真・恋姫無双 ifストーリー
蜀√ 桜咲く時季に 第32話
【永久の恋愛相談?】
《永久視点》
「ふぅ……暇ですね」
店と店の人一人が通り抜けられる隙間から大通りを見つめ小さくため息を吐く。
「何か面白いことが起きないかしら」
誰に聞かせるわけでもなく独り言のように呟く。
「あ、あの……すみません。管輅さん、ですか?」
そんな時でした。遠慮しがちに一人の少女が
「あらあら、いらっしゃい。
「えっと……あのですね。占いのほかにも相談に乗ってくれると伺ったのですが」
「はい。承っています。どのようなご相談ですか?」
「あ、あの、実は」
「……気になる殿方が居るのかしら?」
「ふえ!ど、どうしてわかったんですか!?」
少女の様子からして恋愛関係ということが直ぐに分かりました。
なにせ頬を染めて言いづらそうにしているのですもの。
「ふふふ。それが
本当は特殊な能力で相手の心が分かるのですが。まあ、このことは黙っていましょう。
「それで、何を悩んでいるのですか?」
「は、はい。実は」
少女の話はこうでした。
つい最近まで父親のように慕っていた人が気になってしょうがないこと。
「そ、その……いつの間にか目で追うようになったり、他の女性の方と話していると胸がきゅっと痛くなるんです」
ですがその殿方は自分の事を妹のように思っているところがあるようで。
「別に嫌じゃないんです。でも少しは一人の女性として見て欲しいんです」
それに加え、その殿方は命の恩人でも有り、君主でもあるのでどうすればよいかということでした。
「や、やっぱり主と従者では釣り合わないのかなって思ったりして」
「なんとも複雑な事情ですね」
「ふぇ。や、やっぱりそう思いますか?」
その少女は今にも泣き出しそうな不安な表情を浮かべていました。
「あらあら、そう気を落とさないでください。どうすればいいのかその為に
「はい」
「そうですわね……」
それにしてもあの方は、どんな娘にも好かれるのですね。まあ、
自分で言っていて笑い出しそうなのを堪える。
さて、
ですが、先ほどもこの少女が仰っていた様にあの方は君主ですからね。きっとこの娘にとってそれが大きな障壁になっているのでしょう。
そうですわね……面と向かって云えないのでしたらここは文を出して見るのも手かもしれませんね。
それに言葉では言いづらいことも文なら言えるかもしれませんし。
「……でしたら文を書くというのはどうでしょうか?」
「文?手紙って事ですか?」
「はい。文に自分の思いを書いて相手に贈るのです」
「で、でもご主人様にそんな手紙を書いてご迷惑にならないでしょうか?」
「ふふふ。殿方はこのような文を貰い迷惑に思うことはありませんよ。むしろ喜ぶと思いますよ」
あのかたは確か一度も恋文を貰ったことが無いとあちらの外史で言っていましたからね。きっと喜ぶことでしょう。
「でも恥ずかしくて渡すなんて出来ません」
「でしたらあの方がいない時を狙い、部屋に置いておくというのはどうでしょうか?これなら手渡す必要もありませんよ」
「それならなんとか出来そうです」
少女は少しだけ表情が明るくなりました。
「ありがとうございました。早速戻って手紙を書いてみます」
「ええ。きっとお喜びになると思いますよ」
「ふぇ……えへへ。そうだと嬉しいな」
少女は頬を染めてはにかむ様に微笑みました。
とても可愛らしい笑顔ですね。なんだか抱きしめたくなりますわね。
「ふふふ」
「?あ、あの何か?」
「いいえ。何でもありませんよ。ただ、とても可愛らしい笑顔だったもので」
「ふえ!そ、そんなこと無いです」
少女は恥ずかしかったのか手で顔を隠してしまいました。
あらあら、こんな仕草をしてはどんな殿方も一殺のような気がします。
「ふふふ。それで、その方のどこが好きになったのですか?」
「ふぇぇええぇぇっ!?あ、あのそ、その……や、優しいところ、とか……です」
少女は耳まで赤くして恥ずかしそうに答えてくれました。
あらあら、なんだか小動物っぽくて仕方がありませんね。お持ち帰りしたいくらいですね。
それから、少女と他愛の無い会話をいたしました。
「あの、今日はありがとうございました」
「いいえ。お力になれたのでしたら幸いです」
「そんな。一人だったら諦めてたところです。本当にありがとうございました」
「ふふふ。お礼は上手くその方に気持ちを伝えられてお返事を聞けるまで取っておきましょう」
「はい。必ず報告しにきます」
その後、少女はお礼を云って戻っていきました。
「ふふふ。成功を祈っていますよ」
誰も居なくなり、大通りの喧騒が聞こえるなか
あの少女が帰ってから数刻、それから誰も来ていません。
「ふぅ。場所が悪いのでしょうか?」
確かに店と店の間にある小さな場所では気づく人も少ないのでしょうけど。
このような商売上、打ち明けにくい話をする人も多々居ます。その為、このような場所でしか商売が出来ないのです。
「やはりもう少し売り込んだほうがいいのかしら」
ですが、噂を聞きつけた醜い豚の相手をするのはごめんこうむりたいのもまた事実ですし。
「困りましたわね……」
「あれ?こんな所に占い屋があるよ」
「本当だ……相談も乗ってくれるみたいだよ」
そんなときでした。入り口のほうでなにやら話し声が聞こえてきました。
随分と幼い声ですね。子供でしょうか?
