No.345186

母香炉女学園の謎 MEIKO vs GUMI! #5 ルカのマギカント

enarinさん

○ボーカロイド小説シリーズ第5作目の”母香炉女学園の謎 MEIKO vs GUMI!“シリーズの第5話です。
☆ジュブナイル探偵SFファンタジーモノ(?)です!
○今回はMEIKOさんとGUMIさんのダブル主役です。
○pixivで人気の良かったシリーズです。

2011-12-09 13:55:16 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:659   閲覧ユーザー数:656

(2010年4月10日(3日目)・夜・喫茶LEO)

 

ウェイトレス:おまちどうさまでした。グミキャンディーフロートとカフェ・ロワイヤルです。

MEIKO:ありがとう。カフェ・ロワイヤルは私で、フロートは彼女です

 

GUMI:・・・あの~、ついさっき、あなたにあんな事した私に、グミフロートをおごってくれるんですか?

MEIKO:とりあえず他の学校関係者が立ち聞きしてそうなところを避けようと思ったから、私の社の近くのここにしたんだよね。フロートはあなたの手に銃弾をぶつけたお詫びよ

GUMI:なんていうか、その、敵同士の光景じゃないですね

MEIKO:もう敵同士じゃないわ。ついでにあなたはもう、ルカ会長が雇った探偵でもないし、私も学園長の仕事は放棄したわ。だって、これから私たちは、“探偵が一番守らなければ行けない守秘義務”を破るんだから、ね

GUMI:・・・そうですね。いい加減、腹をくくらないと行けませんね

MEIKO:ずずっ・・ゴクン。さて、じゃあ、私の話にあなたが追加する形で行くわね。私は学園長に雇われた探偵だったわ。最初に聞いた依頼は“生徒会の動きを探る”事。特に裏の動きね。まぁもうばれていると思うけど、私は高校生の年齢を語るには、ちと厳しい年齢よ

GUMI:私は18歳だから、本当は3年生くらいの年齢です

MEIKO:ははは。あなたの場合、どちらかというともっと若く見えるわね。えっと、でもでも探偵としてのスキルは、年の功って事で、それなりには身につけているわ

GUMI:それは先ほどのアレで、身にしみてます

MEIKO:OK。でもって、3年に転入し、学級委員長になり、生徒会で諜報委員に入り、そして2日目に諜報の仕事の傍ら、生徒会のPCに潜って、ちょっとハッキングして、生徒会の情報を引っぱり出したわ。次の日にそこに書かれていた事をまとめて学園長に報告したら、生徒会が裏でやっていたメイン項目と同じ事を、学校・・・いえ、学園長もやっていた・・・、というか、学園長がやっていたことを生徒会がリークして、ルカ会長がほぼ単独で同じくやっていた

GUMI:それは私が同じく生徒会室のPCで掴んだ、そして、ルカ会長から教えて貰った情報とほぼ同じです

MEIKO:それなら良かった。学園長とルカ会長、両方嘘は言っていないということね

GUMI:そうですね。それだけ知りたい情報と自分たちの情報の重要度が高いということですね

MEIKO:そして“研究していたモノ”は、『魔法造成人間』、の意味とされる“マギカント”というものだった。その情報ソースは学校が情報の封印をしていた、時計塔B1Fの物置に保管されている“石板”。これは学園長は自分側だけしかみることが出来ないと判断していたのだが、ルカ会長は合い鍵を持っているらしく筒抜けだった

GUMI:それはこちらで確認しました。ルカ会長は合い鍵と警備のシフト表まで持っていました

MEIKO:OK。ではこれにて、お互い、見事に禁則を破った事で、情報が整理できましたね

GUMI:もう後戻りは出来ませんね

MEIKO:そう、ではこれ以降はあなたからの話にするわ。何故、突然私を襲う事になったの?

GUMI:そ、それは・・・その、神威学子さんを知ってますよね?

MEIKO:は? う、うん、知っているけど

GUMI:あれ、女装して洗脳されている、行方不明だった私の兄、“勇気学歩”だったんです

MEIKO:ギョヘ! それはまた凄い新事実!

