No.446392

魔法少女リリカルなのはStrikerS ~赤き狂戦士~

時空管理局特務殲滅部隊---通称「インフェルノ」。そこには管理局員、次元犯罪者の両方が「赤き狂戦士」と恐れる青年が所属していた。そんなある日彼は、インフェルノの部隊長の命を受け新しく設立された部隊「機動六課」に異動する事になり、狂喜的な笑みを浮かべ素直に異動を受諾する・・・彼の笑みは何を意味するのか?

2012-07-05 13:15:38 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:1107   閲覧ユーザー数:1073

 

第一章 赤き狂戦士

第十話「新たな日々に」

 

 

 

Sideヴァン

 

あの模擬戦から丁度1週間。

 

今ようやく午前の訓練が終わったァ。

 

それにしても最近見て思ったがァ・・・なのはの訓練方針新人共にはちょいときつくねェかァ?

 

 

《確かに大分ハードでしたが、アナタのインフェルノでのやり方を見たらなのはさんも

同じ事を話すと思いますよ?》

 

 

「・・・マジかァ?」

 

 

そンなにきつい事俺様インフェルノの訓練強化プログラムに組み込ンでたっけっかァ?

 

 

《自覚無しのようですね・・・》

 

 

あれ?なンかルーチェの奴呆れてないかァ?俺、そンな鬼訓練なンかさせてっかなァ?

 

 

《新入隊員・・・しかも訓練初挑戦者をいきなり管理外の、おまけに文化レベル0の極寒世界に連れて行って、1週間生き延びろとか非道な事を言い放ち、嫌がる新人をヘリから蹴落として、

置き去りにしたりしてましたよね?》

 

 

「・・・そういえば隊長就任して一年間は新人共と一時的に他の隊から出向してきた奴にそンな事させてたなァ・・・」

 

 

《忘れていらっしやったので?》

 

うン、忘れちゃってたよ!テエ☆・・・でもそれのどこがなのはに呆れられる事なンだよ?

別におかしくなくね?

 

 

《訓練にそんなサバイバル組み込む人間、アナタ以外にいないですよ。というか他隊から出向してきた方々にもやらせてたんですか?》

 

「ン?まァなァ。あまりに舐め腐った態度取ったインテリ野郎がたまに研修で来る事があってなァ。

なンかムカついて有無問わず、研修課題の一つだと言って鍛え直したりしてたなァ。

いやァ~あれは楽しかったぜェー!インテリ共の殆どが迎えに行ったあと精神的に逝っちまってて、

その中の一人が俺を見た瞬間「こ、こ殺さないでェェ!!」とか言っちゃっててさ・・・ン?どうした?」

 

 

《・・・いえ・・・アナタはおそらく管理局のどの教導官の中でも一番お優しい方だと思ったもので》

 

 

「えっ!?俺様優しいの!?」

 

 

《はい。もうとっても》

 

 

 

ヤベェ!!あのルーチェが俺様を珍しく褒めてるよ!?うわァ~なンか超気持ちィ!!

 

 

 

・・・だが同時に可哀想な物を見る視線を送られているのは俺様の勘違いかァ?

 

 

 

「なンかオマエに褒められたらつい嬉しくて午後からのデスクワークが

やりたくてしょうがないぜェ!!」

 

 

 

《フッ・・・計算通り・・・》

 

 

「ン?なンか今言ったかァ?」

 

 

それに今ルーチェの奴が赤いリングから黒いリングに一瞬見えたようなァ・・・

 

 

《気のせいです。それより早く昼食を食べに行きましょうよ?ヴィータさんがマスターの

分を用意すると言ってましたよね?》

 

 

「いやァでも確かに今」

 

 

「ヴァン君~!!」

 

 

「おっ!なのは、どうしたァ?」

 

 

 

とか言ってたらなのはが訓練場から俺のとこまで走って来た。

 

シュミレーターの調整が終わったみたいだなァ。

 

 

 

 

 

相変わらず仕事が早いなァ。

 

 

 

「あんなの直ぐに終わっちゃうよ。それより私と一緒に食堂に行かないかな?」

 

 

 

「あン?もしかしてそれ言う為にわざわざ走って来たンかよ?」

 