「ちょっと寄って見ようか」
「そうだね。それにあのお話も解決するかもしれないし」
「それじゃ、早速入って見よ」
「うん」
相談は終わり、どうやらお二人は
「あの。すみません」
「ちょっと相談したいことが」
「あらあら。いらっしゃいお二人。
「はわわ!か、管輅ひゃん!?」
「あわわ!ほ、本物でしゅか!?」
お二人に自己紹介すると、とても驚いていました。
「ふふふ。噛むほど驚いてくれたようですね」
あらあら。このお二人は確か一刀さんの所の……
「はわわ」
「あわわ」
このお二人も先ほどの娘と同じように驚いた時、恥ずかしがる時の仕草がや可愛らしいですね。
「それで、どのようなご用件でしょうか?」
まあ、先ほどの声である程度の検討は付いていますが、そこはそれ、職業の決まり文句みたいなものです。
「じ、実は……」
お二人は相談内容を話し始めた。
「……つまりどうしたら大きくなるか、っということですか?」
「「はい」」
二人同時に頷く。
さて……これは困りましたね。
「……」
顎に手を当てて考える。
確か、筋肉達磨の貂蝉はこんなこと言っていましたね……
『どぅふふ♪胸を大きくするなんて簡単なことなのよぉん。好きな人に揉んでもらえば、あら不思議ぃ。胸が大きくなっちゃうのよぉん!』
……反吐が出るしゃべり方ですね。思い出すのは金輪際やめましょう。
いけませんね。話がそれてしまいました。
「そうですね……お二人はお好きな方がいらっしゃいますよね?」
「はわわっ!ど、どうしてしょれを!」
「あわわっ!だ、誰にもいってにゃいのに!」
やはりそうですか。あのお方にも困ったものですね。
「あの、なにか?」
「いいえ。なんでもありませんわ。胸を大きくする方法でしたわね」
「「はい!」」
お二人は声を合わせて力強く返事をしてきました。
「ですが、あのお方はそう言うたことは気にしないのではありませんか?」
「そ、そうかもしれません。ごしゅ、あのお人は分け隔てなく私たちを大事に思ってくれますから」
「で、でも。私たちも女としての意地があるんでしゅ!あぅ、かんじゃいました」
それだけあの方に女として見て貰いたいということなのでしょうね。初々しいですね。
「そうですか……
「揉んで」
「もらう?」
「はい。特に好いた殿方揉んでもらうのがとても効果的と云っていましたね」
「好いた!?」
「殿方!??ぶぷっ!」
頬を染めて驚く二人のうち一人が想像したのか鼻を押さえました。
「はわわっ!だ、大丈夫!?」
「う、うん。大丈夫だよ」
お二人は頬を染めてその場で向かい合ってしまいました。
「ど、どうしよう。好いた殿方って」
「う、うん。好きになった人って事だよね」
お二人はこそこそと話していましたが近くに居る私には全部聞こえてしまっていました。
あらあら、でもこのお二人には違う趣味もあるようですね。
「あ、あのごしゅ、好きな人じゃないとダメなんでしょうか?」
「そうですね。
「はわわ。そうですか……」
「どうしよう」
「う~ん……とりあえず二人で揉み合いっこしてみようか」
「そうだね。少しでも大きくなるといいね」
「「ありがとうございました。管輅さま」」
お二人は頷き合い
「いいえ。対した相談も出来ず申し訳ありませんでしたね」
「いえ。とても参考になりました!」
「また相談に乗っていただけますか?」
「ええ。いつでもお待ちしておりますよ。それで胸を大きくしてどうするのですか?」
「はわわ。そ、それは……」
「あわわ……秘密、です」
お二人は顔を隠すように帽子を目深く被ってしまいました。
あらあら、愛されていますねあの方は。ちょっと妬いちゃいますね。
「しょ、しょれではわたひたちはしちゅれいしましゅ!」
「ましゅ!」
お二人は噛みながらもお辞儀をして戻って行かれました。
「ふふふ。可愛らしいお二人でしたね」
「日も大分傾いてきましたね」
空を見上げれば青い天井だった空も今は朱色の天井に変わり始めていました。
「ではお店を片付けるとしましょうか」
まあ、片付けるといっても椅子と机を折りたたむだけなのですが。
「す、すまん。もう店じまいか?」
片づけを始めようとした時でした本日最後のお客さんが遠慮しがちに伺ってきました。
「あらあら。構いませんよ。どのようなご用件でしょうか?」
見た感じそれなりの身分のようですが、
「すまない。お代はその分上乗せさせて貰う」
「別にお気になさらずに。それで占いですか?それとも相談事ですか?」
「相談、ではあるんだが……」
言いよどむ女性に少し首を傾げましたがその答えは直ぐに分かりました。