GUMI:私もルカ会長から聞かされたとき、驚きました。兄妹なのに信じられない位。

MEIKO:・・・つまり“人質”

GUMI:はい。でも順番は逆でした。私を雇った理由は、元々ここに兄が連れてこられた後、調べたら私の名前が出てきたからなんだそうです

MEIKO:つまり流れとしては、切り札として持っていたけど、自分たちの策にも使えるから、探偵としてあなたを選んだ・・・と

GUMI:そういうことになります

MEIKO:ルカ・・・あなたという人は・・・・。あ、GUMIさん、それなら1つ安心していいことがあるわ。脅迫されていたとはいえ、学子さんはルカ会長の切り札。あなたが私の暗殺に失敗したからといって、軽率に学子さんを手放さないわ

GUMI:でも、今度ルカ会長にあったら、また脅迫されると思いますが・・・

MEIKO:そのときは強気に出ていいと思う。“やれるモノなら・・・”って感じで。だってお兄さんは今年3年生ということは最長で2年はここにいることになる。そんな時間ここに置いておかなければいけない位、大事な人って事よ。それにもしまた脅迫されたら、私がバックアップしてあげるから。これでも話術の場数は踏んでいるわよ

GUMI:ありがとうございます・・・

MEIKO:さて、それでは“これから行う事”のブリーフィングを行う事にするわ。まず私もあなたも今はある意味フリー。そして、事情を知っている関係で、“共通の敵”を二人作った事になるわ

GUMI:二人?

MEIKO:あなたの雇い主であり元々私の調査対象だった“ルカ”と、私の雇い主であなたの調査対象だった“学園長”。そのうち、学園長の動きは私の方でも詳細にわかっていないし、急務はルカの方。彼女の方が明らかに“研究を先に進めている”

GUMI:そして、今、もっとも危険度が高いのは、髪の毛を採取されている生徒会役員

MEIKO:そう、場合により、すでにその“マギカント”が作られている可能性が高い。作られる確率が高いのは、学園長側なら、先生と私、生徒会なら生徒会役員、そして、たぶんあなたね。髪の毛、どうせ採取されているんでしょ?

GUMI:はい

MEIKO:これは私の推測の域を超えないんだけど、たぶんマギカントって、コピー人間みたいなものだと思うの。遺伝子を取るくらいだから

GUMI:それは推測ではないです。確定です。ルカが同じ事を言ってました。バケモノではなく、コピー人間みたいなモノだって。そして作り方次第で、愛玩用とか戦闘用とかに出来る、と

MEIKO:そうか、やはり・・・。なら先に潰すのは“ルカ“の方ね。学園長はまだ、そういう詳しい事を私に話さなかったから”研究が進んでいるのはルカの方”で決まりね

GUMI:でも、どこでそんな研究しているやら・・・

MEIKO:あるわよ、一カ所怪しいところが

GUMI:え!?

MEIKO:会長が邪魔で探せない所、そして、そう簡単には探ろうと思わないところ。生徒会室のある一カ所、“生徒会室の生徒会長専用椅子”の下よ

GUMI:え!? そんなゲームみたいな所に?・・・・あっそっか! 会長は生徒会室に目立たないように“監視カメラ”を装備していた!

MEIKO:そう。生徒会の身内しか細かく使えない生徒会室には過ぎたモノ。そして、“気に入った役員”以外の身内は信用もしない。だからこそなおさら怪しい

 

GUMI:どうします? 今から動きますか?

MEIKO:いえ、明日の夕方にしましょう。関係ない生徒や、生徒会役員の安全を確保しないといけないからね。それに相手の懐の更なる懐に飛び込むのなら、それなりにいろいろ揃えた方がいいと思うのよ。あなたならこういうときに揃える探偵の道具、わかるわよね?

GUMI:はい、一通りわかってます

MEIKO:それと一般生徒の中に3人、協力者がいるの。亞北ネルさん、弱音ハクさん、重音テトさん、彼女らには生徒会室の“門番”をして貰おうと思うの。いろいろゴタつくと思うから、あの椅子に関係するだろう“入口”の前で、他の生徒が入ってこないようにね

GUMI:重音テト先輩もそうなんですか!?

