No.388244

そらのおとしもの    学校サバイバル

BLACKさん

今回の話は作者が少し前に見た夢を元ネタにしてつくりましたが、グダグダ感ありです。
また作者の分身となるオリジナルキャラ(秋山総司郎)も出てきます。

2012-03-07 18:51:02 投稿 / 全11ページ    総閲覧数:1074   閲覧ユーザー数:1055

 

 

「はあ~」

 

空見中学の生徒会長、五月田根美香子がため息をつく。

 

「どうしたんですか? 会長」

 

そはらがため息をつく美香子に声をかけた。

 

「最近ドンパチがないじゃな~い?」

「それって良いことじゃ……」

「会長、血が見たいのに見れなくてイライラしてるの~。

だから思いきって学校でサバイバルゲームをしようと思うのよ~」

「そんなことしたら……」

「確実に秋山さんに妨害されるわよね~」

 

秋山は美香子の滅茶苦茶をある程度は見逃していたり自分も乗ってる時はあるが、過激すぎることは止めている。

 

「……そうだわ、どうせなら秋山さんも巻き込んでしまえばいいのよ~」

「え?」

 

美香子は何かを思いついたようで生徒会室から出て行った。

 

「会長、何するつもりだろ?」

 

美香子の去り際を見て、少し不安になるそはらだった。

 

 

 

 

 

そらのおとしもの    学校サバイバル

 

 

 

 

 

 

「あのな、そんなことを俺に頼むか?」

 

美香子が秋山に頼みに職員室にやって来ていた。

 

「だって~、秋山さんが了承しないと好き勝手出来ないでしょ?」

「俺はこの学校の責任者じゃないっての…。まあ雪合戦とかクイズ大会は面白そうだから黙認してたけどさ…。

さすがにドンパチやるとなると血が出るだろ」

「その血が見たいのよ~」

「はあ……」

 

秋山はどうしたものかとため息をつく。

 

(…っても俺も久しく銃は握ってないな…)

 

秋山は今まで戦う時、状況に合わせたり、自分の気分で拳銃やマシンガンを召喚して、それを敵に向かって撃ちまくる戦いをしている。

 

(だからと言って学校でドンパチさせるのは……あ、待てよ。あの手があるか)

 

秋山はあることを思い出し、ひらめく。

 

「そのドンパチ、明日でいいか?」

「明日? 今からでなくて?」

「授業サボらせたくないんだよ俺は」

「秋山さんの担当科目はないでしょ?」

「うるせえ。俺は学生時代は用事とか体調を壊した以外じゃサボったりして休んだことはないんだよ」

「今は学校に来ないこともあるのに?」

「学生時代の俺と今の俺とじゃ、全然状況が違うからな。あんま気にするな」

「……まあいいわ、明日楽しみにしているわ~」

 

そう言って職員室を後にする美香子。

 

「とりあえずはこの学校の建物構造とドンパチ用の整備だな」

 

秋山は椅子にもたれながら色々考えるのであった。

 

 

そして翌日になった。

 

「な、なんじゃこりゃーーーーーー!!」

 

学校に登校してきた智樹が大声を上げる。

 

「こ、これって一体……」

 

一緒に登校してきたそはらやニンフも同じように驚く。

 

「何なのよこれ」

 

驚いた理由、それはグラウンドに体育館クラスの巨大な建物が建てられていたからだ。

 

「もしやこれは……」

『ピンポンパンポーン』

 

放送の音声が聞こえてくる。その声の主は美香子であった。

 

『今日は特別授業で~、生徒の皆さんはグラウンドにある建物に集合しなさ~い。

集合しない人には会長からきつ~~~~い、お仕置きが待ってるわよ~』

「智ちゃん…」

「行くしか……ねえよな………」

 

智樹はものすごく不安になりながらグラウンドの建物に入っていった。

建物の中には既に登校していた生徒達がいたが、それだけでなく、バイザーゴーグルと椅子が生徒の数分並べられていた。

 

