・・・・・一刀様ぁ・・・・・・一刀様ぁ・・・・・」

百合「ぐっす・・・・・えっぐ・・・・・・一刀君・・・・・どうしてぇ・・・・・一刀君・・・・・」

祭「うう・・・・・うううううううう・・・・・堅殿ぉ・・・・・韓当ぉ・・・・・どうして一刀を守ってくれなかったのじゃ・・・・・」

美羽「うわああああああああああん！！！七乃ぉ～～～～！！彩ぁ～～～～～！！一刀が！！一刀がぁ～～～～～～～～～！！！」

七乃「美羽様ぁ・・・・・一刀さん・・・・・美羽様を泣かせるなんて・・・・・どういう根性しているんですかぁ・・・・・ひっぐ・・・・・」

彩「一刀殿ぉ・・・・・わたしはまだ・・・・・貴殿の赤ん坊を孕んでいないのに・・・・・どうして、逝ってしまうんですか・・・・・ううううう・・・・・」

これは罰

一刀が多くの人々の命を奪った事に対する酬いがこの様な死という形だったのなら

彼女達への罰は、一刀そのものを奪われること

中には、悲しみのあまり腰が抜けてしまい立てなくなってしまう者達が幾人かいた

その者達に手を貸し、それでも一刀の後についていこうと懸命に足を動かしていた

その時

狛煉「・・・・・・・・・・」

張済「・・・・・狛煉・・・・・どうしたんだ？」

突然狛煉が一刀の行く道を遮った

狛煉「・・・・・・・・・・」

そして、一刀の顔を覗き込んだかと思うと数回頷きそっと目を閉じた

ドサンッ！！

「！！！？？？」

一同は驚く

今の今まで何事もなくその強靭な4本の足で立っていた狛煉が、そのまま横に倒れこんだのだから

張済「な！！？狛煉！！？」

華佗「っ！！」

華佗は、すぐに狛煉の傍に寄り添い首に触れ脈を調べた

華佗「・・・・・・・・・・死んでいる」

「！！！？？？」

華佗「狛煉・・・・・・お前は・・・・・一刀の化身だったんだな・・・・・」

狛煉「・・・・・・・・・・」

狛煉の顔は、一刀の死に顔のようにどこまでも晴れやかで満足のいくそれだった

雫「・・・・・っ！！」

嵐「お！！おい！！！雫！！？」

菖蒲「雫さん！！？」

霞「なにしとんねん！！？雫！！？」

雫は、一刀の脇に置いてあった忠久の折れた切っ先を手に取る

そして、自分の咽にその切っ先を突きつけた

雫「一刀様・・・・・わたしも今・・・・・お傍に・・・・・」

雫が一刀の魂で己の喉を貫こうとしたその時

ガシッ！

雫「っ！！？」

悠「・・・・・何やってるんだ！！！雫！！！」

悠が高速移動で一瞬で距離を縮め忠久の刀身を掴んでいた

その手からは、血が滲み出る

雫「嫌です、離してください悠さん！！！後生です、死なせてください、わたしを一刀様の下へ行かせてください！！！！」

「・・・・・・・・・・」

髪を振りたくり、泣きじゃくりながら懇願する雫の姿に一同は黙り込んだ

悠「馬鹿が！！！！！」

バシン！！！

雫「あうっっっ！！！」

悠の平手を受け、雫は地面に倒れこんだ

悠「雫、お前はあまりに大事なことを忘れている！！！」

雫「・・・・・・・・・・」

悠「一刀はそんなことをお前に望むのか！！！？強制するのか！！！？」

雫「わたしには何もありません！！！一刀様の子を授かる事が出来なかったんです、もう守るものなんて何一つありません！！！」

悠「だから一刀を追って死ぬだと！！！？ふざけるな！！！！！」

雫「・・・・・・・・・・」

悠「お前が一刀のことをどれほど思っているか、あたしは・・・・・あたし達はよーーーーく知っている！！！ならば、これからみんなから生まれてくる子供を一刀だと思って育てるんだ！！！それが一刀にしてやれる最高の弔いだ！！！」

雫「・・・・・・・・・・」

悠「あたしだって一刀の赤ん坊を孕んでいるんだ！！！あたしもこの一刀の贐を一刀だと思って育てる！！！」

雫「・・・・・・・・・・」

悠「だから・・・・・死のうなんて考えるな・・・・・一刀がそんなことを望んでいると、お前は思うのか？・・・・・」

雫に言い聞かせている間も、悠は泣いていた

まるで自分にも言い聞かせるように

雫「一刀様ぁ・・・・・うああああああん！！！！一刀様ぁ、一刀様あああああああああああああ！！！！！！」

「・・・・・・・・・・」

地面に這い蹲り泣き喚く雫の泣き声は、一同の気持ちを代弁するかのように天へと吸い込まれていった

その時

フワアアアアアアアアアアアアアアアア

華琳「え！？一刀！？」

雪蓮「な！？なにこれ！？」

桃香「ご主人様！？」

「！！！！！？？？」

突然四輪車の上の一刀が淡い光を放ったと思ったら、どんどんその体が薄くなっていく

その姿は完全に消えてしまい、最後には白い羽と黒い羽だけが残った

ヒュ～～～～～～～～～～～～

そして、その羽は風に吹かれ天高く昇っていったのであった

華琳「・・・・・一刀・・・・・やはりあなたは・・・・・」

雪蓮「・・・・・紛れも無い・・・・・天の御遣いだったのね・・・・・」

桃香「・・・・・ご主人様ぁ・・・・・」

「・・・・・・・・・・」

一同は、その二枚の羽が舞い上がった空を見上げる

いつのまにか雨は止んでおり、雲の間から天の川がその姿を現す

そして、さらに一同を驚かせたのは空を鮮やかに染める流星群

その流星群は、一刀そのものの様に、哀しく、儚く、優しい光を放ちながら流れていたのだった

これは、三国同盟が締結されてから一年とちょっと

一刀達が天角にて結婚式を挙げてから、たったの一ヶ月後のことであった