少し前のグラウンド
「ティア~ゾディアーツが出たよ~。」
『わかった。本音ちゃん、簪ちゃんと避難誘導をお願い!』
本音がバガミールでティアナに通信を送る。
ドラゴンゾディアーツが鉄球を投げつけたり鱗を弾丸として発射したりして暴れていた。
「キャア!」
「あはは、エターナルとメテオはどこにいるのかな~?早く出てこないとケガ人が出ちゃうよ~♪」
楽しげな声で暴れまわるドラゴン。
ドラゴンのその言葉を聞いて簪は首をかしげる。
「目的は織斑くんとストラトスさん・・?」
「かんちゃん、もしかして~エターナルとメテオの正体を探るために~あれが出てきたのかな~?」
「だとしたら誰が・・?」
二人がこんな会話をしている頃、楓とロックオンは校舎の影にいた。
「楓、見ていなさい。あたしの変身。」
「はい!」
楓が見守るなかロックオンはドライバーを装着してレバーを操作。
(メテオ・レディ?)
待機音が響き両手を前に出し、交差して構える。
「変身!」
右手を勢いよく下ろしてレバーを操作。
ドライブユニットが発行しながら回転。
青のオーラに包まれメテオに変身。
「それがメテオ・・。」
「そう、仮面ライダーメテオ。さて、楓は離れた場所から見ていて。大切なお客様を傷つける訳にはいかないから。」
「わかりました。ロックオンさん気をつけて!」
メテオは体を屈め、青のオーラを纏ってドラゴンの元へ向かう。
ドラゴンは簪と本音を見つけて詰めよっていた。
「君たちがエターナルとメテオ?」
「私たちじゃないよ~。」
「本当かな~?」
鉄球を手に出しゆっくりと歩み寄るドラゴン。
ドラゴンと二人の間にメテオが落下。
「はは♪やっと会えたわね青いの♪そそられるわぁ♪」
「勝手にそそってなさい。あたしはあんたみたいに狂ってるのに好かれる趣味はないわ。・・仮面ライダーメテオ、お前の運命はあたしが決める・・!」
恍惚の声を上げるドラゴンにメテオはクールにいつものポーズを決めて立ち向かう。
「っ!硬い・・!」
「ほらほらどうしたの?」
得意の格闘で立ち向かうメテオだがドラゴンの体が硬く攻撃が通らない。
「そぉれ!」
「あぅ!」
逆に鉄球を食らってしまい怯む。
離れた場所から簪たちは見ていた。
「ロックオンさん・・!」
「あれれ、ロックオンてば少しなまったのかな?」
簪たちの後ろから現れた人物。
その声に振り向くとそこにいたのは楓の世界ではよく知っている人物だった。
「シャルさん!?」
「もしかしてあなたが・・。」
「そう、ロックオン・ストラトスの幼馴染みにして仮面ライダー部の一員。」
シャルルは腰にフォーゼドライバーを装着してトランスイッチをオンにする。
3・・2・・1・・
「音梨さんと更織さんと布仏さんだっけ?見ていてね。・・変身!」
レバーを入れ、シャルルの体が煙に包まれフォーゼに変身。
「シャルさんが仮面ライダー・・。」
「そう、僕は仮面ライダーフォーゼ!最初からフルブーストで行くよ!」
フォーゼはさっそく最初からセットしていたファイヤーとランチャーとガトリング、レーダーを起動。
(ファイヤー・ランチャー・ガトリング・レーダー・オン)
フォーゼが炎に包まれてファイヤーステイツにステイツチェンジ、さらに右足にミサイルランチャー、左足にガトリング、左腕にレーダーが装着。
「赤くなった?」
「お~重火器だね~。」
簪は赤くなったことに驚き、本音は見たまんまの感想を述べる。
「それ!」
「うぁ!・・!?」
ドラゴンの攻撃に吹き飛ばされたメテオはフル装備のフォーゼを確認してギャラクシーを起動。
(サターン・レディ?)
人差し指を認証部分に乗せる。
(OK!・サターン!)