 

「これって一体……」

『みなさ~ん、とりあえず適当な席に座ってね~』

 

美香子の放送声が聞こえてき、智樹達はとりあえず適当に座った。

それからいつもは教室で予鈴を待つところであった時間に生徒達は建物の中に入って椅子に座った。

 

「みんな来たわね~」

 

美香子がステージ前にとやって来た。

 

「あの、会長これって一体……」

「これからみんなに~サバイバルゲームをしてもらうわよ~」

『へ?』

 

生徒全員が同じような声を出した。

 

「その説明は俺がしよう」

 

美香子の横に秋山がやって来る。

 

「秋山先生」

「サバイバルゲームって言っても本当にやりあうわけじゃない。

あくまでゲームの中でやるんだ」

『ゲームの中?』

「そのためのバイザーゴーグルだ」

 

秋山が椅子に置いてあったバイザーゴーグルを取り出す。

 

「これをかけて椅子に座ってもらうだけでいい。そうするとたちまち自分はゲームの中に入る。

そのゲームの中でサバイバルゲームをやる、それだけだ。今回は特別授業だ。ちょっとした感覚を研ぎ澄ますものだと思ってくれていい。

そして今回は2チームに分かれて、午前と午後に戦ってもらう。そして勝ったチームには……、特にない!」

『ええええええええ!?』

「だって前みたいに『負けた方を好きにする』なんて俺にはできない! てかさせん!

そして、質問はあるか?」

 

生徒の何人かが手をあげる。

 

「サバイバルってどういうものですか?」

「まあゲームでよくある銃を撃ちまくって敵を倒すものだ。

現実だと一発で終わりだけどこれはゲームだ。何発撃たれても構わない。まあ当然のことながら今回のゲームルールはいかに相手に倒されないかといかに相手を倒すかにあるからな。

それとルールで言い忘れたことがあるが、ゲーム舞台はこの学校だ。

そんでもってスナイパーは1チーム1人だけだ」

「何でですか?」

「全員スナイパーやったらしらけるだろ。それにこういうゲームはな、スナイパーは嫌われるんだ。

俺はそう言うのが嫌なんでな。けどスナイパーは1人くらいは必要だと思って制限として1人のみとする。

チームメンバーはランダムで決められるから、スナイパーをやるならきちんと話し合いをすることだ。

ちなみに話し合いは開始から30分までだ。30分経ったらサバイバルゲーム開始だ。

他に質問は?」

 

質問は出なかった。

 

「それじゃあ全員、席に座ってゲーム準備だ!」

 

生徒全員が椅子に座ってバイザーをつけ、ゲームを開始する。

 

 

そして開幕30分の話し合いを終え、ゲームが始まった。

 

「本当に学校だな」

「うん……」

 

智樹とそはらは同じチームとなっており、皆は学校の中にいた。

 

『言っておくが戦闘はもう始まっているぞ。両チーム、しのぎを削って戦え!』

 

秋山のモニター声が聞こえてくる。

すると智樹とは別のチームのマシンガンの弾が目の前から飛んでくる。

 

「どわっ!」

 

智樹は間一髪、飛んでくるマシンガンの弾を避ける。

 

「危なかった~」

「智ちゃん、ここ危険だよ」

「ああ」

 

智樹は急いで場所を移す。

しかし……。

 

「もらったーーーー!」

 

すぐに見つかってしまい、撃たれた。

 

「うぎゃあああああ!!」

 

智樹は撃たれた。しかし気づいた時には別の場所に移動していた。

 

「あり? ここは?」

『撃たれて死んだら、撃たれた時の体はすぐに消滅して新しい場所に体と意識が転送されるぞ』

 

秋山がやられた人のための説明をする。

 

『それと倒された数はスタート状態にして撃墜数を確認すると意識すれば撃墜した数と撃墜された数を確認できる。

ちなみにスタート状態にする方法は敵が目の前にいない時に「スタート状態」と意識すればいい。

そうすれば攻撃が出来ない代わり、相手の攻撃を一切受けない状態になる。ただし一時停止に近いから、一定時間や戦う意思がないと判断された場合は強制的に「スタート状態」は解除される。

