No.430807

新魏・恋姫†無双 2話

yasuさん

新魏・恋姫†無双の続きです。
投稿が、遅れてしまいました。

一刀の貞操は・・、今のところ大丈夫です。

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2012-06-01 01:13:26 投稿 / 全3ページ    総閲覧数:8410   閲覧ユーザー数:6634

窓から朝日が入り、顔に日がさす。

一刀「ん・・ん~~~。眩しぃ~。・・・あれ?」

 

 一刀は、体を起こそうとしたが、右腕に違和感があり動かなかった。そこで、首だけ動かし布団を見ると膨れていた。

 

一刀「あれ?何か乗って・・・る?」

 

 左手で、ゆっくりと布団をめくるとそこには。昨日の夜、確かに部屋から出て行ったはずの穂琳が、右腕を抱いて気持ちよさそうに寝ていた。

 

一刀「え・・?確か、昨日穂琳さん出て行ったよね・・?なんで?え?え?」

穂琳「ん~~!!うるさいなぁ。もう、朝なの?あ、おはよう。一刀くん♪よく寝れた?」

一刀「あ、はい。おはようございます。気持ちよく寝れました。・・・・・って!なんで隣に寝てるんですか!!」

 

穂琳「一刀の寝顔が可愛かったからつい♪」

一刀「つい♪じゃないです!それに、あの・・・う、腕ほどいてくれませんか?」

 

 一刀は、顔を真っ赤にしながら視線を逸らした。現在、穂琳に腕を抱かれてるため、穂琳の大きな胸に、腕が埋もれてる状態になっている。

 

穂琳「あら?嬉しくないの?」

一刀「それは・・・」

穂琳「それは?言わなきゃずっとこのままよ♪」

一刀「あうぅ・・」

穂琳「私は別にいいんだけどね♪♪」

一刀「わ、わかってるくせに。い、いじわる・・。」

穂琳「わからないなぁ~~♪」

 

 穂琳は満面の笑みを浮かべて、からかう気満々だった。一刀は、真っ赤になり、目をウルウルさせながらも逸らしていた視線を穂琳に向けた。

 

一刀「う、う、嬉しいです・・。穂琳さんみたいに綺麗な人にされたら」

 

 その瞬間、穂琳の顔もポッンと音が出るくらい一気に赤くなった。

 

穂琳「(覚悟していたけど・・。ここまで、嬉しくて恥ずかしくなるんて・・・。しかも、可愛すぎる!!)」

一刀「あの、大丈夫ですか?顔赤いですよ?熱でもあるんですか?」

 

 一刀は、心配になり自分のデコを、穂琳のデコに当てて熱を測ろうと動く。

穂琳は動揺と欲望を押さえる為に内なる自分と格闘していたため、一刀の話を聞かず視線を逸らしていた。そして、気が付いた時には目の前に一刀の顔があった。

 

穂琳「へぇ?」

 

 そして、一刀は熱を見る為、穂琳のおでこと自分のおでこをくっつけた。

 

一刀「ん?熱い?」

穂琳「あっ、あっ」

 

 自我が戻った穂琳は、デコが離れた瞬間、一刀の手を離し寝台から起き上がって、戸の所まで行くと立ち止まった。

 

穂琳「大丈夫よ。あっ、今日娘たちにあわせるわね。それと、呼びに来るまで部屋から出ちゃだめよ。じゃ、後でね」

 そして、振り返らず要件だけ早口でいうと、あっという間に部屋から出て行った。

 

一刀「どうしたんだろう?怒らせた?」

一刀「あ・・・。目を隠し忘れた・・・。」

一刀は、何が起こったかわからなかった。

 

 

 

-穂琳side 始-

 

穂琳「(あ~~~~。一刀くん、反応可愛いから調子乗っちゃったら、返り討ちにされるなんて。恥ずかしくなっちゃって、出てきちゃったけど仕方ないわよね?急におでこくっつけられたんだし・・・。はぁ、顔冷やさないと、かなりあついわ。眠っていた、女の性が目を覚ましちゃったみたい)」

 

華琳「あ、お母様おはようございます。」

 声がしたので、前を見るとこちらに向かって歩いてくる娘・華琳の姿があった。

 

