No.326141

真・恋姫無双「新たなる地と血」第27話

反董卓連合編もこれで終わり。

そして一樹ちゃん…

君はなんてことを…

2011-10-30 00:29:48 投稿 / 全7ページ    総閲覧数:5048   閲覧ユーザー数:3771

この作品は恋姫無双の2次創作です。

 

作者の勝手な解釈もある為、若干キャラの性格等のズレが生じる場合が御座いますが

そこらへんはご容赦のほどを。

 

劉弁が卑弥呼と共に虎牢関から発ち、五日ほど過ぎた頃。洛陽より使いが来た。持って来た内容は、

 

「準備が出来た。至急洛陽の戻られたし。」

 

との事。それを聞いた一刀達はすぐさま虎牢関から撤退した。

 

そして翌日、虎牢関に残った守備隊によって開け放たれ、連合は疑問を抱いたまま通された。

 

虎牢関を抜け洛陽に辿り着いた連合軍。その洛陽の門の前には連れ去られた愛紗が立っていた。それを見た桃香は愛紗に走り寄り、手を取り無事な事に喜ぶ。

 

「愛紗ちゃん!良かった~無事だったんだね。心配したんだよ?皆の元へ帰ろう?」

 

取った手を引き、皆の方へと歩き出そうとする桃香。しかし愛紗はそこから動こうとはせず、そっと愛紗は桃香の手を解く。

 

「愛紗ちゃん?」

 

「桃香様、ご心配をお掛けしました。しかし申し訳ありませんが、桃香様。我が身は虜囚の身。勝手な行動は許されないのです。」

 

確かに良く見ると、腰には紐で括り付けられ、その先を兵が握っていた。

 

「そんな…」

 

ショックを受けている桃香に悪いと思いつつも、愛紗は諸侯の前に進み出、

 

「良くぞ参られた諸侯の方々。劉弁陛下がお待ちである!各諸侯の代表者は我に付いて来られよ!」

 

その瞬間、それぞれでざわめきが起きる。

 

「桃香様、桃香様!気をしっかりお持ち下さい。何も愛紗さんはずっとと言う訳ではないのですから。今は劉弁陛下の元に行く事が第一かと。その後で愛紗さんの身柄の返還のお話をすれば良いんじゃないでしょうか?」

 

「え?あ、そ、そうだね。じゃあ朱里ちゃん付いて来てくれるかな?あとの人は此処で皆を休ませる準備をしておいてね。」

 

『御意』

 

「じゃあ、蓮華と冥琳が付いて来てくれるかしら?あとは天幕の準備をお願い。」

 

『御意』

 

「桂花、付いてらっしゃい。あとは天幕の設営よ。」

 

『御意』

 

『それじゃあ行きましょうか?』

 

『御意』

 

それぞれが指示を出し宮廷へと向かう。

 

玉座の間には既に劉弁が玉座に座り、その横には妹である劉協が控え立ち、左側前方には月、詠、恋、音々、霞、華雄、右側前方には一刀と一樹が並び立ち、華佗、貂蝉、卑弥呼が居り。貂蝉、卑弥呼、その間には腰と手に縄を括りつけられた張譲と愛紗が立っていた。

 

前帝劉宏が存命の頃、幾人かは劉弁、劉協の姉妹を見た事があるがその時は年相応の少女達であったが、此処に居る彼女達は未だ未熟ではあるが、皇帝の雰囲気を漂わすモノを持っていた。全員が揃うのを確認すると、

 

「朕が劉弁である!さて、ここにいる者達よ、誰の許可で軍を動かし、洛陽へまで攻め入ろうと誰が言い出したのだ?」

 

全員の視線が麗羽へと向けられる。だが普段の彼女なら、即行否定若しくは言い訳をするのだが、動揺することなく、その視線を受け止めると事の顛末を話した。

 

「では、自分の独断と言う事で良いのだな本初?」

 

麗羽の話を最後まで聞いた劉弁は、自身の非を認めた麗羽に再度問い直す。

 

「はい。間違い御座いません。」

 

周りで聞いていた者達は麗羽のこの行動に、顔を伏せたまま驚いていた。責任云々問題になれば当然、誰もが麗羽は誰かに擦り付ける等の逃げの口上を述べると思っていたのだから。

 

「漢王朝の危機に立ち上がった事に関しては、認めよう。」

 

一旦区切り、此処に居る者達の顔を見渡し

 

「だが残念なのは誰一人として、洛陽の内情を知ろうともせず。軍を動かした事である。尤もそなた達だけを責められはせんのじゃが…」

 

「それはいったいどういう…?」

 

月達により、宮廷内での何進派と十常侍派による後継者争い、そして両派閥の殺し合い、更には張譲による劉弁・劉協姉妹の誘拐が起こった事が話された。

 

宮廷内での後継者争いは、大体想像が付いていたが、そこから先の事は予想外であった為、皆何も言えずにいた。

 

「あの、ではそこからどうやって此処に戻ってきたんでしょうか?」

 

桃香がおずおずと言った感じで、手を上げ質問するして来た。

 