それと途中でトイレに行きたくなったら「スタート状態」にして「トイレ中断」と意識すれば意識が現実世界に戻るからな。

追加の説明はこんなもんだ。ああ、言い忘れたこととしては連続で倒したら色々武器とか特殊な装備が使えたりするからな。その時は頭に声が響くからな。

とりあえず頑張ってくれ』

 

秋山の説明音声が途絶える。

 

「早速1回やられちまったな。そはらとも別れちまったし…」

 

智樹は慎重に行動する。

 

「うぎゃああああ!!」

「きゃあああああ!!」

 

所々でやられる声が何度も聞こえてくる。

 

「こりゃ、本格的にやらないとやべえな……」

 

智樹も腹をくくる必要があると思い、手に持つマシンガンを強く握る。

そして走り回っていると敵チームの生徒と遭遇する。

 

「うわああああああ!!」

 

智樹は無我夢中で銃を撃ちまくる。

 

「うわあああ」

 

撃たれた相手はやられたとしてその場から消えた。

 

「俺、倒したのか……」

 

智樹は少し疑うがいなくなった以上、倒した可能性の方が高い。

 

「ええっと、スタート状態にすればいいんだよな」

 

智樹はスタート状態にし、撃墜確認をする。すると撃墜数の0が1へと変わっていた。

 

「本当に倒したんだな…」

 

智樹は自分が相手チームを撃ち倒したことに改めて気づいた。

 

「けど、これならなんとかなるかな……」

 

智樹はそう思いながら、再び建物に入っていった。

 

「見つけたわよ、ゴキブリ桜井!」

 

智樹の前にはいつも自分をバカにしている女子3人組がいた。この3人組は智樹の敵チームであった。

そして見つけられたと同時に撃たれて智樹は撃墜された。その後、智樹がリベンジしたのは言うまでもない。

そんなこんなで午前の部が終了するチャイムが鳴る。

 

『午前の部は終了だ! ゲームは一時中断!!』

 

秋山の言葉によりゲーム参加者達は強制的に現実世界に戻される。

 

「中間発表だ」

 

 

秋山がステージにある巨大モニターでゲームの参加者の顔写真や名前、撃墜した数と撃墜された数が書かれたものを映し出す。

 

「総合撃墜数1位は生徒会長の五月田根美香子。わずか3時間で撃墜数は300」

 

つまりは1時間に100回倒した計算になる。

 

「ちなみに被撃墜数は3回」

「会長が撃墜されてる?」

 

こういうサバイバルにおいて撃墜されることがまずないとされる美香子が撃墜されていることに驚く生徒達。

 

「そんでもって2位は新大陸発見部部長、守形英四朗。撃墜数は233。被撃墜数は12回」

「守形先輩、思ったより撃墜されてるね」

「ああ、あの先輩も結構やると思ってたんけどな…」

「そんでもって3位は桜井智樹」

「え?」

 

智樹は自分が3位だったことに驚く。

 

「撃墜数は43」

「あれ?」

 

撃墜数を聞いて安心した。自分が強いのではなく、単純に他の生徒達が倒してないだけであった。

 

「被撃墜数は50だ」

「まあ、そんなもんだよな」

「ちなみに一番撃墜されたのはニンフ、被撃墜数は123回。ひとまず中間発表は以上だ。

今から1時まで昼休憩に入る。しっかり昼ご飯を食べておくように。以上!」

 

そして昼休みとなった。

 

「ニンフ、どうしたんだお前?」

 

食堂でニンフの不調を智樹達が尋ねていた。

 

