シャルはウィーンに到着。
搭乗口に黒を基調としたラフな格好をしていて茶髪をショートにしている人物がいた。
シャルに近づいて耳元で話かける。
「お前が砂漠の王子様か?」
「そうだよ。君が黒の死神?」
シャルがそう答えるとその人物はニカッと笑い、シャルの首に手を回す。
「よく来たな、俺はBSAA北欧支部所属のアリス・ミストライン。こんな口調だがれっきとした女だ♪」
「ええ!?・・でも胸はあるから女の子だね。」
「俺も砂漠の王子様っていうコードネームだから男だと思ってたぜ。」
シャルはアリスの口調から男だと思っていたが実は女の子だとわかり驚いた。
それなりに大きいシャルの胸とシャルより少し大きいアリスの胸が当たり、アリスは巨乳だということがわかった。
「デュノアのオッサンから話を聞いてる。まずはゆっくり話をしたいし、BSAA北欧支部に案内するぜ♪」
「うん!」
BSAA北欧支部・宿舎
シャルはアリスの部屋へとやってきた。
部屋にはゲーム機やマンガがあり、ダンボールが五箱ある。
内容は今時珍しい熱血スポーツ物だ。
「へぇ、支部の人たちは男の人ばかりでアリスも面倒くさがりだと思っていたけど意外と片付いてるんだね。」
「面倒くさがりは余計だ。俺だって女だ、片付けぐらいやるさ。・・予定だが今日はここで一泊していけ。んで明日飛行機に乗ってIS学園に行くぞ。」
「わかった。」
「じゃあ早速遊ぼうぜ♪遊びながらでも話しはできるしな♪」
「うん、いいよ。」
ゲームの電源を入れて遊ぼうとしたその時アリスの携帯が鳴る。
「俺だ。・・マジかよ、今からシャルと遊ぼうと思っていたのに・・。わかった。その代わり荷物は送っといてくれよ。」
アリスは電話を切ってシャルの方に向き直る。
「わりぃ、今から任務だ。」
「何の任務?」
「・・生体兵器の違法研究所をぶっ潰す。バイオテロが当たり前のこのご時世だからな。こういう仕事が多く回ってくるのさ。」
「・・僕も行っていい?サンドロックのテストも満足にしてないんだ。」
「・・客人の手を借りるのは気が引けるが仕方ないか。ただし自分の身は自分で守れよ。」
「わかってる。」
二人は違法研究所へと向かう。
研究所から離れた場所で作戦を確認。
「まず俺が研究所へ侵入、あのISの一機を無力化したあと残りをお前が倒す。そのあと周辺の警戒を頼めるか?その間データ回収を行う。回収が終わったら後発隊が乗り込んで制圧。理解したか?」
「うん。それはいいけど、どうやってそれをやるの?」
そう、シャルの言う通りラファール3機が周辺警護を行っていてとても中に入れる雰囲気ではない。
「俺は潜入のプロだ。もちろんその手段を知ってる。・・行くぜ、相棒!」
そう言ってアリスはISを展開。
黒のISで手には鎌が握られている。
「それが・・。」
「そう、これがBSAA北欧支部のガンダムタイプIS・・ガンダムデスサイズだ。行ってくるぜ♪」
アリスはデスサイズの特殊機能・ハイパージャマーを展開。
アリスの姿が景色と一体化して見えなくなる。
「サンドロック。」
シャルはサンドロックを展開してセンサーを見てみると全く反応していない。
(なるほどね、ISを展開している敵や監視カメラとかに気付かれることなく内部に侵入するにはうってつけのガンダムだ。・・黒の死神の意味がわかったよ。)
そしてアリス。
アリスは音も無くISの一機の背後に忍び寄り、ビームサイズを展開、横薙ぎに切り払う。
「な、何!?」
「どこからの攻撃!?」
ラファールの操者はいきなり無力化した事に恐怖を抱く。
これこそアリスが死神と呼ばれている由縁。
相手の背後に音も無く忍び寄り、敵を無力化する。
操者たちはアリスの姿を見ないまま無力化させられるので恐怖を抱く。
(シャル、任せたぜ。)
アリスは施設へ侵入、シャルにあとを任せる。
「さあ、サンドロック。僕たちの初陣だよ。」
「侵入者!撃って!」
操者はシャルを発見してアサルトライフルを一斉連射するもサンドロックには微々たるダメージにしかならない。
「何で!?」
「あんなに硬いのに、あのスピードはおかしい!」
