No.322613

袁・恋姫+無双 奪われた御遣い

流狼人さん

凶報を聞きこれに伴い決戦の準備をする被害者。加害者達は互いにぶつかり合い、慰め合う。この結末は、天すらも知りえない。

2011-10-23 04:10:41 投稿 / 全4ページ    総閲覧数:4221   閲覧ユーザー数:3483

「そ、そんな・・・白蓮ちゃんが・・・」

 

洛陽の会議室にて劉備の落胆の声が響いた。

 

無理もない。彼女の数少ない盟友でもある公孫賛から宣戦布告状、及び絶縁状を突き出されたのだから。

 

「しかし、これで西涼以外のものは敵に回ったも同然だな。凛に風、何かこの危機を斬り抜く策は無いだろうか?」

 

と白き槍遣い、趙雲が二人の軍師に問う。

 

「そ~ですね~・・・ぐ~。」

「こんな時に寝るな!!」ビシッ!

「おぉ!凛ちゃんスイマセン。良い案が浮かばないものでしてついつい現実逃避という名の睡魔に襲われまして。」

 

と間延びする声を発するも案の浮かばない顔をする程昱、郭嘉の両名。

 

「ふん、成らば打って出るまで!月様に汚名を着せた烏合の集など我が武で蹴散らしてくれん。」

 

「華雄の武など無くとも恋殿の力で蹴散らせるのです!」

 

と声を上げるのは董卓軍の将、華雄。飛将呂布の軍師、陳宮であった。

 

「せやな。今はとにかく虎牢関で守備に徹するのが一番やな。」

と、騎将張遼が尤もな案を出すも、

 

「な!籠城だと!それでは我が武を振るえんではないか!!」

と、華雄が吠える。

 

「アホか!そんな事で敗れたら并州の二の舞になるで!!」

「ぐむむむむ・・・」

 

と華雄もこの一言で口を黙らせる他無かった。

并州陥落後、袁紹軍は自分に逆らった兵を船に無造作に捨て、黄河に流したのだった。

 

捨てた場所が黄河と言っても黄河の上流。つまり洛陽の側にまで流れてきたのだった。董卓・劉備軍は直に遺体の処理に掛ったが、これを見た一部兵士たちは袁紹軍を畏怖し恐怖に怯えているのであった。

 

 

「・・・今はそれしか無いわね。泗水関の関羽達にも伝えて。無理せずに虎牢関まで撤退するようにって。」

と、董卓軍の軍師・賈駆は宣言し。虎牢関に兵を集中させた。

 

凡そ、十五万。董卓軍最大兵数である。一週間もすれば馬謄から援軍が来る。それまで持てば・・・と考えての事であった。

 

しかし、その計画は破たんする。

 

狂謀と謳われる一人の掌によって。

 

 

「袁術殿は体調不良のためこの孫権が代理として出させていただく。」

 

と江東の虎の次女、孫権が最後に自己紹介を果たし取敢えず各自、陣営に戻って言った。

 

 

「待たれよ、公孫賛殿。」と呼びとめたのは、孫権。

 

「何か。」と何所か黒いものが張り付いた公孫賛は振り返る。

 

「うむ、実を言うと我々と盟を結んでほしい。天の御遣いを恨む者同士として。」と爆弾を落したのだった。

 

「な!?・・・しばらく考えさせてくれ。」と、突然の事で頭から煙を噴きだした公孫賛だったが、やはり劉備の事が心配なのか答えを明確には出さなかった。

 

「あぁ、では。答えはいつでも待っているぞ!」と少女のように孫権は駈け出して行ったのだった。

 

 

同じころ。

 

一つの戦争が起きていた。

「オヤオヤ、これは曹操殿。どう言った用事で?」

ケタケタと三眼視の目線で見る一刀。傍の三人衆も待機。

 

「えぇ、取敢えず挨拶にと思ってね、審配。否!初に来訪して災いを撒いた御遣い。『北郷一刀』!彼方を見極めにね。」

と夏侯淵・荀幾を連れ、審配の正体を見切り其の上で、布告する曹操

 

『乱世の奸雄』曹操VS『狂謀』一刀

 

覇と狂が混じり合う傍で隻眼が何かに耐え忍んでいた。その真相は次回。

 


 
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