MEIKO:あ、知っているんだ。そう。知っての通り“無口”なんだけど、表情でわかったわ

GUMI:じゃあ、明日、探偵道具を持って、生徒会室に“17:00”に集合ですか

MEIKO:そうしましょう。あの3人は特別に私が連れてくるわ。そして他の生徒が出来るだけいない事をお互い確認しておきましょう

GUMI:わかりました。あ、フロート、美味しかったです。ありがとうございます!

MEIKO:それは良かったわ。じゃ、明日は頑張りましょう!

 

***

 

(2010年4月11日(4日目)・昼休み・母香炉女学園 1年A組)

 

メイコ:じゃ、放課後の夕方17:00に生徒会室前に集合ね

ネル:ワクワク! 本物の探偵仕事♪

ハク:大丈夫かな~?

ネル:大丈夫だって! 私がついているんだから!

ハク:う、うん(余計不安なんだけど・・・・・)

 

(2010年4月11日(4日目)・昼休み・母香炉女学園 屋上)

 

メイコ:じゃあ、放課後の夕方17:00に生徒会室前に集合でお願いね

テト:♪~(*´∀`*)~~(*´∀`*)~♪

メイコ:あ、いや、その、結構危険だと思うから、十分気を引き締めてね

テト:(`・ω・)ゝ

 

***

 

(2010年4月11日(4日目)・夕方・母香炉女学園 生徒会室前)

 

日が落ちる寸前の生徒会室前に、ルカ・バスターズの面々が揃って立っていた。

 

メイコ:私、めぐみさん、ネルさん、ハクさん、テトさん、計5名、これで全員ね

めぐみ:残っている他の生徒はごく少数で、この近くにはいませんでした

メイコ:OK。それとルカ以外の生徒会役員の面々は、もう下校したのを確認したし、これで残りは、この部屋のパンドラボックスを開けるだけね

めぐみ:私はルカ会長に雇われた関係で、私のICカードは終日使えるようになっているから、私ので入りましょう

 

ネル:あーなんか、スッゲー緊張してきた!

ハク:ドキドキドキ

テト:o(゚ー゚*o)(o*゚ー゚)o

 

ピー

 

ドア:この部屋は終日、使用禁止になっております。またそのICカードは使えません

 

めぐみ:な! なにぃ~!

メイコ:じゃあ、私ので

 

ピー

 

ドア:このカードは使用許可が降りてません

 

メイコ:く! 先手を打たれたか!

めぐみ:なら、強行突破のみ! うぉおおおおおおおおおおおおりゃぁぁぁぁぁぁ!!!!!

 

バゴン!!!!!!!!!

 

めぐみは思いっきりドアに鉄拳を喰らわせて、ドアを破壊して生徒会室に入った

 

メイコ:け、警報とか・・・鳴らなかったね・・・・

めぐみ:そこまでは手が回らなかったみたいですね

 

残りの一行も生徒会室の中に入った。いらぬもめ事を起こさないために、電気はつけなかった。当然、生徒会室は誰もいなくて、静かだった。

 

一行はメイコが怪しいと踏んだ、“生徒会長専用の椅子”の側に移動した。

 

メイコ:さて、これが問題の“地下入り口”だと思うんだけど、どうすれば“入り口”が出てくると思う?

 

ガチャガチャ

 

めぐみ:動かないね

 

ガチャガチャ

 

ネル:回転もしないよ。

ハク:レバーとかボタンとかもないね。

テト:( ̄へ ̄|||)

 

めぐみ:・・・・そういえばルカ会長、あのビデオカメラがセキュリティとか言っていたな。乱雑に置いてあるとか言っていながら1個だけPCモニターを撮影している・・とか

メイコ:って事は、監視する必要がない“自分”の場所を撮影したら・・・。やってみるか

 

メイコはいくつか置いてあるビデオカメラのうち、デスクトップPCの方を向いている1個を探し出した。

 

メイコ:これね。これが“PCを監視している”わけだから、これを椅子の方へ向けると・・・・

 

メイコはビデオカメラを上から掴んで回転させて、レンズの方向を椅子へ向けた。すると・・・

 

ゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・・・

 

椅子は回転、スライドを繰り返して横に移動し、置いてあった所の床がスライドし、その下から地下へ降りる階段が現れた。

 

メイコ:わぉ! ビンゴ!

