あぁ、どうしてご主人様は私には振り向いてくれないのかしら。

胸の大きさは黄忠さんや厳顔さんには負けるかも知れないけれど、

関羽ちゃんくらいはあるはずだし、露出も大胆なのに。

お尻だって、国宝級と謳われた孫呉のお姫さまに勝るとも劣らないくらいに、きゅっと締まっているのに。

腰もきれいに括れて魅惑の踊り子と賞された程なのに。

愛を囁くこの声は、張りと艶のある、ハスキーでセクシーなヴォイスだと言うのに。

ご主人様が浮気症なのは分かっていても、どうにもならないのが乙女心。

きっと今頃は私じゃない子の所にいるのね。

天にあっては比翼の鳥に、地にあっては連理の枝にと誓い合ったことはもう忘れてしまったのかしら。

一番とは言わなくてもいい、せめて側に居させて欲しい。

あぁ、ご主人様、私は何時になればもう一度飛べるのでしょうか。

この片羽では天に近づくことも叶わないのです。

城壁の上からは彼方に貴方の姿が見えます。

また、女の子を泣かせたのでしょうか。偃月刀片手の美髪公に追われています。

あぁ、こんなにも私と貴方の距離が離れていなければ、一足跳び向かえるのに。

いえ、貴方の助けを求める声を聞き、どうして駆けつけずにいられましょう。

貴方を思う心に距離など関係ありません。

駿馬は老いてもなお千里を駆けんとします。

烈士は歳を重ねてもその気性を押さえ得ぬのです。

なのにどうして若い私の恋心を押さえることができましょう。

さぁ、今少しお待ちください。

貴方のチョウセンが直ぐに助けにいくわよぉお。

ぬっふぅぅぅぅん！

後書き

本当にどうしてこうなった。

普段、化け物だとか呼ばれたり、お茶目だったりする彼女？ですが、きっと心の中では一刀君への深い愛情に満ちているのです。

羨ましいぞ、北郷（棒）

これはそんな漢女の愛の詩です。

きっと、今まで以上にチョウセンが可愛く見えたんじゃないかな、と思います。

最後になりますが、当然、比翼連理の件は漢女の妄想です。

時代的にもおかしいですが、僕の北郷君はよく分からない生き物にむかってそんな事言いません。

少しでもチョウセンの票が伸びることを願って。

さて、俺は華琳と風と思春と翠との誰に入れようか。