右腕に土星を象ったエネルギー拳が具現化。
楓たちはそれを見て驚く。
「あれは土星?」
「メテオは星を象った力を扱うんですね。すごいです!」
「ホワタァー!」
「くっ、こざかしい!」
腕を振るってエネルギーリング・サターンソーサリーを放ち、ドラゴンから離れるメテオ。
「今よ!」
「待ってたよ!」
「え!?」
メテオの合図でフォーゼはレーダーで狙いをつけてレバーを操作、ドラゴンはリブラから聞いていた話しと違うことに驚く。
(ファイヤー・ランチャー・ガトリング・レーダー・リミットブレイク)
「フルバースト!」
「!?これはヤバいわ!」
ヒーハックガンから強化された火炎弾、ミサイルとガトリングが一斉に放たれ、煙が立ち込める。
煙が晴れると・・。
「っ!逃げられた!」
「あのゾディアーツは硬かったから一斉射撃のリミットブレイクでもそんなにダメージを与えられてないかもね・・。」
「だとしたらあの硬さに有効な攻撃はあるのかな・・?」
ドラゴンはあの弾幕の中を自身の硬さを利用して逃げていた。
フォーゼとメテオはその場を後にしようとする。
「待て。お前たちに話がある。」
現れたのはISを纏った千冬。
二人は立ち止まり向き直る。
「何か?」
「生徒からグラウンドから悲鳴が上がっていると聞いてな。で、急いできたらお前たちがいたというわけだ。お前たち、あれが何か知っているのか?」
「知ってるわ。だけど言ったところであなたたちではどうすることも出来ない。」
「どういう意味だ?」
メテオの言葉に千冬は二人を睨み付ける。
メテオとフォーゼはその睨みを無視して話す。
「ISでは歯が立たないわ。この前の怪物みたいにね。搭乗者を保護する絶対防御だったかしら、そんなものなんて簡単に貫く事が出来る。」
「命を大切にしたいのなら手を出さない事だね。」
「そうか、だが私も委員会の命令があるのでな。お前たちを拘束させてもらう!」
そう言ってメテオにブレードを振るう千冬。
「ふっ!ホアチャ!」
「く、やるな・・!」
メテオはそれを受け止めてキックで攻撃して距離を取りフォーゼと並び立つ。
「ふぅ、沸点は低いのね。ブリュンヒルデは。(小声で)フォーゼ、あたしが動きを引き付けるから1番とぶっつけ本番で悪いけど21番の連携で逃げなさい。」
「(小声で)わかった。」
メテオは千冬に気づかれないようにフォーゼに21番のスイッチを渡す。
「会話をする余裕があるのか!?」
千冬はメテオに攻撃をするが捌いたり受け止めたりして動きを引き付ける。
フォーゼはその隙にファイヤーをオフにしてベースステイツに戻り、ファイヤーとロケット、ランチャーとステルスを入れ換える。
(ロケット・ステルス)
(ロケット・ステルス・オン)
フォーゼは姿を消しながらロケットのブースターを吹かして撤退。
「しまった!ならば貴様だけでも!」
「諦めないのは賞賛に値するけど勇気と無謀は表裏一体よ。」
千冬はメテオだけでもとブレードを振るうがメテオはそれを避けながらギャラクシーを起動。
(ジュピター・レディ?)
先程と同じく認証部分に指を乗せる。
(OK!・ジュピター!)
今度は木星を象ったエネルギー拳が具現化。
それを見て千冬は圧倒されるが引かずに突っ込む。
「ホー・・!」
「だがそんなこけおどし!」
千冬は接近してブレードを降り下ろすがそれはメテオの仕掛けた罠。
「ホアチャァ!」
「ぐはっ!」
ジュピターハンマーを当てて千冬は吹き飛ばされISが強制解除。
「ぐ、何て威力だ・・!ISを一撃で解除するなんて・・!」
千冬は痛む体にムチを打って立ち上がるが既にメテオの姿はなかった。
「逃がしたか・・!それにやつは手加減したのか・・!?」
千冬はメテオに一撃も与えられずに解除されたことに歯噛みをする。
それを陰から見ていた者がいた。
「何だあの二人は・・?教官を圧倒したり欺いたりするなんて・・。」
ラウラは自身が最強だと信じて疑わない千冬に傷をつけたフォーゼとメテオに憎悪の炎を燃やす。
(教官の仇をとる・・!私が奴らを圧倒すれば教官の目を覚ます事ができる・・!)
