No.329243

孤高の御遣い Brave Fencer北郷伝47

Seigouさん






続きを表示

2011-11-04 01:32:58 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:10899   閲覧ユーザー数:7440

???(イイゴミブンダナ)

 

一刀「・・・・・・・・・・」

 

ここは夢の中

 

一刀は、また黒い物体と相対していた

 

しかし、今までと違うのはその物体が淡くはあるが、自分と背丈が同じの人の形をしていて赤く光る目でこちらを見ていることである

 

???(サンザンヒトヲキッテオイテ、カゾエキレナイホドノフコウヲコノヨニウミダシテオイテ、テメーハノウノウトオンナアソビカ?)

 

一刀「・・・・・・・・・・」

 

???(ワカッテイルダロ、オマエハココニイチャナラナイニンゲンナンダヨ、オマエガコノセカイニキタセイデホンライノレキシカラドレホドズレタトオモウ)

 

一刀「・・・・・・・・・・」

 

???(サンゴクシノレキシニホンゴウカズトナンテニンゲンハソンザイシナイ、ソレハオマエガイチバンヨクワカッテイルハズダヨナ)

 

一刀「・・・・・・・・・・」

 

???(オマエハソウソウニコノバヲサラネバナラナイニンゲンダ、ナカマノコトナドワスレテタビニデロ、ソシテヒトリサビシクシンデイクンダナ)

 

一刀「・・・・・俺は・・・・・」

 

???(オナカマノソバヲハナレタクナイカ?・・・・・フザケルナヨ!オマエハホンライナンゼンカイシケイニナッテモアリアマルニンゲンダゾ!)

 

一刀「・・・・・・・・・・」

 

???(テンノミツカイトシテノ、エイユウオウトシテノ、コノクニノシュゴシントシテノ、オトコトシテノセキニンヲトラナイトイケナイカ?・・・・・ソレデセキニンヲトッテイルツモリカ、ショクニキタトキニワカッタダロ、オマエヲニクンデイルニンゲンハホシノカズホドイルンダヨ)

 

一刀「・・・・・・・・・・」

 

???(ソノニンゲンタチカラシタラオモシロクナイハナシダヨナ・・・・・ミウチヲコロシタヒトキリホンゴウガ、ドウドウトナンジュウニンモオンナヲハベラセテユウユウジテキナセイカツヲオクッテイルンダカラナ)

 

一刀「・・・・・・・・・・」

 

???(ジブンノアシモトヲミテミロ)

 

一刀「っ!!??」

 

一刀の足元、そこには

 

賊1「山賊狩りぃ~~~~~」

 

賊2「よくも、よくもぉ~~~」

 

賊3「何様のつもりだぁ~~~~」

 

賊4「俺は、賊に身をやつすしかなかったのにぃ~~~」

 

賊5「苦しいぃ~~~~、悔しいぃ~~~~」

 

賊6「おまえのせいで・・・・・俺はぁ~~~~~」

 

自分が今まで斬ってきた無数の、数え切れない賊達が血を流しながら群がってきていた

 

一刀「うああ・・・・・・あああああ・・・・・・・・」

 

そのあまりの形相に一刀は後ずさりする

 

しかし

 

ドンッ!

 

一刀「っ!!!??」

 

何かにぶつかり後ろを向くと

 

張曼成「俺は国を変えたかっただけだ、倒すべきは王朝なのに、なのになぜ俺を殺したぁ~~~」

 

黄巾党の幹部張曼成が口から、腹部から血を流し佇んでいた

 

その傷口は、かつて自分が忠久で切り裂いたそれそのものだった

 

一刀「ああ・・・・・うわああああああ・・・・・」

 

ガシッ!

 

一刀「うっ!!??」

 

今度は何かに足を取られる感覚が伝わってきて一刀はとっさに下を向く

 

そこには

 

張牛角「このぉ~~~~、御遣い野郎ぉ~~~~」

 

褚燕「おまえさえいなければぁ~~~~」

 

黒山賊の首謀者、張牛角と褚燕が自分の足を掴んでいた

 

一刀「うわああああ!!・・・・・あああ・・・・・あああああああ」

 

それを振りほどくが、彼らはそれでも一刀に群がっていく

 

???「よくもやってくれたな・・・・・」

 

一刀「え!?な!!」

 

右を向くとそこには、自分の首を抱えた張譲がいた

 

張譲「貴様さえ居なければ、俺は今頃全てを手に入れることが出来ていたのに・・・・・」

 

一刀「ああああ・・・・・うわあああああああ・・・・・」

 

首だけで喋っている張譲

 

その姿はあまりに不気味で、一刀を後ずらせる

 

???(ソウダ、コレガオマエガヤッテキタケッカダ、ソレデモオマエハイマノセイカツヲウバワレタクナイカ?オマエニソンナシカクガアルトオモウカ?)

 

一刀「~~~~~~~っ・・・・・俺は・・・・・俺は!」

 

???(ミレンタラタラカ!ナラオレガソノクソッタレナミレンゴトオマエヲケシサッテヤロウ!)

 

一刀「っ!!?・・・・・・・あ!ぐっぅ!!?・・・・・・・あああああああああああああ!!!うわあああああああああああああ!!!!」

 

突然足元の感覚がなくなったと思いきや、一刀は光の見えない奈落へと賊達と共に落ちていった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

???(オマエガシアワセニナレバナルホド、オレハオマエヲクルシメル)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

星「♪♪~~~~~♪~~~~・・・・・今日も酒がうまい♪/////////」

 

夜、成都の廊下、ここを上機嫌で歩いている星の姿があった

 

星「いい酒にいいメンマ♪おまけにいい男♪これほどの贅沢はござらんなぁ~~~♪/////////」

 

星の手には自分でつけた秘蔵のメンマと老酒の壷がぶら下がっていた

 

星「・・・・・それにしても主も人を見る目がない、このわたしをみいの国であんな格好をさせておいて襲わないとは/////////」

 

南蛮の浜辺で自分に手を出してくれなかった一刀に、星は少しだけむかむかしていた

 

星「・・・・・しかし、今宵の趙子龍は一味違いますぞ♪このメンマと老酒はわたしの特別製♪いかに酒に強い主といえども、コレを飲めばただでは済みますまい♪その後は・・・・・・ぐふふふふ♪//////////」

 

星の頭の中では、酔っ払った一刀が自分を襲い誰も達したことのない愛の巣窟が出来上がるシーンが事細かに彩られていた

 

星「ふふふふ♪・・・・・さて、一世一代の大勝負と行きましょうか♪////////」

 

一刀の部屋の前に到着すると

 

 

 

 

 

 

 

 

 

???「ぁぁぁ・・・・・・・ぅぅぅぅ・・・・・・・・ぁぁぁぁぁ・・・・・・」

 

星「・・・・・?・・・・・主?」

 

一刀の部屋から聞こえてくる声

 

それは

 

星「っ!!?まさか!!?」

 

星は、かつて月達から聞いた言葉を思い出し急いで扉を開ける

 

そこには

 

一刀「うがああああああああ!!!ああうううううあああああうううううう!!!いいいがああああああああ!!!うああああああああああ!!!」

 

寝台の上で汗だくになり、のたうち回る一刀の姿があった

 

しかも

 

ブヲオオオオ     ブヲオオオオオオ

 

一刀から溢れ出る氣がまた黒くなり始めていた

 

星「主!!」

 

手に持っていたメンマと老酒を放り出し、星は一刀の元に駆けつけた

 

星「主!!しっかりして下され!!主!!」

 

一刀「うわあああああああ!!ぐあああうううううううああああああああ!!!うううううううぎがあああああああ!!!」

 

星「ぐうううううう・・・・・主・・・・・どうか氣を沈めてくだされ・・・・・」

 

なんとか一刀を押さえつけようとするが、星一人の力では鍛え抜かれた一刀の腕力には及ばない

 

星「くっ!主!」

 

ただひたすらにのたうちまわる一刀に星は振りほどかれる

 

一刀の表情はますます険しくなり、氣もますます黒くなっていく

 

そして

 

一刀「うわあああああああああ!!!殺してくれ!!!殺してくれえええええええええ!!!」

 

星「っ!!!主!!!」

 

この言葉に耐え切れなくなり、星は一刀に抱きついた

 

星「主!そのようなことを言われますな!わたしが付いております!どうかお静まりください!」

 

一刀の首に手を回し、星は一刀と密着する

 

一刀「ううううううううう!!・・・・・ぐううううううう・・・・・うあああああ・・・・・」

 

その甲斐あってか、一刀の表情は僅かに穏やかになり、黒い氣も治まってきた

 

星「・・・・・主・・・・・今宵はわたしがずっとそばにいます・・・・・どうか安らかにお眠り下さい・・・・・」

 

汗だくになった一刀に布団をかけてあげて、星は添い寝をしてあげた

 

しかし

 

一刀「くぅぅぅぅ・・・・・殺して・・・・・くれぇ・・・・・誰でもいい・・・・・俺を・・・・・殺してくれぇ・・・・・・」

 

星「~~~~~~~~っ・・・・・主ぃ・・・・・」

 

悪夢にうなされ、懇願する一刀

 

その頬には涙が伝い、星はそっと拭ってあげた

 

星「(主・・・・・わたしはどうしたらいいのですか?・・・・・どうすればこの苦しみから主を救い出すことが出来るのですか?)」

 

星は、一刀がこうなってしまったのは自分達にあることが分かっていた

 

それゆえに必死で考える

 

どうしたら一刀を、この果て無き地獄から救い出せるかを

 

しかし、考えても分からない

 

今星に出来ることは、こうやって一刀の苦しみを和らげてあげることくらいだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、朝

 

 

 

 

華琳「ふ~~~~ん、なかなか興味深いわね」

 

稟「呉でも見学させていただきましたが、これほど良質な塩をこれだけの価格で売れるというのは相当なものですね」

 

風「む~~~~、魏にもこれだけの安価で売ってくださればいいのに~~」

 

穏「それはいくらなんでも出来ませんよ~」

 

冥琳「ああ、この価格で出せるのは蜀と結んだ同盟に基づいているからだ」

 