「いつものニンフさんならあんなに撃墜されることはないのに…」

「仕方ないじゃない、ハッキングとかレーダー能力が使えない上に羽まで使えないんだから」

「え? 使えないの?」

「本当かイカロス?」

「はい、私達エンジェロイドの能力は使えないと秋山さんから説明されてます」

「説明されてる? いつ?」

「冒頭の作戦会議前にな。イカロス達エンジェロイドを作戦会議場の前に俺の特殊空間に連れていた」

 

秋山がその時の説明をする。

 

「このゲームはお前達エンジェロイドの能力は一切使えない。Artemisのミサイルはもちろんだが、chrysaorにパラダイス=ソング。

そしてお前達の強みである羽もな」

「使えないんですか?」

「羽はあるが、飛ぶことは出来ない。ぶっちゃけた話、飾りだ」

「それって邪魔じゃない?」

「まあ敵から見つかる恐れはあるな。だがイカロスの羽の縮小、ニンフの羽のステルス機能は使えるようにはしておいてやる」

 

そして秋山はイカロス達を作戦会議場に飛ばした。

 

「…と言うわけだ」

「なるほど」

「ニンフがやられているわけはそこか」

「まあこの学校、思ったよりサバイバルゲームしてる奴が多いみたいなんだよな。

理論で分かっていても、普通の戦闘とサバイバルの実戦とじゃわけが違うからな。

そう言う意味じゃ、ニンフに分はない。

とは言っても智樹よりも上の二人はサバイバルゲームしてる奴ら以上だけどな」

 

ちなみにチーム分けにより、智樹はそはらと美香子とイカロスと組んでおり、ニンフは守形とアストレアと日和であった。

 

「それにあの銃、思ったより使いずらいのよ」

「それは持ち方の問題じゃないのか? 握り方が悪いとマシンガンはうまく扱えないぞ」

「どうすればいいの?」

「モデルガンならあるわよ~」

 

美香子がどこからかマシンガンを取り出す。

 

「もう一度言っておくけど、モデルガンよ~」

(本物(モノホン)だ)

 

秋山はそう思った。

ニンフは美香子からマシンガンのうまい握り方を教わったりなどして、昼休みが終わる。

昼休みを終え、生徒達が戻って来る。

 

「それじゃあ午後の部だ。5時までやるからな。それと午後にはちょっとしたサプライズもあるからな。注意して挑んでくれ!」

 

秋山の放送の後、皆がゲーム世界へと行く。

 

 

「そこだ!」

「ぎゃあああ」

 

智樹はうまく隠れたりなどして撃墜数を増やしていた。

 

「ふぅ……」

 

智樹は再び隠れて、弾の補充などをする。

 

「あいつの言ってたサプライズって何だろう?」

 

そんな時トランシーバーが鳴る。

トランシーバーは連続で5回以上倒した人が手に入ることが出来るアイテムであった。

 

「どうしたんだ?」

「大変だ桜井! 会長がやられた!」

「会長が? けど午前の時に既に3回は……」

「それが連続で10回も倒されてるんだぞ」

「連続で!?」

 

さすがにその事を聞いて驚く智樹。

 

「……うん? うわああああああ!!」

 

トランシーバーの相手は悲鳴をあげる。

 

「どうした? 応答しろ! どうした!?」

 

トランシーバーは切れる。

 

「いったい何があったんだ?」

 

智樹は不安になり始める。

その一方で……。

 

「うぎゃあああああ!!」

「きゃあああああああああ!!」

 

至る所で悲鳴が聞こえてくる。

 

「これって一体……」

 

両チームは慎重に動く。

 

「もうそろそろ敵チームと接触するな……」

 

連続撃墜のおかげでレーダーを手に入れた生徒の1人が2人の生徒と一緒に動いていた。

しかし……。

 

「ぎゃあああああああ!!」

 

1人の仲間が突然後ろから襲われた。

 

「斎藤!?」

「え? レーダーに反応なんて……」

 

レーダーを持った生徒が後ろを振り向く。

 

「ぎゃあああああああ!!」

 

そして瞬く間に残りの2人が倒された。

 

「今の悲鳴って…」

 

