No.395126

ゲイム業界を駆ける炎の獅子 第11話 一難去ってまた一難

うん。

2012-03-20 16:25:13 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:1053   閲覧ユーザー数:1034

「大丈夫......〝必ず君を守ってみせるよ〟!」

 

俺が後に居るねぷ子に向かって背中越しにそう言うと、ねぷ子が倒れる音が聞こえ慌てて振り返る。

 

「おっ、おい!!」

 

ねぷ子を抱き寄せて、安全を確認すると.....暫くして、規則正しく呼吸する音が聞こえて来た。

 

「何だ寝むっただけか」

 

そう呟きながら、ねぷ子をそっと地面に寝かせて、女性に向き直る。

 

「......その姿は....まさか、貴様!男神か.......!!

 そう言えば、先程〝炎を操る〟と言っていたな.....そうか〝エンマ様〟の後継者か!!」

 

女性は俺の姿を見て驚きながら、そう分析していた。

 

.....おい、まて!いま〝炎真(エンマ)〟って言ったか!?.......〝炎真(エンマ)〟っての俺の爺ちゃんの名前だ!!

 

「俺の名前は桐谷蓮。神名は〝男神ライオンハート〟。

 .....炎真(エンマ)ってのは祖父の名前だ.....あんた爺ちゃんの事を知ってんのか?」

 

「祖父......そうか孫か。その質問に答える義理はないが......まぁ良い、エンマ様は私を育ててくださったお方だ」

 

育てた!......あぁ、爺ちゃんが、まだこっちに居た時の話か.......。

 

「しかし、男神が干渉していたとは.....エンマ様が姿を消して以来、もう干渉はしてこないと踏んでいたのだが。

 それにしても貴様、まだ完全に男神の力を出せていないな.......。

 成る程、今回の騒動を止める事が出来たら男神の力を継承する気か......あのお方らしいな」

 

凄い読み!.......正解だよ!その通りだよ!!

 

「......それで、まだ戦うのか?」

 

「ふっ。そうだな、完全じゃない男神など容易に潰せるだろうが、

 男神を倒すとなると、それ相応の、覚悟と準備が必要だ..............。

 いいだろう!ココはエンマ様から受けたご恩に免じて引いてやる.....しかし、次は無いぞ!!」

 

女性はそれだけ言うと、どこかへ消えてしまった。

 

「ふぅ〜」

 

俺はゆっくりと息を吐きながら、変身を解く。

 

.....女性の最後のあの言葉、ハッタリなんかじゃない......本気で殺り合えば、確実に殺られていた。

 

結局俺は無力なままなのか.....無力な(こんな)自分に嫌気がさす。

 

俺はそんな事を思いながら、寝息を立てている、ねぷ子を背負う。

 

「軽っ!........ほんと、この身体のドコにあんな攻撃力があるんだか」

 

俺はそんな事を呟きながら、もう一方で寝ている、こんぱとアイエフの傍まで行き、

 

「お〜い起きろ!!」

 

右手でねぷ子が落ちない様に支え、左の手でこんぱとアイエフの頬を”ペチペチ”と軽く叩く。

 

女性に刺された左腕の傷が痛むが、我慢だ.....痛みには慣れている......(はずだ)。

 

「ん....ん〜」

 

少しの間、頬をペチペチやっていると2人が目を覚ました。

 

「おはよう、お2人さん。気分はどうだい?」

 

俺はそう言いながら、ねぷ子を支えた右手で、

 

2人に左腕の傷を見られない様に、腕捲りをしたパーカーの左袖を元に戻す。

 

2人がこの傷を見たら、なんて言うか..........無駄な心配はかけさせたくないからな。

 

不自然のない様に、右腕の腕捲りした袖も直しておく。

 

「まぁまぁ、ね」

 

アイエフは目を擦りながら、返事をしてくる......こんぱは、まだぼぅっとしているなぁ。

 

「怪我はないか2人とも?」

 

「けが?.....はっそうだ、あの人はっ!!」

 

俺のその言葉に2人が”はっ!”と寝る前の事を思い出し慌て出す........気楽な奴らだ。

 

「安心しろ.....あの人は撃退した。.......ねぷ子も無事、いまは眠ってる」

 

俺はそう簡単に説明し、俺の背中で眠っているねぷ子を2人に見せる。

 

「そう、よかった」

 

俺の言葉に、アイエフは『ふぅ』と息を吐き安堵する。

 

「それにしても、いきなり怒鳴って襲ってくるなんて、どんだけストレス溜めてんのかしらねぇ〜」

 

