No.438264

超次元ゲイムネプテューヌmk2 Reborn 第十七話 指令

執筆のペースが一向に上がらん……。

なのに駄文は直らない……。

早くカタストロフィ編を書きたいよー!!

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2012-06-17 02:13:35 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:1081   閲覧ユーザー数:1017

――――かごめかごめ

 

 

「なんだってこんなところに……。」

 

「ここなら安全……なのかもな。」

 

「俺が……そんな……嘘だ、嘘だ、嘘だ!!」

 

「いつかあっち側に行ける。俺はそう信じてる。」

 

 

――――かごのなかのとりは

 

 

「俺達は……どっち側なんだよ…。」

 

「どっちでもないんだよ……俺達は。」

 

「必要じゃ……無いってのかよ!」

 

「大丈夫だって! 同じ仲間はたくさん居るんだからさ!」

 

 

――――いついつでやる

 

 

「殺せ! 殺しちまえ! 皆殺しにしろ!!」

 

「この化け物め!!」

 

「待ってくれ、俺達は―――。」

 

「黙れ、汚れた血め!!」

 

 

――――よあけのばんに

 

 

「何なんだよ……何だってんだよ!!」

 

「何が友好だ! 何が正義だ!!」

 

「駆逐してやる……この世から、1人残らず!!」

 

「ここで、死ぬのかよ……。」

 

 

――――つるとかめがすべった

 

 

「もう大丈夫だ。」

 

「関係ない。血とか力とか全く。」

 

「上からの命令でね。来てもらおうか。」

 

「これが人間か!!? てめえらこそ悪魔だ!!!」

 

「あいつら? ハッ、死んだぜ? 当然だろ? お前を匿ったんだ。」

 

「フッ…クククッ、ひゃはははははははははははははははははははははははははははははははは!!!!」

 

 

――――ウシロノショウメンダアレ?

 

 

 

 

現在魔界

 

氷室「!!! はあっ……っ、夢か…。」

 

ベッドから勢いよく上半身を起こした状態のまま氷室が呟いた。

ふとベッドに目をやると、氷室の姿に沿って汗がぐっしょりと染み込み、氷室の悪夢の性の悪さを伺わせた。

氷室は頭を抱えて記憶を整理しながら辺りを見回し始めた。

気分が悪くなって眠りについてから何時間たったのか?

時計のない氷室の部屋ではそれすら知る術が無かった。

 

氷室(今さら何でこんな事……くそっ…。)

 

心の中で呟きながら氷室はベッドの脇に脱ぎ捨ててあったスーツに手を掛けた。

おもむろにそれを羽織ろうとしていると、背後から微かな足音が聞こえてきた。

氷室は気にせずにスーツを羽織り、視線をドアに向けた瞬間にドアは静かに開いた。

 

ライ「おっ、氷室! もう体調は良いのか?」

 

扉から姿をのぞかせたライは氷室を見ると同時に声を上げた。

 

氷室「ああ、大分な。それより俺が寝てからどれぐらい経つ?」

ライ「ちょうど1日と半分ってとこだな。そろそろ日の入りだ。」

氷室「マジかよ……。そんなに寝込んでたのかよ……。」

 

ため息をつきながら氷室は視線を下に落とした。

様子を見ていたライはフォローするように口を開いた。

 

ライ「まあ、仕事は俺達とラミーカがやったから気にすんなって。」

氷室「飯はどうした? ちゃんと食ったのか?」

ライ「まあ適当にな。そろそろお前が起きる頃だと思ってまだ俺達も起きてからは何も食ってねえ。」

 

おおよそどうでもよさ気な会話の後にライと氷室は大広間に向けて歩き始めた。

途中、ライは腹を押さえながら深いため息を吐いていたが、氷室は知るよしもなかった。

大広間の扉をライの右手が無造作に押し開くと、中から2人の大声が響き渡った。

 

レオン「いつまで寝てんだよ氷室! こっちは腹減ってんだよ!」

エスター「正直、もう出来合いの不味い飯は食い飽きたんでさァ。何か旨い物作れ。」

氷室「悪かった。とっとと作るから待ってろ……、エスター! お前、そいつは……。」

 

ソファーに腰掛けたままレオンとエスターは氷室に愚痴をこぼした。

氷室はさらりと受け流そうとしたがエスターの首下を見て顔色を変えた。

エスターの首元には少し小さめの白いマフラーが巻かれていた。

 

エスター「ルウィーは寒いんでこれからは着けて行くことにしたんでさァ。」

氷室・レオン・ライ「……。」

 

―――嘘だ

そんな事は3人とも十分に分かっていた。

エスターがそのマフラーを巻くことが意味することを3人とも知っていたからだ。

だが3人はエスターに昨日何が起こったかは尋ねなかった。

それがエスターのためだと思ってのことだろう。

氷室は視線を前に戻し、スーツを脱いでソファーの背もたれに掛け、代わりに傍のキッチンの棚の中からエプロンを引っ張り出して腰にまきつけた。

何の躊躇も無くキッチンの冷蔵庫から食材を取り出し、目の前のまな板の上に包丁と共にそれらを並べ、夕食を作り始めた。

その手際のよさはプロも脱帽するほどの物であった。

僅か10分の内にソファーを挟んだテーブルには様々な料理が並べられた。

メニューは直径30センチもあるミュータント鶏の卵に厚さ3センチは軽い巨大ハムを乗せた超特大ハムエッグと4つのバスケットに山盛りにされたライ麦パン、それに大ブドウのフレッシュジュース。