「そこは自分が話そう。」

 

そう言うと一刀は一歩前に進み出る。

 

「俺達親子は洛陽へ向かう途中、事故に遭った馬車と遭遇したんだ。そしてその中には劉弁陛下と劉協様、そしてそこにいる張譲を見つけたんだ。劉弁陛下は大怪我を負っていて、応急処置だけでは間に合いそうもなく、途方に暮れて居たんだ。そこにちょうど俺を訪ねて来た知り合いが、医者である華佗を連れて来てくれた為、劉弁陛下は彼の治療を受けて一命を取り止めたんだ。」

 

「そして朕は華佗の元で、療養の為と、体を動かす為の訓練をしておった。そしてその間、起こったのが今回の騒動。朕としてはすぐさま洛陽の戻り戦いを止めたかったが、中々華佗が許可をしてくれなんだんじゃ。」

 

劉弁はそう言って恨みがましい目を華佗に向ける。

 

「当たり前だ。ようやく傷がふさがったトコロだったんだぞ?無理をすれば命に関わる。医者である俺がそんな自殺行為を許すわけないじゃないか。」

 

「と言う具合に、な。」

 

やれやれとばかりに、肩を竦めて見せた。

 

「さてこれで今回の騒動、理解は出来たかな?」

 

「…」

 

誰も何も言わずにいる為、肯定と受け取った劉弁は、そのままは次の話をした。

 

劉弁から今回、一諸侯の勝手な判断により、軍を勝手に動かした懲罰として一年間税の徴収をしない事と、漢王朝への危機に立ちあがったその誠意に対してそれぞれ褒賞が与えられた。

 

唯一麗羽だけは褒賞を拒否した。その理由はというと、「自分の浅はかな行為に皆を巻き込んでしまった責と。」という事で…

 

これだけでも十分驚いた事ではあるが更には、月が今回、起こってしまった騒動の責任を取る形で長安へと戻ると言った。

 

そうなると洛陽を皇帝陛下の元で、誰が治めるかが皆これに注目した。

 

そして月から後任を託されたのは、

 

「北郷一刀様に後任を託そうか『え~~~~~!?』…と思っております。」

 

一部の者を除き、ほぼ全員が驚きの声が上がった。

 

「ちょ、ちょっと待ってくれ…いえ、ください。自分は唯の客将ですし、元は風来坊ですよ?」

 

突然降って湧いたような人事に一刀は戸惑う。

 

「今は、であろう?嘗て一国の王でも在ったそなたになら、任せても良い思うたから仲穎は押したのじゃ。それに…」

 

「…それに?」

 

「一樹が朕の婿にを貰う(もろう)てくれると言うてくれたのじゃ。きゃっ!」

 

そう言うと劉弁は顔を手で隠してしまう。

 

『はっ?!』

 

劉弁から出た言葉に一同は、一瞬何を言っているのか分からず、呆気に取られた。

 

「姉上~、なんてことをいうのですか!そんなかってなことはゆるされませんぞ!」

 

此処で妹の劉協が止めに入ったかに見えたが、次に出て来た言葉に更に驚愕する。

「一樹ちゃんは協の元に来るんですから!」

 

『はい~!?』

 

劉弁だけではなく、その妹の劉協の台詞に、一刀のみならず此処に居た、ほぼ全員が今度は素っ頓狂な声を上げた。

 

『一刀(さん、様、ご主人様)!一体全体、どう事なのですかこれは!?』

 

次に出た言葉は一刀への質問という名の非難。

 

「待て、待ってくれ!俺だって何がなんだかさっぱり分からないんだ。今、初めて聞かされたんだ!」

 

事情を聞く為、一刀は一樹の目線の位置までしゃがむ。

 

「一樹、これは一体どう言う事なのかな~?」

 

「弁お姉ちゃんと協お姉ちゃんとずっと一緒って約束したの。」

 

「あ、あのな、一樹。そう言う事は未だ早くてな「?」…」

 

一刀が必死になって説得しようとするが、一樹はイマイチ分かっていないようで、難航する事となりやがて、

 

「…駄目だ。」「

 

地面に手を着き、がっくりと項垂れた。その一部始終を見ていた一刀と嘗て関係のあった者達は、皆一様に「(流石ご主人様(一刀(さん、様))の子供…」と思って呆れていた。

 

結局、劉弁と話し合って、保留という形で劉弁、劉協は渋々ながら、それで収まったのである。

 

あとがき

 

これで反董卓連合編は終わりです。久々の纏まった休みで、やっと纏めれて投稿出来た。

 

前回の※の中にこの展開を予想していた方が居てドキッとしました。皆様勘が鋭い(汗

 

さすが種馬さんの子供ですね。子は親の背中を見て育つ…

 

さて、次回からは数話ほど拠点を書こうかと思います。大体一刀と各陣営のやり取りですね。

 

そしてその先は第三部に移ります。この第三部、思いもよらない展開になる…予定(汗

 

お楽しみに!(過度な期待をせず)

 

ではまた次回ぃ~


 
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