このSSは明日菜、木乃香だけでなく千雨も原作以上に調整
それは恋愛感情も含みます。
予定していた別荘での海イベントは次話。
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第37話『学園祭編・その2 後19日 千雨の修行』
権限の鍵を持つ者は選ばれし存在にならなければいけない。
選ばれし存在になった者は権限の鍵を自由自在にできる。
だが、権限の鍵の本能は隠された裏■■だ。
もし、権限の鍵の■■を使いたければ、■■者に選ばれなければいけない。
■■者は■■なる■■、それは■■■そのもの
元の■■を止め、■■■という■■■■になるだろう。権限の鍵を生み出した■■■より。
~エヴァの別荘~
僕と小太郎はエヴァの家に入る。
エヴァ達は別荘の方に行ってるから誰もいない。
「おい、人の家に侵入したら」
「何を言ってるの? ここはエヴァの家だからどうでもいいの」
「へぇ」
訳も分からず表情を引き攣らせた。
そんなアホを無視して、地下の方へもぐり込む。
奥の方へ行くと、別荘の入り口があった。
「この中に入れ」
「魔法陣を踏めばええんやな?」
「いいからさっさと逝け」
「おい!」
後ろから小太郎を前に蹴り落とす。
反動で前にこけそうになったが魔法陣が発光し転移していった。
「さて僕も行きますか」
魔法陣に踏まず、極移で明日菜さん達の所へ向かう。
最初っからそうしろって言われても小太郎にはここを知ってもらわないとな。
そういう考えを持っていただけ。
~エヴァの別荘~
転移してきた僕と小太郎君はさっそく移動しようとするが、
小太郎が震えていた。
どうした?
「どうかしたの?」
「広いなぁ!」
興奮して尻尾を振ってる子犬の様だ。
「どうでもいいからエヴァの所にいくよ」
「ちょっと待て!!」
興奮してる犬を持ち上げ、人の気配がある場所までぶんなげた。
一応、力は大分制限かけてる。それでもマッハは余裕で突破する。
僕から見て歓喜の声を叫びながらエヴァの方へ到着したっぽい。
地面か柱か木にぶつかった様な轟音が聞こえたが気にしない。
この程度でお亡くなりになるぐらいなら放置するだけだ。
「そんな事言ってる場合じゃない。行かないと」
明日菜さん達がいるであろう場所に向かった。
「エヴァちゃん、私、雷の暴風って撃てないの?」
「なぜだ?」
「だってネギと……」
最後の方は小さい声のためよく聞こえない。
僕が到着したらこんな話が展開されていた。
ちなみに、小太郎の事は放置されている。
「うわ、誰も小太郎の事触れようともしない」
「あ、ネギ君!」
「部屋に戻らなくて良いんですか?」
「ネギ君に追いつかなあかん」
木乃香さんがやる気になっている。
明日菜さんはエヴァに叩き込まれてるみたい。
見てみると、ハリセンで叩き込もうと振り落とすが、直線的な攻撃ばっかで防がれたり、横に移動したりして回避する。
単純な攻撃は読みやすいともいうし。
「あ、当たらない」
「当り前だ。相手が読めないぐらい早くないと回避されるだけだぞ」
「だったらこれならどう?」
明日菜さんが咸卦法を全力で使う。
今の咸卦法で大丈夫か?