「なるほど、愚痴を聞いて欲しい。そんなところですか?」
「っ!ど、どうしてわかったんだ!?」
「職業柄いろいろな人を見ていますから、仕草や表情でそれなりにわかります」
本当は少しだけ心を読ませてもらったのですが。なるほど、この方があの人から逃げてきた方なのですね。
「そ、そうなのか?まあ、それなら話が早くて助かる。実はだな、ある人のところで厄介になってるんだが」
「別に問題があるわけじゃないんだ。でもな?いきなり現れた私があいつらと同じ立場になるって云うのはどうかと思うんだよ。だってそうだろ?今まで居た奴らより先に上の立場の職に就いちゃってるんだ。不満を持つ奴らも出てくると思うんだ」
「確かにそうですわね。普通でしたら下積みからこつこつとやっていくものですからね」
「だろ!?それなのにそれを分かってないんだよ!ま、まあ一部分かってる奴も居たんだが、流石に君主に言われたら何も言えなくなるだろ?」
こうして
それにしてもここまで溜め込んでいる人も珍しいですね。
ですが、最初の愚痴からいつの間にか悪口に変わっているのですが。まあ、攻めてきたあの人があの人では悪口も言いたくもなりますわね。
「すまないな。なんだか途中から悪口になってしまって」
「構いませんわ。それだけあなたがご苦労をされてきたということなのですから」
「うぅ~。いい人だなあんたは」
感動したの瞳を潤ませながら何度もいなずいていました。
「あらあら、そんなことはありませんよ」
「いや。そう出来ることじゃないだろ。自慢じゃないが私は無理だな」
確かに相談事は話を聞くことに徹しなければいけませんからね。忍耐力が無ければ勤まらないでしょう。
そう考えればこの方は相談役には適任な気もしますが。まあ、本人が言っているのでそういうことにしておきましょう。
「兎に角話を聞いてくれて少しは楽になったよ」
「それは何よりです。また何か言いたいことがあれば気兼ねなく来てくださいね」
「ああ。そうさせて貰うよ」
そう言うと、お代を置いて去っていきました。
「本当に上乗せしてきましたね。律儀というかなんと言うか。きっとああいう人が貧乏くじを引くのでしょうね」
「それにしても徐々にあの方に仲間が集まってきていますね」
ここだけではありません。呉のお二人もすでにあの方の毒牙にかかってしまっていますし。
「そう言えば最近お二人を見てませんね。今度様子を見に行ってみようかしら」
ですが、こちらのお二人は
まあ、姿を消す方法もあるのでいざとなれば問題はないのですが、それでも注意しないといけないのはあの方ですね。
「あの方は勘が鋭いですからね。術と使うときは注意しないといけませんね」
「さて、では帰るとしましょうか」
帰ると言ってはいますが
ですから人気の無いところへ行き、ゲートを開かなくてはいけません。
ですが人気の無いところだからこそ注意をしないといけません。
「……はぁ。早速着けられていますね」
「困りましたね。これでは帰るに帰れませんわ」
「―――――っ!?!?」
独り言を呟いているその時でした。急に後ろのほうが騒がしくなりました。
「なんでしょうか?」
賊の心はとても驚き支離滅裂で何を考えているのか分かりませんでしたがとても慌てているということだけは分かりました。
「ひーーっ!何なんだあいつはよ!」
「あらあら」
振り向いた時でした丁度、一人の賊が
「大丈夫か御仁」
「ええ。
助けてくれた方にお礼を伝え顔を上げたときでした。
「ん?永久ではないか。こんなところで何をしているのだ?」
「帰宅の途中ですわ。警邏ですか?」
「ああ。ここいらは治安が悪いからな。特に夕暮れ時はひったくりが多いと報告もありこうして見回りをしているのだ」
「それはお疲れ様です」
「しかし、こんな人気のないところを通らなければ家に帰れないのか?」
「いえ。今日は少し遠回りをして帰ろうと思ったのですが、道に迷ってしまって」
「そうだったのか。なら大通りまで連れていこう」
「ありがとうございます」
お礼を言い着いて行く。
「ところでその後、あの方とはどうなのですか?」
「あの方?誰の事だ?」
「あら。いやですわ。愛しのあの人ですよ」
「い、愛しの!?」
顔を赤くし
「な、何を言っているのだお主は。べ、別にあの方とはなにも」
「なにも?」
「な、なにも……」
「あらあら。あら~~~♪」
言いよどむ彼女の心を覗き思わず頬に手を当てて微笑んでしまいました。
「な、何を笑っているのだ!」
「ふふふ。結構初心なのですねあなたは」
「なっ!」
「ですが、もう少し積極的にならないとダメですよ」
「な、なな、何を言っているのだ!]