亜莎「それに、塩の輸送経路はまず天角を経由して運んでいますからね」

 

悠「ん?それがどうしたんだ?」

 

零「天角を含めた荊州全体は北郷隊の本部があるだけあって、三国の中で一番治安がいいわ」

 

詠「ええ、治安がいいということはそれだけ素早い輸送が可能ということよ」

 

雫「賊に襲われる可能性が一番低い分、安心して運ぶことが出来ますからね」

 

一同は、蜀と呉の塩貿易についてあれこれ質問していた

 

それくらいこの塩の貿易は魏でも魅力的だった

 

翠「これはいいな~~・・・・・」

 

蒲公英「うん、羨ましいよ~~・・・・・・」

 

雫「それなら大丈夫です」

 

翠「?・・・・・・なにがだ?」

 

雫「一刀様が涼州の事情を考えて、葵様と相談して涼州にだけは蜀と同じ価格で売ることを決定していますから」

 

翠「本当か!!?」

 

葵「ああ、翠達にはまだ話していなかったか・・・・・前に一刀と涼州に行った時に中継基地について話していたろ、金城の北辺りに造ることになったからな」

 

音々音「本来ならこれほど遠くにこんな値段では売れませんが、天角が一部費用を負担していますからな、一刀の世界で言うところの出血大サービスというやつなのです」

 

詠「荊州の財政は今のところ完全に黒字だし、これくらいの出費なら痛くも痒くもないしね」

 

蒲公英「ありがと~~~♪ご主人様~~~~♪」

 

むぎゅうううううううううううううううううう

 

翠「おおい!!なにやってんだよ蒲公英!!?/////////」

 

一同の前で堂々と一刀に抱きつく蒲公英を翠憎らしく羨ましい目で見ていた

 

蒲公英「え~~~~、だって嬉しいんだもん~~~♪」

 

そう言いながら自分の胸を一刀に背中に押し付けるが

 

一刀「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

一刀は黙り込んだままだった

 

蒲公英「?・・・・・どうしたの?ご主人様?」

 

葵「そうだな、なんだか朝から元気がないぞ一刀」

 

一刀「・・・・・そんなことはありません、心配してくれてありがとうございます」

 

葵「・・・・・なら、いいんだが・・・・・」

 

蒲公英「・・・・・うん」

 

蒲公英は一刀から離れ自分の席に戻った

 

星「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

杏奈「ではぁ、塩についてのお話は以上ですぅ」

 

朱里「他に何かありましたか?」

 

桂花「もうないわよ」

 

雛里「では、これで臨時会議は終了としましゅ」

 

そして、臨時に開かれた会議は幕を閉じたのだった

 

桃香「はぁ~~~~・・・・・みんなと過ごすのも、あと1日か~~~」

 

雪蓮「そうね、早いものね」

 

華琳「楽しい時間というものは早く過ぎるのが常よ」

 

鈴々「にゃ~~~・・・・・鈴々もっとみんなと一緒にいたいのだ~~~」

 

紫苑「鈴々ちゃん、我侭を言わないの」

 

桔梗「さよう、今生の別れでもあるまい」

 

焔耶「3ヵ月後に魏で会議が開かれるんだ、その時に羽目を外せばいいんだ」

 

朱里「はい、それに皆さんも自分達の領土を何時までもあけておくわけには行かないでしょうし」

 

雛里「帰ったら多くの仕事が待っているでしょうから」

 

雪蓮「うわぁ~~~~、憂鬱」

 

蓮華「お姉様!しっかりしてください!」

 

冥琳「そうだぞ雪蓮、帰ったらしっかり仕事をしてもらうからな」ゴゴゴゴゴゴゴゴ

 

冥琳の背後には、絶対に逃がさないといわんばかりのオーラが出ていた

 

雪蓮「うぇ~~~~~~~・・・・・」

 

柊「でも、少し寂しいです」

 

雛罌粟「はい~~~~・・・・・」

 

純夏「それじゃあ、今日一日思い残しのないようにしっかり遊ばないとね♪」

 

悠「お互い憂いのないようにしないとな♪」

 

柊「・・・・・はい♪」

 

雛罌粟「遊びましょう♪」

 

天和「わたし達のお仕事も昨日の公演で終わりだし、羽目外しちゃうよ~~♪」

 

地和「今日は買って買って買いまくるわよ~~♪」

 

人和「姉さん達、持って帰れる分だけにしてね」

 

そんな風に場が明るくなったところに

 

愛紗「・・・・・ご主人様、どうかなされたのですか?」

 

一刀「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

表情を暗くし、俯いている一刀の姿があった

 

風「お兄さん~?」

 

稟「どうかしたのですか?一刀殿?」

 

恋「・・・・・ご主人様?」

 

雫「一刀様?」

 

一刀「・・・・・みんな・・・・・今日一日は、俺と凪に時間をくれないか?」

 

凪「え!?わたしにですか!?」

 

一刀「そうだ、それと闘技場を今日一日貸してほしい」

 

思春「まさか!?今日一日凪の稽古に使うって言うのか!?」

 

春蘭「ちょっと待て!!ずるいぞ!!わたしだって北郷と稽古がしたいぞ!!」

 

雪蓮「あたしだって!!」

 

鈴々「鈴々もなのだ!!」

 

嵐「そうはいかん!!わたしも一刀と稽古をするぞ!!」

 

焔耶「嵐はいいじゃないか!天角でいつでもお館と稽古できるんだから!!」

 

愛紗「そうだぞ!!わたし達はこれから三ヶ月の間ご主人様と会えないんだからな!!」

 

嵐「それとこれとは別問題だ!!」

 

雪蓮「ちょっと!!いくらんでもそれはないでしょ!!?」

 

天和「そうよそうよ!!一刀は今日一日わたし達の荷物持ちをやってもらうんだから~!」

 

地和「一刀は、わたし達のらいばる兼まねーじゃーなんだから!!」

 

人和「姉さんが勝手に言っているだけでしょ」

 

純夏「あたしだって一刀と稽古「待ってくれ!」・・・・・?」

 

一刀「これは、稽古とかそういうものじゃない・・・・・たぶん、稽古をつけられるのは俺の方だと思うし」

 

一同「????」

 

一同は一刀の言っている意味がいまいち分からなかった

 

星「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、闘技場

 

 

一刀と凪はお互いに徒手空拳で向かい合っていた

 

 

 

 

凪「師匠、さっき雪蓮様に言っていた事はどういう意味ですか?」

 

一刀「深く考えなくていい、凪はただ俺に全力で向かってきてくれればそれでいいんだ」

 

凪「・・・・・分かりました・・・・・では、参ります」

 

ゴオオオオオオオオオオオオオオ

 

舞台の上で凪は構えを取り、氣を開放する

 

雛罌粟「凪先輩も凄い・・・・・」

 

柊「ええ・・・・・一様には及ばないけど・・・・・それでもわたし達の遥か上の氣よ・・・・・」

 

同じ氣の使い手として二人は凪も姉弟子として尊敬していた

 

一刀「流石だな、凪・・・・・この短い間でよくもここまで練ることが出来たもんだ、間違いなく虎牢関の時の30倍は大きく強くなっている」

 

凪「はい!これも師匠のご指南の賜物です!」

 

一刀「そんなことはない、これは凪の努力の結果だ、誰のおかげでもない」

 

愛紗「それでは、わたしが審判をしましょう」

 

一刀「いや、審判はいらない」

 

愛紗「え?」

 

一刀「俺達は、別に試合をするわけじゃないから、愛紗も席に座って見学してくれればいいよ」

 

愛紗「・・・・・分かりました」

 

そして、愛紗は席に付く

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

雪蓮「あたし、一刀の言っている意味がどうしても分からないんだけど」

 

純夏「あたしもよ・・・・・」

 

沙和「それにしても、なんだか隊長朝から元気がないの~・・・・・」

 

真桜「ああ、それはウチも感じとるで・・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一刀「・・・・・それじゃあいってみようか」

 

そして、一刀も構えを取り氣を開放する

 

しかし

 

ブヲオオオオオオオオオオオオオオオオ

 

凪「え!!??」

 

一同「!!!???」

 

凪も見学している一同も驚く

 

一刀の氣が以前の闇に染まった時のように黒くなっていたのだから

 

しかも

 

一刀「~~~~~~~~~~っ!!」

 

氣を開放している一刀の表情は果てしなく険しい

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

桃香「ええええ!!??」

 

霞「ちょっ!!?どないなっとんねん!!」

 

嵐「一刀の氣がまた黒く・・・・・」

 

雫「一刀様・・・・・ああ・・・・・ああああ・・・・・」

 

愛紗「ご主人様!!?」

 

時雨「これはいったい・・・・・旦那様?」

 

村長「何がどうなっているのじゃ?」

 

天和「一刀?・・・・・どうしちゃったの?」

 

地和「ちょっと!!?なによこれ!!?」

 

人和「一刀さん・・・・・」

 

柊「なんて・・・・・禍々しい氣なの・・・・・」

 

雛罌粟「いったいどうしちゃったの?ご主人様・・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

凪「師匠!!どうしてしまったんですか!!?」

 

一刀「~~~~~~っ!・・・・・気にするな凪、とっととかかってこい」

 

凪「駄目です!!そんな不安定な氣で戦うなんて危険です!!」

 

愛紗「ご主人様!!お止め下さい!!」

 

鈴々「お兄ちゃん!!止めるのだ!!」

 

蓮華「一刀!!止めて!!」

 

白蓮「どうしちまったんだ!!一刀!!」

 

華佗「おいおい!!邪気が戻ってきているぞ!!一刀!!」

 

恋「ご主人様・・・・・戦っちゃ駄目!」

 

席を立ち舞台に駆け寄る一同だが

 

一刀「言っただろ、これは試合じゃないし、稽古をつけてもらうのはむしろ俺だって」

 

凪「・・・・・なにを」

 

一刀「なんとかこの氣を安定させたいんだ、自分でやってみたんだけど何をしてもうまくいかなくてな・・・・・手伝ってくれないか?」

 

凪「・・・・・分かりました」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして

 

 

バキッ!!ドカッ!!ガスッ!!