穂琳「え?あ、華琳ちゃんおはよう。」

華琳「めずらしいですね。声かけるまで気が付かないなんて。それに、顔赤いですし、嬉しそうな顔して。何かありました?」

穂琳「な、なんでもないのよ。それより、あとで一刀くん紹介するから2人呼びなさいね」

華琳「一刀くん?あ、昨日拾ってきた男ですか。わかりました」

穂琳「あの子、きっと役に立つわよ。公私でね♪」

華琳「公私で、ですか。お母様に、そう言わせるなら期待しときますね」

そういうと、華琳は自室がある方に向かって行った。その背中を見ていた。

 

 

穂琳「ふふ。あの子絶対、気に入るわね♪まっさきに、華琳ちゃんが食べちゃいそうだけどね・・。それに、あの2人もね。ん~~~楽しみ♪さて、さて、今日は珍しく、気分がいいから、自分の仕事しましょ!」

 

穂琳「(ん?さっき、一刀君どこか違ったような・・。気のせい??まっいっか)」

 

 その、違和感が引っ掛かりはしたものの気にすることなく。朝ごはん食べる為と一刀の朝ごはん持って行ってもらうために食堂に向かって行った。

 

-穂琳side 終-

 

 

 

 一方一刀は、部屋で穂琳が呼びに来るまでの間に、朝ごはんを持ってきた侍女、お昼を持ってきた侍女の2人を、女殺しの笑顔で落としていた。ただ、一刀は「顔が赤かったけど、大丈夫かな?この辺り風邪でも流行ってるのかな?」と、全く気が付いていなかったのは余談である。

 

 

 そして、お昼が過ぎ夕方になる頃。廊下から、ダダダダっと慌ただしく走る音が近づいてきて、その勢いのまま扉を、バーーーンと開き。穂琳が飛び込んできた。

一刀「な、な、な」

穂琳「おまたせ~~~♪一刀くん、待ってる間に、2人の侍女を落としたのほんと?」

一刀「へぇ?何いってるんですか?」

穂琳「(無自覚なのね・・。)まぁ、いいわ。さぁ、行きましょ♪」

一刀「ちょ、ちょっと待って。引っ張らないで~~」

 

 穂琳は、一刀の手を握ると引っ張って歩きだした。

 

引っ張られ着いたのは、中庭だった。そこには、三人の女の子が立っていた。

 

穂琳「またせたわね。連れて来たわよ」

華琳「へぇ~~。この男がねぇ」

一刀「ん?何が?穂琳さ」

春蘭「貴様ーーー!穂琳様の真名呼びおって!!」

 

一刀「あっぶな!」

春蘭「くっ!!」

 

 春蘭が、いきなり斬りかかったがとっさに反応した、一刀は、鉄扇を取り出し軌道を変え逸らし、懐に入り鉄扇を春蘭の首筋に当てた。

 

穂琳「へぇ~~~」

華琳「すごいじゃない」

秋蘭「・・・」

 

一刀「穂琳さん。この人、誰ですか?」

春蘭「また、呼びおって!!」

華琳「春蘭!!辞めなさい!!」

春蘭「ですが!」

 華琳は、もう一度春蘭に吠えた。

華琳「春蘭!!!」

春蘭「はい・・・。」

穂琳「一刀くんも、鉄扇戻してね♪」

一刀「は~い」

一刀は、鉄扇を一瞬でしまった。

 

穂琳「秋蘭は、何も言わなかったわね」

秋蘭「穂琳様がここに来た時。悪戯っ子のような笑顔していたので。こうなる事を、楽しみにしていたのだと」

春蘭「・・?秋蘭どういうことだ?」

穂琳「さすが、秋蘭ちゃんね♪春蘭ちゃん、私一刀くんに真名許してるわよ」

春蘭「え?ということは、私だけ気が付かなかったということか・・?」

華琳「そういうことよ。春蘭」

 

 完全に置いてきぼりをくらっている、一刀だった。

一刀「あの?」

華琳「あら、ごめんなさい。まず自己紹介かしら?」

一刀「えっと、北郷一刀です。あと、そちらの自己紹介はいいですよ?検討付きましたし。」

華琳「へぇ。じゃ、言ってみなさい。」

一刀「あなたが、曹操 孟徳さん。で、さっき斬りかかってきた人が、夏候惇 元譲さん。そして、もう一人が夏侯淵 妙才さんですよね?」

 

華琳「正解。それも、天の知識かしら?」

一刀「そんなところです。あの、ところで曹操さんは覇道を目指すんですか?いろんなもの背負う覚悟はあるんですか?」

 

華琳「ええ。そうよ。覇道こそ我が道。すべて背負って見せるわよ!」

 