サンドロックは悪環境での機能低下を最小限に抑える機構と全ガンダムの中でもトップクラスの防御力を誇る。
(すごい、ラファールとかなら結構ダメージを受けるのにサンドロックは少ししか受けていない。)
シャルはブーストを吹かしながらミサイルを発射。
「ミサイル!?・・キャア!」
「ヒートショーテルは手持ちだけじゃないんだよね。」
シャルはヒートショーテルを投げてラファールを無力化、ISは解除される。
女性は気絶、シャルはブーメランの様に戻ってきたヒートショーテルをキャッチして次のラファールに急速接近。
「ふん、なかなかできるみたいだけど私には勝てないよ!」
「・・・。」
シャルはシールドに内蔵されているシールドフラッシュを使う。
「ま、眩しい!」
「その油断が命取りだよ!」
強烈な閃光を受け相手の動きが止まる。
シャルは両手にヒートショーテルを持ち連続で切りかかる。
「うっ、くっ!ま、まさかあんたのIS・・!」
「・・これで!」
シャルは最後に縦切りを決めラファールは解除。
何かを言おうとした女性は気絶。
「よぉ、お疲れさん♪」
「・・もしかして見てた?」
「まあな、あそこで俺が出てもお前のためにならないだろ?」
「確かにそうだけどさぁ、終わったなら一声かけてよ。アリスの戦い方見てると背後から切られそうで怖いんだよ。」
シャルのジト目を流し、高らかに笑うアリス。
「まあそれが俺が死神って呼ばれている理由だからな。俺のモットーは逃げも隠れもするがウソは絶対に言わないだからな♪・・おーい、データ回収したから解析よろしくな。」
「はい、あとは我々にお任せください。お疲れさまでした!」
二人は他のBSAA隊員に後処理を任せてその場を後にする。
その施設の責任者や研究員を一斉検挙、データを破棄。
出発は休養を理由に予定を繰り下げ、二日後になった。
日本・IS学園
今日も授業に励む二人。
休み時間、芽衣は・・。
「・・と。はい、お待たせ。」
「わぁ、可愛い♪はい、150円。」
「はい、毎度。またご贔屓に。」
糸を使った小物を作っていた。
頼みがあれば制作している。
値段は150円ながらそこらへんの雑貨屋よりも出来がいいということで評判がいい。
「あなた、聞いてますの!?エリートであるこの私に声をかけてもらえたことを光栄に思いなさいな!」
「・・何?作ってほしいなら明日になるけどいい?」
「そんなことを聞いてませんわ!」
キーンコーンカーンコーン
「また来ますわ!逃げなくてよ!」
チャイムが響き、女子生徒・セシリアは席に戻る。
(今の世の中に感化された女子だね・・。まあ放っておこう。)
芽衣は特に気にした様子もない。
「授業に入るその前に再来週行われるクラス対抗戦に出る代表者を決めないと。」
千冬は代表の仕事内容について話す。
その内容はこうだ。
1.クラス対抗戦のようなクラス単位のイベントに出るクラスの代表者のこと
2.生徒会主催の会議などにも出席したり、委員会などにも出たりしないといけない
(なるほど、クラス委員長みたいなものか。)
(委員長・・。)
「一度決まると一年間やってもらうことになるが・・誰かやろうと思うものはいないか?自薦、他薦は問わないぞ。」
「はいっ!織斑君を推薦します!」
「私もそれがいいと思いまーす!」
「天海くんもいいと思います!」
「同意見でーす!」
続々と一夏と芽衣を推薦する声が上がる。
「候補者は織斑一夏に天海芽衣・・他に誰かいないか?」
「やらない・・って言っても取消出来ないんだろうな。」
「その通りだ。他にいないな。」
「待ってください!」
バンッ!
大きな音を立ててセシリアが立ち上がる。
「そのような選出は認められませんわ!大体男がクラス代表だなんていい恥さらしですわ!私に、このセシリア・オルコットにそのような 屈辱を一年間味わえとおっしゃるのですか!?あり得ませんわ!」
(はあ、面倒くさ・・。あのバカは・・。)
(・・彼女の日本批判、いつまで続くんだろうね?というか・・。)
((自分が何を言っているかわかってるのか?))