 

一刀「ぐっ!がっ!ぐはっ!」

 

凪「師匠!!これ以上続けたら死んでしまいます!!」

 

舞台の上では、一刀が凪の攻撃を受けきれずすでにぼろぼろの状態となっていた

 

季衣「兄ちゃ~~~~~~ん・・・・・」

 

流琉「兄様ぁ・・・・・これじゃあただの私刑です・・・・・」

 

愛紗「ご主人様!!もうお止め下さい!!」

 

鈴々「そうなのだ!!もう十分なのだ!!」

 

亜莎「もう見ていられません・・・・・」

 

菖蒲「凪さん!もういいです!それくらいにして下さい!」

 

凪「師匠!もういいでしょう!?」

 

一刀「はぁ・・・・・駄目だ・・・・・はぁ・・・・・まだぜんぜん安定していない・・・・・もっと気合を入れて打って来い・・・・・」

 

雫「ああ・・・・・ああああ・・・・・・」

 

零「ご主人様・・・・・なんで・・・・・」

 

月「ご主人様ぁ・・・・・」

 

天和「一刀~~~~~!もう止めてよ~~~~~!」

 

地和「ちぃ、こんなの見たくないわよ・・・・・」

 

人和「・・・・・・・・・・・・・・・」

 

聖「・・・・・一刀」

 

一刀「・・・・・来ないんならこっちから行くぞ!」

 

ブワッ!

 

凪「っ!」

 

シュバババッ!バシュッ!!ブオンブオン!!

 

一刀は凪に向かって当身、蹴り当てを繰り出すが

 

凪「(なんて雑な攻撃なんだ・・・・・本当にどうしてしまったんですか?・・・・・師匠・・・・・)」

 

普段の一刀とは思えないくらい無駄な動きが目立つ

 

攻撃はいちいち大振りになり、防御も脇が締まっていないせいで凪の攻撃を受け切れないでいる

 

星「(主・・・・・そんな方法では何の解決にもなりませぬぞ・・・・・)」

 

一刀の氣が不安定になった理由を知っている星

 

だが、だからといって自分が明確な解決案を持っているといったらそうでもない

 

星にできることは、ただ苦しみもがいている一刀を見守ることだけだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、半々刻後

 

 

 

 

 

一刀「~~~~~~っ」

 

凪「・・・・・師匠ぉ」

 

客席を守る壁に背中から寄りかかり、ずたぼろになっている一刀とそれを見下ろしている凪が居た

 

結局、一刀の氣は安定することはなかった

 

菖蒲「一刀様ぁ・・・・・」

 

除栄「そんな・・・・・隊長が・・・・・」

 

張済「こんなにも・・・・・あっさり・・・・・」

 

斗詩「ご主人様ぁ・・・・・」

 

麗羽「北郷様・・・・・」

 

猪々子「いったい何があったんだよ、兄貴・・・・・」

 

百合「一刀君・・・・・」

 

璃々「お母さん~~、ご主人様どうしちゃったの~~?」

 

紫苑「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

桔梗「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、一刀は華佗に治療してもらうために治療室へ

 

他一同は、会議室にて今回の件について話していた

 

 

 

 

桃香「いったいどうしちゃったの?・・・・・ご主人様・・・・・」

 

紫苑「まるで、ちょっと前のご主人様を見ているようだったわね・・・・・」

 

桔梗「あそこまでとはいかないが・・・・・それでも禍々しい氣だったのう・・・・・」

 

悠「あれは・・・・・あたしと一刀が始めて会った時のようだな」

 

翠「悠がご主人様と試合をして勝ったって話か?」

 

悠「ああ・・・・・その時の一刀は、さっきのように邪気を纏ってはいなかったんだが、それでも心に迷いがあった、それであたしは勝てたんだがな・・・・・」

 

蒲公英「ご主人様、あの時に戻っちゃったみたいだよ~・・・・・」

 

朱里「・・・・・ここは、氣の専門家さんに聞くしかありませんね」

 

雛里「はい・・・・・凪さん、ご主人様はどうしてしまったんですか?」

 

凪「・・・・・師匠の心は・・・・・今は凄く乱れています・・・・・」

 

杏奈「その原因はなんですかぁ?」

 

凪「それは分かりません・・・・・しかし今の師匠は、おそらく・・・・・沙和にさえ勝てないでしょう・・・・・あれなら氣を使わない方がまだ強いです・・・・・」

 

一同「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

あの一刀が、おそらくこの中でも最も下級の沙和にさえ勝てない

 

一同は、一刀の強さを知っているがゆえにショックを隠しきれなかった

 

星「・・・・・なぁ、月・・・・・」

 

月「はい?なんでしょうか?星さん」

 

星「主は・・・・・時々悪夢を見ているらしいな・・・・・」

 

月「え、あ・・・・・・・・はい・・・・・」

 

星「実は、わたしは昨日見てしまったんだ・・・・・夜に主が苦しみもがいているところを」

 

一同「!!??」

 

朱里「まさか・・・・・ご主人様は、罪の意識のあまり・・・・・」

 

雛里「・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

星「これは、我らに責がある・・・・・」

 

杏奈「そうですねぇ、わたくし達が自らの理想を求めるあまりぃ、一番汚い部分を全てご主人様に押し付けてしまった結果・・・・・ご主人様はぁ、あのようなことになってしまったんですからねぇ・・・・・」

 

柊「・・・・・一様・・・・・・」

 

雛罌粟「・・・・・ご主人様・・・・・」

 

桃香「・・・・・あっ!それじゃそれじゃ♪今日一日はご主人様の気分転換に付き合ってあげようよ♪」

 

雪蓮「うん、なかなかいい案ね♪」

 

華琳「それで?具体的にはどうするのかしら?」

 

桃香「ふふ~~~ん♪それはね♪・・・・・で・ぇ・と♪」

 

華琳「?・・・・・でぇと?」

 

蓮華「え!?まさか!?・・・・・あ、あ、あ、あ、逢引!?/////////」

 

思春「//////////////」

 

一刀とデートしたことのある二人は顔を真っ赤にした

 

霞「ええな♪ウチも一刀ともう一回デートしたいわ♪」

 

凪「ええ!?霞様は隊長と逢引したことがあるんですか!?///////」

 

霞「おおあるで♪えろう楽しかったで~~♪」

 

沙和「沙和も隊長とデートするの~~~♪」

 

真桜「ウチもしたいわ~~~♪」

 

天和「あ~~~~!!わたしだって一刀とデートしたい~~~!」

 

地和「ちぃだって!!」

 

人和「姉さん達!そんなことしたら瓦版に載ってわたし達の評判が悪くなるどころか、一刀さんに迷惑をかけることになるわよ!」

 

華琳「それはいいけど・・・・・ここにいる全員が一刀と逢引するわけにも行かないわよ」

 

風「そうですね~~、風は当然お兄さんとデートするのは決まっていますから関係ありませんけど~~♪」

 

稟「こら!なぜそうなるのです!」

 

ビシッ

 

風「おおう!久々の突っ込みだけに新鮮だぜ~・・・・・それにしても、その様子だと稟ちゃんもお兄さんとデートがしたいみたいですね~~♪」

 

稟「そそそそそんな!!わたしと一刀殿がああああああ逢引などぶーーーーーーーーーーーー!!!」

 

雪蓮「はい、一人脱落~~♪」

 

小蓮「一刀とデートするのはシャオなんだから~~♪」

 

蒲公英「蒲公英だってご主人様とデートしたいよ~~~」

 

恋「恋も・・・・・ご主人様と・・・・・デートする//////////」

 

翠「あ・・・・・あたしも・・・・・(ごにょごにょごにょ)///////////」

 

聖「・・・・・一刀と・・・・・逢引////////」

 

悠「あたしだってデートしたいぞ!」

 

愛紗「わ、わたしだって!!////////」

 

璃々「璃々もしたい~~~~~♪」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ぎゃーーーー!!!ぎゃーーーー!!わーーーー!!わーーーー!!ぎゃーーーーぎゃーーーー!!わーーーー!!わーーーー!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、かつて許昌にてこの大陸を治めるものについて大激論した時以上の大旋風が会議場を支配する

 

恋する乙女のパワーは偉大なり

 

杏奈「う~~~~ん・・・・・これではぁ議論するだけで日が暮れてしまいますねぇ」

 

桃香「・・・・・それじゃあ、前にご主人様に教えてもらった天の世界の方法で決めない?」

 

華琳「天界の方法ですって!?」

 

華琳が興味心身に聞いてくる

 

桃香「その方法は~~・・・・・・・・・じゃんけん♪♪」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そしてその後、グーとパーの多いが勝ちよで恨みっこなしの勝負が繰り広げられた

 

流石に一人では心苦しいと思い、五人に搾られることとなった

 

その結果、デートするのは、桃香、愛紗、華琳、雪蓮、朱里に決まった

 

その他は今回のデートを裏でバックアップすることとなったのである

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

みんながデートの準備に忙しくしているところで、星は会議場で一人思い悩んでいた

 

星「・・・・・少々荒治療だが・・・・・わたしに出来ることは・・・・・これくらいだろう・・・・・」

 

星は懐からあるものを取り出し、自らの顔に押し当てた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、治療室から出てきた一刀は蜀の町を桃香、愛紗、朱里、華琳、雪蓮と共に歩いていた

 

ちなみに、桃香と愛紗はチャイナドレスを着用

 

朱里と華琳と雪蓮はそのまま

 

一刀「・・・・・ごめんなみんな・・・・・せっかく最後の日だっていうのに・・・・・俺なんかのために・・・・・」

 

桃香「ご主人様!そんなこと言っちゃ駄目!」

 

愛紗「そうです!ご主人様は楽しんでください!」

 

華琳「そうよ、このわたしが逢引しているのよ、もっと楽しそうにしなさい」

 

雪蓮「あたしは、一刀と逢引しているだけで幸せだけどね~~~♪」

 

むぎゅううううううううううううう

 

一刀「うおおおおおおい!雪蓮!」

 

後ろから抱きつき、雪蓮はその豊乳を一刀の背中に押し付ける

 