 華琳は、春蘭、秋蘭も身構えるくらいの覇気を一刀に向け答えたが・・。一刀は平然とし、そして少しがっかりしたような表所を見せていた。

 

一刀「ん~~~。そうですか・・」

穂琳「どうしたの?一刀くん」

一刀「曹操さんの覇気って、これが限界ですか?」

華琳「なっ!!」

春・秋「「貴様!!!」」

 華琳は、驚愕の顔になり。春蘭、秋蘭は怒り。穂琳は、嬉しそうな顔してみていた。

穂琳「一刀くん、何ともないんだね♪でも、どうして平気なの?」

一刀「うちのおばあちゃんの方が、もっとすごかったので。つい・・・」

 

 思い出したのか、ガタガタと震えだした。

 開いてはいけない過去の扉が、開きそうになったが、穂琳の声で我に返った。

 

穂琳「そんなに、すごかったの?」

一刀「え・・、ええ。思い出すとだけで震えるくらい・・。6歳くらいから、もっと濃くて強い覇気受けながら、よく怒られましたから・・・」

華琳「あはははは!!いいわ、いいわ♪」

 

 その話を聞いた途端。華琳は、急に嬉しそうに声を出して笑った。

 

春蘭「か、華琳様」

華琳「あなた、一刀だったかしら?」

一刀「うん。」

華琳「あなたのおばあさん超える、覇気を身に着けてあげるわ。そのかわり、側でずっとみていなさい」

春蘭「華琳様!私は、反対です!!」

華琳「なんでかしら?春蘭の一撃を簡単に逸らし、一瞬で首筋に鉄扇当てる事が出来る武を持ち、私の覇気を浴びたのになんともない。そして、天の知識。何が駄目っていうの?」

春蘭「そ、それは・・・。しゅ、秋蘭」

華琳「あら、秋蘭は反対なの?」

秋蘭「いえ。むしろ一目見た時から、気に入ってます。」

華琳「へぇ~。秋蘭が気に入るとはね。一目惚れかしら?」

秋蘭「さぁ、どうでしょ。北郷、私の真名は秋蘭だ。」

華琳「部下が、許したのなら私も許さなきゃいけないわね。私の真名は、華琳よ。」

穂琳「あらぁ?早いわね♪」

 

 急な展開に、とてつもなく嬉しそうな顔している穂琳。そして、急な展開に慌てている一刀だった。

 

一刀「へ?いいの?大事なものなんだろ?」

華琳「それに、もう。私達に真名に値するの、一刀という名を言ったわよね。お母様から聞いたのよ。真名の風習がない事、真名と同等の物があなた達で言う名であること」

穂琳「それに、一刀くん。昨日言ったわよね」

一刀「あっ・・。失礼に当たるんでしたよね・・。」

穂琳「そうよ」

一刀「わかりました。2人の真名を預かります」

華琳「えぇ。よろしくね。一刀」

秋蘭「よろしく頼むぞ。北郷」

一刀「こちらこそ、よろしく」

春蘭「あっ・・、あ。おい、北郷!私は、春蘭だ」

一刀「へ?」

春蘭「なんだ、気に入らんのか!!うれしくないのか!!」

 

 春蘭は顔を真っ赤にしながら、一刀に大剣を振り下ろした。

 

一刀「いえ。受け取ります。嬉しいですから、大剣振り下ろさないで!!それと、秋蘭さん、さり気なく弓構えないでください。というか、なんで構えてるんですか!!」

秋蘭「いや、弓はどう避けてくれるのか気になってな」

 そして、死の追い駆けっこが始まった。

 

穂・華「「あははは♪」」

華琳「ふふふ。お母様。これから、退屈しないで済みそうですね。」

穂琳「そうね♪」

一刀「穂琳さん、華琳さん!!笑ってないで2人をとめて~~~!!」

 

 

 一刀の悲痛な叫びが家中に響き渡った。

それから、数刻後やっとのことで解放された。そして、夜になり五人そろって宴会を開いた。ちなみに、一刀は頑なにお酒を断り、盃にお茶となっている。

 

穂琳「おもしろいわねぇ♪」

一刀「もう、面白くありませんよ」

 一刀は、拗ねて頬を膨らしながら、目に涙を溜めながら拗ねた表情で文句言った。

穂琳「(あらあら♪この表情もいいわね。じゅるり。)」

華琳「(うふふ。いいわね♪今度、たっぷりといじって沢山見たいわね。ゾクゾクするわね)」

秋蘭「(また、穂琳様と華琳様の悪い癖が・・。でも。うん。いいな)」

春蘭「(なんだ。あの、保護欲そそる表情は!!)」

一刀「うん???」

 何も話さなくなった4人から、変な視線を感じた一刀は、首を傾げて4人を見つめた。

 