「あ、あはは(そういう問題じゃないんだけどねぇ)

 .....まぁ一先ず安心だ、でもまた仕掛けてくる様な事、言ってたけどな」

 

「えぇ!!また来るの!?迷惑極まり無いわね!!」

 

あはは、只でさえご立腹だったアイエフを更に焚き付けちまった......失言だったか(汗。

 

.....それにしても、

 

「さっきから静かだが、どこか痛むのか、こんぱ?」

 

さっきから、黙ってじっとこっちを見ている、こんぱに向かって問いかける。

 

「レンさん......左腕、見せて頂けませんか........?」

 

「.....!!」

 

しかし、返って来たこんぱの言葉に、俺は驚愕する。

 

気付かれた!!.....まさか、不自然のない様に平常を保ってたのに!!

 

「なんでだい?」

 

動揺を表に出さずあくまで平静を装って、聞き返す。

 

「わからないんですか?.......その〝左腕の怪我〟を見せて、と言っているんです」

 

「「.......!!」」

 

そのこんぱの言葉に、今度はアイエフも驚いた様だ。

 

「ちょ、ちょっと、如何いう事、レン!!」

 

「.............あぁわかった、正直に言うよ。実は、さっきの女性との戦闘中に刺されてなぁ」

 

そう言いつつ、左腕の袖を捲り2人に傷を見せる。

 

「「.....!!」」

 

その傷を見て2人の顔が青ざめる、言い出したこんぱも驚いてるしな。

 

まぁ無理もないかな......おれの左腕(正確には下腕)には、20cm位の大きな刺し傷があり血もそれなりに流している。

 

「なんで、隠してたんですか!!」

 

「い、いや、これはだね、こんぱ。2人に迷惑をかけまいと.....」

 

「そんなのダメです!!私達はパーティー、一心同体なんです!!

 だから、迷惑なんて事はないんです!!」

 

.........え?なにこのシリアスな雰囲気。

 

「.........ごめんなさい」

 

とりあえず、謝って、頭を下げておく。

 

 

その後、こんぱの家へ行く事となり、こんぱの家へ付いた瞬間、

 

俺はこんぱに治療をすると言う事で、軽く拉致られました。

 

 

「..........それにしても。まさか、こんぱに気付かれるとはな思わなかったなぁ」

 

椅子に座っている俺の左腕に包帯を巻いてくれている、こんぱを見ながらそう言う。

 

 

因に、ここはこんぱの家のとある一室(こんぱの寝室の隣の部屋で、寝室にねぷ子を寝かせいる)。

 

 

「あたりまえです。看護学校生を嘗めてもらっては困るです....../////」

 

胸を張りながら自慢げに言う.....そういや言ってたな、そんな事。......てゆうか、なんか顔あかいし。

 

「どした?顔赤いぞ?」

 

なんか知らないけど、俺って女性と関わると、こんなんばっかなんだよねぇ〜。

 

「な、なんでもないですよ////」

 

こんぱは、そう言いながら、包帯を巻く速さと強さを増した。

 

「.........てっ、痛たたたたた、強く巻きすぎ!もうちょと緩くして頂戴!!」

 

”ガタッ”

 

「きゃ!!」

 

”ドンッ”

 

余りのキツさに、少し暴れてしまい、その拍子にこんぱに巻き込みながら椅子から転げ落ちた。

 

「いった〜..........と、すまんこんぱ、大丈夫k.......っ!!」

 

俺は両手を地面に付けて体を支えながら、こんぱの安否を確認する為、顔を上げた。

 

が、目の前には、驚愕の光景が。

 

「.........////」

 

顔を真っ赤にして、こちらを見ているこんぱの顔だ。しかも、ドアップ。

 

そう、いまの俺達の体勢は、傍から見れば俺がこんぱを押し倒したと勘違いされてもおかしくない状態だ。

 

まぁ〜、半ば俺が暴れた所為なんだけどね。

 

しかも、言ってなかったけど、俺の今の格好、

 

包帯を巻くからと、こんぱに上着脱がされたし、上、服着てないよ!!上半身裸だよ!!

 

この光景をあのねぷ子とアイエフ(2人)に見られたら、大変だ!

 

今日出会ったばかりの少女に手を出した、なんて誤解されたら、お仕舞いだ。

 

これじゃあ、あれだよ!!〝変態お兄さんこんにちは〟だよ!!