桃香「ああん!雪蓮さん!わたしも!」

 

むにゅうううううううううううう

 

一刀「おいおい!」

 

桃香は一刀の右腕を取り自分の胸を押し付ける

 

愛紗「桃香様!?わたしだって!//////////」

 

むぎゅむぎゅむぎゅむぎゅ

 

一刀「うおおおおおい!」

 

三方向からの乳攻撃に一刀の心は揺れる

 

華琳「ふふふふ♪わたしを無視してずいぶん大胆な事しているじゃない♪一刀ぉ~~~~~♪」ゴゴゴゴゴゴゴゴ

 

雪蓮「あら♪華琳も一刀に甘えればいいじゃない♪」

 

桃香「そうですよ~~♪羨ましいならそうすればいいのに~~~♪」

 

華琳「な!?べ、べ・・・・・別に羨ましくなんて!///////////」

 

朱里「はわわぁ~~~、ご主人様と逢引/////////////」

 

朱里は、一刀とデートしていると思うだけで顔を真っ赤にしていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それを様々なところから見ているのが

 

 

 

雛里「朱里ちゃん~~~~、羨ましいよ~~~~////////」

 

杏奈「皆さん羨ましいですぅ~~~~/////////」

 

柊「いいなぁ、わたしも一様と逢引したいな~~」

 

雛罌粟「うう~~~~、僕ご主人様と逢引したら、キュンキュンしっぱなしで死んじゃうかも~~~~//////////」

 

鈴々「愛紗ぁ~~~、お姉ちゃん~~~、鈴々も混ぜてほしいのだ~~~」

 

璃々「お母さん~~~、璃々もご主人様とデートしたいよ~~~」

 

紫苑「璃々、今は我慢よ♪」

 

桔梗「今回は桃香様達に華を持たせてやろうではないか」

 

焔耶「おのれお館~~~~!わたしだって桃香様にあんなことされたことないのに~~~~!」ゴゴゴゴゴゴゴゴ

 

白蓮「まあまあ、焔耶・・・・・わたしだって、一刀と逢引したいんだぞ・・・・・」

 

みい「にゃ~~~~!なんだかむかついてくるにゃ~~~!」

 

ミケ「そうだにゃそうだにゃ!!」

 

トラ「トラ達も混ぜろにゃ~~~!」

 

シャム「にゃ~~~~・・・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

路地裏から

 

 

月「へぅ~~~~~、羨ましいよ~~~、詠ちゃん~~~~~////////」

 

詠「別に、ボクは羨ましくなんて/////////」

 

雫「わたしも、一刀様と逢引したことないのに・・・・・」

 

菖蒲「一刀様~~~・・・・・」

 

恋「む~~~~~・・・・・ずるい・・・・・」

 

音々音「・・・・・なんだかむかむかしてくるのです~」

 

嵐「うぬぬぬ~~、雪蓮のやつあんなにくっつきおって~~」ゴゴゴゴゴゴゴゴ

 

零「おのれぇ~~~~!孔明ぇ~~~~~!」ゴゴゴゴゴゴゴゴ

 

時雨「旦那様ぁ~~~~」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

 

麗羽「な~~んだか面白くありませんわね・・・・・」

 

斗詩「わたしも、ご主人様と逢引してみたいなぁ・・・・・」

 

霞「にゃははは♪ウチは一刀とデートしたことあるからかまへんけどな~~♪」

 

猪々子「おおう♪いい雰囲気じゃないの♪」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

屋根の上から

 

 

 

小蓮「むぅ~~~~・・・・・一刀とデートするのは妻の特権なのにぃ~~~」

 

蓮華「小蓮、慎みなさい」

 

思春「そうです、ここは雪蓮様に譲るべきです」

 

穏「流石にデートしたことのある人達は余裕がありますね~~♪」

 

蓮華「な!?何を言って!?//////////」

 

思春「穏!余計なことを言うな!///////////」

 

冥琳「ふふふふ♪蓮華様も思春もずいぶんと丸くなったものだ♪」

 

明命「はうあぅ~~~、羨ましいですぅ~~~/////////」

 

亜莎「あうううううう、一刀様とデート・・・・・いいな~~~~////////」

 

純夏「あたしだって・・・・・一刀と逢引・・・・・・デートしたいのに・・・・・/////////」

 

祭「純夏もずいぶんと変わったの~~♪」

 

百合「うふふふ~♪朱里~♪頑張りなさい~♪」

 

美羽「七乃ぉ~~~、彩ぁ~~~、わらわも混ざりたいのじゃ~~~」

 

七乃「ああん♪一刀さんとデートしたくて瞳をウルウルさせている美羽様も可愛いです~~♪きゃ~~♪」

 

彩「美羽様、ここは我慢ですよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

真後ろから

 

 

 

桂花「まったく、あんな色欲の権化が華琳様と逢引するなんて世界が百万回滅んでもまだ早いわよ」ゴゴゴゴゴゴゴゴ

 

風「まったく~、お兄さんもしょうのないやろ~だぜ~」

 

稟「はぁぁ・・・・・ぁぁぁぁ・・・・・・この後一刀殿達は、この都に存在するあらゆる遊戯を満喫し、そして城に帰り甘く優雅なぶーーーーーーーーーー!!!」

 

春蘭「北郷ぉ~~~~、華琳様ぁ~~~~、わたしも加わりたいにゃ~~~、寂しいにゃ~~~」

 

秋蘭「はぁ~~~~、姉者は可愛いなぁ~~~~/////////」

 

季衣「いいな~~~、華琳様~~~」

 

流琉「兄様、わたしも兄様とデートを・・・・・(ポ)////////」

 

悠「華琳のやつもだいぶ丸くなってるな~~♪」

 

翠「くぅ~~~~、あたしもご主人様とデートしたいのに~~」

 

蒲公英「お姉様もだいぶ素直になってきたね♪おば様♪」

 

葵「ああ♪前のお堅い翠が嘘のようだぜ♪」

 

聖「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」(じ~~~~~~~~~~~~~~~)

 

凪「いいな~~~・・・・・・隊長~~~・・・・・////////」

 

沙和「凪ちゃん、恋する乙女をしてるの~~」

 

真桜「そらしゃ~ないやろ、ウチかて隊長と逢引できるっつったら飛び上がって喜ぶで」

 

天和「ああ~~ん!わたしも一刀とデートしたい~~~!」

 

地和「ちぃだって~~~!」

 

人和「姉さん達!声が大きい!」

 

除栄「まさに隊長は男の中の男です!」

 

張済「両手に花どころではありません!兄上!」

 

村長「まさに英雄の鏡じゃの~~~~、一刀殿は~~~~~」

 

華佗「一刀・・・・・お前ってやつは、どこまで罪深いやつなんだ・・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

尾行しているんだけど尾行する気はさらさらない一同がいた

 

道行く人も、三国を代表する将軍達がわけの分からない行動を取っていることに戸惑っていた

 

 

 

 

市民の考えることはこれ一つだろう

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                      『駄目だこいつら、早く何とかしないと』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そうして一刀達が並んで通りを歩いていると

 

子供1「あははははは♪ボクは花蝶仮面だぞ~~~~~♪」

 

子供2「ボクだって華蝶仮面だ~~~い♪」

 

一刀「?・・・・・華蝶仮面?」

 

子供達がなんだか趣味の悪いマスク?をしながら遊んでいる光景があちらこちらに窺える

 

華琳「これは、何かの催しの余剰効果なのかしら?」

 

愛紗「そんなものではない、これは我らが蜀に来た時から現れた義賊と名乗る悪党の悪い影響だ」

 

雪蓮「義賊?」

 

桃香「うん♪華蝶仮面っていう正義の味方だよ♪」

 

華琳「正義の味方ですって?」

 

通りの店にも、華蝶仮面飴やら、花蝶仮面煎餅やら、様々な華蝶仮面グッズが並んでいた

 

朱里「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

朱里は、これらの光景を見て憂鬱な表情をしていた

 

一刀「?・・・・・どうしたんだ朱里?具合が悪いのか?」

 

朱里「はわわ!?そ、そんなことありませしぇん!」

 

一刀「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

雪蓮「それにしても、義賊ってことは、そいつは一刀に近い存在かもしれないわね」

 

愛紗「な、なんだと!?」

 

華琳「そうね、伝説の山賊狩りも今では義賊に近い扱いになっているしね」

 

愛紗「ご主人様をあのような輩と一緒にしないでいただきたい!」

 

一刀「その通りだ!」

 

愛紗「ご主人様ぁ♪」

 

一刀「俺は、人に誇れるようなことなんて何一つやっていない・・・・・」

 

愛紗「・・・・・ご主人様?」

 

一刀「どんなに義賊呼ばれ様と、どんなに天の御遣いとして祭り上げられようと・・・・・俺のやってきたことは、どこまでいこうとただの人殺しでしかないんだ・・・・・」

 

桃香「ご主人様ぁ・・・・・」

 

一刀「そんな俺に比べたら、その華蝶仮面の方が遥かにいい・・・・・」

 

朱里「・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

一刀「俺を英雄だなんて呼ぶな・・・・・俺を義賊だなんて呼ぶな・・・・・俺を・・・・・英雄王だなんて・・・・・呼ばないでくれ・・・・・」

 

一同「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

デートの最中だというのに、場に暗い雰囲気が漂う

 

そんな時

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

???「は~~~~~っはっはっはっは!!は~~~~~っはっはっはっはっは!!」

 

一刀「え?」

 

華琳「ええ!?」

 

雪蓮「なによ、この馬鹿みたいな高笑いは」

 

一同が声のした方向を見ると、そこには

 

???「乱世を収めるために、すすり泣く民草を救うために、気高き蝶が今舞い降りる!」

 

一刀「・・・・・は?」

 

???「ある時はメンマ好きの旅の武芸者、またある時は露天風呂に花を添える謎の美女、しかしてその実態は・・・・・」

 

一刀「・・・・・なんだ?」

 

華蝶「美と正義の使者!華蝶仮面!推参!!」

 

屋根の上にばっちりと決めポーズをきめ、蝶の仮面を付けた謎(バレバレ)の人物が立っていた

 