セシリアはさらに話を続け、一夏は目を閉じ、芽衣は髪止めに付いている鈴を弄りながら参考書を読んでいた。
そしてその思考はシンクロしていた。
「大体文化としても後進的な国で暮らさなくてはいけないこと自体、私にとっては非常に耐え難い苦痛であり・・。」
(芽衣、そろそろいいか?)
(ああ、僕も言いたい事もあるしね。)
二人はアイコンタクトを交わし一夏が話始める。
「イギリスだって大してお国自慢ないじゃないだろ。きっとお前みたいなエリート意識の塊みたいな人間ばかりなんだろうな。ていうか日本にいるのがそんなに苦痛ならとっととイギリスに帰ったらどうだ?」
「あっ、あなた私の祖国を侮辱しますの!?」
本をパタンと閉じ、芽衣も立ち上がる。
「君は何を言ってるんだい?そっちが先に僕らの祖国の日本を侮辱したでしょう?それにさっきから聞いていると君は自分が何を言っているか理解出来ているのかな?」
「あなたは何が言いたいのですか!?」
セシリアは自分が何を言っているか本気でわかっていないようだ。
「君は代表候補生とはいえ、国を代表して来ているわけだ。だとしたら君の言葉はイギリスの言葉になる。」
「・・・!?」
自分が何を言っているか理解したセシリアは顔を青くするが芽衣は続ける。
「君は自分が発した言葉に責任を取れるのかい?この事がバレたら・・たぶん君は代表候補生の資格剥奪になるだろうねぇ。最悪の場合、イギリスにある全てのISコアが無くなるかもしれないね。」
芽衣の言葉にますます顔を青くするセシリア。
芽衣はそんなセシリアを無視して話を続ける。
「そうそう、君が批判した日本人・・その中にはIS開発者やブリュンヒルデやBSAA日本支部の関係者も含まれていることをお忘れなきように・・お嬢様。」
そう言って一礼した芽衣。
セシリアは顔を赤くしながら震えている。
そして芽衣に向かって指差す。
「~っ!!もういいですわ、もっと穏便に済まそうと思っていましたけれどもう我慢できません!決闘ですわ!」
「いいですよ。織斑先生、最初に戦うのは僕で彼女が勝てば一夏と戦わせてください。あと僕のISデータを見せてあげてください。」
「どういうことだ?」
「はっきり言いましょう。彼女では僕には勝てない。ハンデです。」
ピシッ
芽衣の発言に教室が凍りつく。
そしてあちこちから笑い声が響く。
「天海くん本気?」
「男が強かったのは十数年前の事だよ?」
今まで黙っていた一夏が口を開く。
「今目の前に使える男が二人いるだろうが。ISが扱えるから偉いんじゃない。生身でもISに立ち向かえる人を俺は知っている。」
一夏の言葉で教室がざわめきを見せる。
因みに一夏の言った人物の中の一部が芽衣やクリスである。
「それにな、ISは今はスポーツで収まっているがその本質はBOWと変わらない兵器だ。そこらへんを理解しろ。でないと栄光ばかりに目が眩み、家族を失うことになる。以上。」
そう言って一夏は席に着く。
それを聞いた千冬の顔が悲しいものに変わるのを一夏は見逃さなかった。
「先生、オルコットにデータを渡すの忘れないでくださいね。(今更家族面するな、織斑千冬。あんたが栄光を掴み、俺がどんな苦労をしてきたか知らないだろ、偽善者。)」
「で、では先程も言った通り、一週間後に天海とオルコットはそれぞれ模擬戦を行い、勝者がクラス代表をやってもらう。オルコットは放課後データを取りに来るように。(一夏、違うんだ。決勝の後お前を助けに行こうと思っていた・・。)」
蒼の雫は赤の騎士に挑む。
デスサイズの操者は俺っ娘!
アリス・ミストライン。
彼女はシュテルの容姿にデュオの性格を持ったものと考えてください。
そしてこの小説は伸びがいいことに驚いた。
次は対抗戦!
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前半シャルと黒の死神との対峙。
後半教室。
人物紹介・・http://www.tinami.com/view/447532
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