No.425741

そらのおとしもの  金環日食を見よう!

BLACKさん

この話は金環日食ネタですが、書いている間に作者の分身となるオリジナルキャラ(秋山総司郎)がメインになってしまったことをご了承ください。

2012-05-20 20:43:22 投稿 / 全4ページ    総閲覧数:931   閲覧ユーザー数:918

 

 

 

 

 

そらのおとしもの  金環日食を見よう!

 

 

『明日はいよいよ日本で100年ぶりの金環日食…』

 

ニュースで金環日食のことについて話されていた。

 

「金環日食か…」

「はいはーい! きんかんにっしょくってなんですか?」

 

アストレアが智樹達に質問する。

 

「すんごい簡単に言うと、太陽が月に隠れるってことだ」

「太陽が月に……、まったまたー、太陽の方が月よりでかいのは馬鹿の私でも分かってるわよ~。

智樹、本当に馬鹿じゃない?」

「……」

 

アストレアにバカにされる智樹。

 

「あのね、デルタ」

 

ニンフが冷蔵庫からプリンを二つ取り出す。

 

「ここにプリンがあるわよね?」

「はい」

 

ニンフが二つのプリンを少しずれたところに置いておく。

 

「ここから見たら大きさは同じでしょ?」

「当たり前ですよ、同じプリンなんですから…」

「ちょっとあっちに行きなさい」

 

ニンフがアストレアに少し離れたところに行くように指示し、アストレアは言われるままに行く。

 

「あれ!? 大きさが違って見えます!」

「遠近法、月が太陽に隠れる理由、分かった?」

「よく分かりませんけど、分かりました!」

 

アストレアは元気よく答える。

 

「もぐ……もぐ……」

 

出されたプリンはカオスが食べる。

 

『…ですが、明日の天気は全国的に曇りと……』

「曇り……」

「これじゃあ金環日食が見れないな」

「見れないとどうなるの?」

「特にないけどな……。まあけど次見れるのはいつになることやら……」

 

智樹は少し落ち込んだ様子を見せる。

 

「智樹……、ねえ、イカロス先輩、ニンフ先輩」

「何? アストレア」

「金環日食、シナプスで見れないですかね?」

「「へ?」」

「シナプスならいつも晴れだから、雲で隠れることはまずないはずですし…」

「はぁ~、あのねデルタ、智樹はともかく、私達はシナプスに行けないのよ」

 

智樹など人間は『ダイブゲーム』と呼ばれるゲームをするための機械で智樹の夢=シナプスに繋がっているためにその気になればシナプスに行くことは出来るが、イカロス達エンジェロイドは夢を見ることが出来ないために通ることは出来ない。

例外としてはカオスは通ることは可能である。

 

「それにホイホイ、シナプスに連れて行ったところで、ハーピー達に見つかって危険だわ。

ハーピーだけじゃない、あそこには色々……」

「だったら見つからなければ問題ない」

 

そこにいつの間にか家に上がりこんでいたそはら、守形、美香子、日和、秋山。

 

「いつ来たんだ!?」

「ごめんなさい、桜井君」

「どうやって来たと思う?」

『…………』

 

智樹、イカロス、ニンフ、アストレア、カオスが一斉に秋山の方を見た。

 

『瞬間移動!』

「その通り」

「けど智ちゃん、それだけじゃないんだよ。実は私達数分前から家に居たんだよ」

「は? 数分前って……」

「ちょうどニュースで金環日食の話をし始めた時だ」

「でもどうやって、私に気づかれずに…」

 

ニンフは電子戦用エンジェロイドであり、探知能力にも長けている。

そのニンフのレーダーにも引っかからない能力の持ち主はやはり一人しかいない。

 

「ふっ……」

 

秋山が薄ら笑うとその場からいきなりステルス能力で透明化する。

 

「ステルス能力…」

「よく見てみろ」

 

秋山が言うといつの間にか日和と守形の姿がなかった。

 

「あれ? 日和さんと守形がいない」

「こっちを見て~」

 

美香子の声がする方を見るとなんと美香子の体の半分が消えていた。

 

「これって……」

「こういうことだ」

 

また秋山の声がすると美香子の体半分が見え始めただけでなく、見えなくなった日和と守形の姿も見えるようになった。

 

「もしかして……」

「ステルスフィールドを作ることくらい造作もない。

しかも俺のステルスはさらにすごくてな。そのフィールド内に入っている間は完全隔離と同じように物が飛んできても透き通る。

だからこの状態でシナプスに行けばどうなると思う?」

「ハーピー達に気づかれずにいられる!」

「そう言うことだ。…ただし、今回がちょっとしたギャグモードだから出来ることだからな。いつもの状態だと使えないから注意しろよ」

「メタいこと言うな!」

 

智樹がツッコム。

 

「それで何時集合にするの?」

「この辺りにはちょうど昼の12時に見れるらしいからな。午前11時にこの家で集合でいいな」

「いいわね~」

「結局俺の家かよ!」

「一番集合しやすいからな」

「それで何か準備いります?」

「俺のフィールド内ならグラスなしで直接見ても問題ないから日光グラスは必要ないぞ。いざとなれば俺が出してやるし…」

「でもせっかくだからお弁当とか持っていかない?」

「いいわね、それ」

 

もはやピクニック気分であった。

 

 

その頃、シナプスでは……。

 

「ほぅ……」

 

シナプスマスターが何かモニターを見ていた。

 

「マスター、どうかしましたか?」

 

そこにハーピーの二人がやって来る。

 

「どうやらこの星で金環日食が見れるらしいな」

「金環日食ですか?」

「そうだ。地蟲(ダウナー)どもはそれをみようと懸命なことをしているようだ」

 