一刀「・・・・・なにやってるんだ?s・・・」

 

愛紗「出たな!蜀の都を荒らす狼藉者め!」

 

焔耶「義賊だかなんだか知らないが、それもこれまでだ!」

 

鈴々「今日こそ鈴々が捕まえてやるのだ!」

 

一刀「・・・・・は?」

 

謎(ミエミエ)の人物が現れた途端、尾行していた一同が一斉に出てくる

 

璃々「あ~~~~♪華蝶仮面様~~~~~♪」

 

子供「華蝶仮面様だ~~~~♪」

 

町娘「きゃ~~~~~♪華蝶仮面様~~~~♪」

 

町人「よっ!待ってました!華蝶仮面!!」

 

仮面を付けた人物の登場により、民衆はお祭り騒ぎになる

 

華琳「あの変態は誰なのよ?わたしは、あんなのの存在を許昌では絶対に許さないわよ」

 

雪蓮「ちょっとなによあのダサダサの仮面は、いくらなんでも趣味悪すぎよ、顔を見てみたいわ」

 

一刀「あの~~、もしも~~~し・・・・・」

 

純夏「悠、あんたあいつの正体に心当たりある?」

 

悠「い~~~や、まったく見当も付かん、菖蒲はどうだ?」

 

菖蒲「すみません、まったく分かりません・・・・・明命さん、思春さん、何か知っていますか?」

 

明命「・・・・・すみません、今まで見たことも聞いたことも無いので・・・・・」

 

思春「ああ・・・・・あんな気配は今まで感じたことが無い」

 

一刀「・・・・・何を言っているんだ?」

 

蓮華「何者なの?」

 

小蓮「ちょっと!いきなり出てきてかっこつけちゃって!誰なのよ!?」

 

祭「ワシもあのような輩は初めてじゃ・・・・・」

 

翠「あたしも見たことがないな・・・・・」

 

蒲公英「誰かに似ているよう泣きがするけど・・・・・誰だっけ?」

 

葵「この気配・・・・・知っているやつの誰にも該当しないからな・・・・・気のせいじゃないのか?」

 

一刀「・・・・・マジで言ってるのか?・・・・・みんな」

 

皆の口調はとても嘘とは思えない

 

どこかにドッキリのカメラがあるなんてことはこの時代ではありえないし

 

柊「一様!武器を持ってください!」

 

雛罌粟「どうぞ!ご主人様!」

 

柊と雛罌粟は忠久と金剛刀を一刀に渡した

 

一刀「ああ・・・・・ありがとう・・・・・なぁ、二人共」

 

柊「はい?なんでしょうか?」

 

一刀「二人は、分からないのか?あいつの正体が」

 

雛罌粟「すみません、僕達も独自に調べているのですが・・・・・」

 

柊「はい、まったく手がかりなしなんです・・・・・」

 

一刀「・・・・・・・・・・」

 

嘘を言っているようには見えない雰囲気だ

 

凪「なんなんだ?あいつは」

 

真桜「噂には聞いとったけど、なにもんなんやろうな~~」

 

沙和「でもでも~、なんだか新しい意匠になりそうなの~~♪」

 

除栄「只者ではないことだけは確かですね・・・・・」

 

張済「ああ、用心しよう」

 

一刀「・・・・・頭大丈夫か?おまえら・・・・・」

 

麗羽「なかなか華麗で優雅なお人ではありませんか~~♪」

 

斗詩「何者なのでしょう?」

 

猪々子「面白いやつだな~~♪」

 

百合「あらあら~♪あの人が華蝶仮面さんですか~♪」

 

美羽「おお~~~~♪かっこいいのじゃ~~~♪」

 

七乃「美羽様~~♪真似してはいけませんよ~~♪」

 

彩「なかなかの手垂れだな、何者なんだ?」

 

聖「俗世には、このような者もおるのか~~」

 

華佗「おいおい、なかなかの手垂れだぞ、こいつは」

 

村長「蜀の都は面白いですな~~」

 

一刀「(お前ら馬鹿なのか?)」

 

春蘭「おいそこから降りてこい!華琳様の楽しみのを邪魔をする不届き者め!!」

 

秋蘭「そのふざけた仮面を剥ぎ取って、素顔を白日の元に晒してくれる!」

 

季衣「でも、かっこいいかも♪」

 

流琉「季衣・・・・・それ本気で言っているの?」

 

一刀「(おいおい、見て分からないのか?みんな)」

 

朱里「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

一刀は、隣で残念そうな顔をしている朱里に尋ねてみた

 

一刀「・・・・・なぁ、朱里」

 

朱里「聞かないで下さい・・・・・」

 

一刀「いや、だってあれ・・・・・」

 

朱里「聞かないで・・・・・」

 

一刀「どう見てもあれ・・・・・」

 

朱里「お願いですから聞かないで~~~~~!!」

 

一刀「・・・・・・・・・・」

 

朱里は気付いているようだ

 

雛里「ご主人様、聞かないであげてください」

 

杏奈「朱里さんも目の前の現実を認めたくない時はあるんですよぉ」

 

一刀「・・・・・はい・・・・・」

 

どうやら雛里と杏奈も気付いているみたいだ

 

穏「む~~~~、皆さんどういうおつもりなんでしょうね~~」

 

亜莎「あれって、どう見ても・・・・・」

 

冥琳「蜀を代表する将軍があんなことをしていていいのか?」

 

桂花「ちょっと、どういうつもりなのよ?」

 

風「まぁなんというか、星ちゃんらしいですね~~」

 

稟「星・・・・・あなたという人は・・・・・」

 

よかった、ちゃんと分かっている人もいるようだ

 

一刀「・・・・・なぁ・・・・・雫、零・・・・・」

 

雫「はい・・・・・どういうつもりなんでしょう・・・・・皆さん・・・・・」

 

零「あんなの、変装のへの字にも入りませんよね・・・・・」

 

一刀「だよな・・・・・時雨、月、詠・・・・・」

 

時雨「何かの余興なんでしょうか?」

 

月「ええ・・・・・あれってどう見ても・・・・・」

 

詠「何ふざけてんのよ、茶番もいいところよ」

 

一刀「俺もそう思う・・・・・なぁ桃香、どうなっているんだ?」

 

桃香「あれはね♪美と正義の使者、華蝶仮面様なんだよ♪よく悪いことをする人達を懲らしめてくれているんだよ♪」

 

一刀「・・・・・・・・・・」

 

紫苑「ご主人様、どうかこの場は何も言わないであげて下さい」

 

桔梗「ここは一つ、余興と思いまして」

 

一刀「あ・・・・・ああ・・・・・」

 

愛紗「せーーーーーーーーーーーーーーーい!!!」

 

鈴々「うりゃりゃりゃりゃりゃーーーーーーーーー!!!」

 

焔耶「どっせーーーーーーーーーーーーーーい!!!」

 

雪蓮「やぁっっっっ!!!」

 

ブンッ!!!シュババババ!!!ブオオオオオン!!!シュビッ!!!

 

四人が一斉に攻撃を仕掛けるも

 

華蝶「は~~~~~っはっはっはっは!!お主ら程度の腕ではこのわたしには掠りもしないぞ!!」

 

愛紗「くっ!なんて速さだ!」

 

鈴々「くっそ~~~!なんだか前より強くなっているのだ!」

 

焔耶「このわたしの攻撃をここまで見事にかわすとは!」

 

雪蓮「ちょっと!?こんなやつがいるの!?」

 

華蝶仮面は、四人の攻撃をいとも簡単に交わし、再び華麗に屋根の上に舞い戻った

 

華蝶「わたしが用があるのはお主等ではない!そこの英雄王!貴殿にだ!」

 

一刀「って!?俺ぇ!?」

 

霞「ちょ~~~~~と待ったぁ!!!」

 

嵐「誰だか知らないが、一刀に手を出すことは許さんぞ!!!」

 

菖蒲「一刀様!わたし達の後ろに!」

 

恋「ご主人様には、指一本触れさせない」

 

天角の誇る4人の武将達が華蝶仮面の前に立ち塞がる

 

しかし

 

一刀「ちょっと待った!」

 

霞「一刀?」

 

恋「ご主人様?」

 

一刀「あいつが用があるのは俺なんだろう?だったら俺が前に出るのが筋だ」

 

嵐「おい一刀!危険だ!」

 

菖蒲「はい・・・・・この人、強いです」

 

一刀「大丈夫、確かに今の俺は弱くなっちまったけど、それでも戦えないというわけじゃないからさ」

 

霞「・・・・・わかったで」

 

嵐「・・・・・承知した」

 

菖蒲「・・・・・はい」

 

恋「・・・・・(コク)」

 

そして、一刀は4人を制して前に出た

 

華蝶「ふむ、流石英雄王をと呼ばれるだけある!その胆力や見事!皆々も安心めされよ!わたしは一戦やりに来たわけではない!」

 

一刀「で、その美と正義の使者が何の用なんだ?」

 

華蝶「うむ、まずはこの国の乱世を鎮めていただいた事、感謝する」

 

一刀「・・・・・俺は何もしていないよ・・・・・・」

 

華蝶「・・・・・どうやら、噂通りのお人らしい・・・・・あまりに損な性格、あまりに不器用・・・・・」

 

一刀「その通りだから否定しないよ・・・・・それで、そんなことを言うためにわざわざ来たんじゃないだろう?」

 

華蝶「その通り・・・・・どうやらあなたは、時々悪夢にうなされているようですな」

 

一刀「・・・・・そう・・・・・だな」

 

華蝶「今まで多くの賊を討ってきた反動ですかな?」

 

一刀「そう・・・・・なんだろうな・・・・・」

 

華蝶「いいえ!違います!!」

 

一刀「っ!!?何が違うって言うんだ?」

 

華蝶「確かにそれもあるでしょうが、主な原因はそれではない!」

 

一刀「それなら何が原因だって言うんだ?」

 

華蝶「原因は、貴殿自身にある!貴殿が自分自身を許していない、そして自分自身を憎んでいる!だから貴殿は悪夢を見るんです!!貴殿も本当は分かっているんでしょう!?自分が悪夢を見る原因が己の心にあることに!」

