No.441277

IS−インフィニット・ストラトス−黒獅子と駆ける者−

トラックに轢かれそうになった女の子を助けて俺はお陀仏になった・・・。・・・って!それが本来の死じゃなくて、神様のミスで!?呆れている俺に、その神様がお詫びとして他の世界に転生させてくれると言うことらしい・・・。そして俺は『インフィニットストラトス』の世界に転生し、黒獅子と呼ばれるISと共にその世界で戦うぜ!

2012-06-24 14:03:23 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:4977   閲覧ユーザー数:4685

 

 

 

episode12 転校生はセカンド幼馴染

 

 

 

 

そして二日後・・・・

 

 

 

 

「では、これよりISの基本的なISの基本的な飛行を実践してもらう。織斑、オルコット、神風、ゼルノグラード・・・前に出てやって見せろ」

 

「はい」

 

「分かりましたわ」

 

「分かりました」

 

「はい」

 

そして四人は列の前に出る。

 

 

最初にティアスタルクリゲールを展開して、その次にセシリアがブルー・ティアーズ、隼人がバンシィを同時に展開した。

 

しかしブルー・ティアーズは完全に修復されておらず、ミサイルビットが未装備であった。

 

「遅いぞ。熟練した操縦者なら展開に一秒とも掛からないぞ」

 

一夏は少し焦りながらも、右手にある白式の待機状態であるガントレットに手を添える。

 

(来い!・・白式!)

 

そして一夏は白式をようやく展開した。

 

「よし・・・では飛べ!」

 

千冬の合図と共に四人は同時に飛び出したが、一夏だけふらついて飛び上がる。

 

 

 

『遅いぞ。四機中のスペックでは白式は二番目なのだぞ』

 

と、千冬から言われて、一夏は苦虫をかんだような顔になる。

 

一番目には隼人が飛んでおり、二番目にティア、同じぐらいにセシリアで、最後が一夏であった。

 

 

 

「全然だな・・」

 

と、一夏の隣に隼人がやってきた。

 

「そう言うなよ・・・結構難しいんだぞ・・・・えぇとなんだっけ・・・自分の前に角錘を展開するイメージだっけ?」

 

「一夏さん。所詮イメージはイメージ・・。自分でやりやすい方法を探し出すのが建設的でしてよ」

 

と、隼人が居る反対側の一夏の隣にセシリアがやってきた。

 

「やりやすいイメージねぇ・・・うーん・・・」

 

と、一夏が考えていると・・・・

 

 

 

『・・・しかし・・一体なぜわたくしに一夏さんのコーチを?』

 

『決まっているだろ・・・。それなりの実力があるものが教えれば、一夏の実力も上がるってもんだ』

 

と、セシリアはプライベートチャンネルで隼人に通信を入れる。

 

『・・それならば、あなたが教えればよろしいのでは?』

 

『俺はあんまりそういう性分じゃないんでな』

 

『・・・ずるいですわよ』

 

『かもな・・・。だが、俺は憎まれても使えるものは利用していくのさ』

 

『・・・腹黒いですわね・・・・・ですが、それがあなたの本性なんですね』

 

『・・・それよりもひどいものかもしれないぞ・・・俺の本性は・・』

 

『え・・?』

 

そして隼人は一方的にプライベートチャンネルを切った。

 

 

 

「・・ねぇ隼人」

 

「なんだ?」

 

すると今度はティアが通信を入れてきた。

 

「・・隼人って・・・オルコットさんに何か言ったの?」

 

「いいや・・・別に何も言ってない」

 

「そうかな・・・。それにしては隼人に対して優しいような気が・・」

 

「気のせいだ」

 

「・・・・・・」

 

 

 

『その辺でいいだろう・・・・。では、今からお前たちには急降下をやってもらう。目標は地表から十センチだ』

 

「分かりましたわ」

 

「はい」

 

そして先にセシリアとティアが降下を始めた。

 

それに続いて隼人も降下を始めた。

 

「よし・・・俺も」

 

そして一夏も急降下を始めた・・・・

 

 

 

 

最初にティアが目標の十センチで止まると、隣でセシリアも目標の十センチで止まった。

 

 

そして隼人も一定の距離でバックユニットのスラスターを一気に噴射してブレーキをかけ、地表から八センチで止まって、地面に着地した。

 