 

 

 

というかオマエどンだけ急いできたらそンなに汗かくんだよ・・・

 

 

これじゃ飯前にシャワーだろこりゃ・・・

 

 

 

 

「にゃはは・・・確かにシャワー浴びに行かないといけないかも・・・」

 

 

 

そういうの女なンだからもう少し気ィ使えよ。

 

 

「しゃーねェ・・・オマエを待つのも暇だァ・・・お前がシャワー浴びンなら俺様も浴びっかなァ」

 

「えっ?待っててくれるの?」

 

「なンだァ?余計だったかァ?」

 

 

「ううん・・・ありがとう、ヴァン君!」

 

 

ふん・・・相変わらず笑顔は天下一品だなァ。

 

ウチのインフェルノのヒヨッコ共がコイツの載ってる雑誌見てニヤついてるのを思いだしたぜェ・・・

 

 

「じゃ早く行くぞォー」

 

 

「そうだね」

 

 

歩きだす俺達。

 

 

 

「あっ!なのはァ!!」

 

 

「ど、どうしたの?」

 

 

俺は足を止め、後ろにいるなのはにいきなり振り返る。

 

 

あ、コイツ驚いてやがる。

 

 

でもまだ俺様のターンは終わってねェぞォ。

 

 

「どうだァ?俺様と一緒にシャワー浴びるかァ?」

 

 

「ちょ!なに言うのヴァン君!?」

 

 

 

まァ当然冗談だァ。

 

 

コイツの反応を楽しむ為のなァ。

 

 

 

予想通り顔が赤くなってやがるぜェ。

 

 

 

 

 

「その方がお互い洗えあえて早く済むだろォ?ソレになンか今もの凄く背中痒くてさァ・・・

背中洗ってくンねェ?俺様もオマエの背中洗ってやるからよォ」

 

 

「だ、ダメだよ!!そ、そ、そんな事・・・ソレにシャワー室は男女別れてるし・・・」

 

 

おっ、はまってくれたよ。やっぱこういう系の耐性弱いなコイツ。

 

 

「心配すンなよ・・・俺達が入る片方のシャワー室に掃除中の札掛けりゃあ誰も入ってこねェ・・・扉もルーチェにロックさせる・・・だから完全な俺達二人の世界だぜェ」

 

 

そう言いつつ、俺はなのはの耳元に顔を近付け誘惑する・・・

 

 

まァ冗談なのだがァ。

 

 

「そ、それは・・・」

 

 

「心配すンなよ・・・優しくしてやっからよォ・・・手取り足取り・・・」

 

 

「ふぇ!?て、手取り足取り!?」

 

 

大成功ォ!!

 

 

なのはの顔、もう茹でタコじゃねェかァ!!

 

 

「そうだァ・・・ケッコウ俺様テクニシャンなンだぜェ?後悔させねェーよォ・・・」

 

 

「あ・・・・」

 

 

予想以上にかかってくれてもう俺達大満足だなァ。

 

 

 

さてェ・・・そろそろやめねェとなァ・・・

 

 

 

「まァ冗談なン」

 

 

「いいよ・・・」

 

 

「あン?」

 

 

 

なンだァ?

 

今何かものすごい事をなのはの奴口走らなかったかァ?

 

あと表情がうつむいててよく見えない。

 

 

「・・・シャワー・・・一緒に浴びようよ」

 

 

「は?」

 

 

あれ?

 

なンかもの凄くエロゲ的展開が始まったようなァ・・・うォ!?コイツの表情今やっと見えたが、

妙に色っぽいぞォ!?

 

 

 

「早く行こうよヴァン君・・・」

 

 

お、おい。

 

やけに積極的だなァ?

 

 

 

あのなのはが俺様の手を引っ張って行くぞ。

 

 

 

 

「あ、あのななのは。オマエはただ俺様の冗談に引っ掛かっただけでなァ・・・」

 

 

「知ってるよ・・・」

 

 

 

「何?」

 

 

「ヴァン君がからかってるのは流石に私でも途中で気付いたよ・・・」

 

 

爆弾発言パートⅡ!!

 

ていうかコイツ本当になのはかよ!?