 

一刀「・・・・・・・・・・」

 

華蝶「貴殿は、そろそろ自分を許すべきだ!それができなければ、貴殿は今後一生このようなことを繰り返すことになるのですよ!」

 

一刀「・・・・・悪いが、それは出来ない相談だ」

 

華蝶「何故でありますか!?貴殿が自分を責めるいわれはない!」

 

一刀「これは俺の戒めだ、今まで散々自分勝手なことをしてきたからな・・・・・これも因果応報・・・・・自業自得というものだ」

 

華蝶「何故貴殿はそうなのですか!?貴殿のしてきた行いは自分勝手なことでは決してない!むしろ自分の身を削り、世のため人のために尽くしてきた立派な行いです!」

 

一刀「そんなものは言い訳、正当化だ・・・・・もしかしたら、もっと別のやり方があったかもしれないんだ・・・・・それを考えずに、自分の価値観だけで良い人悪い人を区別して悪いと思った人達を一方的に斬ってしまった・・・・・その人達にだって、養うべき家族や仲のいい友達がいたはずなのに・・・・・俺のやってきたことは、どこまで行こうともただの人殺しでしかない」

 

華蝶「ならば貴殿は、自分は何時死んでもかまわない、何時何処で誰に殺されようと自分には文句を言う資格はない・・・・・そう思っているんですか!?」

 

一刀「・・・・・ああ」

 

桃香「ご主人様!!?」

 

雪蓮「一刀!!?」

 

華琳「何を言っているの!?一刀!?」

 

時雨「な、なんてことを言うんですか!?旦那様!?」

 

雫「一刀様!!そんなことを言わないで下さい!!」

 

零「一緒に夢を見ようと言ったじゃないですか!?ご主人様!」

 

霞「一刀!?なんてことを言うんや!!?」

 

恋「ご主人様!死なないで!」

 

一刀の言葉を皮切りに、三国の将達が一斉に一刀に群がる

 

華蝶「見なさい!貴殿は、これだけの人々に慕われているのです!なのに貴殿は、自分は何時死んでもいいなどと平気で言う!これこそ自分勝手なことだと思わないのですか!?」

 

一刀「・・・・・俺は、自分が斬ってきた人達からすれば憎しみの対象でしかない、俺は本来ならこんなところにいるべき人間じゃない、何処かで野たれ死んでいるのがお似合いな奴なんだ」

 

蓮華「そんな・・・・・一刀ぉ・・・・・」

 

小蓮「妻の前でそんなこと言うなんて!どういう神経しているの!?」

 

菖蒲「そんなことありません!一刀様!」

 

冥琳「一刀!それを言うならわたし達だって同じことだ!」

 

一刀「・・・・・・・・・・」

 

華蝶「今の貴殿は、死に場所を探しているようにしか見えないのだ!!」

 

一刀「・・・・・・・・・・」

 

華蝶「これだけ言ってもまだ分りませぬか?・・・・・ならば致し方なし」

 

一刀「っ!!?」

 

ガキーーーーーーーン!!

 

華蝶仮面は、自身の槍で一刀に突きかかる

 

一刀は、とっさに忠久を抜きそれを迎撃する

 

華蝶「なんであるか?ちゃんと受けることが出来るではないか?てっきり何もせずにそのまま死ぬようなへたれだと思っていましたが、安心しましたぞ」

 

一刀「ぐっ!」

 

華蝶「今日は一戦しに来たつもりはありませんが、分からず屋の貴殿には力ずくで解らせるしかありませんな」

 

桃香「ちょっ!!?華蝶仮面様!!?」

 

嵐「貴様!!どういうつもりだ!!」

 

霞「一刀に手ぇ出すなんて!!覚悟できてるんやろうな!!」

 

紫苑「待って!霞ちゃん!」

 

霞「ちょっ!紫苑!なんで止めるんや!?」

 

桔梗「嵐も少し落ち着け!」

 

嵐「離せ桔梗!あんなふざけたやつは我が戦斧の錆にしてくれる!!」

 

桔梗「なにもあやつは、お館様を殺しに来たのではない!」

 

紫苑「そうよ!霞ちゃんや嵐ちゃんも分かっているでしょ!?ご主人様をこのままにはしておけないって!?」

 

霞「・・・・・・・・・・」

 

嵐「・・・・・・・・・・」

 

桔梗「みなも手出し無用だ!お館様のことを考えておるならな!!」

 

「・・・・・・・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カアーーーーーーーーーン!!キイン!!キィン!!バチーーーーーーーーーン!!!

 

華蝶「どうした!!そんな弱腰では鼠一匹斬れないぞ!!それでも天の御遣いと呼ばれるほどの男か!!」

 

キイーーーーーーーーーーン!!ガキーーーーーーーーーーン!!カアーーーーーーーーーーン!!

 

一刀「(おいおい!?本当に星なのか!?強さの質が段違いだぞ!)」

 

街中での華蝶仮面と天の御遣いの死闘

 

華蝶仮面が一刀を一方的に押していく

 

ガキーーーーーーーン!!!カアーーーーーーン!!!バアーーーーーーーン!!!カアーーーーーーーーン!!!

 

一刀「(くそっ!!なんだか皆が星と気付かない理由が分かってきた気がする!!)」

 

それくらい星の強さは、一刀の知っているそれとは段違いだった

 

キイン!!キイン!!ガキーーーーーーーーーン!!カアン!!バチーーーーーーーーーーーーン!!!

 

華蝶「そらそらどうした!!?英雄王ともあろう人が情けない!!」

 

ガキーーーーーーン!!!カアーーーーーーン!!!バアーーーーーーーン!!!カアーーーーーーーン!!!

 

一刀「(そうか分かった!!自己暗示か!!それで星のやつ、ものすごく感覚が研ぎ澄まされているんだな!)」

 

華蝶仮面になりきるために、自分が華蝶仮面だと心の底から思い込む

 

それが強さと、さらには気配を変える結果となっているのだと一刀は気付いた

 

ガキーーーーーーーン!!キイーーーーーーーン!!カアーーーーーーーン!!ガアーーーーーーン!!シュバッ!!

 

華蝶「はあああああああ!!どうした!!?受けてばかりではつまらないぞ!!それとも貴殿は、攻撃する勇気も無い臆病者か!!?」

 

バチーーーーーーン!!ガアーーーーーーン!!カアーーーーーーーーン!!ギュイン!!カアーーーーーーーーン!!

 

一刀「くぅっ!!・・・・・そうだな・・・・・俺は臆病者だ・・・・・」

 

華蝶「・・・・・どうやらもっと強く攻めたほうがよさそうですな・・・・・はああああああああああああああ!!!」

 

ギャアーーーーーン!!ヒュンヒュンヒュン!!ギイーーーーーーン!!バチーーーーーーン!!ガキーーーーーーーン!!

 

華蝶仮面の攻撃はさらに強さと速さを増していく

 

一刀「ぐおっ!くっ!つぅっ!!うわっ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

璃々「お母さん~~なんでご主人様と華蝶仮面様が戦っているの~~?」

 

紫苑「・・・・・・・・・・」

 

周りの者達も、天の御遣い北郷一刀に攻撃を仕掛ける華蝶仮面を信じられない目で見るものや、罵声を浴びせるものまで出てきた

 

璃々「華蝶仮面様は正義の味方なんだよね~~~?だったらご主人様と仲がいいんじゃないの~~?」

 

紫苑「・・・・・璃々」

 

腰を落とし、紫苑は璃々を優しく抱きしめてあげた

 

紫苑「華蝶仮面様はね、ご主人様のためにしているのよ」

 

璃々「ご主人様のため~?」

 

紫苑「そうよ・・・・・ご主人様のために自分が悪者になることも覚悟でああしてくれているのよ」

 

璃々「・・・・・・・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガキーーーーーーーーン!!キイーーーーーーーーン!!シュバッ!!!

 

カアーーーーーーーン!!ヒュンヒュンヒュン!!ガアーーーーーーーーン!!

 

華蝶「そうやって自分を責めれば、問題が解決するとお思いか!!?それこそ自惚れと言うものですぞ!!」

 

バチーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!!!!

 

一刀「ぐあっ!!!」

 

華蝶仮面の攻撃に付いていけず、とうとう一刀は忠久を飛ばされてしまい一旦距離を取った

 

華蝶「まだ背中の獲物が残っているでしょう!?まだ終わりではありませんぞ!!」

 

一刀「・・・・・っ」

 

スラーーーーーーーーーン

 

一刀はゆっくりと龍滅金剛刀を抜く

 

華蝶「そう、それでいい・・・・・参る!!」

 

ギュイン!!カアーーーーーーーーーーン!!ガアーーーーーーーーン!!カアーーーーーーーーン!!

 

一刀「っ!くっ!くあっ!」

 

華蝶「動きにきれが無いぞ!!せっかくの大陸最強の剣も使い手がそれでは宝の持ち腐れなり!!」

 

ギャアーーーーーーーン!!ギイーーーーーーン!!バチーーーーーーーーン!!

 

ヒュンヒュンヒュン!!ガキーーーーーーーーーン!!

 

一刀「くっ!!ちっ!!」

 

ガキーーーーーーーーーーーーーン!!

 

華蝶仮面の攻撃が速すぎるため一刀は金剛刀を盾にし側面で槍の切っ先を受ける

 

華蝶「・・・・・ふんっ」

 

グイッ

 

一刀「うおっ!?」

 

しかし、華蝶仮面は金剛刀を受け流すようにして一刀の防御を崩す

 

華蝶「はあっ!!」

 

一刀「ちぃっ!!」

 

バチーーーーーーーーーーン!!

 

防御を崩され、体勢が乱れた一刀の背中に華蝶仮面の突きが襲うが、一刀はそれを何とか受けきる

 

華蝶「防御はなかなかだが、それだけでは勝てぬぞ!!」

 

一刀「くっ!はぁっ!!」

 

ガキーーーーーーーーーーーーーーン!!!!