テト:Σ(゚Д゚;

めぐみ:うっわー、めっちゃ怪しいわ・・・・

 

ネル:ぉおおお!、萌えt・・・・燃えてきた~!

メイコ:はい、でもあなた達はここでストップ。あなた達のお仕事は、ここの場所確保と監視よ

テト:il||li _| ̄|○ il||li

ネル:え~私たちもいく~

ハク:(私はここでいいんだけど・・・・)

メイコ:だ~め。ここから先にはルカだけでなく、“マギカント”、っていうデータにない敵が出て来るんだから!。でもね、探偵っぽいものを、あなた達にも預けて置くわ

 

そういうとメイコは、ネル、ハク、めぐみ、テトに“受信機付きの普通のヘッドセット”を渡してつけ、自分も装備した。

 

メイコ:要するに“連絡手段”よ。一般的なヘッドセットだけど、受信距離は結構広いから、ずっと使えると思うわ・・・・・あ、

テト:(´・ω・`)

めぐみ:そういえば、テトちゃん、喋れなかった・・・

メイコ:あーーーーえーーーーっと、テトちゃんの意志はネルちゃんたち、わかるのよね。だったらネルちゃん達、悪いけどテトちゃんの意志、翻訳して私に伝えてね

ネル:らじゃー!

ハク:わかりました

テト:(●´∀`●)

 

メイコ:じゃあ、行って来るわ!

ハク:お気をつけて

ネル:ルカ会長、ぶっ飛ばしてきてください!

めぐみ:あ、いや、ぶっ飛ばすかどうかは、相手の出方次第だけどね。でも、戦闘は避けられないと思うな

テト:(`・ω・´)ノ

メイコ:うん、テトちゃん、ありがと

 

こうして、メイコとめぐみの二人は、ヘッドランプを装備して階段を下りていった。

 

***

 

カツンカツンカツン・・・・・・

 

GUMI:全く、何てモノ生徒会室に作っているのよ!

MEIKO:まぁ学園長が生徒会の裏を探らせる位だから、手広くやっているんでしょ・・・あ、なんか部屋に着いたみたいね

 

(2010年4月11日(4日目)・夕方・生徒会室・地下研究室・アイスの間)

 

狭い階段の通路の先は、意外にも広くなっていた。ヘッドライトで照らした“ソコ”は、大きめの部屋だった。しかし、2つを除いて特に何もない部屋だった。

 

GUMI:対面にドアが1つ、天井に穴が1個ありますね

MEIKO:まぁ普通に考えると、ドアは先へ進む階段通路へのドアってことね。でも天井のは何かしらね?。もう1つの通路とは考えにくいけど

 

突然明かりがつき、そして部屋にルカの声が響いてきた!。

 

ルカの声:フハハハ! やはり来たわね! MEIKOだけでなく、GUMIまで!!

MEIKO:学子さんをネタにした“恫喝”、“恐喝”は、私が受けて立つわ! GUMIと約束したんだから!

ルカの声:今更そんな事をするつもりはない! だって、あなた達はここでくたばるんだから!

 

その声と同時に、天井の穴から、青いマフラー、白い服の男装をした女性が降りてきて、(顔から)床に着地した。

 

???:ふふふ

 

ルカの声:サービスよ! これがあなた達が調べていた“マギカント”の1体よ! わかるとおり、カイ子の遺伝子を使っているわ!まぁ“愛玩用”に作ったけど、あなた達、普通の人間を倒すには十分だわ!

 

カイ子:ワタシがお相手致します!

MEIKO:本当にマギカントって、髪の毛の持ち主そっくりなのね

GUMI:でも、少なくても愛玩用って、作ったマスターの命令に従順に従うようになっているのね。どうします?

