No.403626

そらのおとしもの~天使と仮面騎士の物語~ 第9話『探索者A/暴走するIとR』

蒼き星さん

[そらのおとしもの~天使と仮面騎士の物語~]
設定集 http://www.tinami.com/view/401137
プロローグ http://www.tinami.com/view/401710
第1話『破壊の後継者/Iとの再会』 http://www.tinami.com/view/402298
第2話『驚愕の転校生/忍び寄るFの影』 http://www.tinami.com/view/402305

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2012-04-06 18:08:01 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:963   閲覧ユーザー数:962

「「海だぁぁーーーーー!!!」」

 

更衣室から出た智樹と白いビキニで体を包んだアストレアは海岸に向かって走っていった。

 

「トモちゃん!まずは、場所の確保が先だよ!!」

「そはら。確実に聞いてないぞ、あの2人」

 

注意しようとするそはらに対し、刹那は冷静に事実を告げる。

 

「グスッ……。どうして亜樹子は風邪なんて引いてしまったんだ?」

「しっかりしなさいよ。アンタ、それでも仮面ライダーなんでしょ?」

「よしよし」

 

奥さんが風邪を引いてキャラが崩壊するレベルで落ち込みまくっている照井竜をニンフが叱咤激励し、空色ビキニのリインが頭を撫でている。ちなみに、フィリップは亜樹子の看病である。

 

「照井さんも当てにならないから俺達だけでやるしかないな、翔兄」

「ったく、どいつもこいつも……」

 

ブツクサ言いながらも翔太郎は刹那と一緒に荷物を持ち、空いている場所を探そうとした。その2人に白フリルをあしらった紺のビキニを着たイカロスが近づいていった。スタイルを強調しながらも可愛らしさも備えたその水着に目を引かれない男性はいないだろう。

 

「イカロス、遅かったじゃないか」

「似合っているかどうか少し不安だったんです。どうでしょうか、刹那?」

 

喋りかける翔太郎にイカロスはモジモジしながら答える。

 

 

「とても似合っている……」

 

刹那は見とれるあまり表情が固くなる。

 

「さっそくで悪いが、場所取りを手伝ってくれ。まともに動ける奴が少ないんだ」

 

刹那は荷物を全て右手で持ち、空いた左手でイカロスの右手を取る。

 

「はい……」

(なんか居心地悪いな……)

(私もトモちゃんとこんな風になれたらいいな)

 

イカロスは嬉しそうに、そはらは羨ましそうな視線をイカロスに向けながら、翔太郎は気まずそうに歩いていった。

 

 

★★★★★

 

 

「夏といったらまずはスイカ割りだね」

「スイカはちゃんと持ってきた! しかも、2つ!!」

 

智樹は鞄から取り出した2つのスイカを胸のところで抱える。そのスイカを見たイカロスはわずかに反応を見せたが、誰も気づかなかった。

 

「もうっ!! トモちゃんったらこんなところに来てまでそういうことをする!!!」

「誰が最初にやるかジャンケンしようぜ!! 最初は、グー」

 

皆がジャンケンをしようとしたその瞬間、一筋の閃光がスイカを貫き、爆発させた。

 

『…………』

 

スイカまみれになった一同が海の方を見ると、波しぶきが発生し、右手にノコギリのような剣を装備した鮫型のフォルスが出てきた。それに続いて水中戦を意識した流線形ボディの青いソルジャーフォルスAが30体ほど陸に上がってきた。

 

「A小隊は辺りの港を閉鎖しろ!! その他は魔族と神族を抹殺しろ!!」

『了解』

 

悲鳴と怒声を上げ、人々は我先にと逃げていった。鮫型のフォルス……ソーシャークフォルスの命令を受けたソルジャーフォルス達は頭部に装備された簡易ソナーで辺りを探索し、ある一般人へ水陸両用ライフルを向ける。

 

 

「待てっ! 俺は人間――」

 

泣き叫ぶ人間は容赦なく銃弾を叩き込まれ、絶命した。

 

「嘘を着いても無駄だ。俺達には魔力の有無が分かるんだからな!!」

 

別れたソルジャー達は無慈悲な鉄の雨を降らしながら進軍していった。

 

「このっ!! 化け物が!!」

 

 

魔族の青年が魔力弾をソーシャークフォルスに直撃させるが、ソーシャークはかすり傷1つ負わなかった。

 

 

「そっ、そんな……」

「ゴミが……。やれ!!」

 

ソルジャーは命令に従い、魔族を蜂の巣にした。

 

 

「野郎……」

「智樹達は一般人の避難を!! 奴は、俺と翔兄が倒す!!」

「分かった。ドラグレッダー!!」

 

智樹が呼ぶと、近くにあった鏡からドラグレッダーが飛び出し、人々に襲いかかるソルジャーを妨害し始めた。

「イカロスも早く避難を……」

 

刹那が後ろを振り向くと、イカロスは怒っていた。いつもと同じ無表情だが、明らかに怒っていた。

 

「許さない」

 

イカロスは目が赤くなり、背部の翼から羽根の様なミサイルを山の様に撃ち出す。ソルジャーAは先ほどまでとは逆に刈られる側に回っていた。

 

「久しぶりに見ましたよ、イカロスさんのウラヌスモード」

「ウラヌスモード?」

 

何も知らない刹那は首を傾げる。

 

「要するに、大好きなスイカを破壊されてブチ切れたことで覚醒したと思えばいいわ」

「分かりやすい説明ご苦労」

「あいつ、そんなにスイカ好きだったのか……」

 

ニンフの要点をかいつまんだ説明に刹那は感謝し、智樹は感心する。だが、一行は気づいていなかった。ここには、もう1人鬼神がいることに……。

 

 

「亜樹子の仇ぃぃぃいいいい!!!」

《ACCEL》

 

「いや、亜樹子は死んでないから!!」

 

 

寂しさを怒りに変えた照井が仮面ライダーアクセルに変身し、エンジンブレード片手に突撃した。カラーも相まって北の傭兵と戦っている時の某赤の悪魔憑きを思わせる凄まじい戦い(八つ当たり)を見せている。おもしろ半分でアストレアもクリュサオルとシールドを構え、戦いに加わっている。

 

「……俺達の出番がまるでないな」

「たまにはこういうことも有るさ」

 

意気消沈している刹那の肩を翔太郎が哀愁漂う表情で叩く。リインはそんな状態の刹那き声をかけた。

 

「あのぉ、敵のリーダーが向こうに逃げていきますよ」

 

リインが指さす方向を見ると、ソーシャークフォルスが逃げていくのが見えた。

 

「どうやらまだ仕事が残っているようだぜ」

「ライダーに休みは無しってか。バイクを持ってきておいて正解だったな」

「フィリップに検索してもらって先回りするぞ!!」

「リイン、後は頼む」

「分かりましたです」

 

2人はその場をリイン達に任せ、フォルスの追跡に専念することにした。

 


 
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