――シンクロ・シンクロ――
中庭には少女がいた。
正直驚いた。いや、予想はしていた。だから驚いた。
「フリル!」
僕は叫んだ。彼女に聞こえるように
「・・・」
沈黙。彼女は黙っている。驚きの表情をしている。そして彼女は、フリルは言った。
「やっぱりこうなっちゃうんだ」
「えっ?」
「ルナ君って計画派でしょ?」
話の感覚がつかめない。
「えーーと、よくわからない。そういうのって自分ではわからないんじゃないかな。」
「ふーん。まぁ、そんなことはどうでもいいの」
「ルナ君はどうしてこの能力を選んだのかな?もしかして、数が少なかったから?」
「!!・・・どうしてわかったの」
不思議だ。まるで僕の考えていたことを知っているかのように
「えへへ。どうしてって?それはね――」
フリルは後ろで手を組んだ手を、片方だけ僕に見えるように手のひらを見せた。
「これ!知ってるでしょ?実はさっき、ノーレシード先生に“心理の魔法”をお借りしたの。それでルナ君の過去の心を覗かしてもらったの。少ししか見れないけどね☆」
へーー。んっ!
「勝手に覗かないでよー!」なんて魔法だ!謝っても済まないよ。
「ごめんなさ~い」なに、気にすることはない。
「けど、選んでよかったね。だって、この学校で二人だけなんだよ~。新種の人種って感じがする」
まぁ、新種だね。授業サボってるの僕たちだけだし
「とにかく、早く元気になって退院しなきゃ。魔法のことも覚えなきゃいけないしね☆」
元気だねー。その元気分けて欲しいよ。ホント。
「それじゃ、戻って晩ご飯。もう夕方だし」
「そうだね。晩ご飯っていっても学食だよ。あっ、ルナ君は病院食だね☆」
「うん。そだね・・・」はいそうでした。
その後、僕たちは言ったとおり保健室に戻って晩ご飯(僕は病院食)を食べた。まだ眠るには時間があるからと言って校長がポーカーをしようと持ちかけてきた。僕は断ったが、フリルとネフリー先生がやるやるとうるさくて半強制的にやらされた。結果は―――だった。悔しいから今度またの機会にでも挑戦するつもりだ。
ポーカーが終わって校長たちが部屋を出て行ったが、なぜかフリルだけは僕の隣にいた。
「あの・・なんで?」
「えっ?」
そう言われると・・
「あっ、これ寝袋とパジャマ」
「うん。見ればわかるよ」
「おやすみ☆」
「うん・・おやすみなさい」
もう疲れた。
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この作品は奪われた記憶を取り戻すための魔法学園物語です。
もちろん。この作品はフィクションです。実際の団体などは関係ありません。