「………」
「わんわん!」
元旦に 玄関出てすぐ 門松犬(かどまつけん)。
……いやー、思わずアホな一句詠んじゃった☆ そんな感じの1月1日午前10時半。……ホント、なんでこんなことになったのか……。
私はただ単に、恋人はおろか友達とすら過ごさない独りの年末年始を送る予定だったはず。しかしこのままだとこの子犬の親探しをするハメ「くぅん」になりそうな感「きゃんきゃんっ」じで、「へっへっへっ」えーと、「わんっ」ええい可愛いなちくしょうめ!! 足にすり寄ってきおって!
「ふぅ……おまえ、捨てられたのか?」
「?」
まぁ分からないよな、そりゃ。分かってても私が読み取れないしな。
しかし、ひとりぼっちの元旦に、可愛い子犬……。なんだか出来すぎてる気もするな。
「……カミサマ、とやらからのプレゼントなのかね」
少しの沈黙をおいて、軽く吹き出す。あまりに出来すぎていたせいか、思わずガラにもないことを考えてしまった。
「しゃーねぇ、おまえ飼うよ。こんな所にいたってことは、捨て犬かなんかだろうしね」
捨て犬だと、飼い主捜しをしても正直見込みがない。ならいっそ……って感じだ。
「わうわう!!」
お、嬉しそうに飛び跳ねてやがる。コイツは私を悶えさせて楽しんでるのか? ……なんてな。
「あぁ、せっかくだしお前の名前決めようか。……えーと、1月1日かぁ……一年の初め……原点……原始……あ、世界最初って事で原始の王『英雄王ギルガメッシュ』とかど、」
「わん」
怒りの肉球パンチ喰らいました。どっとはらい。
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年賀状に載せてみたSS。せっかくだからうpる。スペースがないから内容が薄いけど勘弁。