 

 

 

しかしその直後近くに一夏が止まることなくグランドに墜落した。

 

 

 

 

「誰がグランドに穴を開けろといった馬鹿者」

 

「す、すみません」

 

そして一夏はグラウンドの穴から這い出てきた。

 

「情けないぞ、一夏。昨日教えてやっただろ」

 

と、箒が言うが、昨日言ったのは『ぐっ、とする感じだ』とか『どんっ、と言う感覚だ』『ずがーん、と言う具合だ』・・とかだ・・・・いくら俺でもこれはなんとも言えない・・・

 

「・・・まぁいい。後で穴を埋めておけ」

 

「は、はい」

 

そして一夏は立ち上がると、白式のPICで少し浮かばせる。

 

「では。織斑。武器を展開して見せろ。そのくらい自在にできるだろう」

 

「は、はい」

 

そして一夏は右手に集中した・・・・

 

 

 

 

そして白式の右手に雪片弐型を展開させた。

 

展開までの一秒であった。

 

「遅い。0,5秒で出せるようにしろ」

 

(相変わらず厳しいことだな・・・・)

 

「次にオルコット。武装を展開して見せろ」

 

「分かりましたわ」

 

そしてセシリアは右手にスターライトMK-Ⅲを展開した。

 

展開までに一秒とも掛かってない・・・さすがだな・・・

 

 

「さすがだな・・・。しかし、横に向けて銃身を向けるのはやめろ。それで誰を撃つ気だ」

 

「し、しかし・・・これはわたくしのイメージを固めるのに――――」

 

「直せ。いいな」

 

「は、はい」

 

セシリアは千冬に一睨みされて黙った。

 

「次に神風・・・やって見せろ」

 

「はい」

 

そして隼人はバンシィの右手にバスターソードを展開した。

 

展開までに0,4秒半である。

 

「大したものだ・・・。他に武器は無いのか」

 

「もちろん」

 

そして隼人はバスターソードを背中のバックユニットの中央にラッティングさせると、右手にライフルを展開した。

 

「さすがだ・・・。しかし、マガジンは未装填の状態で展開したのか」

 

見れば、ライフルにはマガジンが装填されてなかった。

 

「えぇ。もしかすれば、という事を想定していますので」

 

「なるほどな。だが、戦闘中で未装填のまま展開する気か?」

 

「まさか・・・。ちゃんと装填した状態で展開しますよ」

 

そして隼人は左腕にあるアームド・アーマーVNの隙間から覗く左手に五発分のカートリッジが付けられたマガジンを展開すると、器用にライフルにマガジンを装填して、ライフルを収納した。

 

「・・・まぁいい。次にゼルノグラード。やって見せろ」

 

「わかりました」

 

そしてティアは両手にアサルトライフル二丁を展開した。

 

「さすが代表候補生だな・・・。しかし、同時展開と言っても、もう少し早く展開できるようにしろ」

 

「は、はい・・・」

 

そしてティアはアサルトライフルを収納した。

 

「時間だな・・・。これで授業を終了する。織斑、ちゃんと片付けておけよ」

 

「は、はい・・・」

 

そうして一夏以外は校舎に戻っていった・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その日の夕方・・・・・・・・・・

 

 

 

 

「ふーん・・・ここが・・」

 

 

と、IS学園の正門前に、一人の女子がいた。

 

小柄な身体に不釣合いのボストンバックを肩に掛けながら、女子はIS学園を見ていた。

 

「・・・さてと・・・受付所でも探しますか・・・」

 

そうして女子はIS学園に入っていった・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

「・・・あぁもう・・!どこなのよ!」

 

と、くしゃくしゃになったメモ用紙を見ながら女子は歩いていくが、見つからないために苛立っていた。

 

「・・・誰かに聞こうかな」

 

そしてそのままメモ用紙をポケットに押し込み、辺りを見回す。

 

 

 

 

「・・・・誰もいないわね・・」

 

それから探すが、時間帯的に人通りがほとんどない。

 

「・・・・・・」

 

しばらく歩いていると・・・・

 

 

 

 

 

「・・あっ」

 

そして女子はとある人物を見つけた。

 

それはだれかと話している一夏であった。

 

 

(一夏・・・)

 