 

華蝶「っ!!!」

 

この死闘での一刀の初めての攻撃

 

この一撃により、龍牙には大きな切れ込みが入った

 

華蝶「ほほう、やれば出来るではないか・・・・・ではこれはどうかな!!?」

 

ヒュンヒュンヒュン!!バチン!!ガキン!!ギュイーーーーーーーン!!ギャイーーーーーーーーン!!

 

一刀「くっ!ぐぅっ!うおっ!?」

 

華蝶仮面は突きだけを使わず、石突や斬撃、蹴りや当身なども織り交ぜてきた

 

華蝶「はいはいはいはいはいーーーーーーーーーーーーー!!!」

 

ガキーーーーーーン!!カアーーーーーーーン!!ガキーーーーーーン!!カアーーーーーーン!!キイーーーーーーーン!!

 

かと思いきや、今度は力任せの攻撃に移る

 

バチーーーーーン!!ゴキーーーーーン!!キイーーーーーーン!!

 

バチーーーーーン!!ガキーーーーン!!カアーーーーーーーーン!!

 

一刀「っ!!!くそっ!!!」

 

何とか華蝶仮面の攻撃を振り払い攻撃に移る一刀

 

しかし

 

華蝶「甘い!!!」

 

ガキン!!!

 

一刀「なにっ!!?」

 

龍滅金剛刀の斬撃は、まるでソードブレイカーのように龍牙の間に挟まれその威力を封殺される

 

華蝶「~~~~~~~っ!!せいりゃっ!!!」

 

一刀「うおおおおおおおお!!?がっ!!」

 

一刀は、金剛刀を龍牙に挟まれたまま振り回わされる

 

そして、華蝶仮面は体ごと龍牙を捻らせ金剛刀を一刀の手から離れさせる

 

ドスッ!

 

金剛刀は数回回転し地面に突き刺さった

 

華蝶「これでしまいだ!!」

 

一刀「くっ!」

 

華蝶仮面はこれが最後の攻撃といわんばかりに龍牙を振るう

 

しかし

 

シュンシュンシュンシュンシュン!!

 

星「(ぬっ!流石に身軽になった主は速いですな!)」

 

金剛刀という重装備を捨てた途端、星の攻撃は空を切り始めた

 

星「(だが、わたしも伊達に今まで主の動きを見てきたわけではありませぬぞ!!)」

 

シュババババ!!!シュンシュンシュン!!シュビビビビビ!!!

 

一刀「ふっ!はっ!しっ!」

 

華蝶仮面の動きに慣れてきたのか、余裕を持って交わすことが出来てきた一刀

 

一刀「(星・・・・・いったいなんのつもりなんだ?)」

 

未だに星の思惑が分からず混乱する一刀

 

しかし、そんな心の迷いを華蝶仮面は見逃さなかった

 

華蝶「はあっ!!!」

 

バシッ!!

 

一刀「なっ!!?」

 

今まで上半身しか攻撃してこなかった華蝶仮面がいきなりの足払い

 

ドサッ!

 

一刀「くうっ!」

 

上半身に意識が行き過ぎていて足払いをもろに食らってしまった一刀はそのまま転倒する

 

華蝶「これで詰めだ!!」

 

一刀「っ!!」

 

バシッ!!

 

華蝶「むっ!!?」

 

転倒し動きが乱れた一刀に華蝶仮面が追撃を仕掛けるが、一刀は白刃取りで龍牙の軌道を逸らす

 

一刀「~~~~~~~~~っ!!」

 

華蝶「~~~~~~~~~っ!!」

 

そうして、暫らくの間両者の力勝負が続く

 

華蝶「・・・・・それで、これほどやっても貴殿は気付かないのか?」

 

一刀「え?・・・・・」

 

華蝶「貴殿がそうやって自身を攻めるほど、あなたを慕っている人達もまた傷ついているということに!?」

 

一刀「・・・・・・・・・・」

 

華蝶「あなたの行ってきたことは、決して罪ではない・・・・・むしろ人に誇るべき立派な行いだと何故気付かないんですか!!?」

 

一刀「・・・・・俺は立派なことなんてしていない、俺がもっとしっかりしていれば、誰も死なせないですんだかもしれないんだ」

 

華蝶「ならば貴殿は、賊に襲われる民達を見捨てて、その場を去ることが出来たのですか!!?」

 

一刀「っ!!?そんなことできるはずがない!!」

 

華蝶「ならば貴殿は、その時暴徒と化した賊達を、武器を持って向かってくる賊達をただの一人も殺さずに民達を守ることが出来たのか!!?」

 

一刀「・・・・・できない」

 

華蝶「その通り!できるはずがない!なぜなら、貴殿は神ではない!ただの一人の人間でしかないからだ!!」

 

一刀「・・・・・・・・・・」

 

華蝶「そんな一人の人間に出来ることなど高が知れている!!それなのに貴殿は、やれ人を殺してしまった!やれ自分は罪人と言う!自惚れるのも大概にしろ!!」

 

愛紗「おい!!貴様こそ勝手なことを抜かすな!!!」

 

桃香「そうだよ!!ご主人様がどれほどの思いでいるか、華蝶仮面様は知らないからそんなことが言えるんだよ!!」

 

華蝶「ならばお主達は分かっているというのか!!?この御仁の気持ちが!!?お主達の我侭のために悪夢にうなされるこのお方の気持ちが!!?」

 

愛紗「・・・・・・・・・」

 

桃香「・・・・・・・・・」

 

華蝶「そして英雄王よ、お主だけではないのだ!自身の手を汚している人間は!!」

 

一刀「~~~~~~~~っ、俺を・・・・・英雄王なんて呼ぶな・・・・・」

 

華蝶「これだけ言ってもまだ納得できぬか?・・・・・ならば貴殿は、この大陸にいる全ての将達に人を殺した罪を償うために全員死ねと言うのだな!!?」

 

一刀「っ!!?そんな事・・・・・」

 

華蝶「そう言っている事と同じですぞ!!貴殿の仰っている事は!!!」

 

一刀「・・・・・・・・・」

 

華蝶「貴殿の世界にも、貴殿の国にも居たのでしょう!!?国をまたにかけ一斉を風靡した英雄や英傑達が!!いなかったとは言わせませんぞ!!」

 

一刀「・・・・・・・・・」

 

いる

 

織田信長      武田信玄     上杉謙信      伊達政宗

 

戦国時代に留まらず、その他にも数え切れないほどの英雄と呼ばれる者達がいる

 

華蝶「その者達は、自分達の身を守るために!乱世を生き延びるために!己が力を誇示するために!勢力を拡大するために!野心のために!天下を手に入れんがために!時には非道なことをしてきたのではないのか!!?どうなのだ!!?」

 

一刀「・・・・・・・・・」

 

やっている

 

織田信長が本願寺の勢力拡大を防ぐために、二万人の門徒を焼き殺したこと

 

武田信玄が川中島の戦で安曇の小岩嶽城、佐久の志賀城、小県の和田城の城兵は皆殺しにし、老人や女・子供を捕虜にしたこと

 

上杉謙信が上杉家の老臣黒田秀忠が長尾氏に対して謀反を起こした際、黒田一族を皆殺しにしたこと

 

伊達政宗が小手森城主・大内定綱が二本松城主・二本松義継と手を組み、田村氏の支配から脱却し、政宗に対抗しようとした敵の討伐の際に、降伏を認めないことを理由に徹底した粛清を行ったこと

 

徳川家康が鐘のでっちあげて豊臣一族を死に追いやったこと

 

戦国時代だけではない

 

平安時代末期、源頼朝が自分の権力ほしさに北条政子のいいなりになって、従兄弟の源義仲、義経を死に追いやったこと

 

南北朝時代、皇室が南北に別れお互いに覇権争いをしたこと

 

一刀の時代では考えられないことが、昔は当たり前のように行われていたのだ

 

日本だけではない

 

ヨーロッパでは、アレクサンダー大王    十字軍     ナポレオン

 

現代で言えばおとぎ話の世界だが、当時彼らを憎んでいた人がどれほど居たというのだろう

 

正直言って想像も付かない

 

華蝶「貴殿にとって、それらの英雄達はただの人殺し、ただの犯罪者、ただの気の狂った大量殺戮者なのですか!!?」

 

一刀「・・・・・・・・・・」

 

そんなことがあるはずがない・・・・・あるはずが無いと信じたい

 

しかし、同じ時代を生きていた人達からしてみればどうだ?その戦いに理不尽に巻き込まれた人々の立場から考えればどうだ?

 

戦争をして一番の大迷惑を被るのは、そこに普通に暮らしている人達だ

 

勝手に自分達の領土を侵略され、親兄弟友達を殺され、人生を奪われ、狂わされる絶望感

 

その人達から見た各国の指導者達は、ただの憎しみの対象でしかないはずだ

 

そんな人物達が後の世では何の罰も受けずに英雄としてもてはやさせる?

 

自分がその理不尽に巻き込まれた人々の立場なら『ふざけるな!!!!』と声を張り上げて言うだろう

 

現代人の感覚から言えば、これらの人物達は何度死刑になっても有り余る人物ばかりだ

 

だが、現代からすればそれは過去のものであり、小説や映画、古典の中の話でしかない

 

幕末でさえ古典だと言う人もいるだろう

 

現代日本では、腰に刀をさして白昼堂々道路を歩いている人なんていないんだから

 

刀で人を斬ることそのものが前時代的となった現代

 

しかし、これは150年前までは当たり前に行われていたことだ

 

ならば、それを行っていた侍達はみんな狂っていたのか?