先ほど倒されたのとは違うチームが悲鳴を聞いて怯えはじめる。

 

「きゃあああああ!!」

 

女子生徒3人がいつの間にか撃たれて倒された。

 

「ふん」

 

弾を撃った犯人の場所は少し離れた建物の屋上であったが、相手はスナイパーではない。

相手はマシンガンを持った秋山であった。

秋山は少し横に寝ころんだ状態でマシンガンを撃っていたのだ。しかもガード出来るように鉄格子を盾にしていた。

秋山は寝ころびながらマシンガンの弾を補充する。

 

「さてとそろそろ移動でも……」

 

秋山が移動しようかと思った瞬間、秋山は後ろを振り向く。

するとそこにはこっそり近づいていた生徒が1人居た。

秋山はすぐに転がって生徒の撃つ弾を避け、避けると同時に自分もマシンガンを撃ち、逆に自分の撃った弾は生徒に当てる。

当てられた生徒は消滅した。

 

「やっぱ移動だな」

 

秋山はジャンプで建物と建物を移動した。

 

「さてと、あっちの方はどうかな…」

 

秋山が言うあっちと言うのは……。

 

「うわああああああ!」

「な、なんだあの子は!?」

 

男子生徒2人がまた撃たれた。

撃ったのは秋山ではなく一人の少女、カオスだった。

 

「ふふふ……」

 

このカオスは最初に地上に降りてきた時のような状態であった。

実は……。

 

 

午後の部が始まってすぐのことであった。

秋山はカオスを呼んでいた。

 

「用事ってなぁ~に?」

「俺と一緒にお邪魔キャラをやってもらいたい」

「お邪魔キャラ?」

「まあこれをひとまず見てくれ」

 

秋山はカオスに今何をやっているかの説明をした。

 

「簡単に言うと第3勢力、どこにも属してない勢力ってことだ」

「それで秋山お兄ちゃんと一緒にやるの?」

「出来ればやってほしいところだが、どうする?

ルールはさっきも言ったように倒されてもすぐに復活する。

そんでもって俺達は完全に第3勢力だから能力制限がないわけじゃないがあまりない。

何が制限されるかはゲーム世界に行けばわかる。準備は良いか?」

「うん」

 

カオスは秋山の用意していた椅子に座り、バイザーをつける。

 

「ああ、それとお前には悪いがゲームの関係上、お前の性格、最初に地上に降りてきたものにするけどいいか?」

 

本音を言うと秋山は最初に会った時のカオスには嫌悪感を抱いていた。

そのためカオスを一時的とはいえ、その嫌悪感を持った正確にするのは気が引けた。

だがサバイバルゲームの特性上、今のカオスの性格では不向きであり、最初のカオスの性格が向いているのだ。

秋山はそのためにカオスの了解を得ようとしていた。

 

「いいよ」

「悪いな」

 

秋山がカオスのバイザーに色々設定する。

 

「それじゃあ行くぞ」

 

カオスはゲーム世界へと向かう。

 

「俺は直接行くとするか」

 

秋山はゲーム世界へと瞬間移動した。

 

 

「何だって!? 秋山に撃たれた?」

「ああ、間違いねえ。あれは紛れもなく秋山先生だったぜ」

 

秋山がゲームの世界に来ていたことは秋山の後ろを取ろうとし、返り討ちに合った生徒から智樹に伝えられていた。

 

「てことは会長がたて続けに撃墜されたのは……」

「間違いなく先生の仕業だぜ」

「昼から起こるサプライズってのはそう言うことかよ…」

 

智樹は思わず頭を抱えそうになる。

智樹が秋山出現を聞いたのと同じころ……。

 

「修道服の少女か……」

「間違いなく、カオスね」

 

カオスに襲われた生徒達から守形達はすぐにその正体がカオスだと分かった。

 