前より強くなってると言ってもエヴァは封印なんて無い。
「あ、明日菜諦め悪いなぁ」
「また回避されてるし」
同じような光景だった。
一つだけ違うのは先ほどと速度が違うだけ。
同じ事を何度も繰り返してると明日菜さんが息を荒くしていた。
「エヴァちゃん、当たってもいいじゃない!!」
「アホか! 真祖の障壁すら無視する奴の攻撃なんて当たったら死ぬわ!」
「吸血鬼なんだから死なない気が」
「そういえばアーニャは何そんな所で寝てるの?」
エヴァが明日菜さんを鍛えてる逆方向にアーニャが倒れていた。
まるで屍の様だ。
「エヴァちゃんと一戦やっただけや」
「ふ~ん」
倒れているアーニャを見ていると悪戯したくなった。
でも背後から視線を感じた。
「何で千雨さんがここにいるの?」
制服姿の千雨さんがいた。
その表情はなぜか怒ってるかのようだ。
「もうちょっと説明聞かせろ。後、仮契約というのをしてるんだから関係者だろ?」
「千雨ちゃんもネギ君に惹かれとるん?」
「ち、違うわ!!」
木乃香の勝手な言葉で赤くなって否定する。
「連れてきた趣旨は?」
「決まってるだろ? あのコスで魔法使えるようにさせるんだ」
「ああ、それは面白、じゃないアーティファクトだけじゃなく中身も強くさせる方が良いかも」
千雨さんを鍛える事か、もう少し後で鍛えたかったんだがまあいいか。
早めに鍛えて強くさせる方が得だ。
「千雨ちゃんに習わせる魔法は何するん?」
「雷、火、水、風属性の魔法かなぁ」
「魔法少女ならそれぐらいが普通だな」
「マスターは日本の魔法アニメを見てます」
初めて聞いたよ、エヴァがそんな趣味を持つなんて。
魔法少女ビブリオンを見てたのか?
だが、ネギの考えが当たっていると分かる。
「魔法少女ビブリオンの技を」
「ちょっと待て! 知ってるのか?」
「当然です。マスターは設定集も購入してます」
「余計な事言うな!!」
茶々丸さんに八つ当たりするエヴァ。
向こうは向こうでやってくれ。
とりあえずはだな。千雨さんの修行プログラムを考えなきゃな。
「千雨さん、アーティファクト展開してください」
「あ、ああ。アデアット」
呟いた千雨さんの姿がビブリオルーランルージュに変えた。
何度見ても露出が多いですね。
「よし」
「え?」
僕は魔法の1矢を千雨さんに撃った。
反射神経で体を庇うが、魔法陣が浮かび魔法の1矢を飲み込んだ。
「あれ?」
「どういう事なん?」
「そういう事か」
「どういう意味?」
「あれは自動で展開してくれる魔法防壁だな。今の見てると飲み込むという事はかなり優秀な防御を持つな」
明日菜さんと木乃香さんと千雨さんがエヴァの説明に頷く。
飲み込むは防壁なんだろうか?
突っ込んだ方が負けな気がするから何も言わない。
「でもええなぁ。ウチのはないし」
「私もないわよ。ハリセンだし」
「大剣になるから武器としては強い」
「それでもよ」
「じゃあ、明日菜さんは僕と闘って」
「それは嫌!」
はっきりと、返事も早く言われた。
顔も青ざめてるし、何が原因なんだ?
「どうしてですか?」
「ネギ君って魔法の射手を大量に問答無用で撃ってくるやん」
ふわふわと空中に浮いてる木乃香さんの言葉に頷く明日菜さん。
「え~、そうでしたっけ? たかが1000ずつですよ?」
「ネギって1000も撃てるわけ?」
その辺にゴミの様に倒れていたはずのアーニャが驚く。
何時起きたんだよ、この子は。
「そうだよ。エヴァンジェリンさんだってその気になれば撃てるでしょ?」
「闇の福音と呼ばれてるんだもんね。まあ、修行の時は氷ばっかだけど」
「たまに闇の吹雪やけど」
「得意な属性がそれなんだから仕方ないだろう」
確かにエヴァの属性はそうだろうね。
それは未来でも並行世界でも何も変わらない。
じゃあ、僕の得意な属性は何か聞いてみようか?