 

 

可愛すぎンぞ!!

 

 

「だけど私・・・ヴァン君となら・・・平気だよ?」

 

 

「・・・・・・」

 

 

 

なンだこりゃ?

 

何故こうなったァ・・・いやァ俺様がやったンだったなァ・・・なのはもOK出してるし、

いっその事開き直って押し倒して既成事実を・・・いや待て。

 

そンな事したらヴィータンの奴が間違いなく俺様を殺しにかかってきやがる・・・

殺られる気はさらさらねェがァそンな事になっちまったら色々面倒だァ・・・ソレに下手したら

この着任早々このオモシロ部隊からいきなり飛ばされるかもなァ・・・

 

と俺はもしなのはに手を出した後起こる最悪な事態を想像する。

 

この間、僅か0.1秒。おかげで考えがまとまる。

 

というかコイツの顔を見て直ぐ決まった。

 

 

「なのは・・・オマエ・・・」

 

 

「うん・・・ヴァン君」

 

 

目を潤ませながら上目遣いで返事をするなのは。

 

本当に随分色っぽくなったなァ・・・コレで仕事中毒なのがまた残念・・・

なンで俺の周りにはこういう残念美人ばかりいンだよ。

 

 

・・・まァ今回ソレは置いといて・・・とりあえず・・・

 

 

 

「オマエさァ~自分で完璧にやってンだと思ってるンだろうけどさァ・・・

顔引きってて折角の演技が台無しになってンぞォ?」

 

 

「えっ!?」

 

 

勿論今のは嘘。

要するに鎌かけだァ。

なのはが本当に今までの発言を本心で言っているかどうか見極める為のだァ。

そして作成は大成功☆見事に引っ掛かってくれちゃったよこのなのはちゃんちゃんは☆。

 

 

 

その証拠に今なのはは自分の顔を両手で触り、

嘘!?

とか言っている。

 

 

「俺様を騙そうなンざ二万年早ェぜェ」

 

「うぅ~!!上手くやれてたと思ってたのにぃ~!!」

 

イヤ実際少し危なかったァ。

八年前のコイツと同じ感覚で接していたせいでもう少しで騙されるところだったァ・・・

まさかコイツがこんな技術を会得してるなンてなァ・・・。

 

 

「ほらァ、つまんねェ冗談は互いにもうしまいだァ。シャワーには約束通り

付き合ってやるから行くぞォ」

 

「はーい・・・半分本気だったんだけどな・・・」

 

「あン?何か言ったかァ?」

 

「べ、別になんでもないよ?」

 

もうあえて気にすまい・・・そのままその場を俺達は後にし、

お互いそれぞれシャワールームに向かった。

 

 

----------------------------------------

 

 

 

 

昼食後、俺は訓練場ではなくデスクワークルームで自分に割り当てられた仕事をしている。

 

 

まァもう終わりだがァ。

 

 

「へっ!!事務作業終了っと!!俺様が本気出したらこんなモンだなァ」

 

 

1時から始めて、終わったのは3時。

 

チョロ甘だなァ。

 

 

 

「嘘つけぇ!!そんなに早く終わる訳ねぇーだろうが!?」

 

 

「あンだよヴィータン?自分が終わらねェからって八つ当たりかよォ?良くねェーなァ。

副隊長サマは他の隊員の模範になンなきゃよォ?」

 

「テメェはアタシと同格だろうが!!後模範にすらあならないテメェに模範とか言われたくねェーよ!!」

 

オイオイ・・・随分酷い言われようだぜェ・・・

 

「ど、どうしですか?二人とも?」

 

「よォーチビイン!」

 

30センチ大の人形みたいな餓鬼、リインが俺達の間に入ってきた。

 

というかコイツ本当にちっせェなァ。

 

 

「もうヴァンさん!!私チビインって名前じゃありません!!私の名前はリインです!!」

 

「あァ~悪かったァ悪かったァ~。まァ許せやァ、リインちゃん?」

 

 

「うぅ~!本当に悪いと思ってないですね!?」

 

 

 

 

当たり前だろォ?