「でもなんでカオスが学校にいるんですか?」

「大方、秋山が呼び寄せたのよ。サプライズのためにね……」

「そうなると少し困るんじゃ……」

「そうだ。カオスは小さいからまず的としては当てずらい。

俺の予想が正しければ恐らくは秋山も来ているはずだ」

「あの二人が組んだらある意味好き放題よ。

本当、とんだ迷惑なサプライズだわ」

 

ニンフは思わずため息をつく。

 

「でもどうするんですか?」

「お前達のようにカオスの能力が制限されていればいいんだが……」

「秋山のことよ。きっと制限はしてても私達以上に制限はされてないでしょうね」

「そうなるとどうすれば……」

「遠距離射撃は恐らくは読まれているはずだ。となると、接近戦で倒すしかないな。

秋山はともかくカオスにそこまでのレーダー能力はないはずだ。

いくら秋山でもカオスにそこまでの力を与えることはできないだろう」

「それしか手はないわね。それでカオスを倒す方法としては……」

「また囮をするしかないな」

「それでいったい誰が……」

 

日和がそう言うが守形とニンフは既に誰を囮にするかは決めていた。

二人はその囮役を見ていた。

 

「私ですか!?」

 

アストレアは自分だと言うことにちょっと経ってから気付いた。

そして戻って智樹陣営。

 

「聞いた話を纏めますと秋山さんの他にカオスもいるみたいです」

「マジかよ……」

 

カオス出現のことも耳に入っていた。

 

「カオスちゃんも厄介だけど、それ以上に問題は秋山さんね~」

「後ろから狙おうとすれば逆に返り討ち……。だったら正面……」

「そはらさん、秋山さん相手にそれは無謀だと思います」

「じゃあどうしたら……」

「囮でもするか?」

「でも誰が囮に……」

「それはもちろん、言い出しっぺよね~」

 

美香子が智樹を見る。

 

「俺!?」

 

こうして両陣営はそれぞれ、秋山とカオスを倒すことを考えた。

 

 

「うぎゃあああああ!!」

 

秋山とカオスはそれぞれ無差別に倒し続けていた。

 

「もうだいぶ倒したかな……」

 

カオスはもう数えられないほどに生徒達を倒していた。

 

「まだいないかな~」

 

カオスはゆっくりと校舎を歩く。

 

「あれ?」

 

カオスは目の前に誰かがいることに気づく。

 

「誰かな?」

 

カオスは手に持っているマシンガンで目の前にいるものを撃つ。

しかしそれはすぐに消えていった。

 

「あれれ?」

 

カオスはその目の前にいたものに近づくがそこには何もなかったな。

 

「ないな~、……あ」

 

カオスが別の方向を見たらそこに先ほどの影を見る。

 

「えい」

 

カオスは再びマシンガンを撃つが、影は消えた。

 

「なんでだろう?」

 

なんでかと言うと、影の正体はアストレアであり、アストレアは弾が当たるギリギリのところで加速しているのだ。

エンジェロイドの能力のほとんどが使えない世界だが、アストレアの羽による加速は制限されていなかった。

そのため一応エンジェロイドであるアストレアは弾の弾道をギリギリで見切って避けたのだ。

もっともアストレアの撃墜数と被撃墜数は被撃墜数が撃墜数の倍以上である。

 

「待て待て~」

 

カオスは無邪気に影の後を追う。

そんな追いかけっこが続く。

その一方では……。

 

「次はどこに移動して撃つか……」

 

秋山がふらふらと校舎の外を歩いていた。

かなり無防備に見えても秋山に隙はなかった。

ふらふらと歩いている秋山を見て隙を突こうとした生徒10名ほどが既に秋山にやられていた。

 

「うん?」

 

秋山が目の前を見るとそこにはマシンガンを持っている智樹がいた。

 

「智樹か」

「くらえええ!!」

 

智樹はマシンガンで秋山を撃つ。

 

「どりゃあああああ!!」

 

秋山は智樹のマシンガンの弾を自分の持つマシンガンの弾で1つ1つ正確に撃ち落す。

 

「嘘だろ!?」

「……弾切れか」

 

秋山は急いでサブウェポンの銃を取り出す。

その間に智樹は逃げ去っていった。

 

「逃げただと!? この隙に撃つのが上策なのに……」

 

秋山はすぐに考えて答えを出す。

 

「罠と言うことか。ならばあえてかかってやるか。………上等」

 

秋山は智樹の後を追う。

 

「待て待て~」

 

カオスはアストレアを追う。

 

「………」

 

秋山も智樹を追っていた。

 

(マジで俺、やばくないか?)

