あれから結局私は落ち込みっぱなしで、いつの間にか夜になっていました。
……この後フェイトちゃんに会わないといけないんですよね? 今回全然乗り気になれないのですが……
ちなみにアリサちゃんとすずかちゃんはもう寝ています。一応私も布団には入っているのですが、さっきまで寝たふりをしていましたので。
あの後アリサちゃんからはこれと言って何かあった事はなく、さすがにやりすぎたとかなり反省しているのでした。まぁ、その時私は全く聞く耳持たなかったし、アリサちゃんとすずかちゃんが寝る少し前だって未だに少し落ち込んでいましたからね。
とりあえず今はジュエルシードの反応があるまで待機です。ユーノ君も居ますから、なるべく反応があってから行動をした方がいいと思い、寝たふりをして待機していたのです。
……それにしても暇ですね。早くジュエルシードの反応を待ってはいるのですが、逆にフェイトちゃんと会う事と考えてしまうと来て欲しくないとも思うのです。
さすがに今回のジュエルシードをフェイトちゃんにあげる事にして、私はこのまま寝るという事も考えていたりしたのですが、ユーノ君がジュエルシードに気づかないわけがないし、どの道向かう事になるだろうと思ったので、意味が無いだろうと思いました。
だからこうやって何もしないでジュエルシードを待っている感じです。
――そういえば、この世界に来てから一回しか実験していませんでしたね。
ふと思いました。一応この世界に来た時に前の世界で使われた科学技術をノートに書きましたが、正直言ってあのノートに書いた内容を使ったのはまだ二回しかありません。
一回目はデバイス作る時にノートを使い、二回目はある実験が本当に出来るかを試す事でした。
前者は前言った通り上手くいきましたが、後者は何度か読み直してなんとか一回で成功したのです。
後者の実験はこの先すぐに使うようになるだろうからでした。とりあえず出来るという事が分かったので正直成功した時はホッとしましたね。
どうでもいいですが、デバイス作りや実験などをしていると、なんか楽しかったのですけどね。っていうか機械とか弄っていると楽しいと思ったのですけどね。
――それにしても、なんか段々と眠くなってきたのですが……
実験の事を考えていると、何故か急に眠気が襲ってくるのでした。
いつもなら眠気なんてめったに来ないのに、布団に入っていたせいかもしくは温泉での出来事があったせいか、今日に限って眠かったです。
けどここで寝てしまったら駄目ですし、寝るわけにはいきません。かなり疲れていましたが、頑張って起きる必要がありましたので我慢することにしたのです。
とりあえずジュエルシードの反応を待つしかありません。早く来てくれないと寝そうな気がして――
「っ!?」
先ほどまで眠たかったですが、ジュエルシードの反応がありました。
すぐに起き上がり、一度アリサちゃんとすずかちゃんの様子を見ます。二人はぐっすり寝ており、起きる気配はありませんでした。
《ユーノ君、起きてる!!》
《もちろん起きているよ。とりあえず急ごう!》
私はユーノ君の言葉に頷き、誰にもばれないように旅館から出ていくのでした。
「……なのは?」
私が居なくなってから少しして、アリサちゃんが目を覚ましていた事を知らずに――
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Side:Fate
私はアルフと一緒にジュエルシードの反応がある場所へすぐに向かった。
来てみると彼女の姿はなく、まだ来ていないようだと思った。
「とりあえず、あの子が来る前に封印しておこうっか」
「フェイトの話が本当なら、手に入れるのは難しいからね」
私は私のデバイスであるバルディッシュを起動させて目の前にあるジュエルシードを封印することにした。
「それにしてもさ、さっきのあれはなんだったのだろうね?」
「さっきのって?」
「ほら、あたしたちが温泉に入った時にあの子と金髪の少女の事だよ。押し倒されているような感じだったけどさ」
アルフが何を指しているのかようやく分かった。
あの子は私を見た瞬間に顔を真っ赤にしていましたし、かなり動揺していた。
最初は唯じゃれ合っていたのかと思ったのだけど、あの子の動揺ぶりを見て、それは違うのだろうと思った。
も、もしかしてあの時私たちが来なければ、き、キスなんかしそうだったのでは……
「ふぇ、フェイト? 突然どうしたんだい?」