 

 

 

 

「まぁいいです・・・それより二人共さっきまでの騒ぎはなんですか!?」

 

 

「あぁそうだ!!リイン聞いてくれよ!!」

 

 

と先程の騒ぎの原因を話すヴィータン。

 

なンか子供が虐められた後に親にちくってるみてェだなァ・・・

その親役は人形サイズだからおままごとしてるみたいだけどなァ・・・

 

 

 

「ちょっとヴァンさん!!仕事をサボったらダメですよ!!」

 

 

ほらなァ。

 

皆俺様の事絶対に信じないンだよなァ・・・これだけは本当に悲しくなってきやがるぜェ・・・

それでなんであの嘘の塊のカリスの野郎を全員信じるのかわらんね。

 

 

「あのなァ・・・俺は本当にちゃんと終わらせたンだよォ」

 

 

「嘘は良くないですぅ!!終わってないか、適当にやって終わらせたんですよ!!」

 

「決め付けンなよォ!?」

 

 

「潔くサボった事を認めろよ!!今素直に認めたらラケーテンでぶっ叩くだけにしてやる!!」

 

 

コイツは俺を殺す気かァ?

 

本当にだんだん泣けて来たぜ・・・

 

 

《日頃の行いですよマスター》

 

(・・・主に厳しいデバイスだよなァ・・・オマエ・・・)

 

 

俺様の心の声に念話で反応しやがったよルーチェの奴。

 

もしかして俺様無意識にルーチェに念話繋げてたかァ?

 

 

「そんなに終わったと言い張るならその今やった仕事の内容を全部見せるですよ!」

 

 

「まぁそうだな。ソレで嘘だったらギガントですぐにぶっ叩いてやる」

 

 

あのヴィータンサマ、刑のレベルが上がってないかァ?というかオマエ、

俺様をただリンチしたいだけなんじゃないかァ?

そう思いながら俺は二人にさっきまでいじっていた端末を開き、やった仕事のデータを見せる。

リインの奴がそれを一字一句確認する。

 

 

「ほらみた事ですか~全然終わってな・・い・・・です・・・・よ???」

 

 

「お、おいリインどうしたんだよ?」

 

 

モニターを見て信じられない物を見るかのようにリインがフリーズしている。

 

当然だァ。

 

 

 

 

 

 

なんせ・・・

 

 

 

 

 

 

「嘘ですぅ~!!1日分どころか3日分の仕事終わらせてるですぅ~!!!」

 

 

「な、なんだって!?」

 

 

 

それ見たことかァ・・・俺様は真実しか言っていない。

 

 

 

「しかも、殆どミスもないですし・・・」

 

 

 

「・・・・・」

 

 

ハッ!絶句してやがるぜェコイツらァ。

 

 

 

俺は固まってる二人をそのままにしデスクワークルームを後にしようとするが、腕を捕まれる。

 

その手はヴィータンのものだった。コイツまだ言いたい事あンのかよ・・・正直ウザイなァ・・・

 

少しキレても問題ないよなァ?

 

 

 

「テメェいい加減に」

 

「オイ、ヴァン!!」

 

「あンだよォ?」

 

 

やけに真剣な目で見てきやがる・・・いったいなンなンだァ?

 

そして俺はヴィータンの発した言葉に思わず・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「頼む!!アタシのデスクワークも手伝ってくれよ!!」

 

 

 

 

 

 

ズッコケタ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヴィータンの隣に浮いているリインも同じようにズッコケ、そしてまた何ともピンポイントに机に

あったコーヒーカップにそのまま頭からダイブして・・・

 

 

 

 

 

ドボン!!

 

 

 

 

 

 

 

 

「あぷあぷ!!ぶっははですぅ!!リインがコーヒー臭くなったですよぉ!!!」

 

 

 

 

 

全身コーヒーまみれになっていた。

 

 

 

 

SideヴァンEnd

 

 

 

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その後結局ヴァンはしつこくヴィータにせがまれ折れてしまい、

ヴィータのデスクワークを手伝う羽目になった。

 

 

 

 

 

 

余談だがコーヒーまみれになったリインは着替えを済ませた後、

 

ヴィータを厳しく叱ったとかしなかったと、

 

ヴァンにとっては慌ただしい一日だった。

 

 


 
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