 

相手がカオスならまだやりようはあっただろうが、秋山にはカオスに通用することも通用しない。秋山はカオス以上に強敵であった。

 

(あ、ここで曲がった方がいいな)

 

智樹は校舎の角を曲がる。

 

「さてと、何があるかな?」

 

秋山が角を曲がる。

 

「うん?」

 

秋山は智樹の姿がないことに気づく。

いつもの秋山なら魂で居場所を知ることが出来るが、今の秋山はそれをしないように能力制限をしていた。

 

「そこら辺の窓かドアから建物に入ったな。

……うん? 目の前から…カオスか」

 

秋山の少し前にはカオスがいた。

 

「あ、秋山お兄ちゃん」

「カオスか」

「ねえねえ、ここに影が来なかった?」

「影か。智樹は見たが影は見なかったぞ」

「お兄ちゃん、どこ行ったの?」

「見失った。大方建物の中に入ったんだろ」

「それじゃあ入る?」

「いや、それこそ完全な罠……いや、もうとうにかかっていたようだな」

「え?」

 

すると秋山とカオスの周りからマシンガンやらライフルの弾が飛んでくる。

 

「ぬおっ!」

 

秋山は何とか転がって弾を避けるが、カオスはそのまま弾を受けて消滅した。

 

「なるほど……。しかし一チームのマシンガンの弾の数にしてはおかしいな。

こりゃ共同作戦を張られたか、それともたまたまか……。何にしろ……いいぜ」

 

秋山は転がりながら、マシンガンを撃ち、自分達を撃った者達を撃ち倒す。

 

「手ごたえありだ。だが逃げられた奴もいるな」

 

秋山はすぐに移動する。

 

「「さすがは秋山(さんね)、ニンフに風音がやられた(見月さんにイカロスちゃんがやられちゃったわ)」」

 

守形と美香子は秋山を恐ろしく思った。

先ほど秋山に撃たれたのは守形チームのニンフと日和、智樹チームのそはらとイカロスであった。

 

「カオスはひとまず倒したが、問題が出来たな」

「秋山さんはカオスちゃん以上の脅威ね…」

 

いつの間に敵チーム同士であった守形と美香子は合流していた。

 

「同じ手は使えんだろ。どうだ美香子、ここは共同戦線でも…」

「それしかないわね~、桜井君はどう?」

「それしかもう方法ないでしょ。そはら達も復活するってもバラバラじゃまず勝てないっすから……」

「それじゃあ決まりね」

 

こうしてひとまず両チームは秋山を倒すことを目的に結託した。

 

「………」

 

秋山は逃げてるようで実は攻めていた。

秋山は自分に向かってくる生徒達を次々に倒していたのだ。

 

「両チーム、これで被撃墜数は同じだ。それは分かっているかな……」

 

秋山は薄ら笑いながら突き進む。

 

「!!」

 

すると秋山の死角から銃弾が飛んでくるのを察知する。

秋山は何とかそれを回避する。

 

「危なかったぜ」

「後ろに目があるというのは本当みたいね」

 

秋山の前には美香子が姿を現していた。

 