穂・華・春・秋「「「「(いい!!)」」」」ツーーー

 見つめられた4人は一斉に、鼻血を垂らした。

 

一刀「え?え?大丈夫!?」

穂琳「え、ええ。だ、大丈夫よ」

春蘭「あ、ああ大丈夫だ」

秋蘭「問題ない」

華琳「だ、大丈夫よ。」

一刀「大丈夫ならいいけど。」

 

華琳「コホン。ねぇ、一刀天の国の話聞かせてくれないかしら」

一刀「何から話せばいい?」

華琳「じゃ、まずは・・・」

 

 そのあとは、一刀の居た国では、大きい戦がなく平和である事。おぼろげに覚えていた、政治のしくみ。警察、消防、救急など身の回りで自分たちの安全を守ってくれる組織や仕組みなどいろいろ。春蘭以外の四人で、この時代で使えるかどうか討論したりして盛り上がっていた。春蘭は寂びそうにお酒を飲んでいた。

そして、難しい話が終わり、お酒や食べ物の話になると、より一層盛り上がった。そして、会話の中から一刀が料理をうまいことを知った華琳は、実際に料理を作るように誘導しふるまう事が決まった。

 

 

穂琳「そういえば、一刀君をどうするか決まったの?」

華琳「決まりましたよ。戦闘は、春蘭、秋蘭にまかせて。私の傍にいるか、支援お願いすることにしたわ。秋蘭、一刀に教えてあげてくれるかしら」

秋蘭「わかりました。鍛えてやるからな。一刀」

一刀「あ、はは。お手柔らかい」

 

春蘭「なぁ、一刀。お前の得物は何だ?素手だけでは、ないだろ?」

一刀「ん~~。暗器と弓と長刀(ちょうとう)と大鎌かな?」

秋蘭「ほぉ~~~。弓出来るか」

華琳「へぇ~~。私と同じなのね」

一刀「同じ??」

華琳「近いうちに見せるわよ。それより、長刀ってなにかしら?」

一刀「氣が使えたら、見せれるんだけど。簡単にいうと、日本刀っていうのは昼間、私兵さん達が使っていた一般的な剣より、もっと細くて片刃だけの物かなぁ」

春蘭「絵を書いてみろ」

一刀「絵に?一様書くものとか、持ってるけど。ちょっと待って」

 

 そういうと、袖の中に腕を引っ込めた。

一刀「ん~~。どこに、しまったかな?」

秋蘭「一刀、何をしてるのだ?」

一刀「ん?探してるの。ん?あった」

 

 すると、袖からにゅるり、日本刀を出して腕を戻した。

一刀「じゃじゃ~~ん。名状しがたい刀♪」

一刀「・・ん?どうしたの?」

 

 4人から何とも言えない視線が一刀に向けられていた。そして、日本刀を華琳に渡した。

 

華琳「名状しがたいってなんなのよ・・。へぇ~軽いのね。鞘から抜いていいかしら?」

一刀「いいよ。あ、手を切らないでね」

華琳「わかってるわよ」

 

華琳「すごい・・。これが、人を斬る為の物なの・・。宝剣って言ってもいいくらいね」

秋蘭「綺麗だ・・。だが、細いな」

春蘭「うぬ。すぐに折れてしまいそうだ。」

一刀「まぁ、使う人の腕によるけどね。」

穂琳「本当に斬れるの?」

一刀「さぁ?それは、ただの飾りとして家に置いてあったものだから」

華琳「飾りね・・。これだけ綺麗な理由がわかったわ。血を吸っていないのだもの」

穂琳「そうね。人を斬れば刃がこぼれるし、傷がつく。この日本刀?大事にとっておきなさい。一刀君。」

一刀「うん。大事に持っておくよ・・。」

 

 一刀は、日本刀を大事そうに抱え、そしてまた袖にしまった。

 

 長刀に話をもどした。

 