MEIKO:まぁ、とっとと先に進みたいのが半分、データを取りたいのが半分って所ね。どうしようか?

カイ子:こら! もうちっと緊張感を持ってだな・・・・・

 

チャキ、チャキ

 

MEIKOとGUMIはハンドガンの銃口をカイ子に向けた。

 

MEIKO:悪いんだけど、カイ子さんがベースじゃ、ろくなデータを取れそうにないから、先に進むわ

GUMI:あなたの役割、理解した?

カイ子:・・・・はひ・・・・

MEIKO:あ、1個データとれた。マギカントでも銃弾には弱い、と

 

MEIKOはメモを取った。

 

GUMI:じゃあ、行くわね。あのドアでしょ

カイ子:さようでございます。あ、これ、ワタシのコア宝石の“ラピス・ラズリ”の一部、それとベースマテリアルのアイスです

GUMI:あ、ありがと。もう1つデータとれたわ。マギカントは髪の毛、コア宝石、ベースマテリアルで構成されている、と

MEIKO:ルカ~! じゃあ、コレの事、宜しく~! 次はもっと戦闘データが取れそうなやつ頼むわ!

 

二人は対面のドアを開いて、次の階段通路を降りていった。

 

カイ子:シクシクシクシク・・・・・・・

 

ルカの声:・・・・・・・・・・・・・もう帰ってきていいから・・・・・・・・・・

 

***

 

カツンカツン・・・・

 

GUMI:しかし、なんとまぁ、ベタな作りね・・・・

MEIKO:モロに秘密基地よね・・・。あ、なんかまた部屋に着いたわね

 

(2010年4月11日(4日目)・夕方・生徒会室・地下研究室・ロードローラーの間)

 

ブロン!!ブロン!!

 

黄色い髪の双子姉妹・ボクっ子:フハハハ! おまえ達の命はここまでだ! ボクがやっつけちゃうんだから!

黄色い髪の双子姉妹・デカリボン:ホホホホ! まさか地下部屋にロードローラーがあるとは思うまい!

 

ルカの声:オーーーーホホホホ! さっきは計算ミスだったわ!! 今度は大丈夫! 有能なリンとレン子の双子姉妹の遺伝子を使っているからね! 今度こそ、ここでゲームオーバーよ!!!

 

リン:ちょっと! ワタシが操縦桿握るのよ!

レン子:ボクが握るんだよ! こういうのは男に近い方がやるんだよ!

リン:ア・タ・シ・ヨ!

レン子:ボ・ク!!

 

ガチャ、グイ

 

リン:? ガチャ?

レン子:? グイ?・・・・これって・・・・

 

ロードローラーは急速に“バック”していった。喧嘩の最中に入れたのは、バックギアとアクセルだった。

 

ゴゴゴゴゴゴーーーーーーーーン!!!!!

 

ロードローラーは後ろの壁に思いっきり衝突した!

 

リン:きゃ!

レン子:うわ!

 

ペキペキペキペキペキ

 

リン:きゃああ!!

レン子:天井が!

 

GUMI:危ない!

MEIKO:待ってな!

 

MEIKOとGUMIは素早くロードローラーの操縦席に入り、二人を抱きかかえて脱出した!

 

ズガーーーーーーーン!!!!

 

ロードローラーの操縦席は崩れてきた天井のブロックでペシャンコになってしまった。

 

リン:はぁはぁはぁ・・・怖かったよーーーーー!!

レン子:ありがとうございます!

 

MEIKO:あ、いえ、その、戦わないとデータとれないし、見慣れた人に似た人が目の前で圧死するのは見たくないからね

GUMI:大丈夫だった?

リン:はい! ありがとうです!

レン子:助かりました!

 

MEIKO:で、あのドアから先に進んでいい?

リン:勿論です! あ、これ、ワタシ達のコア宝石の一部のゴールデン・ベリルで、このミカンがワタシのベースマテリアルです

レン子:これがボクのベースマテリアルのバナナです

GUMI:あ、ありがと

リン、レン子:では、どうぞどうぞ~

 

MEIKOは天井の穴に向かって叫んだ。

 

MEIKO:ルーーーーカーーーー、次は大丈夫でしょうね? 宜しく頼むわよ!!

