~翌日~
「唯、一緒に帰ろう」
「ごめん、今日どうしても部活に行かなきゃいけないんだー」
「あ、そうなんだ・・・・・・・
それじゃあ仕方ないね」
「今日はムギちゃんがおいしいお菓子もってきてくれるんだー」
「ねぇねぇ、唯が入ったの軽音部よね?」
「まあ、入ったといえば入ったけど・・・」
「コイツ本来の目的忘れてそうだな」
「やっくん~!まーくん!早く部活に行こうよ~!!」
腕をブンブン振り回しながら平沢さんは言う
「分かった」
「ちょっと待ってろ」
~音楽室~
「こんにちわ~」
「うぃーす」
「どうも~」
そういって音楽室に入ると既に、3人の軽音部メンバーが席に着いていた
「おぉ~!やっとか!」
「待ってたよ!」
「こんにちわ~」
上から、田井中さん、秋山さん、琴吹さんが言っていった
「とりあえず3人とも座って!!」
田井中さんがそういうと
平沢さんは、田井中さんの隣に座り
俺と正樹は琴吹さんと平沢さんの間つまり机の横側に椅子を持ってきて座った
~30分後~
あっという間に女子4人組はすっかり馴染んで、会話が弾んでいた
俺たちは集団に溶け込めていないわけではない
俺と正樹は会話を聞きながら、正樹に数学を教えていた
正樹が少しだけ時間がほしいといってきた
「ここは三乗の公式を使ってから、最後は有理化をすればいいよ」
「ああ~!なるほど!さすが泰広だな!!」
「ここぐらい簡単だよ」
そして正樹が練習問題を解いているその間俺は4人の会話でも聞いていることにしてみた
「ねぇねぇ、何で澪ちゃんはギターではなくベースをやろうって思ったの?」
平沢さんが秋山さんにそう尋ねると・・・
「だってギターは・・・・・・・・・・は、はずかしい」
「はずかしい!?」
大抵の人はええー!?と言ってもおかしくないかもしれない
しかし、緊張しがちな俺なら秋山さんの考えはよく分かる
でもベースだって曲の土台になるからグチャグチャになったらダメなんじゃ...
「だってギターってバンドの中心って感じで先頭に立って演奏しなきゃいけないし観客の目も自然と集まるだろ?自分がその立場になるって考えただけで・・・」シュー
あ、頭から湯気(??)が・・・
「みおちゃんっ!?」
どうやら俺はここまでは無いけど、少し似ているところがある
しばらくすると・・・
「ムギちゃんはキーボードうまいよね。キーボード歴長いの?」
平沢さんは質問の対象が琴吹さんに変わっていた
「私4歳の頃からピアノ習っていたの、コンクールで賞をもらったこともあるのよ」
「へ・・・へぇ~すごいねぇ((なんで軽音部にいるだろう??))」
「そういえばずっと疑問に思っていたんだけど、この部室ってやけにものがそろっているよね?最近の学校ってこんな感じかな?」
平沢さんはいつも綺麗に良いタイミングで俺の疑問点もまとめて質問してくれる...
「ああ、それは私の家から持ってきたのよ」
「自前!?」
すごい・・・そういえばあまり気にしていなかったがティーセットとかがかなりの量があった
喋り方からしても、どうやらかなりのお嬢様みたいだ
「りっちゃんはドラム~って感じだよね」
またまた対象が変わっていた、質問じゃないけど・・・
「んな!?私にもちゃんと始めた理由があるのよ!!」
「へ~どんなどんな?」
「それはえーっと・・・あれよ・・・・・・・かっこいいから」
「ないじゃん」
全くその通りだ、理由になっていない
「だ、だってさー!!ギターとかベースとかキーボードとか指でちまちまするのを想像しただけで・・・キーッ!!!ってなるのよ」ハァハァ
「(楽器選びにも性格が出るんだなぁ・・・)」
性格はおおざっぱかつ不器用らしい
「お~い泰広、全部終わったぜ」
「ん?ああ、・・・全部大丈夫だよ」
「よし、これで終わり」
すると、平沢さんが
「ねぇねぇ、やっくんとまーくんがギターやベースをやり始めた理由ある~?」
俺たちにも質問してきた
「ああ、俺たちは中学校部活動が終わってやることが何もなかったからな、それでそいつらを薦められたんだ。それが意外にハマっちゃってな」
「うん、そういえばバンド組もうっても誘われたね?」
「ああ、懐かしいな」
「へぇ~すごいねぇ~!!!」
俺は教科書を見ながら筆記用具を片付けていると・・・
「泰?お前どんだけ教科書ガン見してるんだよ!近すぎるだろ?」
田井中さんが俺にそういった
「え?いや・・・」
「ああ、こいつ、視力が0,1のくせに眼鏡をつけたがらないんだ」
「「「「なんで???」」」」
「・・・つけるとなんか歩きにくいから」
「眼鏡ぐらいつけろよ!」バシッ!
