【真・恋姫†無双 三国子園児―4時間目『北郷一刀争奪戦・先生編』―始 】
月(董卓)「皆さん、おはようございます」
月が壇上で、園児に向かって笑顔で朝の挨拶をする。
園児たち「「「おはよーございます!」」」
園児達の元気な声がホールにこだまする。
月「春休みは、どうでしたか?事故や病気・怪我などはしませんでしたか?」
春休み明け最初の朝礼、園児たちを気にかける優しげな声。
園児たち「楽しかったです」 「ボクは、〇〇した」 「わたしは、〇〇ー」
それぞれに、春休みの事を口にする。
月「ふふ、そうですか。皆さんがこうして笑顔を見せてくれて、先生はとても嬉しいです」
優しい微笑み、優しい声、優しい言葉。その全てが『月』という人物を表している
月「皆さんはもう知っているかもしれませんが、今日は2つ、皆さんにお話しすることが有りますので、よーく聞いてくださいね?」
園児たち「「「はーい」」」
素直で元気の良い返事、その返事を聞き、月はさらに柔らかい笑顔を向ける。
月「まず1つ目ですが、もうすぐ幼稚園の入園式があります。年少さんだった皆さんは年中さんへ、年中さんだった皆さんは、年長さんになり、そして入園式では新しい年少さんが入ってきます」
一度言葉を区切り、子供たちを笑顔で見渡す。子供たちは、一様に可愛らしい笑顔を返してくれる。
月「入園してくるお友達の中には、年中さんや年長さんから新しくこの幼稚園に入ってくる子達もいます。皆さん元気にお迎えして、仲良くしてくださいね?」
園児たち「「「はーーい!」」」
元気いっぱいの返事に、月はとっても嬉しくなった。
月「それでは、もう1つのお話ですが、これはご本人に直接お願いします」
もう1つの話し、そして今園児たちの中で騒がれている噂の人物。
月「では、皆さんに今日からこの幼稚園に来た、新しい先生を紹介しますね。」
月((北郷先生、どうぞ))
優しい声に導かれ、青年は今、舞台袖から壇上の月の所まで向かう。
園児たちは、期待と好奇心でざわついている
一刀「皆さん、始めまして…」
フォーン!
一刀が挨拶をした瞬間、奇妙な機械音がスピーカーから鳴る。
― 一刀視点 ―
月先生「それでは、もう1つのお話ですが、これはご本人に直接お願いします」
月先生が、皆に笑顔を向け話す。そしてその笑顔を俺の方へと向けた。
月先生「では、皆さんに今日からこの幼稚園に来た、新しい先生を紹介しますね。」
緊張感が高まるのがわかる。
月先生((北郷先生、どうぞ))
月先生優しい声に導かれ、俺は今、舞台袖から壇上の月先生の所まで向かう。
いよいよだ…。
園児たちのざわつきが聞こえる。
一刀「皆さん、始めまして…」
フォーン!
挨拶をした瞬間、奇妙な機械音がスピーカーから鳴る。
一刀「……(おいおい、いきなりハウリング起こすとか、ドンだけお約束だよ…)」
あまりのお約束に、若干凹み気味になった。
園児たち「あははは」 「…クスクス」 「わー、お約束だー」
ホールに、園児達のドッと笑い声が沸き起こった。
月先生は、少し離れた所でオロオロしていた。その姿が可愛らしくてついつい頬が緩みそうになるが、何処からとも無く突き刺さるような視線を感じ、そちらを見やる。
かくちゃん「……」ギロ!
一刀(こっわ!)
俺は平静を装い、園児達の笑顔を見渡す。
一刀(いい笑顔だな。この笑顔を見ただけでも、この幼稚園が良い場所だって事が良く分かるな…)
一通り見渡し、未だに此方を睨んでいるかくちゃんに向き直し、にこりと微笑む。
かくちゃん「………////」
一刀(あれ?赤いな…、やっぱ風邪流行ってるのかな~)
顔の赤いかくちゃんを少し心配になる。
―― 詠(賈駆)視点 ――
壇上で月に紹介され、あいつがマイクの前に立った。そして挨拶を始める。
北郷「皆さん、始めまして…」
フォーン!
その瞬間、突然奇妙な音がした。
園児の笑い声が沸き起こり、月はあいつの横でオロオロしている。
詠(まったく…、最初っからこれじゃ、先が思いやられるわね。月に迷惑かけたらぶん殴ってやるんだから…)
私は、心の中で呟き、あいつをギロリと睨んだ。
一瞬あいつと目が合う。が、あいつはすぐに目を逸らしてしまった。
詠(なによ、ちょっと睨んだくらいで、そんな嫌そうに目を逸らさなくても良いじゃない…)
チクッと胸の辺りが痛む…。
私から目を逸らしたあいつは、他の園児の方を見渡し、そしてもう一度私のほうへ向き直した。
ドクンッ!