 

二人は横のドアを開けて、次の階段通路を降りていった。

 

リン:ぐすんぐすん・・負けちゃったよぉ・・・・

レン子:エグエグエグエグ・・・・ボクたちの完敗だぁ・・・・・・

 

ルカの声:・・・・・・・・・・・・・いいから泣かないで。二人とも1回帰ってきてね・・・・・・・・・・。

 

*****************************************

 

カツンカツン・・・・

 

GUMI:なーんか、釈然としないわね・・・・

MEIKO:魔法造成人間“マギカント”って名前だけだと強そうだけど、かなりドジね。愛玩用だからかしら?

GUMI:あ、それはあるかも。元々戦闘用に作られてないからかなぁ?

MEIKO:そうかもね。あ、なんかまた部屋があるわね

 

(2010年4月11日(4日目)・夕方・生徒会室・地下研究室・“ぽ”の間)

 

ルカの声:フ・・・フ・・・フハハ・・・ハハハハ!!! 今度は今までとはマジで違うわよ! 何せ“戦闘用”に作ったからね!私の大事な剣と盾! そして、大切な“切り札”の遺伝子!

GUMI:ま・・・まさか・・・兄さん!

 

シュタ! シュタ!

 

天井の穴から降りてきて、華麗に床に着地したのは、侍姿の男と忍者姿の女だった。しかし、どこかで見たことがあるような・・・。

 

GUMI:学歩兄さん!

MEIKO:ちょ! それよりその隣! あなたのマギカントよ!!!!

 

そう、そこにいた侍と忍者は、男の姿に戻った学子=学歩と、忍者姿になったGUMIそのものだった。

 

侍:・・・・・・

忍者:・・・・・

 

ルカの声:さぁ、GUMIさん? どうする? マギカントとはいえ、姿はあなたとあなたの兄さん、しかも戦闘用で、あなたも知っての通り、二人とも相当の強者だわ!!! これでも戦える?

GUMI:ぐぅぅぅぅぅ・・・・

MEIKO:ちょっと!!!! あなた、それでも人間なの!?

ルカの声:それは最高のほめ言葉よ!

MEIKO:ひっさびさに“まともでガチに”戦いたくなったわ!

 

チャキ!

 

MEIKOはハンドガンを取り出した。

 

MEIKO:GUMI、あなたは防御に徹していてね。誰だって自分の最愛の人や自分そのものとは戦いたくないから。だって銃口をそういう人に向けたくないでしょ?

GUMI:すいません。今回は戦っても足手まといになると思いますから、そうしてます。それにあんまり見ないようにしてます

MEIKO:それがいいわ

 

侍:チャキ

忍者:シュッ

 

侍は長い日本刀、忍者はくないを抜き、前にかざした。

 

MEIKO:刀所持の二人相手か・・・・。久々にキレそうね

 

しかし・・・・・・・・・・・・・・

 

侍:我、今年で二十歳、まだこの世の真実を知らず。我、情けなや、なーーーさーーーけーーーなーーーーやーーーーー

 

合いの手:いよっ!

 

タタンっ!

 

MEIKO:は?

 

忍者:おお! 兄者よ! あちきも、いまだ世の姿を知らず、浮き世をさまよっておる次第であーーりーーんーーすーー

 

合いの手:はいっ!

 

タタンっ!

 

GUMI:あ、あれ?

 

そう、二人は戦闘を仕掛けてきたのではなく、その場で“舞台“を演じてきたのだった。まるで歌舞伎の一幕を見ているような、不思議な光景だった。しかも、どこから出したのか、ラジカセから合いの手と擬音まで用意していた。

 

MEIKO:・・・・GUMIさん、あなたの兄さん、アホだったの? ってか、あなたもアホの子?