するとシナプスマスターは不気味な笑みを見せる。

 

「マスター?」

「ふふふ、地蟲(ダウナー)どもが絶望する姿が目に浮かぶわ。

ははははははは!!」

 

何かを企んだシナプスマスターは大声で笑うのだった。

 

 

そして次の日になり、一同は智樹の家に集合した。

 

「それじゃあ早速出発だ」

「ほれ」

 

秋山がステルス能力を全開にし、瞬間移動する。

 

「着いたわね」

「相変わらず何もないな、ここは……」

「言っておくが、俺から離れすぎるな。ステルスフィールドから離れたら見えちまうからな」

「はーい」

 

秋山はもはや完全に引率の先生だった。

 

「時間まで後30分か」

「それじゃあ早速ご飯にしましょう♪」

 

皆のんきにお弁当を食べる。

 

「でもなんか静かですよね」

「いつもこんなもんじゃねえの?」

「…まあ……確かにいつも静かなんだけどね…」

(それにしては妙だな…)

 

少し違和感を感じる守形。

 

「ハーピー達にも見つからなくて本当に平和ですね」

「何か冷たいお菓子が食べたいわね」

「ほれ」

 

秋山がクレープを出してニンフに渡す。

 

「クレープじゃない。私は冷たいものが欲しいって言ったのよ?」

「それは冷たいぞ。冷蔵庫に入れてたんだからな」

「冷蔵庫に?」

「クレープとは冷蔵庫に入れるものではないだろ?」

「俺は思うんだが、スイーツとかって基本的に冷たい方がいいだろ。

これは俺の持論だ。とりあえず食ってみればいい」

「……いただきます」

 

ニンフはとりあえずクレープを食べてみる。

 

「おいしい…」

「だから言ったろ」

「どれどれ?」

「食べていいですか?」

「ほいほい」

 

秋山が人数分出す。

 

「うまい、うまい」

 

そんなこんなで金環日食まであと少しになった時である。

 

「?」

 

突然周りから音が鳴り響く。

 

「この音はなんだ?」

「警報? でも私達は見つかっては……」

「ないがなんだろうか?」

 

ニンフが気になって色々調べてみようとすると……。

 

「! 大変よ、今から月を破壊しようとしてるわ!」

『はっ!?』

 

突然のことで変な声を出す一同。

 

「月を壊すって……」

「シナプスの技術なら難しいだけで決して不可能ではないわ」

「月が壊れたら……」

「お月見が出来ない!」

「そうじゃないわよ、デルタ!」

「この世界はよく分からないが、別世界で壊れた時は生態系が乱れた!

まあ別の世界で月の一部が壊れたりしてもそこまで問題はなかったけど、何にしろ月が壊れていいことはない!

いくらイカロスでも月を壊すほどの力となると簡単には防げんだろ。

幸いにも今回の話はギャグ話!」

「だからメタるな!」

「ギャグ話なら俺の力はかなり使える!

一応言っておくが、そこを動くなよ」

 

それからしばらくするとレーザー砲のようなものが出てくる。

 

「発射だ」

 

シナプスマスターが命令を出すとレーザー砲らしきものから巨大なレーザーが月に向かって発射される。

 

「どうするの? 発射されたわよ!」

「こうする」

 

秋山が簡単に手をひねるとレーザーはあらぬ方向へと飛んで行った。

 

「へ?」

 

何とレーザーは逆流するかのようにそのまま砲口の方へとすっぽりと入っていった。

 

「あれ?」

 

レーザー砲は当然のことながら爆発を起こした。

 

「何があった?」

「レーザーが逆流しました!」

「だからその理由を聞いているんだ!」

「分かりません!」

「くそ、一体何が起きたんだ」

 

シナプスの方は騒がしくなる。

 

「仕方ねえ、移動するぞ」

「移動って……」

 

秋山は瞬間移動で皆を移動させた。

 

「ここって、トモキの家よね?」

「私達、戻って来ちゃったの?」

「まあこうすればよかったんだけどな」

 

すると智樹の家が突然浮かび上がる。

 

「ねえ、これって家が飛んでるの?」

「そうだ。そんでもってステルスが働いてるから見つからない」

「それでどうするんだ?」

「このままシナプスの上まで行くぞ。大気圏すれすれなら問題ない」

 

するとロケットで飛ぶように家が飛んで行く!

 

『どっしぇええええええ!!』

 

それから一応金環日食を見ることが出来たそうな。

 

 

 

 

終わり

 

 

おまけ

 

 

作者「おまけと言う名の反省会だ!」

智樹「秋山メインの話じゃないか!」

作者「いや、これ書いたのは昨日でな、明日までに間に合わせようと思ったけどなかなかネタが思い浮かばなくなってしまった。そこでやむを得ず秋山をフルに使うことにした」

智樹「これは『そらのおとしもの』だろ!」

作者「序盤はそらおとらしかったじゃないか。(主にアストレアのバカなど)

まあ一応秋山は主人公にはならないけど話の主役になることはあるからな…。

反省はしてるけど、後悔はしてない」

智樹「後悔もしろ」

作者「まあ詫びと言ってはなんだが、もう一本『そらおと』のネタを投稿しようと思う。

内容は『女神戦隊エンジェンジャー』だ」

智樹「意外に続くな、それ」

作者「ただ、今回の話は『スーパー戦隊シリーズ』と言うよりまた『特警ウインスペクター』の影響を受けたり、『ウルトラシリーズ』の影響(てか元ネタは主にそっち)だったりするんだよね。

まあとにかく見てくれれば嬉しいかな、それでは次にGO!!」


 
このエントリーをはてなブックマークに追加
 
 
1
0

コメントの閲覧と書き込みにはログインが必要です。

この作品について報告する

追加するフォルダを選択