No.393900

IS《インフィニット・ストラトス》 駆け抜ける光 第十八話~乙女の密会

ガールズトーク……。

2012-03-18 17:59:52 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:1494   閲覧ユーザー数:1469

「へぇ~、これがいつものメンバーって奴なんだ。てか、私以外は一組じゃん! あ、鈴は二組か」

「「「「「…………」」」」」

 

 今、織斑家族の部屋に居るのは千冬、原作ヒロイン、エリスの7人だ。一夏は風呂に光輝は散歩に行っている。エリスはどうも思っていないが原作ヒロインズは緊張しまくりだ。

 

「おいおい、こんな辛気臭いのはなんだ? いつもの馬鹿騒ぎはどうした?」

「いや、なんというか……」

「織斑先生とこんな感じで話すのは」

「初めてですし……」

「はぁ~、そんなことか。じゃあ私から話をしよう」

 

 そう言って千冬は缶ビールを冷蔵庫から取り出し、プシュッ! 景気のいい音を立ててしぶきと泡が飛び出す。そのままゴクゴクと喉を鳴らす。

 

「お前ら、一夏と光輝のどこがいいんだ?」

「「「「「「…………っ!」」」」」」

 

 機嫌のいい声で尋ねると、ヒロインズの顔が一瞬で赤くなった。いきなり確信ついた質問をされれば誰だってそうなるだろう。

 

「私から見たら、篠ノ乃、凰、デュノアは一夏。オルコット、ボーデヴィッヒ、リムスカヤは光輝といったところか……」

「「「「「「…………っ!!!!」」」」」」

 

 この先生は心が読めるのか! 全員がそう思ってるはずだ。さぁここから乙女たちはどするのでしょうか?

 

「い、一夏の剣術が昔より落ちているのが腹立たしいだけですので……」

 

と箒。

 

「あたしは、腐れ縁なだけだし……」

 

と鈴。

 

「分かった。一夏にはそう伝えておくとしよう」

 

 真顔で言う千冬に二人は詰め寄る。

 

「「伝えなくていいです!」」

 

 二人のその様子をはっはっはっと一蹴して、ビールを口につける。実に楽しそうだ。

 

「で、デュノアはどうなんだ?」

「ぼ、僕――いや、私は一夏の優しいとこが……」

「なるほどな。しかしなぁ~あいつは誰にでも優しいぞ?」

「そ、そうですね。そこがちょっと悔しいかなぁ」

 

 あははと照れ笑いをしながら、熱くなった頬を扇ぐシャルロット。その様子が羨ましいのか前述の二人は黙ってシャルロットを見つめる。

 

「さて次は光輝に惚れてる三人か……まずはオルコットからいこうか」

「わ、わたくしは……光輝さんといると落ち着くんです。それに……」

 

 それからセシリアは顔を真っ赤に染めて黙り込んでしまった。恥ずかしいながらの勇気だったのだろう。千冬はその様子を真剣に見ていた。

 

「なるほどな……言いたいことは分かった。後の二人もそんな感じだろう? それと、あの光を一緒に伝えたい、か?」

「な、なぜ分かるのですか!?」

「さすが家族ということですか……!?」

 

 反応を見ると三人は同じだったようで、その様子を千冬は、やっぱりかという感じで見ている。

 

「あの子は、心の傷を持っている。誰にも理解できないような深い傷が。初めてあの子に会った時の目は今でも忘れれない」

「は、初めてあったって……光輝くんと先生ってどういう関係なんですか?」

「もちろん家族だ。だが血は繋がってないがな。数年前、私はたまたまボロボロだった男の子を保護した。食べ物もろくに食べてなかったのか衰弱していてな」

 

 全員、真剣な眼差しで話を聞いていた。ここまで千冬が語ること自体が珍しいが、光輝のことを知る貴重な話でもあったからだ。

 

「あの子は自分が捨てられたことが当たり前のように思っていた。「普通じゃないから」と言って自分で無理やり納得させてる感じだった。頭にきた私は本当の気持ちを聞いたんだ。そしたら思いっきり泣きながら「お父さんやお母さんと一緒に居たかった」って叫んでたな。それから私があの子の母親になることにした。それで少しでも助けれるのならと思ってな」

 

 今の光輝があるのは千冬の存在があったらこそ、だと全員納得していた。光輝は自分たち以上に苦しみを味わっている。千冬に拾われる前は分からないが、心が傷ついたのだろう。それも深く深く、一生治らないところまで……。

 

「あの子自身は自覚がないようだが、時々寝ている際に何かに怯えていてな。助けを求めたり、名前を呼んでたりしていた。それがどういう意味なのかは……分からないが」

「教官から見て、今の光輝はどうですか……?」

「昔に比べたらかなり明るくなったぞ。お前らの存在も大きいな」

 

 千冬は笑顔になる。それをみたヒロインズは呆気にとられてしまう。こんな千冬を見たことがないからだ。それほど嬉しいということでしょう。

 

「だが最近、心の光と話せるようになってますます明るくなった気がするな」

「「「「「心の光!?」」」」」

「なんだ? 知らなかったのか?」

 

 驚いてる中ラウラだけは何も反応はない。それはそうだ。その様子を不思議に思ったシャルロットは尋ねる。

 

「ラウラは知ってたの?」

「ああ。たまたま光輝の部屋に行った時に話した」

 

 箒、シャルロット、エリスは驚いているがセシリアと鈴は何のことか全く分かっていない。

 

「あ、あの心の光ってなんですの?」

「光輝のISからでる光だよ。ラウラのISが暴走した時に光輝のISから出て、一夏の零落白夜に纏ったんだよ」

「しかし、あの光は綺麗だったな……。虹みたいで、まさに人と人の心を繋ぐ橋見たいだった」

「そうなんだ。一回見てみたいわね……」

 

 始めの方の雰囲気に比べたら軽くなったのか口調が柔らかくなってきている。

 

「またいつか話せる時が来るさ。その時はいろいろと聞いてみるといい。彼は歴戦の英雄だからな」


 
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