「あらあら。何を恥ずかしがっているのですか?好いた人に積極的にあるのは当然のことではないかしら?」
「なーーーーーーーっ!!」
周りの兵士さんのみなさんがいるのに大声を上げてしまっていました。
「そ、そんなことより!もうすぐ大通りにつくぞ!」
「あらあら。もうですか?これではからかえ、おっと」
「今、からかえないと言おうとしただろ!」
「気のせいですわ。そんなことより」
「っ!な、なんだ?」
「……」
「……ふふ。どうしたらあの方を喜ばせられるかお教えしましょうか?」
「な、なぁぁあああぁぁぁぁっ!?!?何を言い出すのだ急に!」
「あら。お聞きになりたくないのですか?」
「い、いや……さ、参考までに聞いておこう。あ、あくまで参考までだぞ!」
あらあら。素直じゃないですね。心では興味津々だと言っていますよ。
「だ、だからなぜ笑う!」
「ふふふ。何でもありませんよ。ですがよろしいのですか?」
「?何がだ?」
「警邏、の途中ですのよね?」
「あっ……」
「あらあら。忘れていたのですか?」
「わ、忘れているわけがないだろ!」
あらあら。やっぱり女の子ですね。好きな人のことになると我を忘れてしまうなんて。
「で、では私が休みの時に伺うことにする」
「ふふふ。わかりました。お待ちしていますわ」
「ああ、では私たちは警邏に戻る。永久もあまりああいう場所には近づかないようにしてくれ」
「わかりました。以後注意いたしますわ」
「さて、困りましたね。これではしばらくはあそこには行けませんね」
あそこはちょうど良いところでしたがほかの場所を探さないといけませんね。
当てもなく歩き始める。
「ふふふ。ホント賑やかですねこの町は」
もう夕方だというのに町はますます活気に溢れてきていました。
「……」
人々の幸せな気持ちが
「これもあの方たちの力のおかげなのですね」
ですが……この平穏も長くは続かないでしょう。
足を止めて空を見上げる。空はすでに夕焼けから漆黒に染まり星々が輝いていた。
「……不吉な星の廻りですね……近いうちにまた戦が……」
わかっています。これは避けられない事実。
「まったく……正史の方々は何を望んでおいでなのでしょうか」
いえ。これはただ現実に起きていたことの再現なのでしょう。
細かなところは若干の誤差はありますが、こと
黄巾党しかり、反董卓連合軍しかり。
「何事もなければよいのですが……」
そして
《???》
「おーほっほっほ!」
煌びやかでそして派手な内装の玉座の間に、これまた派手に笑う女性がいた。
「これで田舎臭いお邪魔娘はいなくなりましたは!」
「これで河北は治めたも同然ですね!」
「当り前ですわ。さあ、次はどこを攻めに行こうかしら」
「あ、あの」
一人、遠慮しがちにおかっぱ頭の女性が手を挙げていた。
「なんですの?」
「とりあえず今は休息が必要ではないかと。兵のみなさんもお疲れのようですし」
「え~!なんでだよ!まだまだあたしは行けるぜ!」
場の空気を読んでいるのかいないのか。傍らにいた少女が不満そうに答えていた。
「だ、だって。兵糧も結構使っちゃったし。武具だって反董卓連合軍から使い続けてるんだよ。そろそろ交換とかしないと」
「それもそうですわね。
「え~。まあ、そう言うなら仕方がないですけど……それでそれで!補給が終わった後はどこを攻めるつもりなんですか?」
「そうですわね……」
玉座に座っていた金髪の少女は顎に手を当てて考え始めた。
「やはり。あの田舎臭い乳娘かしらね」
「?まだ田舎臭い娘がいるんですか?」
「違いましてよ。田舎臭い『乳娘』ですわ!まったく、反董卓連合軍の時は
「えええええ!?ちょ、ちょっと待ってくださいよ!」
おかっぱ頭の少女は慌てながら立ち上がった。
「どうかいたしましたの?」
「そ、その……ほ、ほら!そんな弱小な所を攻めるんじゃなくてもっと強いところを攻めてみるとか!た、例えば曹操さんのところとか!」
「ああ。あのちんちくりん娘ですわね。あの娘に
「だったら……」