と、以上がメインディッシュで、他に大皿いっぱいの野菜サラダと自家製バターがつく。

氷室がエプロンを脱ぎ捨ててソファーについた瞬間に、4人の手は一斉に目の前の料理へと伸びていた。

レオンは豪快にハムエッグをナイフで切り分けて口へ運び、それを呑み込む前にパンに手を伸ばした。

エスターはゆっくりとではあるが着実に目の前のサラダを器に放り込み、胃袋へと収めていった。

ライは取りあえずジュースで喉の渇きを潤し、バスケットの中のパンにこれまた豪快にかぶりついた。

3人とも引けをとらない食いっぷりだが更にそれを凌駕する食いっぷりを見せる男が1人。

氷室はハムエッグを切り分けることも無く一口で口に含み、更にはバスケットの中のパンに手が伸びたかと思うとパンの山はあっという間に残り数個となってしまった。

 

ライ「相変わらず凄い食いっぷりだな。そこまで行くと見てて気持ちが良いや。」

氷室「沢山食わねえと力入らなねえだろ?」

 

何事も無いかのように氷室はライに返した。

その食い意地の凄さはネプテューヌと同等ぐらいかもしれない。

ふと見るとレオンが食べかけのパンを手にしたまま俯いていた。

 

レオン「……。」

エスター「どうしたんですかい?(黒笑)」

レオン「ほうひははねえ!(どうしたじゃねえ!)へめえはひゃっふぁんふぁろは!!(てめえがやったんだろが!!)」

 

涙目になって訴えるレオンの口周りはなぜか真っ赤に腫れていた。

原因はエスターの右ポケットの中にあった。

レオンがハムエッグに夢中になっている隙に、エスターがレオンの食べかけのパンにたっぷりと激辛のタバスコを振りかけたためだった。

それをよく確認もせずにほおばったレオンもレオンだが、そんな状況をエスターは笑いながら見下していた。

 

エスター「そんなに気に入ったんですかい? もっとかけるか?」

レオン「ひるは!(要るか!)」

氷室「飯ぐらい冷静に食え! 食うことに集中できねえのか!」

 

 

 

――――喰ライ尽クシテヤル!!

 

 

 

氷室「!!!」

 

突如として氷室の体に悪寒が走った。

氷室はビクリと体を震わせ、食事の手を止めた。

 

ライ「? どうした氷室?」

氷室「いや……何でもない……。」

 

真っ青な顔をした氷室がか細い声で答えた。

誰がどう考えても普通の状態ではなかったが、あえてライは深くは尋ねなかった。

そんな2人を尻目にレオンとエスターの言い争いは既に喧嘩へと発展していた。

互いにナイフとフォークを両手に持ち、突き合ったり、ハムエッグの奪い合いなどが行われていた。

 

エスター「おらっ、ハムエッグもらいっ!」

レオン「てんめえ! 返せ、戻せ!!」

氷室・ライ「はぁ……。」

 

あまりの幼稚さに氷室とライのため息が重なって聞こえた。

そんなやり取りを繰り返しているうちに4人の手が突如として一斉に止まった。

それに呼応するように、大広間の両開きの扉が鈍い音を立てながら静かに開かれた。

 

ラミーカ「騒々しい……。何事じゃ?」

 

扉の影から姿を見せたラミーカは凍り付くような視線で4人を視界に捕らえた。

4人は眉間にしわを寄せながら、ラミーカに向けて口を開いた。

 

氷室「食事中に何の用だ?」

ラミーカ「口の利き方に気をつけよ。役立たずが。」

 

氷室の言葉にラミーカが見下すような口調で言い放った。

それを聞いた4人は眉間のしわをより一層深めた。

 

レオン「ハッ、今まで糞の役にも立たなかった奴がよく言うぜ!」

エスター「生憎とこっちは飯食ってんでィ。用がないなら出てけよ。」

ラミーカ「父上からの言葉じゃ。」

 

2人の言葉を半ば無視してラミーカが口を開いた。

ラミーカの右手には一枚の写真が握られていた。

刹那、ラミーカはそれを氷室の方へ投げ飛ばした。

右手を上げてキャッチした氷室は無造作にその写真を視野に入れた。

 

氷室「だれだこいつ?」

ラミーカ「父上いわく、我々を嗅ぎ回る”危険因子”との事じゃ。」

 

他の3人も氷室の方へ集まり、食い入るように写真を見つめた。

しばらくして氷室が再び声を上げた。

 

氷室「……で、俺達にどうしろと?」

 

低い声で氷室は尋ねた。

返事はほとんど間を空けずに返ってきた。

 

ラミーカ「”危険因子”は排除するのみ……。そうであろう?」

 

冷たい声でラミーカが言い放った。

4人の視線が集まるその先、写真には1人の少女が写っていた。

青いコートにストレートロングの茶髪に若葉のリボン…。

 

 

 

――――紛れもなく、アイエフの姿であった。

 

 


 
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