一刀「名前の通り。さっきの日本刀を長くした感じ。持ち手は、普通の刀と同じくらいの長さだけど、刃の部分入れると全長は俺の身長以上あるものかな」

秋蘭「だが、そんなものよく作れるものだ。やはり、天と言うのはすごいのだな」

一刀「いや、そんな刀作れないし。俺の居た世界、探しても見つからないかな。それに、長刀って調べても、まったく違う。なぎなたっていう、得物が出て来るよ。」

華琳「・・・はい?なぜ、ないものが得意なのよ」

一刀「長刀は、ゲームで」

穂琳「げぇむ?ってなに?」

一刀「ないんだった。簡単にいうと、物語の中で主人公になれるものかな。」

華琳「で、そのげぇむで何?」

一刀「そのゲームで見て、かっこいいなと思って。氣を使って具現化したものだから。氣を使わないと、見せる事も使う事出来ない」

穂琳「一刀くん、氣を使うどころか、氣の具現化まで出来るなんてすごいわね。口ぶりからすると使えないの??」

一刀「ん~~。待ってる間に、試したんだけど・・・。全く使えなくなってた」

穂琳「そう・・。残念ね・・。」

 

秋蘭「あの、氣の具現化はすごいのですか?」

穂琳「ええ。私たちは無意識に使ってるのよ。でも、それを自分の意図して使えるようになるだけでも、かなりの修行を必要とするわよ。それを、体の中にある氣を、表にだして武器として使うなんて。もっと倍。そう、血反吐を吐くくらいの修行がいるわよ」

秋蘭「そ、そうですか。」

 

 秋蘭は、改めて一刀のすごさを実感して、目を向けた。

 

春蘭「つまり、今は弓と大鎌だけってことか?」

一刀「そうだね。まぁ・・暗器は、華琳も春蘭、秋蘭、穂琳さんも使えるみたいだしね・・。(ほんと、なんで使えるんだろうね・・・。あはは・・。)」

 数日の間に、いつの間にか得物だしているところを見ていて、多少困惑気味になっていた。そして、暗器を教えてくれたおばあちゃんに感謝していた。

 

華琳「弓は、秋蘭。よろしくね。」

秋蘭「はい。華琳様」

穂琳「あら?鉄扇持ってるから。てっきり、舞が出来ると思ったのだけど」

一刀「出来るけど・・。辞めといた方が・・。」

華琳「何故かしら?」

 一刀は鉄扇を開きながら、話し出した。

一刀「俺が教えてもらっていたのは。氣が使えて、初めて教えてもらえる舞。どうしてもというなら、舞うけど・・。文句言わない?」

 

華琳「お願いするのだから、言わないわよ」

 

 一刀は、庭に出て周りに何もないこと確認すると。鉄扇を構え、息を整え、姿勢を正した。

 

 

―華琳side 始―

 

 華琳は、一刀の足の指先から頭のてっぺんまで。鉄扇の動き、一挙手一投足。すべてみる。一刀の舞は、優雅で綺麗。ただ、それだけ。

 

華琳「(一刀の言っていた事、なんとなくわかったわ。何かが、物足りない・・。でも、この舞が完成したらどれだけすごいのか楽しみなるわね。)なんとなくだけど、わかったわ」

 

 華琳の言葉に、一刀は舞を辞め。戻ってきた。

 

―華琳side 終―

 

 

一刀「わかってくれた?」

華琳「えぇ。氣が使えるようになったら舞。楽しみしてるわ」

一刀「了解」

穂琳「でも、よかったわよ♪」

 

 穂琳は、一刀に後ろから首に手を回し抱きついた。その、瞬間ポンと音が出たと思えるくらい真っ赤になった。

一刀「す、すすす。穂琳さん」

穂琳「あらあら♪照れて可愛いわね♪」

一刀「うぅ~~~。は、は、離れてください」

 

 一刀には、前方から華琳と春蘭、秋蘭の視線が刺さっていた。

 

華琳「お母様。一刀から離れてくれませんか?」

穂琳「あら?怖い声だしちゃって。やきもちかしら?」

華琳「なっ、何いってるんですか!!」

 

 華琳の反応に、気分を良くしたのか、尚首に回している腕に力を入れて抱きしめた。見事首、を締め上げていた。

 

一刀「す・・・すい・・りんさ・・・・ん」

華琳「ちょっと!お母様、本当に離してください。一刀の顔が青くなってます!!」

穂琳「え!!ごめん」

 慌てて離して、一刀の前に周わり顔を覗き込んだ。

一刀「はぁ、はぁ、はぁ」

穂琳「一刀くん、大丈夫?」

一刀「コクコク」

 心配そうな表情で見つめられた。一刀は笑顔で、頷いてみせた。

 

そして、月が真上に差し掛かる頃、一刀の家族に話が及んだ。

 