「僕の得意な属性は何だと思います?」
「ネギは風でしょ?」
「ウチもそう思うで」
「あ、私も。だって雷の暴風をよく使ってるし」
「というか私はどうすれば?」
アーニャ達は僕の魔法を見てそう答える。
いきなりの話に混乱して、というか置いてけぼりの千雨さんは首を傾げる。
メガネ姿ではないので、そういう仕草がかわいかったりするが。
「その正解は後で答えますね。千雨さん、魔法を使ってみてください」
「どうやって使えば……」
そのキャラのステッキを別の方向から見たり振り回したりしていた。
あれ? 電子妖精が出てこないなぁ。
「千雨ちゃん、そのキャラクターの呪文を言うんやないん?」
「……マジで?」
「多分そうだろう。よし、やってみろ!」
「マスター……」
呪文という言葉を聞いたエヴァは目をキラキラさせていた。
子供のようにはしゃぐ自分のマスターを見つめる茶々丸さん
呪文を言え、と言われた本人は顔を真っ赤にして恥ずかしがっていた。
「本当にやるのか?」
「普通に修行しましょうか」
「……ネギ、こいつを習わせろ」
どっから持ってきたのか設定集を数冊ほど僕に渡す。
受け取った僕はパラパラとページを見たが、笑顔で否定する。
「うん、無理!」
エヴァに返却した。
「いや、お前ならできる!」
「魔力の種類も違うし、呪文形式も理解でき……る方法はあるけどぶっちゃけ面倒くさいです」
権限の鍵を使えば、千雨さんの構造を改変させて使用することはできる。
魔力だって馬鹿みたいに改造できるけどそれは最後の切り札として置いておきたい。
また今度にしましょう、とエヴァに言ったら、素直にわかったと言って設定集を茶々丸さんに預けた。
「夕映さんとのどかさんにしたようにしましょうか」
「ユエやのどかにしたのって?」
状況が飲み込めないアーニャは僕に聞いてくる。
明日菜さん達はああ。とわかったように頷いた。
「潜在能力を引き出すだけです」
「へえ。何か胡散臭い」
「実物を見れば驚くわよ?」
「そう」
疑うような視線で僕を見る。
「じゃあやりましょうか」
前みたいに詠唱するのは面倒だから、権限の鍵を右手に出現させた。
その右手に持ったモノを千雨さんのお腹部分に入れた。
すると、千雨さんの表情がピクッとなった。
「こ、これ……刺さってる? すごくヤバい感じするんだけど」
「大丈夫ですよ。実際は魔力に刺してるだけです。ちょっとだけ妙な気分になりますが我慢してください」
「あ、はい」
素直に頷いてくれた。
妙な気分、我慢と言うが実際は快感だから我慢も糞もないんだが。
それはともかく、僕は目を閉じて権限の鍵を起動させる。
「潜在魔力解放」
その言葉と共に鍵を深く入れる。
「あ、ああ! くっ!」
声を上げる千雨さんの頬が赤くなっていた。
全身に電撃でも入ってくるかのような感覚だろう。
え、どうしてわかるかって?
権限の鍵発動させてるのは僕の魔力、生命力だよ?
それを千雨さんに入れてるって事は同化してるようなモノ。
だから、向こうの感覚が伝わってくるだけの事。但し、向こうがこちらのは一切わからない。
「ネ、ネギ先生、ま、まだですか?」
「これで終わりです。 魔力の能力解放完了、権限の鍵停止」
目を開けると同時に権限の鍵は僕の中へ消えた。
やっと終わった、と息を荒くさせながらその辺のベンチに座る。
権限の鍵を数秒も入れたのだ。つらいのは当然だと思う。
「何か力が湧いて来てる感じがする」
「それが魔力ですよ」
「なるほど、ネギ先生はこの力を……」
「学園外では先生なんて付けなくてもいいですよ?」
「あ、ああ。ネギ」
千雨さんは名前を呼んだ後、俯いた。
なぜに?っと明日菜さんの方へ向くと、溜息を吐いていた。
いや、わかんないよ。
いきなり背後から抱きしめられた。
「ネギ君、アレどうするん?」
「え? 小太郎、木にめり込んだままだったのか」
「やっぱネギがやったわけね」
木乃香さんの人差し指の方向を見たら、小太郎が木にめり込んでいた。
生きてはいるらしいが気絶してるみたい。
「起こしましょうか」
「どっかで見たなぁ。この状況」
「ふう、魔法の射手 光の1矢」
木にめり込んでる小太郎の下半身に矢を刺した。
突然、小太郎が覚醒し「痛えぇ!」と叫びながら動き回っていた。
「ネギ君、アレはあかんって」
「痛そうね」
「小太郎はそういう趣味だからあまりの快感で暴れてるだけだとおも」
「違うワイ! いきなり何すんねん!」
僕の頭に突っ込みのチョップをかましてきた。
千雨さんとは別の、逆の荒い息をしていた。
「男が荒くさせながらだと変質者みたい」
「お前のせいやろうが!」
「大した怪我してないし、大した事じゃないでしょ?」
「最後のが一番効いたわい!! 何処の世界に魔法をケツに、ケツの穴に打ち込む奴がおんねん」
別の意味でヤバい発言してる小太郎。
女の子がいる前でよく言うよ。
それに我を忘れてるのかどうか知らんがワイって何?