「スナイパーが敵の前に姿を現すと言うことは相当な馬鹿か相当な自信があると言うことだ」

「会長は自信があるのよ~」

「だろうな。ちなみに俺はよく夢で見るんだよ。こういうシチュエーション」

「ならさっき避けたのは見えたんじゃなくて?」

「見えたと言えば見えたがそれは俺の視点じゃない。俺は夢の中で自分の身に危機があると、モニターを見ているのと同じ視点で物を見ることが出来る。

俺の後ろを取ろうにもモニターのせいでそれをすることが出来ないと言うわけだ。

ちなみに俺はお前達のように精神だけじゃなくてそのまま来ている」

「つまり撃たれたら死ぬってことかしら?」

「いや、ゲームの世界に合わせているから死ぬことはない。てか現実世界でもまず撃たれた程度死ぬほど軟な体はしてないからな…」

「それなら安心ね」

 

美香子がライフルとは別のマシンガンを持っており、美香子はマシンガンを撃つ。

 

「俺にはこういう芸当がある!」

 

秋山は片手でマシンガンを撃ち、美香子の撃つマシンガンの弾を弾き落とす。

 

「俺が片手で撃ってる理由は……こいつだ!」

 

秋山は装備しているナイフを空いてる手に持ち、自分の死角となる後ろからの攻撃をナイフでさばき落としていた。

 

「さすがね、でももう別方向はどうかしら?」

「何!?」

 

すると扉と窓が閉じられていた教室の方から弾が飛んでくる。

 

「ぐわあああああああ!!」

 

秋山はその攻撃を防ぐことが出来ず、受け、消滅した。

 

「やりましたね、会長!」

 

教室から智樹、そはら、ニンフ、アストレア、日和がやって来る。

そして廊下からは守形とイカロスもやって来る。

 

「美香子の読み通りだったな。今の秋山には腕以上の防御方法がない」

「そこをつけば今の秋山さんでも倒すことは可能よ~」

「これで安心して……」

「ええ、また撃ちあいが出来るわね」

 

美香子が守形に向けてマシンガンを撃とうとする。

 

「さすがだと褒めてやろう」

 

するといつの間にか秋山とカオスがいた。

 

「あれ? なんで二人ともいるの?」

「お邪魔キャラなだけで、お前達と一緒で倒されたら、適当に戻って来るぞ」

『…………』

 

その場にいた全員、秋山とカオスにやられたのは言うまでもない。

 

 

そうしてゲームは終了した。

 

「結果発表だーーーーーーーーーー!!」

 

秋山が大声で叫ぶ。

 

「優勝は………Aチームだ!」

『いぇえええええええええいい!!』

 

Aチームは智樹達のチームのことである。

 

「そんで撃墜ナンバー1は五月田根美香子だ! 撃墜数は411だ! ちなみに被撃墜数は29!

そんでもって被撃墜ナンバー1はニンフだぁ!! 撃墜数は22! 被撃墜数は327だ!」

 

やけにのりのりの秋山。

 

「これで今日のイベントは終わりだーーーーーー!

自爆するぞ!」

『え?』

 

そして建物はすぐさま爆発した。

外は既に夕日が暮れようとしていた。

 

「すっきりしたわ~」

 

壊れた建物の瓦礫に立つ美香子。

 

「それはどうも」

 

そしてそのまま歩き去る秋山。

 

「助けろーーーーーー!!」

 

瓦礫に埋もれたまま叫ぶ智樹であった。

 

 

 

 

おわり

 

 

 

おまけ

 

 

アストレア「なんでこんなバカの書いたの?

作者「ネタが思いつかなかったのがあるが、今回のはそろそろ投稿しようと思っている『秋山ってどんな奴』シリーズ系を投稿する前置きってやつだな。今回は俺が中学校の頃見た夢や少し前に見た夢をモデルにしてる」

アストレア「中学生のころにそんな夢見てるの?」

作者「言っておくがネタじゃなくてまじでサバイバルな夢を見たんだよな。

まあ今回は秋山がおもいっきり銃をぶっ放すをシーンを書きたかった。それが本音だ。

次回あたりにでもするかそらおと使っての『秋山ってどんな奴』シリーズ」

アストレア「なんで私たちを使うの?」

作者「秋山は現状、そらおと世界にしかいないからさ。

それでは!」


 
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