GUMI:兄さんは歌が好きで武道一筋のまじめな方です! それに私、アホの子じゃない・・・・はず

MEIKO:あの二人、戦闘用のはずよね。って事は少なくても、いつもより“マジメ”になっているのがセオリーよね・・・それとも戦闘用の罠か、何かしら・・・

GUMI:わからないわ・・・・

 

MEIKO:ルーーーーカーーーー、今度はこっちから訊くわ! あれ、どういうこと?

 

ルカの声が鳴っている方:ガサゴソ・・・、あ、あった! 魔法造成陣! えっと書いた文字は・・・・・・あっ!

 

GUMI:ちょ! どうしたのよ! なんか間違えたのか?

 

ルカの声が鳴っている方:プルプルプル・・・・魔法陣が“文字変換”するとき、私が書いた“せんとうぶたい”を、“戦闘部隊”じゃなくて、“銭湯舞台”って変換してる・・・・・・・・・・・

 

MEIKO:あーーーー、なるほど、だから、今はあれやってるんだ・・・・・(ってか魔法陣も文字変換するんだ)

 

忍者は蛙のマークがついた銭湯用の桶を持っていた。

 

忍者:兄者、お背中、流させていただきますであーーーりーーーんーーーすーーー

 

侍:おお! 妹よ! あーりーがーたーやーーーー、あーりーがーたーやーーーー

 

GUMI:兄さん・・・・・・・私・・・・・・・・

MEIKO:・・・・あの、舞台の途中で申し訳ないですけど、そろそろ私ら、あのドアから先に進ませていただきます

忍者:お客様、お待ちになってくださいましー。これは私の、こあ宝石の“さんすとーん”の一部、これは、べーすまてりあるの、“人参”でありんすー

侍:これは、拙者の、こあ宝石“あめじすと”の一部、これは、ベースまてりあるの、“茄子”でござるー

二人:是非とも持っていってくださいましー

 

MEIKO:あ、どうも

 

MEIKOは4つのモノを受け取った。

 

MEIKO:じゃあ、あと、頑張ってね

GUMI:シクシクシク・・・・

 

MEIKOとGUMIは、奥のドアを開けて、次の階段通路を降りていった。

 

二人:ありがとうごーざーいーまーすーるーー

 

ルカの声:・・・・・・シクシクシクシク・・・・・・・

 

***

 

カツンカツン・・・・

 

GUMI:はぁ~、種類と順番から言って、残りはミクさんだけだけど・・・

MEIKO:あの二人の事を“切り札”って言っていたから、たぶん、ルカさんとミクさん、同じ所にいるわね

GUMI:って事は、次が最深部で最後かな

MEIKO:・・・・そうみたいね。凄く明るい大広間が見えてきたわ。次で最後か!、気合い入れていくか!

GUMI:はい!

 

(続く)

 

CAST

 

咲音メイコ(MEIKO):MEIKO

勇気めぐみ(GUMI)&忍者:GUMI

 

生徒会長・巡音ルカ、ルカの声:巡音ルカ

副生徒会長・初音ミク:初音ミク

生徒会書記・鏡音リン、マギカント・リン:鏡音リン

生徒会会計・鏡音レン子、マギカント・レン子:鏡音レン

生徒会風紀委員長・神威学子(=勇気学歩)&侍:神威がくぽ

生徒会実動隊委員・工藤カイ子、マギカント・カイ子:KAITO

 

亞北ネル:亞北ネル

弱音ハク:弱音ハク

重音テト:重音テト

 

ウェイトレス、学園長、合いの手:エキストラの方々

 

***

 

<学級委員長と生徒のクラス割>

 

学園長:黒井木之子

 

1年A組:委員長・勇気めぐみ、生徒・亞北ネルと弱音ハク、先生・レオン

1年B組:委員長・鏡音リン

1年C組:委員長・鏡音レン子

 

2年A組:委員長・初音ミク、生徒・重音テト

2年B組:

2年C組:

 

3年A組:委員長・工藤カイ子

3年B組:委員長・咲音メイコ、先生・プリマ

3年C組:委員長・神威学子

3年D組:委員長・巡音ルカ

 

<部活動>

 

剣道部:部長・神威学子

軽音楽部:部長・初音ミク、部員・重音テト

アイス同好会:会長・工藤カイ子


 
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