No.414452

ゲイム業界へようこそ!その48

俺達の戦いはこれからダッ!!

2012-04-26 20:00:39 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:1715   閲覧ユーザー数:1662

今アニメエイトに向けて移動中なわけなのだが、街の至る所にどうにも気になる張り紙が張ってあった。

 

 

 

『闘劇inリーンボックス ARCADIA CUP TOURNAMENT』

 

 

 

(この大陸はどんだけ闘劇をプッシュしてるんだよ…、いや、あの女神様ならむしろ推奨してやりそうだ………ん?そもそも何故この世界に闘劇?)

 

 

 

そもそも闘劇とは、エンターブ○イン主催の「対戦格闘ゲームの全国大会」のことである。全国から募集した店舗(ゲームセンター等)で地区予選を行い、そこで勝ち抜いたプレイヤー(またはチーム)達が、全国大会決勝で優勝を争うのだ。

 

 

「この世界に何故『闘劇』が?」とか考えたのだけど、その疑問はすぐに解消してしまった。「まぁこの世界だし、あっても不思議じゃないな…」という答えによって。

 

ネプテューヌの世界に来てから俺は「アニメエイト」や「ゲイ・マーズ」、それに自身が使用する「モン○ターハ○ター」の武器といったように、前世で馴染みの深いものを既にこの目で何度も見ているのだ。今更「闘劇」があったとしても大して驚くようなことでも無い。まぁ結局のところ慣れしまったんだな、この世界の不思議というかバグというかに…。

 

 

脳内でいろいろと自問自答しつつも俺は張り紙から闘劇の日程や開催地など確認してみた……、そしてここにきて驚愕することになる。

 

 

 

「って今日かよ!!……………って今日かよ!!」

 

 

 

あまりに驚いたから声に出して二回も言っちゃったよ!!そして周りからの視線がとっても痛いDEATH!!

 

 

開催地はどうやらアニメエイトの近くにある「幕の内メッセ」という場所らしい、地図で見る分には徒歩で充分行ける距離だ。だが日程では既に大会は始まっていて、今から行ったとしても終了している可能性がある。さて、闘劇を見に行くか、否か…。

 

 

 

(よしっ、逝こうッ!)

 

 

 

数分と待たず、俺は行くことに決めた。偶々今日この日にリーンボックスを訪れ、そして「闘劇」という俺にとって興味深い催しが偶然にも今日開催されている、更には場所も申し分無しときているのだ。これは俺にとって「逝く」という選択肢しか見当たらない。

 

 

 

「あっ、もちろん『逝く』じゃなくて『行く』のほうだからね♪ここは誤解しないでね♪」

 

 

 

…俺は一体誰に言っているのだろう?そして再び痛い視線!やっ、やめて!僕をそんな目で見ないでっ!!

 

 

俺はその場から逃げ出すように幕の内メッセへと向かった。…そしてこの「闘劇を見に行く」という選択肢を俺が選んだことで、一つのフラグになるとはこの時俺はもちろん予想すらしないわけで……。

 

 

 

 

 

 

 

 

………………

 

 

 

 

 

 

 

 

会場に到着したわけなのだが……ここどこ?絶賛迷子中なんです、ハイ。

 

 

現在、幕の内メッセの入り口から入場した俺は「とりあえず立ち止まってないで、どんどん奥に進んでみよう!」の方針から、人の群れを掻き分けて奥へ奥へと進んでいったのだ、そこまでは良かったはず。しかし、進んで行った先には見えるのは俺の出発地点でもある入り口、いやオカシイだろ…。

 

再度突入を開始した俺は会場内を先ほどと同じように進んだ……、進んだかのように見えた。しかし、次に辿り着いた先は入り口ではなく、まったくと言っていいほどの違う場所に出たのだ。さすがの俺でもこの状況には不安を覚えてしまう、迷宮過ぎるぜ幕の内メッセぇ……。

 

 

 

これ以上時間を掛けるわけにもいかないので、俺は仕方なく人に尋ねることにした。とりあえず目の前にいるコスプレをした二人組みに声を掛けてみる。

 

 

 

「あの~すみません。少しお時間よろしいでしょうか?」

 

 

 

「何の用ウサ?」

 

 

 

「えっ?あ、あのですねぇ……。(ウサッ!?)」

 

 

 

相手の言動にやや動揺をしてしまった俺、まさか素で語尾を『ウサ』に変えてくるとは…。

 

 

二人の服装は某弾幕シューティングゲームに出てくるキャラクターをイメージしているようだ。互いにウサミミの装飾をして、服装もバッチリこなしてる。さすがに身長まで意識することは適わないようだが、それでもコスプレとしては充分にキャラへ成り切っているのだろう。

 

 

 

俺は闘劇が行われている場所に行きたいと二人に聞いてみた。俺の問いに対し、二人は一瞬だが互いに目配せを行った後こちらに聞き返した。

 

 

 

「ということはあなたは迷子なのですね?」

 

 

 

「まぁ…はい、そうですね。それが何か?」

 

 

 

俺の返答を聞いた途端、二人はまるで呼吸を合わせたかのようなタイミングでとあるポーズを俺に見せ付けてきた。その後に二人が放った台詞はというと…

 

 

 

「えぇーマジ迷子!?」

 

「キモーイ」

 

「迷子が許されるのは小学生までだよねー」

 

「キャハハハハハ」

 

 

 

…まぁ、なんとなく予想はしていたんだ。予想はしていても何故か憤りを感じてしまうのはどうしてなのだろうか…。

 

無性に悔しかったから切り返してやった。

 

 

 

「…あんた達それ言いたかっただけだろう?」

 

 

 

「「ゴメンナサイ!言いたかっただけです(ウサ)!!」」

 

 

 

 

それから俺は二人に案内をしてもらい無事に闘劇が行われている場所に辿り着くことが出来た。二人とは軽く挨拶を済ませて別れた、なんだかんだで結構いい人達だったな、やはりオタクは皆共通の友達といったところかね。

 

 

『さぁ~遂にギルティギア決勝戦です!長かった数々の死闘もこれがラスト、この最後の戦いを勝ち抜き勝利を手にするのは一体どちらか!?』

 

 

 

これはまたなんというグッドタイミング…、まさか決勝戦を見れるとは思わなかった。周りの観客のボルテージも司会者のナレーションの力もあってか、グングン上がってきているのが肌で感じ取ることが出来る。

 

 

 

『それではさっそくプレイヤーに登場してもらましょう!!「ハコマル」さん、「嫁募集中!」さんです!!』

 

 

 

「「「ワァアアアアア!!」」」

 

 

 

多くの観客の雄叫びと拍手の嵐で会場がまた一段の騒がしくなった。そんな中、俺も周りに感化されてか異様にテンションが上がり、拍手をしながら二人のプレイヤーを出迎える。

 

 

渦巻く歓声と拍手の中、遂にプレイヤーが壇上に現れて………、ってアレ?オカシイな……、あそこに立っている二人、なんだか見覚えがあるんですけど。う~む汗が目に入ってぼやけちゃったのかな?

 

 

そんなこと俺は一人ぼやいていたが、壇上の更に上にある巨大なディスプレイに映る二人の姿を見せ付けられたことでこれ以上取り繕うことも適わず…。

 


 
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