すると女子は少し慌てて建物の陰に隠れて、こっそりと見る。

 

(・・変わってないわね・・・いや、そのほうがいいけどね)

 

そして女子は一夏に声を掛けようとするが・・・・

 

 

「っ!」

 

すると、一夏の前に、とある人物がやってきた。

 

「・・・・・・」

 

女子はとっさに隠れた。

 

「・・・隼人・・」

 

そして女子はこっそりと見た。

 

一夏と話していたのは隼人であった。

 

昔とほぼ変わっておらず、髪が更に伸びているのが分かる・・・・・。しかし、女子はそれ以外にも変わったところを知っていた・・・

 

 

(・・・やっと会えた・・・・けど・・)

 

すると女子の表情が暗くなる。

 

(・・・・また会えたのは・・・嬉しいけど・・・でも・・・)

 

そして女子は心が激しく痛む。

 

(・・・隼人に・・・なんて言ったらいいの・・・)

 

そして女子が再び前を見るが、既に二人はいなくなっていた。

 

「・・・・・・」

 

女子は気が進まないまま、受付所がある事務所に向かった・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふぅ・・・」

 

そして隼人は部屋に戻って、ベッドに腰掛ける。

 

「毎日大変そうね・・・隼人君」

 

と、隣のベッドに腰掛けている楯無が話しかけてきた。

 

「そりゃそうですよ・・・。一夏のコーチ二人が暴走しないように見ないといけませんからね・・・。それに、色々と教えなければなりませんからね」

 

「そうわね」

 

「・・・それより・・・簪のことなんですが・・・」

 

「・・・・・・・」

 

「・・やっぱり・・・楯無さんを避けていますね・・・。今日も話しかけてみましたが・・・進展がありませんでした」

 

「そう・・・・」

 

「・・申し訳ありませんね・・・。最初のところですら全くできていません・・・」

 

「・・・別に気にしなくていいのよ。元はと言えば・・私が撒いた種なのよ・・・。本当なら私自身がやらないといけないのに・・・・」

 

「・・楯無さん」

 

「・・だから、焦らなくてもいいのよ。いくら時間が掛かってもいい・・・・だからせめて・・・昔のように話せれば・・それでいいの」

 

「・・・・・・・」

 

「・・・今日はもう寝ましょう」

 

「そうですね」

 

そして二人は寝る準備をした・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「織斑君、おはよう!ねぇねぇ聞いた、噂の転校生」

 

「転校生?」

 

そして朝から一夏は女子生徒から話しかけられた。

 

「こんな時期にか~」

 

と、隼人は大きなあくびをした。

 

ちなみに昨日の夜、トイレに行って、ベッドに戻っている時に刺激的なものを見てしまったので、寝不足であった。

 

「って・・・お前が寝不足なんて珍しいよな」

 

「俺だって人間だ・・・。たまにはある」

 

「まぁ・・・そうだよな・・・」

 

「・・えぇと・・・話を戻すと・・その転校生って隣のクラス何だって・・・何でも中国代表候補生なんだって」

 

「へぇ・・・」

 

「あら。このわたくしの噂を聞きつけての転入かしら」

 

と、セシリアは一夏の席に近付き、お決まりの腰に手を当てるポーズをした。イギリスの人はこのポーズが決まるようになっているのか?

 

「別にこのクラスに入ってくるのではないのだろう。気にする必要もあるまい」

 

と、いつの間にか箒がそばに居た。箒も女子・・噂話には反応するんだな・・・

 

「どんなやつなんだろうな」

 

「む・・・気になるのか?」

 

「まぁ・・そりゃな」

 

「・・・・・」

 

すると箒は機嫌を損ねてむっとする。

 

「他人の事に気に掛けている暇があると思っているのか」

 

「そうですわよ。来月にはクラス対抗戦があるのですのよ」

 

「・・・それは分かっているんだが・・・・隼人がこのまま代表を勤めていれば楽じゃなかったのか?」

 

「確かにそうだろうが、それじゃ面白みがない」

 

「・・だよな」

 

「そうだぞ!そんな他人任せでどうする!」

 

「・・・分かったよ・・。やれるだけやるよ」

 

「それでは意味がない!優勝を目指せ!」

 

「そうだよ。織斑君が優勝したらクラス全員が幸せなんだよ」

 