 

それにしても、互いの顔が近すぎる.......あぁ、目と鼻の先ってこういう事を言うんだろうな〜。

 

「レンさん、腕の傷大丈夫?こんぱ包帯キツく縛るから気を付けてね.....てっ!!」

 

俺が軽い現実逃避に浸っていると、目を覚ましたのであろうねぷ子が、

扉を開けて、そう言ったかと思ったら、入り口の前で固まってしまった。

 

「........////」

 

あ〜あ、この光景を見て、もれなく、顔を赤くして固まっちゃったよ。

 

「ちょっと、ねぷ子、入り口の前で立ち止まってどうしたの?邪魔......よっ!!.......///」

 

.......君もかアイエフ。

 

アイエフも入り口付近で固まってしまった.......ふっ、終わったな俺の人生(社会的に)。

 

いや.....まだだ!!まだ弁解のチャンス位あるはず。

 

「誤解だよ!2人共、いま君達が考えている様な事は決して、起きていないよ!!

 これは、れっきとした、事故だよ!!だからその、ゴミを見る様な目は止めて、おねがいだから!!」

 

そう慌てて、弁解しながら立ち上がろうと、腕に力を入れる。

 

「.........いっ!!!」

 

......しかし、それがいけなかったか、腕に力を入れた瞬間、左腕の傷に激痛が奔り、

 

そのまま、前に体勢を崩してしまった。

 

「「んむっ!!」」

 

「「っ!!!」

 

そして、言わずもがな、こんぱと俺の唇は重なった。

 

.........ぐあぁぁ、俺のバカ野郎!!自ら罪を重くしてどうすんだ〜!!

 

そう心の中で、自分に絶望しながら、慌ててこんぱから離れる。

 

「ご、ごめん......////」

 

「い、いえ大丈夫です.......////」

 

目〜合わせずれぇ〜///

 

あ〜、女性との交際経験ないしファーストキスだよ俺///しかもこんな美少女となんて///

 

いやまて、もしこんぱもファーストだったら.......最悪だ〜!!

 

こんな今日合った、好きでもない男にファーストキス奪われたら怒るじゃすまないよな〜。

 

”ゾクッ”

 

殺気!!

 

そんな事を考えていると、背後からとてつもない殺気を感じ、振り返ると.....般若がそこに居た。

 

「「レン(さん)。最後に言い残す言葉は?」」

 

ひぃぃぃぃぃぃ!!!!!!

 

死んだな、俺。

 

 

 

結局、俺は死ななかった。

 

あの後、こんぱが必死に庇ってくれた為、なんとか死なずに死にました。

 

ありがとう、こんぱちゃん。そして、本当にごめんなさい、こんぱ様。

 

「な〜んだ、そうだったんだ」

 

「まったく、人騒がせね〜」

 

こんぱの説得によって、一応、鎮まった2人が笑いながら、そう言っている。

 

「だから、そう言ってじゃないか」

 

「「なんか言った?」」

 

「..........なんでもございません」

 

2人の笑顔が怖い、軽くトラウマになりそうだ。

 

「それにしても........」

 

アイエフがこちらを見て話しかけて来た。

 

こ、こんどは、なんだ?な、何が来たって、こ、ここ、怖くなんかないぞ!

 

「レン。ファーストキス、だったでしょ?」

 

”グサッ”「ぐはっ!!」

 

アイエフのその言葉は俺の心に〝もの凄く〟深く突き刺さった。

 

な、なぜわかった!?

 

「しかも、こんぱもファーストですって」

 

”グサ グサッ”「ぐふっ!!」

 

その件は、誠に申し訳ありませんでした!!

 

「乙女のファーストを一日で奪うなんて.......最低ね(ボソッ」

 

”グサ グサ グサッ”「ごはっ!!」

 

聞こえてるよ!最後にボソッと言ったの聞こえてるから!!

 

「ねぇねぇレンさん、ラッキースケベって言葉知ってる?」

 

”グサ グサ グサ グサッ”「ぐ、がはぁっ!!」

 

も、もうやめて、俺のライフは0だ。

 

”バタッ チーン”

 

「レ、レンさ〜ん!!しっかり、気を確かに持つです」

 

「ざまぁみなさい.............こんぱだけずるいわよ////(ボソッ」

 

「あはははは.........いつか私もレンさんと....ウフフ///(ボソッ」

 

俺が倒れたのを見て、心配してくれるのはこんぱだけで、他2名はなんかボソボソ言ってる。

 

あぁ、こんぱ、君だけだ、俺の心のオアシスは......。


 
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