別の所で楯無も戦いを見ていた。
「専用機ではないとはいえ女性最強の織斑先生を圧倒したわね。それに仮面ライダーの追加・・。」
楯無はバッと扇子を開くとそこには『予想外の仮面ライダー』と書かれていた。
ラビットハッチ
一夏や終も加えて話し合いが始まろうとしていた。
まずはシャルルから。
「みんな、久しぶり。そして初めましての人は初めまして。シャルロット・デュノアです。仮面ライダーフォーゼに変身するよ♪」
「シャル、あなたの重火器フォーゼは心臓に悪いわ。」
「何?あんたはまた重火器を使ったの?」
「あはは。まあレーダーも併用したから。」
ロックオンと鈴の皮肉にシャルロット(以降はシャルと表記)は笑って返す。
次はシャルがここに来た訳を話始める。
デュノア社はイグニッションプランでの資金打ち切りが懸念され、シャルを男装させて広告塔として利用すると同時に一夏のダブルオーとロックオンのケルディムのデータを盗むように言われたこと。
話を聞き楓は悲しくなった。
(この世界でもシャルさんは・・。)
楓の世界でもシャルは広告塔として利用されたこと。
だけど今は普通の女子校生として暮らしている。
「デュノア社はろくなことをしないな。」
「本当ね。いくら何でも娘を広告塔として利用するなんて信じられないわ。」
「シャルはアイルランドで引き取りましょう。フランス代表候補という肩書きと専用機が無くなるけどいい?」
「うん、本妻が僕のことをいいように見ていないからちょうどいいと思うよ。」
「変わりにアイルランドからアリオスを取り寄せるわ。ちょうど操者がいなかったから。」
こうしてシャルのアイルランド国籍取得計画を進めて行く。
それに伴い交渉材料を何にするのかを話し合う。
「何を交渉材料にする?」
「ドライブのデータでいいでしょう。」
「いいのか?」
「デュノア社にドライブのデータを渡しても作ることは絶対に不可能(・・・・・・)だから大丈夫よ。」
「どうして不可能なんだ?」
終の疑問に一夏が答える。
「あのドライブは特殊な環境と時間と莫大な金が必要なんだ。ロックオンの両親が完成させたのは6機だけ。まあ仮に完成してもティアナみたいな専門知識を持った人間にしか調整出来ない。」
「それにドライブのパスワードも絶対に解けない。ドライブを兵器として見ている限りね(・・・・・・・・・・・・・・・・・)」
「へぇ、それほどスゴい物なんですね。」
「まぁパスワード自体は簡単なのよ。」
ドライブを交渉材料に話は進む。
「よし、あとはシャル。織斑先生か山田先生に本当の名前とここに来た目的を話しておいて。」
「わかった。」
次にフォーゼのスイッチテスト。
「それじゃ始めましょう。ステルスはさっき使ったからまずはドラゴンを倒すカギになるかもしれないマグネットからね。」
シャルはファイヤーまで(カメラ・シザース・フラッシュを除く)を持って帰った。
マグネットまでのスイッチは調整はしたが、シャルが不在だったため未テストのスイッチが溜まっている。
楓も興味があるようで手伝いをしている。
「シャルさん、そのスイッチは打撃に有効です。地面を叩いて衝撃波を発生させて敵の足下をすくう事が出来ます。あとはあの炎を撃つ銃の照準を安定させる台みたいに使えますね。」
「わかったよ。楓。」
メインのマグネットの調整をすませ、ハンマーのテストを済ませた。
道具を片付ける楓たち。
ティアナはブランクスイッチを手に持って楓に話しかける。
「楓ちゃん、スイッチ開発にトライしてみない?」
「ふぇ?私がそんな大事な役目をやっても大丈夫ですか?」
「楓ちゃんたちはいつまでいられるかわからないじゃない。だから思い出作りの一環でね。」
「・・わかりました。やらせてもらいます。」
こうして楓は思い出作りのためにスイッチ開発に挑む。
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シャルフォーゼ参上!
OP:Switch On!(仮面ライダーフォーゼOP)