「え? あ、ごめん。ちょっと考え事してた。今は封印することに集中しないとね」
アルフは多分私が顔を少し赤く染めたのを見て、どうしたのかと思っていたのだろう。そのおかげで今は余計な事を考えずにジュエルシードを封印するべきだと思い出した。
そして私はバルディッシュにジュエルシードを封印し、ジュエルシードをバルディッシュに近づけてバルディッシュの中に入れた。
それから少しすると、あの子がこちらにやってくるのだった――
Side:End
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私はジュエルシードが反応して来た場所に向かい、その向かっている途中でバリアジャケットを羽織りました。
そしてジュエルシードがあっただろうと思われる場所にやってくると、やはりフェイトちゃんが先に居るのでした。
まぁ、前もフェイトちゃんが先に居たし、今回も先に居てジュエルシードを封印しているのではないかとは思っていたのですけどね。
「どうして、ジュエルシードなんか集めているんだ!!」
「そんなこと、答える必要ないね」
ユーノ君はフェイトちゃんとアルフさんにそう言いますが、アルフさんは答える必要が無いと言い放ちます。まぁ、理由は知っているのですけどね。
さて、これからどうしましょうか? 正直な話、ここで戦わず変えるというのも手段の一つですが、アルフさんがそう簡単に逃がしてくれるでしょうか? 実際ここで戦う必要はそれほどないのですけどね。
……とりあえず少し誘ってみますか。
「どうやら、ジュエルシードはもう封印してあるようですね。ここに来る必要は余りなかったかもしれませんね…… 無理に奪い合う必要もありませんし」
「そう簡単に逃がすと思っているのかい?」
私の言葉に、アルフが突っかかってきました。まぁ、向こうからしたらジュエルシードを何としてでも手に入れたいともうのですから、持っている私たちのジュエルシードが欲しいのでしょうね。まぁ、それは私たちもなんですけどね。
とりあえず更に誘ってみますか。
「別に私は逃げれると思いますよ。なんなら、ここで試してみますか?」
「上等だね!! そう簡単にあたし達から逃げられると思わないでほしいね!!」
私が更に誘ってみますと、アルフさんは私の思い通りかのように私たちに攻撃を仕掛けてきました。
私はプロテクションで攻撃を止めようとしますが、その前にユーノ君がサークルプロテクションを張るのでした。
「ユーノ君!?」
「いつもなのはに頼りっぱなしだから、偶には僕も役に立たないとと思ってね。だから、あなたの相手は僕だよ!!」
……言うのはどうかと思いますけどユーノ君に会ってから余り目立った行動ってしてないような…… あったとしてもすずかちゃんの家みたいに離れられる状況を作ってくれたぐらいだし。いやそれは前の時もそうだったか。
そんな事を考えていると、ユーノ君はアルフさんと一緒に転移魔法で別の場所に移動し、この場には私とフェイトちゃんの二人だけになっていました。
「……いい使い魔持っているね」
使い魔ではないのですけどね。いちいち否定しているのもなんか面倒だし。
っていうかまぁ、使い魔は一応居るんですよ。前から言っていた彼女というのが使い魔ですし。
とりあえずその話は今はどうでもいいですね。
「……ユーノ君が戦う事になったから、逃げる事も出来なくなりましたね。それで、私たちはどうします?」
「お互いにジュエルシードを手に入れる理由があるのなら、戦うしかないのじゃない?」
疑問形で返されました。首を傾がれても困るのですが……
「まぁ、待っているだけもどうかと思いますし、ジュエルシードを掛けて戦いません?」
「う、うん。とりあえずそうしよっか」
お互いに乗り気じゃないですね。正直これって戦う必要あるのでしょうか?
とまぁ、お互いによく分からないまま、ジュエルシードを掛けて戦う事になるのでした。
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新暦85年、高町なのははある任務の途中で死亡する。
任務は全て嘘であり、全てはなのはを殺害するための一部の管理局員による計画だった。
なのははその計画通りに殺されるが、その任務に向かう途中に偶然何故か落ちていた拾ったジュエルシードによって、なのははタイムリープをするのだった!!
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