穂琳「そういえば、一刀の家族の事教えてよ♪」

華琳「興味あるわね」

 

 一刀は、とたんに苦笑いを浮かべた。それに、気が付いたのは一刀の正面に座っていた秋蘭だった。

 

秋「北郷、話したくないのか?」

 

 そして、秋蘭の言葉を聞き。全員、一刀の顔見ていた。

 

穂琳「一刀くん、話したくなくないならいいのよ。無理に話さなくても」

一刀「いえ・・。いつかは話すんですから、話は早い方が時がいいでしょ」

華琳「そう・・。聴かせてくれるかしら?」

 

一刀「いいですけど。そんなに、かしこまらなくても。そうですね。俺には、5歳より前の記憶がないんです。気が付いたら、おじいちゃんとおばあちゃんと住んでいたので。」

春蘭「そうなのか・・。両親はいないのか?」

一刀「両親は、わからないんです。おじいちゃんもおばあちゃんも、話しませんでした。話そうとすると、話逸らすし・・」

 

 全員が、嫌な想像が出来た為。暗い顔になり、誰一人しゃべらなくなっていた。そして、話す一刀の顔見つめていた。ただ本人は、ずっとお茶の入った盃を見ていて周りの変化に気が付いていなかった。

 次の瞬間、一刀の顔には優しくて、楽しそうで、でも寂しそうな表情が現れていた。

 

一刀「でも、おじいちゃんとおばあちゃんが居たから。それに、まわりにいろんな人達がいたから、両親がいなくても気にしたことなかったなぁ・・そういえば。」

華琳「私より、強い覇気を放つおばあちゃんだったかしら」

 

北「あはは。はい。6歳の頃からいろんな事、おばあちゃん入れて18人の師匠に徹底的に叩き込まれましたね。刀、剣、弓、槍、短剣、棍棒、大鎌、ありとあらえる得物を。あと、氣で長刀を具現化したら、一緒に戦い方を考えて鍛えてくれまし。きつかったけどね・・・。

あ、7歳の時、調理器具と短剣だけで持たされて、野宿で、2ヶ月山の中で暮らせってなんて事もやったな。しかも、熊が頻繁に目撃され危険な立ち入り禁止の森でしたから。熊とも戦う事もしばしばあったなぁ」

 

 笑いながら話す、一刀の話を聞きながら、全員が口を大きく開けて呆然としてた。

 

一刀「あと、おじいちゃんとも修行しましたよ。5歳の時2ヶ月で氣を習得しろ!って、言われて、文字通り死にもの狂いで覚えましたね。その次に、舞。あと、隠密の家計だったとかで暗器、気配の消し方、情報収集とかのやり方とか。それと、いろんな薬の作り方。もちろん、毒薬・解毒剤の作り方とか。あと、山とかに自生している植物で、食べれる物とかも。でも、おじいちゃんは俺に全て教えると病気で死んでしまいました・・」

 

華琳「そ、そうだったの・・・」

 

穂・華・秋・春「「「「(よく、生きていたわね(な))」」」」

 

穂琳「(そ、壮絶すぎるわね・・)おばあさん達は、どうしたの?」

 

一刀「おじいちゃんは、2年前に。そして、ちょうど1年前。おばあちゃんも。2人も老衰で死にました。幸せそうな笑顔をうかべて。17人の師匠たちもね」

 

春蘭「じゃ、北郷には家族がいないのか?」

 

春蘭の言葉に、改めて一刀はどこにいても一人なのだと実感して涙が自然に流れだしていた・・。

一刀「・・・そっか。誰もいなくなっちゃったんだ・・。」

穂琳「一刀くん・・。」

華琳「一刀・・」

秋蘭「一刀」

春蘭「そうか・・。うむ、北郷17歳か?」

一刀「ん?そうだけど」

春蘭「そうか・・」

 

春蘭は言い終わると、また考え込みだした。そして・・・

 

春蘭「北郷。私が、お前の家族になってやる。」

一刀「え?」

秋蘭「あ、姉者?」

華琳「春蘭。何を言ってるの?」

春蘭「ん?義姉になってやると言ってるだけだぞ」

華琳「そ、そう。びっくりしたわね」

秋蘭「てっきり、結婚するのかと思ったぞ。ちゃんと言ってくれ姉者。」

春蘭「けっ、結婚だと。ま、まだ、早いではないか」

秋蘭「まだ、早いか。くくく。・・・うむ。義姉か。なら、私もなるとしよう。弟が欲しいところだったからな」

 