「ですが。その前に景気づけに田舎臭い乳娘の土地をいただきますわ!」
「そ、そんな……それじゃ、あの方にご迷惑が……」
少女は膝をつき、誰にも聞き取れない声で喋っていた。
「なに落ち込んでるんだよ。大丈夫だって!あたしがちゃんと守って見せるからさ!」
「?まったく今日のあなたは少し変でしてよ?今日の政務は良いですからゆっくりとお休みなさい」
「はい……それでは失礼します」
少女は力無く立ち上がり玉座の間から出て行った。
「お、おい!待ってくれよ。あたしも行くって!」
「あなたはあの子の分の政務をちゃんとやっておくのよ」
「ええ!?そんな~~~~っ!!」
《To be continued...》
葉月「遅くなり申し訳ありませんでした。こんにちは葉月です」
永久「お久しぶりです。みなさんお元気にしていましたか?」
葉月「今回は永久の視点で描いてみましたが如何だったでしょうか?」
永久「久々の登場でうれしかったのですが。登場人物の名前を明かしていないのはなぜですか?」
葉月「まあ。単なる思い付きです。でも、言動である程度、人物が特定できるようにしてあるのでわかると思いますが」
永久「そうですわね。ですが、結構苦戦されていましたね。それが遅れた原因ですか?」
葉月「まあ、それもあるんですが。ちょっと前のPCが不調をきたしまして」
永久「まさか、データが消えてしまったのですか?」
葉月「あ。それは大丈夫です。外付けに保存しているので。ただ、届いたPCの設定を色々としないといけなかったのでそれで手間取ってしまいました」
永久「そうでしたか。ですが、もう一つ
葉月「それは何ですか?」
永久「なぜ。今回のお話であの方が出てきていないのかしら?」
葉月「あの方といいますと?」
永久「もちろんあの方ですわ。
葉月「あ、あ~~。あの人ですね。ええっとですね。あの人は急な用事が入り」
永久「嘘ですわね」
葉月「へ?」
永久「
葉月「……っ!し、しまったー!そう言えば心が読める設定だったーーーーーっ!」
永久「あらあらふふふ。なるほど……そういうことでしたのね蛆虫さん」
葉月「ひっ!と、永久さん?」
永久「永久……さん?」
葉月「っ!?と、永久様!」
永久「はい。なんでしょうか蛆虫さん」
葉月「あ、あのもしかして出演させなかった理由。わかっちゃいましたか?」
永久「……ふふふふふ♪」
葉月「ひぃぃぃいいいぃぃぃっ!」
永久「あらあら。何をそんなに怖がっているのですか?は・づ・き・さん?」
葉月「い、いや……あ、あの……しつれっ」
永久「あらあら。逃がしませんわよ。あなたの手は既に分かっています。事前に手を打たせてもらいましたわ」
葉月「なっ!い、いつの間に足枷が!?」
永久「さあ。時間はたっぷりとありますわ。じっくりお話、いたしましょうね」
葉月「い、いやだぁぁぁああああぁぁぁぁっ!!」
………………
…………
……
――六時間後
葉月「は、はははは……ごめんなさいごめんなさいごめんなさい」
永久「あらあら。精神が崩壊していますわね」
葉月「生きていてごめんなさい。空気を吸っていてごめんなさい。存在していてごめんなさい」
永久「ちょっとウザったいので眠っていただきましょう……えい♪」
葉月「ぐはっ!……じ、次回は一刀視点の予定、です……がくっ」
永久「あらあら。気を失う直前に次回の予告をするなんてなんて器用なんでしょう」
永久「……あらあら。何を見ているのかしら?そんなに
永久「でも、その前にここを終わらせないといけませんわね。ではみなさん。また次回お会いしましょう。次にいつ
永久「では。読んでいただきありがとうございました」
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大分間が空いてしまいました。
今年二回目の投稿です。
前回までのあらすじ
なんとか白蓮と合流することができた一刀たち。
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