 

それは違うだろう・・・・・いや、違うと思いたい・・・・・

 

華蝶「我らにも同じ英雄がいます!太公望!劉邦!項羽!始皇帝!これらの人物達も己の理想を目指し、それを実現するために多くの人々の命を奪ったことでしょう!だからといって彼らはただの人殺しだったのですか!!?」

 

一刀「・・・・・・・・・・」

 

華蝶「そもそも貴殿は、歴史とはなんだと思いますか?」

 

一刀「え?」

 

そう言いながら華蝶仮面は槍を持つ手から力を抜く

 

それを感じ取った一刀も槍を手放した

 

華蝶「歴史とは人であり、歴史とはあなたなんだ・・・・・真実だとか真相だとか絶対とか完璧とか、そんなものは空想の産物だ」

 

一刀「・・・・・・・・・・」

 

華蝶「歴史なんてものは、捏造の塊、ただ自分達の都合のいいように作られただけの代物でしかないのだ、そんなものに真実やら真相やらを求めて何になる・・・・・そもそも誰も信じていないし、誰も信じたくもないものだ」

 

一刀「・・・・・・・・・・」

 

華蝶「わたしが望むのは唯一つです・・・・・貴殿がただ貴殿で、自分がただ自分自身であることです・・・・・他人の知る歴史は全て嘘だが、貴殿の知る貴殿自身の歴史は・・・・・決して嘘ではないのです」

 

一刀「・・・・・わかった・・・・・俺の歴史に対する答えが・・・・・」

 

華蝶「では・・・・・聞かせていただきましょうか・・・・・貴殿の歴史に対する答えを」

 

一刀「歴史というのは・・・・・・物語・・・・・・それ以上でも以下でもない」

 

華蝶「・・・・・・・・・・」

 

一刀「仮に俺がここで・・・・・華蝶仮面・・・・・君に殺されたとしても、それも一つの物語でしかない」

 

桃香「そんな!!?ご主「だけどな!!」・・・・・・・・・・」

 

一刀「こんな俺にも、一つだけ望みがある」

 

華蝶「・・・・・それはなんでしょう?」

 

一刀「この命が尽きるまで、みんなと一緒に居ることだ・・・・・俺のようなやつに、こんなささやかな願いさえ言うことも許されないと思う・・・・・この先、罪を償う時が来てそれがどんな形であろうとも受け入れることも変わらない」

 

華蝶「・・・・・・・・・・」

 

一刀「それでも・・・・・俺は、その時が来るまでみんなと一緒にいたいんだ」

 

愛紗「・・・・・ご主人様ぁ////////」

 

凪「隊長ぉ////////」

 

蓮華「一刀ぉ/////////」

 

一刀「華蝶仮面・・・・・・君のおかげで、俺は自分の願いを思い出すことが出来た・・・・・そして、自分がどれだけ氣に頼り過ぎていたかそれを思い知らされた・・・・・・ありがとう」

 

一刀はとても晴れ晴れとした表情で、華蝶仮面に向かって頭を下げた

 

華蝶「・・・・・わたしもこのような強引な手段を使ってしまい、申し訳なかった」

 

華蝶仮面も一刀に頭を下げた

 

華蝶「これで・・・・・わたしの用は済んだな・・・・・失礼する!!」

 

華蝶仮面は華麗に身を翻し、その場を去ろうとした

 

愛紗「・・・・・・・ま!待て!!華蝶仮面!!」

 

華蝶「?」

 

愛紗「今までお主を賊扱いしてきてすまなかった!この通りだ!」

 

愛紗も華蝶仮面に深々と頭を下げた

 

鈴々「鈴々も謝るのだ!ごめんなのだ!!」

 

焔耶「わ、わたしも自分の価値観でしかお前を見ていなかった・・・・・すまなかった」

 

愛紗に続き鈴々と焔耶も頭を下げる

 

華蝶「・・・・・そんな昔のことはどうでいい、わたしにはわたしの正義があり、貴殿らには貴殿らの正義があったのだ・・・・・そこに善や悪や、優や劣があったとは思わない」

 

愛紗「・・・・・華蝶仮面!ぜひわたし達とこの国を一緒に守って行ってはもらえないか!?」

 

鈴々「鈴々も華蝶仮面とならお友達になれそうなのだ♪」

 

焔耶「わたしも・・・・・なってやらんでもない・・・・・」

 

華蝶「・・・・・残念ながら、それはできそうにない」

 

鈴々「にゃ?なんでなのだ?」

 

華蝶「わたし、華蝶仮面は・・・・・二度と貴殿らの前には現れないからだ」

 

焔耶「なに!!?」

 

桃香「そんな!!?どうして!!?華蝶仮面様!!?」

 

華蝶「わたしの役目は始めからこれ一つだったのだ・・・・・この御仁の願いを思い出させること、これ一つだったのだ」

 

桃香「・・・・・そんな」

 

華蝶「それにわたしも、他にやらなければならないことが出来ましたのでな」

 

桃香「え?それって何?」

 

華蝶「秘密です・・・・・ふふふふ♪」

 

「・・・・・・・・・・」

 

華蝶「貴殿らもこの御仁とともに幸せになるんだぞ!では・・・・・さらば!!」

 

そうして今度こそ華蝶仮面は夕日の中へと姿を消した

 

そして、彼女の言葉通り二度と華蝶仮面が一同の前に現れることは無かったのである

 

桃香「ありがとーーーーーーー!!!!華蝶仮面様ーーーーーーーーー!!!!」

 

愛紗「今まですまなかったーーーーーーー!!!!達者でなーーーーーーーーーーー!!!!」

 

鈴々「ばいばいなのだーーーーーーーーーーーー!!!!!」

 

焔耶「いつか一緒に酒を飲もうなーーーーーーーーーーーー!!!!」

 

璃々「さようならーーーーーーー!!!華蝶仮面様ーーーーーーーーー!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

周りからも華蝶仮面をたたえる声や別れを悲しむ声が聞こえていた

 

そして、一同は暫らくの間華蝶仮面が去っていった夕日を見ていたのである

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

星「桃香様達、どうかしましたか?」

 

桃香「あ~~~~~~!星ちゃん!今までどこに行っていたの~~~~!」

 

星「ふむ、実はこの通りで華蝶仮面が現れている最中にほかの所で犯罪を起こす輩がおりましてな、そやつらを成敗している間に遅れてしまったのです」

 

正体を知っている者達「「「「「(嘘付け!!!!!!)」」」」」

 

心の中で綺麗にハモッタ一同がいた

 

桃香「もぉ~~~~~!華蝶仮面様、二度とわたし達の前に現れないって言っていたんだよぉ~~~!」

 

星「なんと!!?それはもったいないことをしてしまいましたな!!」

 

桃香「そうだよぉ~~~~!」

 

星「・・・・・まぁそのうちひょっこり顔を出す時もあるでしょう、今生の別れというわけでもないでしょうし」

 

桃香「星ちゃん・・・・・うん♪そうだね♪よ~~~し♪華蝶仮面様に笑われないためにも私頑張っちゃうぞ~~~~♪」

 

鈴々「鈴々も頑張るのだ~~~~♪」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こうして、華蝶仮面の最後の仕事は終わった

 

この後一同は、華蝶仮面の話を肴にそれぞれが最後の一日を満喫していくのであった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして夜

 

一刀「~~~~~~~~~っ」

 

コオオオオオオオオオオオオオオオオ

 

成都の中庭にて一刀は氣を練っていた

 

その氣は元の山吹色になり安定性を取り戻していた

 

その時

 

星「主」

 

一刀「・・・・・星か」

 

星「どうやら元に戻ったようですな」

 

一刀「ああ、星のおかげでな」

 

星「さて、なんのことやら♪」

 

一刀「おいおい!まさか気付いていないと思っているのか!?」

 

星「すみませぬが、主が何を言っているのか皆目見当も付きませんなぁ」

 

あくまでしらを切るつもりのようだ

 

一刀「・・・・・そっちがそのつもりなら、こっちにも考えがある」

 

星「?・・・・・何をするつもりですかな?」

 

一刀「こうするんだ」

 

シュン!

 

星「っ!!?」

 

一刀は縮地で一瞬で星との距離をゼロにする

 

そして

 

一刀「ちゅちゅ~~~~~~~~~~~~~~~!!!!」

 

星「んんぅ~~~~~~~~~~~~~~~~~!!!?」

 

星の唇を強引に奪う

 

星「んぅ~~~~~~~~~~~!!!//////////」

 

何とか一刀を外そうとするが、一刀は星の体をガッチリとホールドし離さなかった

 

そして

 

一刀「っはぁ・・・・・どうだ?話す気になったか?」

 

星「んはぁ~~~~♥♥ずるいですぞぉ~~~♥♥主ぃ~~~~♥♥//////////」(とろぉ~~~~~~ん)

 

一刀のキスで星の顔は情けないことになる

 

一刀「話さないなら、もっとするぞ♪」

 

星「わかりました!わかりましたから!・・・・・確かにわたしが華蝶仮面でした」

 

一刀「(モロバレだったけどな)」

 

星「蜀の国を創った時から、たまに城下町を騒がせていたのも事実です」

 

一刀「・・・・・俺が聞きたいのはそういうことじゃないんだ」

 

星「?・・・・・ではなんですかな?」

 

一刀「本当に、華蝶仮面は二度と俺達の前に現れないのか?」

 

星「・・・・・ええ・・・・・寂しいですが、わたしもそろそろ華蝶仮面を卒業しなければなりませんので」

 

一刀「そうか・・・・・それと、星は言っていたよな・・・・・他にやらないといけない事があるって、それはなんだ?」

 

星「それは・・・・・」

 

星の口からは言葉が出ない

 

一刀「ちなみに、言わなければまたするぞ」

 

星「うっ!?」

 

もはや逃げ場はなかった

 

星「それは・・・・・」

 

一刀「・・・・・それは?」

 

星「・・・・・主の子を生み育てることです、華蝶仮面をしていたんではそれも出来ませんので////////」

 

一刀「っ!!星!!」

 

星「主!!?んん~~~~~~~~~~♥♥♥♥」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして蜀での最後の夜、二人の姿を見た者はいなかったという

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

どうもseigouです

 

ようやく更新できました~

 

最近リアルが忙しすぎてまともにパソコンの前に座れません

 

このままでは今年中に完結するというノルマを達成できるか怪しいです

 

それでも応援してくれる人達、待ってくれている皆さんに感謝を捧げます

 

さて、蜀篇はこれにて終了です

 

次回は、魏に突入して行きます

 

では・・・・・・・・待て!!!次回!!!


 
このエントリーをはてなブックマークに追加
 
 
62
7

コメントの閲覧と書き込みにはログインが必要です。

この作品について報告する

追加するフォルダを選択