No.395616

迷子の果てに何を見る 第五十八話

ユキアンさん

うん?なんだこれは。
カプセル?かなり古いみたいだけど技術力で言えばかなり高いな。
さて、何が出てくるやら。
by零樹

2012-03-21 08:42:42 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:2606   閲覧ユーザー数:2476

麻帆良祭準備

 

 

side リーネ

 

 

「さて、3-Aの出し物は例年通りマジックショーで決定で良いかい?」

 

「「「はぁ~~~い」」」

 

例年通りねぇ、ということは3部構成で時間ごとに交代でマジックショーをしながら飲み物やらちょっと摘める物を売ってお金を稼ぐっていうパターンだったかしら。だけど、どういう風に3部構成にするつもりなのかしら。去年までは一つをお父様とお母様が、もう一つを私達魔法関係者が、最後の一つを手先の器用なメンバーにお父様が小道具を渡してある程度の指導である程度見せられるマジックを行なうグループだ。今年はお父様がいないから一つ空きができてしまう。まあ、私達のグループを半分にすれば対処はできるけど。

 

予想通りの結果、私達のグループを半分にして対処するようだ。なお、休学中のアリスは数に加えられていない。今年はどんなマジックをしようかしら。去年の頭の上に乗せたリンゴを刀で横に切ったのに、縦に割れるのは人気があったわね。あれに似たのをやろうかしら。あとはいつも通りの人形劇とかで良いわね。実はあまり見せる機会が無いこれが結構好きだったりするのよね。

 

 

side out

 

 

 

 

side レイト

 

 

さて、残り半月程だが漸く麻帆良祭用決戦兵器群が完成した。一般参加者用の装備の方ももうすぐ数が揃うな。なら最後にあれの用意だけしておこう。

 

「レイト、居ますか?」

 

「どうしたんだイマ」

 

「いえ、ガトウから連絡がありましてね。あなたが言っている組織の存在が確認されたそうです。最も存在が確認されただけでそれ以外の事が殆ど分かっていませんが」

 

「だろうな。まあ、オレには奴らに心当たりがあるから問題はほとんど無いと思うがな。引き続きガトウには調査を続けて欲しいと言っておいて欲しい」

 

「構いませんがその心当たりとは一体?」

 

「ああ、組織のトップを知っている。というよりあいつが何でここに居るのかが……まあ予想はつくんだが。とりあえずそいつを殺さなければならない」

 

「少し興味が出て来ましたが止めておきましょう。薮をつついて蛇どころか竜が出てこられてはかないませんから」

 

「オレに取ってはどちらも脅威にはならんな。むしろ素材にしてくれるわ」

 

「あなたはそんな人でしたね」

 

「用件はそれだけか」

 

「いえ、アスナ女王より手紙を預かっています」

 

渡された手紙の封印を解き、中身を読む。内容はオスティアにもクルトに売る兵器を撃って欲しいという物だった。とりあえず返事と価格表を書き、夏休みにそちらに行くのでその時に詳しい事を話すとだけ記す。

 

「じゃあ頼んだぞ」

 

「人使いが荒いですね」

 

文句を言いながらも素直に手紙を受け取り転移する。

 

「さて、続き続きっと」

 

作業を再開しながらこれからの未来について考える。その後ろ姿は何処か暗いものだった。

 

 

side out

 

 

 

 

side 零樹

 

 

「ふ~ん、結局去年と同じ執事喫茶をやるのか」

 

『ああ、手堅く稼ぎつつ女の子との出会いを信じてやるみたいだ。去年の反省点であるお茶やケーキ等の種類を増やしたり接客マナーに磨きをかけるそうだ。一応零樹も頭数に入っているのだが』

 

「別に構わないよ。あまり多くは入れそうにないけどね」

 

『分かっているさ。初日の一番最初の時間しか入れない様に話を進めておいてやる』

 

「そこらは信用しているよ」

 

『それで、今はどこに居るんだ?』

 

「赤の広場」

 

『ということはロシアか』

 

「先週位からこっちにいる。対寒魔法が無かったら来たくないな。僕は寒いのに強くないから」

 

『なるほど、寒さに弱いっと』

 

「対策位いくらでも取れるようなことをメモってどうするんだよ」

 

『何かに使えるかもしれんだろうが。ただでさえお前の弱点が分かりにくいって言うのに。他に弱点は』

 

「猫アレルギー。おかげで茶々丸に会うとクシャミが止まらない」

 

『それも微妙な弱点だな。猫系の獣人に対してはどうなんだ』

 

「どうとも無い。咸卦法って偉大だね」

 

『寒さとかアレルギーの為だけに究極技法を使用するとか』

 

「残念だけどアリアドネーでは専門技法なんだけどね。授業が存在する位だから」

 

専門技法とは独学で習得するのは難しく、ある程度の才能と専門の教育を受ける事で身に付ける事が出来る技法の事だ。投影や闇の魔法はこれに当たる。

 

「とりあえず、そっちの事は任せるよ。お土産は何が良い?」

 

『ロシアだろ。何か有名な物なんかあったか?』

 

「実はここから北西に向かった先に北欧神話に出てくる」

 

『やめろ、マジ物の宝具なんていらんぞ』

 

「ちぇ、ならこっちに来てから再現する事に成功したケルト魔術の魔道書を送ろう」

 

『ケルト魔術ってどんなんだっけ?』

 

「自然の力を借りる魔法だ。使い勝手はそこそこ、場所によって威力が変化するし、費用も微妙にかかる。だが、一番の利点は他の魔術と併用する事が可能なことだな」

 

『ふむ、興味深いな。それじゃあそれで頼む』

 

「了解。じゃあな」

 

電話を切る。

 

「終わりましたか」

 

「ええ、聞いていた通り初日は忙しいみたいですね」

 

「なら、私もその時間が忙しくなるようにしてもらいますよ」

 

「なら午後から一緒に色々と回って武道会に参加して、最終日はどちらにつきます?」

 

「そうですね、楽しむのが目的なんですから不利になっている方でしょうね」

 

「なら学園側の可能性が高いですね」

 

「お遊びなんですからそれで良いと思いませんか」

 

「そうですね。久しぶりに父さん相手に戦うって言うのも楽しそうですね」

 

「まあ、負けるでしょうけど」

 

「負けますね」

 

はぁ〜、ちょっとでも本物の宝具や魔法を手に入れて強くなるしか無いですね。

 

 

 

side out


 
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