「魔法は手から出るのではない。尻から出るのだとも言うし」
「言わねえよ!」
「ああ違った、ただし魔法は尻から出る!だった」
「それも違うちゅーねん!!」
「ナイスツッコミ!」
怒り狂っている小太郎にグーッと親指を立ててみせる。
突然、怒っていた人物がガクッと落ち込んだ。
僕の右肩に手を置いた明日菜さんが息を吐いて僕に言った。
「どうすんの? ネギ」
「そうだ。小太郎を鍛える約束が」
「そうや、そしてネギ! 再び勝負や」
「別に良いよ。軽く捻るだけだし」
小太郎は僕の暇つぶしとして勤めてもらおう。
じゃないと、建物や学園の森、別荘を破壊してしまいそうだ。
「仲がいいんやなぁ」
「こうしてみると男同士ってのも」
「ええ、ウチはネギ君と~」
「マスター、ネギ先生に構ってもらえなくなりますよ?」
「……ネギ、そいつは誰が鍛えるんだ?」
エヴァ、茶々丸さんから目を逸らした。
ここで怒っても相手の思うツボだね。
「僕がやってた修行を小太郎にやらせるだけです」
「ほう? ネギにできるんやったら俺にもできるで!」
「重量800キロを両足に付けて走ってもらおうか。距離はここを100周程度」
「できるかッ!! それに死ぬわッ!」
必死な表情で速攻、拒否された。
全身に重力魔法をかける方法なのにそれでも駄目とは。
「ネ、ネギ、さすがにそれは」
「800キロのって無理に決まってる」
「僕はやってましたよ? そのおかげで反応速度とか上がりました」
「足を鍛えると反応速度が上がるんやな」
目で見えても体が遅ければ意味を成さない。
だから、前の僕は重りを付けて鍛えた。
徐々に重量を上げていき、最終的には有限なら余裕になってしまった。
「あ、あの……」
「何ですか?」
「私にもそれを?」
「千雨さんは普通に修行しますよ?」
「そ、そうですか」
なぜに敬語、と首を傾げた。
小太郎の事はこれで決まりだ。後は千雨さんの魔法を鍛えればOKだな。
学園祭までには間に合わせるという目標を教えた。
「無理じゃないか?」
「いや、いけると思うえ。ウチらがそうなんやから」
「そ、そうね」
確かにそうだね。
木乃香さんは早くもコツを掴んだし、明日菜さんは咸卦法と相性が良いから成長が早かった。
さすがあの人の娘さんだ、と感心していた。
「エヴァンジェリンさん、千雨さんに習わせる魔法は魔法の射手で良いと思う」
「確かにそうだな」
「その方針でいこう」
修行内容を決めた僕は服の懐から小さな杖を取り出し、千雨さんに渡す。
受け取った千雨さんが杖を見て顔を顰めた。
見た目はおもちゃにも該当するほどの作りになっている。
「私にはこれが……」
「いえ、常にアーティファクトを使用するわけにはいきませんし」
「そ、そうか」
自分の状態を見て理解したみたい。
今の千雨さんでは普通の人と何も変わらない。
だから、鍛える必要があるのだ。
「潜在能力を解放してるから詠唱で発動はできるはず」
「呪文なんて知らないぞ?」
「教えますね。風の精霊17人。集い来たりて 魔法の射手・連弾・雷の17矢」
「詠唱キーは?」
空気を読まないアーニャに溜息を吐く明日菜さん達。
詠唱キーなんてもう必要ないと思う。
そもそもアーニャも簡単な魔法なら詠唱キー使わないだろ?