 だが、一刀の返事がないため。穂琳は一刀に視線を向けると固まった。

 

穂琳「一刀くん?どうしたの・・?」

 

 穂琳の声で、華琳、春蘭、秋蘭は一刀の顔を見た。そこに、さっきまでの笑顔が消え思いつめた表情で、涙を流している姿があった。

 

一刀「・・・。ごめんなさい。・・・家族になる話は。・・・。時間ください・・。

 一刀は、それだけ言うと。立ち上がり部屋に帰って行った。突然の事で残された、4人は戸惑い呆然としていた。

 

 

春蘭「え?私なにかしたか?」

華琳「春蘭の所為ではないわ。だた、何かが一刀の心の何かに引っ掛ったみたいね・・」

穂琳「・・そうね。寝ましょうか・・。」

 

 宴会は、お開きになった。

 

 

 一刀は、自分の部屋に帰ったあと、部屋に設けられた化粧台の前に座っていた。そして、左手で左目の瞼を開くと、右手で親指と人差し指を持っていき。黒色のカラーコンタクトを外した。そして、右目の黒のカラーコンタクトを外して鏡を見ると、映ったのは銀色の瞳だった。

 

一刀「家族・・・か。でも、この目を見られたら・・。元の世界の様に気味悪がられのかな・・・。でも・・、見せなきゃ。」

 

そして、次の日。一刀以外、穂琳の部屋に集まって居た。

 

穂琳「一刀くん、部屋から出て来たかしら?」

華琳「いえ・・。出て来るどころか、誰ひとり部屋に居れないのよね・・。」

春蘭「えぇぇい!部屋扉ぶち壊して、外に出してやる!!気になって仕方ない!!」

秋蘭「姉者。それは、駄目だ」

「あはは。本当。部屋を壊さないで欲しいな」

穂・華・春・秋「「「「一刀(君)」」」」

 

 4人は、声の方を向くとそこには一刀が、申し訳なさそうな顔して立っていた。

 

一刀「なんか、心配かけてごめんなさい」

穂琳「本当。心配したんだから。部屋に居れてくれないんだもの」

一刀「すいません。覚悟決めていたので」

華琳「その、覚悟が昨日の家族の話に関係してるのね」

一刀「はい。穂琳さんや、華琳、春蘭、秋蘭さんと家族になれたら嬉しい。って、素直に思えたから。だから、見て欲しい」

春蘭「何を見ればいいのだ?」

一刀「ちょっと待ってください」

 そうすると、そして、左手で左目の瞼を開くと、右手で親指と人差し指を持っていき。

秋蘭「一刀、何をするのだ!!」

一刀「大丈夫だよ」

 

そして、黒のコンタクトレンズを外し、目をつぶる。そして、反対側も同じ要領で外し、目を閉じる。そして、覚悟を持ってゆっくり目を開く。銀の瞳が現れる。

 

穂・華・春・秋「「「「・・・・・」」」」

一刀「これが、俺の本来の目の色です・・・。気持ち悪いでしょ?」

 すると、華琳は一刀に近づくと、一刀の顔に手を持っていく。

 

一刀「ビクッ!!」

 一刀身構え目を閉じたが、華琳は優しく頬に触れた。

一刀「か、華琳?」

 

華琳「怖がらなくてもいいのよ。一刀・・とっても、綺麗よ。銀色の目」

一刀「え・・・?本当?」

華琳「ええ。とっても綺麗よ。ずっと見ていたいわ」

穂琳「華琳ちゃんの言う通りよ。本当に綺麗よ」

春蘭「うん。綺麗だぞ!」

秋蘭「月の色だな。一刀。きれいだ」

 

 

 思いもよらない言葉に、ぽろぽろと次々に涙が溢れて流れていく。

一刀「ひっぐぅ。・・・。う~~」

華琳「もう、泣かない。男でしょ。ちゃんとしなさい」

一刀「だって、嬉しくて。涙が止まらない・・・。」

 華琳は、一刀にしゃがむように指示し、一刀をゆっくりと抱きしめ、そして、優しく頭を撫でた。

 

穂琳「私も、ぎゅ~~ってする」

秋蘭「では、私もするとしよう」

春蘭「秋蘭まで!?うむむ」

秋蘭「姉者はしないのか?」

春蘭「す、するに決まってるだろ!!」

 

そして、一刀を全員で抱きしめた。だが、多少正気に戻っていた一刀にとって、4人の女性に抱きしめられるという、状況に対応できるはずもなく真っ赤になった。

 

