左慈に止めを刺してからどれ位経っただろう?
先程まで流していた涙ももう止まっている。
感情ももう落ち着いている。
「于吉、俺が落ち着く為の時間くれてありがとう……」
俺がそう言うと于吉が現れる。
于吉の顔にも涙が流れた跡がある。
恐らく泣いていたんだろう。
「こちらこそ、左慈を討ってくれてありがとうございます」
「次はお前だ」
俺はそう言って北谷菜切を構える。
だが、于吉は首を横に振った。
「私はもう少し待てます。
あなたは体を回復させてください」
「良いのか?」
「ええ、私は左慈を埋葬するとしましょう」
于吉はそう言って左慈の亡骸を持ち上げる。
「俺も手伝うよ」
「……ありがとうございます」
そう言って俺達は外に出た。
「ふう……」
俺達は左慈の埋葬を終えて休憩していた。
于吉は仙術を使わずにきちんと自分の手で埋葬していた。
「北郷殿、左慈の埋葬を手伝って頂きありがとうございました」
于吉はそう言って立ち上がる。
それを見て俺も立ち上がった。
「では、お送りいたしましょう」
そう言うと俺の周りに光が現れる。
「あなたの傷が完全に癒えた時にお迎えにあがりましょう。
では、また……」
于吉がそう言った瞬間俺の目の前の光景が変わった。
洛陽の城の玉座の間
「「「「一刀(北郷)(隊長)(一刀さん)(ご主人様)(お兄ちゃん)(兄ちゃん)(兄様)(お兄さん)!」」」
どうやら于吉は皆が居る所に送ってくれたらしい。
ホントに良い奴だな……
「一刀、もう終わったのかしら?」
「まだ、于吉が残ってるけどね。
俺の体が完全に治ったら来いって」
「ご主人様どこか怪我をしたのですか!?」
そう言って愛紗は心配そうな顔をする。
こう言う所はホントに愛紗らしい。
「肋骨を一本ね。
でも、大したことでは無いよ。
すぐに治る」
啓雅達の世界では俺は両手両足の骨が折れて大分迷惑をかけたことがあるからな……
そんなことを考えて周りを見ると解放軍の面子が居ないのに気が付く。
「そう言えば啓雅達は?」
「貂蝉達が元の世界に送って行ったわよ」
良かったぁ……
もし美華が約束を守れとか言い始めたら俺の体がヤバイことになってたからなぁ……
「ところで一刀?」
「ん?何?蓮華」
「美華からの伝言で『一刀~♪約束守ってね♪』とか言っていたのだけど
約束と言うのは何かしら?」
あのバカ……!
やばい!皆がゆっくりと俺に近づいて来てる……!
「ちょっと待って!言うから手荒な真似はしないで!」
「安心して、ご主人様。
ご主人様の怪我が治って于吉って言う人との決着が付いたら手荒な真似をするから」
まさかの処刑宣告!
クソ……
俺は悪く無いのにーーーーーー!
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こんにちわ~
今回は短いです。
では、始まり~