「千雨さん、僕に向けて撃ってみてください」
「いいのか? 危ないぞ」
僕を気遣うのは嬉しいが、今の千雨さんは初級魔法使いを凌ぐ程度しかない。
あくまで、魔力だけだ。
僕は相手の返事も聞かず、距離を取る。
「どうぞ」
「ふぅ、風の精霊17人。集い来たりて 魔法の射手・連弾・雷の17矢」
とりあえず、僕があげた杖をスカートのポケットに直す千雨さん。
ビブリオルーランルージュのステッキを前に差し出すと、魔法の射手が飛んできた。
こちらに向かってくる魔法の射手は早かったが威力は足りないと感じた。
「てい!」
僕は簡単に目の前の魔法の射手を吸収した。
吸収される光景を見て、撃った本人が肩をガクッと落としていた。
「初めて発動した魔法をあっさり防がれるのは落ち込むんだけど」
「千雨さんの魔力は全て貰っています。木乃香さんの魔力を頂いたように」
「ウチの星光破壊を吸収したアレやな?」
「どうやったら魔法を吸収できるの?」
「アーニャ、闇の魔法を習ってみたいか?」
「いえ、結構です!」
アーニャはエヴァの脅す様な冷たい声に震え、思いっきり首を横に振る。
こんな光景、後どれぐらい見れるんだろうなぁ。
既に僕の未来に繋がらないため、平和が続くかもわからない。
一瞬、切なそうな気持ちになったが、くだらないと考えを捨てた。
それよりも限界が知りたかった。
「千雨さん、魔力を使い果すまで限界まで呪文を使ってくれません?」
「あ、わかった」
よく見るとステッキが薄く光っていた。
あの光って電子妖精が、あの能力が発現していく前兆か……。
でも、あのステッキは前と違う何かを感じたが、しばらく保留にする。
そして、ステッキを握る千雨さんが魔法の射手を合計900ぐらい撃ちこんできた。
権限の鍵で解放した潜在能力は相手の魔力を数倍以上膨れ上がる。
何もしないで放置していると潜在能力が低くなり脆くなる。
900も撃った事に驚いた木乃香が妙な事を言いだした。
「千雨ちゃん、星光破壊習得してみいへん?」
「星光破壊!? どっかの魔砲少女みたいな魔法だな」
「気のせいやって、効果も全然ちゃうやん」
千雨さんと木乃香さんが言い合っている。
前では考えられない組み合わせだ。
効果も違うってどういう意味だろう。
「それにな、まだ未完成やもん」
「未完成?」
「まだウチ自身の魔力が足らへんから見せられへん」
「……習うに越したことは無いという事か」
真面目な表情で考えていた。
いやいや、星光破壊は別に要らないでしょ、と呟く明日菜さん。
一緒に居て知ってる明日菜さんの表情が青ざめる。
魔法無効化は意味無いもんな。
「木乃香、教えてくれ」
「よし! さっそく術式を教えるからこっちで」
嬉しそうに笑顔になる木乃香さんは千雨さんの腕を引っ張り、奥へ向かった。
ああ、魔法少女が星光破壊、ね。
バランスブレイカーもほどほどにな。
僕の頭に浮かんだ光景はビブリオルーランルージュ姿の千雨さんが魔王的な笑みを浮かべ、
木乃香さんから習った星光破壊をぶっ飛ばす姿が思い浮かんだ。
「……千雨ちゃんが木乃香の計画に、あはは」
明日菜さんの言葉が空しく響いた。
だいたい計画って何? 明日菜さんの言葉が僕の心に残った。
本当にどういう意味なのか、わからん。
それから、木乃香さんと共に戻ってきた千雨さんはボロボロになって帰ってきましたとさ。
何で?
だが、木乃香さんの計画で一騒動が起こる事を、このときの僕は知らなかった。
第38話『学園祭編・その3 後18日 あやかの別荘』へ
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今回の話は伏線です。次の話もそうですが……
千雨のアーティファクトは原作では力の王笏だったが、
このSSでは別にあり、力の王笏がついでに付いているという設定。
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第37話