田井中さんのチョップが俺の頭上に飛んできた
「いたっ!い、いいじゃん、俺授業やスポーツする時は眼鏡つけるし・・・」
「で、でも、視力0,1はまずいのでは?」
秋山さんがそういうと
「確かに危ないだろうがこいつは中学校の時からそうなんだよ」
「大丈夫か・・・ホントに」
「(なんだか軽音部にいるメンバーって全員すごいなぁ~・・・)」
「そういえば唯ってもうギターは買ったの?」
秋山さんが平沢さんに尋ねると
「ん?ギター?・・・あーそっか、私ギターやるんだっけ!わすれてたー」
「「・・・軽音部は喫茶店じゃないぞ?」」
正樹と秋山さんが声を揃えてツッこんだ
「ギターってでれくらいするの?値段」
そう俺と秋山さんに尋ねると
「うーん、そうだね・・・安いのは一万円代からあるけど安いとあんまり安すぎるのもよくないし・・・俺のは四万円ぐらいだったからな~」
「最低でも三万円くらいのがいいかも・・・」
秋山さんが言うと
「さんまんえん!?私のおこづかい半年分・・・」あわわわ・・・
平沢さんが驚いた、無理もないかもしれない、俺も最初はかなりビックリした
でも、おこづかいもらってるならいいんじゃない?俺は本当な話全くもらっていないし・・・
「高いのは10万円以上するのもあるよ?」
「りっちゃん!!!!」
「ん~?」
「・・・部費で落ちませんか?」
平沢さんが満面の笑みで田井中さんにそういうと
「落ちません♪」
みごとに玉砕であった・・・
「それじゃあ今度、唯ちゃんのギター買いに行きましょう?」
琴吹さんが提案してみると
「そうだな、買うなら早いほうがいいかもな」
秋山さんが賛成してきた
「よしっ!それじゃあ今週の土曜日に唯のギター買いに行くぞっ!!」
「そうか、んじゃ4人でじっくりと・・・」
「そうだね、じゃあ4人でゆっくりと・・・」
ガシッ!
田井中さんが俺と正樹の肩を掴んできた
「なーに言ってんだ!お前らも来るんだよ!!」
「俺はいい、週末ぐらい寝てぇし~それにこういうのは女子同士で言ったほうがいいっての、ギターなら泰広連れて行けよ!」
「俺だけを生贄にしようとしてもダメだよ(怒)、でも正樹の言うとおり俺もいいよ、課題があるから」
とりあえず行きたくないわけでもないが、あまり気乗りしないので言い訳をした
まあ、課題はもう終わってしまったけど・・・
あ、課題とは週末課題の事でいわゆる宿題みたいなもの
「ダメだ!部長命令だ!ちゃんと部員全員で行くんだ!」
「・・・・・・・・・チェ・・・はいはい、分かったよ」
「・・・・・はい」
こうして軽音部6名全員で今週の土曜日に平沢さんのギターを買いに行くことになった
同世代の女子と出かけるなんて人生初なんだよな・・・・・
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しばらく台詞に名前がつかなくなるので誰が誰に言っているか分かりにくくなるかと思いますがそこはご了承ください
もうにじファンでの削除期間が迫ってきていますので・・・
それと良ければ感想いただければありがたいです
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