向き直ったあいつの顔を見て、私の胸の奥が先程とは違う痛み?に囚われる。
詠「………(何笑ってるのよ!ばっかじゃない…)////」
同時に顔が熱くなるのを感じた。
―― 一刀視点 ――
気を取り直して、もう一度挨拶をする。
先程の園児の笑顔を思い出し、緊張感が既に無くなっている事に気が付いた。
一刀「えっと、改めて。始めまして、今日からこの幼稚園で皆と過ごす事になりました『北郷一刀』です。よろしくね」
園児たち「「「よーろーしーく、おーねーがーいーしーます」」」
その返事に、俺は嬉しくなる。
一刀「うん、元気の良い返事だ!俺は此処に来たばかりだから、まだ良く分からないとこもいっぱい有る。今度入園してくる年少さんと同じだね。だから色々教えて欲しいんだ。皆良いかな?」
園児たち「「「はーい!」」」
一刀「皆ありがと。あんまり長く話してても飽きちゃうだろうし、今日の挨拶はこの位で止めとくね」にこり
式での、無駄に長い話ほどつまらないものは無い。
俺は、挨拶を手短に切り上げて、月先生の方へ歩く。
一刀((月先生、終わりました)) にこり
月先生「……////」
小声で話しかけたが、反応が無い。
一刀((月先生?どうかしましたか?))
月先生((い、いえ、何でも有りません。挨拶お疲れ様でした、一刀さん))
一刀((…へ?))
月先生が反応してくれたのは良いが、最後の一言に驚いた。
月((あの、その、あの…////))
一刀さん((月先生、今…))
最後の一言が気になり、聞き返そうとした
月先生((ななな、何でもないです。////))
だが、月先生の言葉に開きかけた口を閉じた。
―― 月視点 ――
一刀さん「皆さん、始めまして…」
フォーン!
一刀さんが挨拶をした瞬間、奇妙な機械音がスピーカーから鳴りました。
園児たち「あははは」 「…クスクス」 「わー、お約束だー」
ホールに、園児達のドッと笑い声が沸き起こっていました。
私は、一刀さんから少し離れた所でオロオロしているだけで何もできません。
月(ど、どうしよう。一刀さんの最初の挨拶なのに…)
咄嗟に、詠ちゃんの方を見ました。
詠ちゃん「……」
詠ちゃんは、一刀さんを見つめていました。
一刀さんも詠ちゃんを見つめます…。
一刀さんは、すぐに詠ちゃんから目を離し、園児達の笑顔を見渡します。
月(…気のせいかな?)
園児たちを見渡し終えた一刀さんは、再び詠ちゃんの方を向き、にこりと微笑みました。
詠ちゃん「………////」
その笑顔を見た詠ちゃんは、顔を真っ赤にします。
チクッ!
その二人を見つめて、私の薄い胸に小さな痛みが走りました。
月(詠ちゃんと一刀さん…)
園児たち「「「はーい!」」」
一刀さん「皆ありがと。あんまり長く話してても飽きちゃうだろうし、今日の挨拶はこの位で止めとくね」にこり
私が、詠ちゃんと一刀さんの先程のやり取りの事を考えている間に、挨拶は終わっていました。
そして、一刀さんは、振り向いてこちらに向かってきます。
一刀さん((月先生、終わりました)) にこり
一刀さんが小声で話しかけてきました。あの笑顔で…
月「……(へぅ~、一刀さん、その笑顔は反則です…)////」
一刀さん((月先生?どうかしましたか?))
あの笑顔の一刀さんに見惚れて、反応が少し遅れまてしまいました。
月((い、いえ、何でも有りません。挨拶お疲れ様でした、一刀さん))
そして、私は飛んでもない言葉を発してしまいました。へぅ~、一生の不覚です…。
一刀さん((…へ?))
一刀さんもその事に気が付いたのか、聞き返そうとしました。
月((あの、その、あの…////))
一刀さん((月先生、今…))
月先生((ななな、なんでもないです。////))
一刀さんが私に何か尋ねようとしましたが、その言葉を遮り、ごまかすのに必死になります。
焦る私の頭の中で、声が聞こえました。
月(これは良い機会、この機会に『一刀さん』と普通に呼べるようにしてしまうのです)
と話しかけてくる、黒い革製の服を着てムチを持った、積極的な私。
月(いいえ、そんな恥ずかしい事をしては駄目です。それにもし、一刀さんがそう呼ばれるのを嫌がったらどうするのですか?)