一刀「あ、あ、あ、あの。もう、大丈夫だから、離して欲しいのですが・・・。」

穂琳「もう、終わりなの?つまらないの♪」

華琳「(あぁ~~~、この初心な反応。たまらないわね。春蘭や、秋蘭にしている事をしたらどうなっちゃうのかしら。うふふ)よかったわ。落ち着いたみたいで」

秋蘭「そうですね。姉者、離れないと話が出来ないのだが」

春蘭「お、おう。もう、しまいか」

秋蘭「姉者、残念か?」

春蘭「そんなことないぞ!うん」

一刀「ごめんなさい。取り乱しちゃって・・。」

秋蘭「いいさ。それに、家族になるのだろ?」

一刀「いいの?こんな、目の色だし。それに、隠してたんだよ・・」

秋蘭「関係あるものか。それに、私は一目見た時から気に入ったといったぞ。目の色くらいで、変わるわけがない」

春蘭「そういう事だ。私の事は、そうだな・・。姉貴と呼べ」

秋蘭「では、私の事は、姉さんと呼んでくれ」

一刀「あの・・。よろしく、お願いします。姉貴、姉さん」ニコッ

 一刀に照れくさそうに笑いながら呼ばれた、春蘭、秋蘭は顔を真っ赤にして目をそらした。

 

穂琳「よし!!決めた!!」

突然、机をたたき立ち上がり一刀を見た。

一刀「何を決めたんですか?」

穂琳「一刀くん。私の息子。曹家の養子になりなさい。決めたわ!!」

一刀「え?突然何を言いだすんですか!!」

穂琳「突然でもないのよね♪嫌なの?」

一刀「いえ・・。うれしいんですけど・・。勝手に決めていいんですか?」

華琳「一刀、無駄よ。こうなった、お母様止められないわ。それに、曹家の当主お母様ですもん」

穂琳「あら?華琳ちゃん反対しないのね」

華琳「私としても、賛成ですよ。お母様の手綱引いてくれる人、一人でも多い方がいいですからね。」

穂琳「なによ。すぐ暴走するみたいな言い方して」

華琳「違うんですか?それに、一刀にお姉ちゃんと呼ばせたいのよね」

 

 ニヤリとSっ気のある笑顔を浮かべて、一刀を見た。

 

一刀「あの、勝手に進んでいくんだけどいいの?華り」

華琳「お姉ちゃん」

一刀「か」

華琳「お姉ちゃんでしょ?」

一刀「お・・。おね・・。お姉ちゃん」

 恥ずかしいのか、姉貴、姉さんと呼んだ時の比ではないくらい。真っ赤にしながら呼んだ。

華琳「それでいいのよ。一刀」

 すごい良い笑顔を浮かべていた。

穂琳「私の事は、最初の夜の時みたいに、お母さんと呼んでね♪♪」

一刀「うぐぅ・・・・」

華琳「最初の夜?」

穂琳「そうなのよ♪目を覚ましたと思ったて、顔覗き込んだら。お母さんってよばれたのよ。ねぇ♪一刀くん」

一刀「ちょっ。穂琳さん!!」

穂琳「お・か・あ・さ・ん」

一刀「うぅ・・。お母さん」

穂琳「それで、いいのよ♪」

 

 一刀はお母さんと呼べたのが、嬉しかったのか。今まで見たことないくらい、とても嬉しそうな笑顔を浮かべていた。

 

穂琳「名前決めなきゃね。ん~~。曹、曹」

華琳「夏と書いて、曹夏(そうか)」

穂琳「曹夏ねぇ♪」

春蘭「もしかして、夏候の夏をとってくれたのですか!?」

華琳「そうよ。だって、あなた達も一刀の家族でしょ?」

春蘭「ありがとうございます。華琳様♪やったな、秋蘭!!」

秋蘭「ふふ。そうだな、姉者」

穂琳「真名は、一刀ね」

一刀「字は、どうするんですか?」

穂琳「大丈夫よ♪しばらくしたら、ちゃんと字貰えるわよ」

華琳「勘ですか?」

穂琳「そうよ♪」

一刀「いや、お母さん勘って」

華琳「家族になったのなら、覚えておきなさい。お母様の勘は、必ず当たるのよ」

 穂琳は、胸を張って頷いた。

 

 

 そして、一刀の名が決まったところで宴会はお開きになった。

 

 

 

北郷一刀の新しい名。曹夏 真名一刀。

 

 

 

 


 
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