と、言うが、まぁ優勝商品は学食デザートのフリーパス券半年分である。女子が燃えるわけだ。

 

 

 

「それに、専用機持ちはここと四組しかない・・・楽勝・・・のはずだよ」

 

何やら自身がない発言だな・・・・

 

「―――その情報は古いよ!」

 

と、教室の入り口から声がして見てみると、一人の女子がいた。

 

「二組も専用機持ちがクラス代表になったの。そう簡単にはいかないわよ」

 

と、腕を組んで、片膝を上げて壁にもたれかかっているのは・・・・

 

 

 

 

「鈴・・?・・・お前・・鈴なのか?」

 

「そうよ。中国代表候補生・・・凰鈴音・・・今日は宣戦布告に来たってわけ」

 

と、決まった・・・と言うような感じに頭を振るうと、ツインテールが揺れる。

 

「・・お前・・何かっこ付けてんだ?すげぇ似合わないぞ」

 

「なぁ!?なんてこと言うのよ、あんた!」

 

と、顔を赤らめて鈴は動揺する。戻ったな・・・

 

 

 

バシンッ!

 

 

 

すると、後ろから誰かに出席簿で叩かれた。

 

「いったぁっ!?誰よ!」

 

と、鈴が勢いよく振り向くと・・・・

 

 

 

「早く自分の教室に戻れ。SHRの時間だぞ」

 

「ち、千冬さん・・・」

 

そして鈴はびくっとしてすくまる。

 

「織斑先生だ・・・それに邪魔だ」

 

「は、はい」

 

と、鈴は避けた。

 

「一夏!後で来るから、逃げないでよ!」

 

と、そのまま二組に猛ダッシュした。

 

そして、織斑先生の登場で、みんなは席に着いた。

 

 

 

 

「・・・・・」

 

しかし、隼人は表情を険しくしていた。

 

(・・・鈴・・お前・・)

 

あの時、鈴が教室を出ようとして一夏に言った際に、鈴は隼人のほうを一瞬見ていた。

 

 

それはなにやら哀しげな表情であった・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

そして昼食の時間・・・・・・

 

 

 

「・・・・・・」

 

隼人と一夏は食堂に向かっていた。

 

「鈴か・・・久しぶりだよな」

 

「・・あ、あぁ・・・そうだな」

 

 

 

 

「待っていたわよ、一夏!隼人!」

 

そして二人の前にトレーを持った鈴が立ち塞がった。

 

「熱烈な歓迎はありがたいが、退いてくれ。じゃないと食券が取れない」

 

「う、うるさいわね!分かっているわよ」

 

そして鈴はそのまま横に避けた。

 

 

 

 

そして俺と一夏は飯を頼んで、鈴と一緒に席に座った。

 

ちなみに俺はカツ丼・・・大好物なんだよなこれ・・・・高いけど・・・。一夏は日替わり定食であった。

 

「鈴。いつ日本に戻ってきたんだ?おばさん元気か?いつ代表候補生になったんだ?」

 

「質問ばっかしないでよ。あんたこそ、何IS扱えてんのよ。テレビにあんたが出て驚いたわよ」

 

と、二人は楽しそうに会話をしていた。この二人は仲がいいんだよな・・・

 

「そ、それに、隼人も何ISをちゃっかり扱えているのよ。教室であんたを見たとき驚いたわよ」

 

と、鈴はいつも通りに話しているが、どうも覇気がない。

 

 

 

 

「・・・で、一夏。そろそろ説明してもらいたいのだがな」

 

と、箒が一夏に近寄る。

 

「この女とはどういう関係だ」

 

「どういう関係って・・・幼馴染だよ」

 

「お、幼馴染だと・・?」

 

すると不機嫌そうであった表情が一変、怪訝そうな表情になる。

 

「あぁ。そういえば箒は知らないんだったな。箒が転校したのは小四の終わりだろ?で、鈴が小五の頭に転校して来たんだよ。その後中二の終わりで国に帰ったんだよ」

 

すると中二の終わりと聞くと、鈴はびくっと体を震わせる。

 

「つまり、箒はファースト幼馴染・・・鈴はセカンド幼馴染って所だ」

 

「・・ファースト幼馴染」

 

すると箒はなにやら嬉しそうにした。まぁ最初の幼馴染として認識されていることが嬉しいんだろうな」

 

 

「・・・ともかくだな・・・よろしく頼む」

 

「こちらこそ」

 

と、二人は笑顔で挨拶を交わすが、どうも上に一瞬龍と虎が見えたような気がする

 

「・・ねぇ一夏」

 

「なんだ?」

 

「あんた・・クラス代表なんだって?」

 

「お、おう・・成り行きで」

 

「ふーん・・・てっきりあたしは隼人が代表になったかと思ったけどね・・。ISの実力は分からないけど、あたしが知っている範囲の実力からすれば、当たり前と思ったけどね」

 

(それは言えている・・・)

 

「でも、隼人の性格からすれば、クラス代表なんかやりたくなかったんでしょ」

 

「おう。そこは否定しない」

 

と、隼人はきっぱりと言う。

 

「やっぱそれが本音か!」

 

「まぁそう言うな。お前だって俺の性格は知っているだろ」

 

「ぐっ・・・」

 

まぁそうして、ひと時は過ぎていった・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

そして放課後・・・・・

 

 

 

「・・・・・・」

 

隼人は第三アリーナに向かっていた。

 

一夏の訓練に付き合い為だ・・・・。最も箒とセシリアの監視がほとんどだが・・

 

 

 

「・・・・もう出てきたらいいだろ」

 

ビクッ!・・と、木の陰からツインテールが跳ねる。

 

 

 

「・・き、気付いていたんだ・・」

 

と、木の陰から鈴が出てきた。

 

「俺が気付いていないとでも思ったか」

 

「・・ううん・・・。たぶん気付いていたと思ってた・・・」

 

「・・・・・・・」

 

「あの時・・色々と言えなかったけど・・・・髪・・・更に伸ばしたんだね。中学の時は背中までしかなかったのにね・・」

 

「あぁ。俺はこっちのほうが好き何でな」

 

「・・・そう・・・なんだ」

 

鈴はいつも通りにしようとしていたが、どうも彼女から覇気が見られない・・・

 

「・・・隼人」

 

「・・・・・」

 

「・・・・左目・・・・無くしたんだって・・」

 

「・・・あぁ」

 

そして隼人は左目を覆う前髪を退けて下にある眼帯を見せる。

 

「・・・母さんから・・・聞いたよ・・・隼人が左目を失ったことを・・・」

 

「・・・・聞いたのか」

 

「・・・あたしのせいなんでしょ?・・・隼人が左目を失ってしまったのは・・」

 

「・・・・・・」

 

隼人は少し間を取って・・・

 

 

 

「・・いいや。俺の気の緩みで起きたことだ・・・鈴は関係ない」

 

「・・・・・・・・」

 

「気にすることはない・・・」

 

「・・・なんでなの・・」

 

「・・・・」

 

「・・どうして・・・隼人はあたしを責めないの」

 

「・・・・・・」

 

「・・・明らかだよ・・・あたしが強盗に捕まったせいで・・・隼人が気を散らしてしまったから・・・」

 

「・・・違う」

 

「・・・・おかしいよ!」

 

「・・・・・」

 

「どうして隼人はいつも自分のせいにするの!?他人のせいでもいつも隼人は自分の責任として・・・・そんなのおかしいよ!」

 

「・・・・・・」

 

「今回は明らかにあたしのせいよ!あたしがもしあの時注意していれば、強盗に捕まらずに済んで、隼人は左目を失わずに済んだのに!」

 

「・・・・・・」

 

「あたしを責めなさいよ、隼人!じゃないとあたし・・・・」

 

そして鈴はうつろむ。

 

「お前が何と言おうが、俺は何度でも言う・・・・。俺のミスだ・・・鈴は関係ない」

 

「・・・・・・・」

 

「いいな・・・」

 

そして隼人はアリーナに向かっていく・・・・・

 

 

 

「・・・なんで・・・なんでよ・・」

 

そして鈴は近くの木に額を付ける。

 

「・・どうしてあんたは・・・自分ばっかり責められるのよ・・他人のせいにしないで・・・・おかしいよ・・・そんなの・・・」

 

そして鈴は涙がこぼれそうになるが、必死に堪えた。

 

「・・隼人・・・」

 

そうしてそのままの状態でいた・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 
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