と話しかけてくる、フリルの付いたエプロンドレスを着た、消極的な私。
二人の私は、頭の中で論争を続けます。
結果
月((それでは、北郷先生、朝礼を締めますね))
エプロンドレスの消極的な私が勝利をしました。(この間、0,1秒です)
まだ私には、そこまで積極的になる勇気は沸きません…
一刀さん((わかりました))
月「そ、それでは皆さん、これで朝礼を終わりたいと思います。皆さん、先生と組長さんの言うことをきちんと聞いて、自分の教室まで戻ってくださいね?」
先程の動揺が抜けておらず、私は少しどもってしまいました。
園児たち「「「はーい」」」
それでも、園児達は気にする事も無く、素直な返事をすると組長さんのいう事をしっかり聞いてます。
月「では、先生方もご自分の担当する園児たちの所へ行って、教室までの誘導お願いします」
そう指示を出すと、それぞれ先生方も自分の担当する組へと向かっていきました。
月「北郷先生は、まだ慣れていないと思いますので、私と一緒に『とうたく組』の教室へ行きましょう」
私の言葉を聞いて、先程担当組へと向かっていた先生が何人か戻ってきました。
―― 一刀視点 ――
月先生「では、先生方もご自分の担当する園児たちの所へ行って、教室までの誘導お願いします」
月先生の指示で、他の先生方は、自分の担当組の所へ向かっていった。だが
月先生「北郷先生は、まだ慣れていないと思いますので、私と一緒に『とうたく組』の教室へ行きましょう」
月先生の発したその言葉で、先程まで担当組へ向かっていた先生方のうち何人かが戻ってきた。
趙雲先生「園長、北郷先生は、『しょく組』に案内しますので、ご心配召されるな」
厳顔先生「そうだのぅ、『しょく組』は、みな素直なよい童、一刀先生にもすぐに懐いてくれよう」
『しょく組』担当の二人の先生が、月先生に意見をし
黄蓋先生「それは聞き捨てならんな、『ご組』の連中も、少々お転婆だが元気のある良い童ばかりじゃ、北郷先生もきっと喜んでくれるじゃろう。のぅ伯珪先生」
『ご組』担当の黄蓋先生がそれに反論する。
伯珪先生「待て待て、私は専属の担当組み無いぞ?」
巻き込まれるようにして、伯珪先生が会話に加わった。(伯珪先生、ドンマイです!)
黄蓋先生「何を言っておる、白蓮、お主『ご組』じゃろう?」
月先生「違います、公孫賛先生は、担当者が一人の『とうたく組』・『ご組』・『えんけ組』を一時的に掛持ちして下さっているんです」
黄蓋先生「ならば足らない教員の補充として、やはり『ご組』に来るのが妥当じゃ」
張勲先生「あのー、それでしたら、私の所も当て嵌まりますよね?」
厳顔先生「おや、張勲先生が一刀争奪戦に参加するとは、意外だのう」
一刀(いやいや、厳顔先生、本人の目の前で何言ってるんですか!)
心の中で突っ込むが、口を挟める雰囲気じゃない。
張勲先生「いえー、私は別に一刀さんの事なんかどうでも良いんですけどね」
一刀(そして、張勲先生!それはそれで酷いです…)
張勲先生「ただ、美羽お嬢様が一刀さんの事を欲しがっていまして…。だから面倒ですが、一刀さんにはお嬢様が飽きるまで『えんけ組』に来て貰おうかと」
一刀(扱いひど!しかも面倒って…。これ、もう泣いて良いよね?)
チョイチョイ
服の袖を引かれる感覚に、そちらを振り向いた。
そこには、半泣き状態の俺の服の袖を、無言で引っ張る小さな影があった、
一刀「あの、程昱先生?」
程昱先生((しー、なのですよー…))
右手で俺の袖を引き、左手で『しー』のポーズを取る。
相変わらず、可愛らしいお人だ。よく見れば、頭の上のアレも同じ様に『しー』のポーズを取っていた。(ホントどうやって動いてんだろ…)
一刀((どうかしたんですか?))
まだ要領を得ない俺は、小声で聞いてみた。
程昱先生((いえ、先生方が賑やかに談笑している間に、お兄さんを『ぎ組』に連れて行こうかと思いましてー))
一刀((え゛?))
こっそりホールを脱出しようとする程昱先生と俺(袖口を引っ張られ半ば無理矢理)だったが
趙雲先生「こら、風!抜け駆けするつもりか。聞こえているぞ!」
あえなく、見つかってしまった。
程昱先生「ぐーー」zzzz
一刀「ねるなっ!」ビシッ!
いつもの調子で、狸寝入りをする先生を起こす。
程昱先生「おぉ!お兄さんをこっそりと拉致しようかと思った所を、あっさり見つかってしまって、あまりの居た堪れなさに、つい眠気が…」
一刀(言い訳ながっ!しかもよく解んないし!)
程昱先生「それにしても…」じー
一刀「な、何ですか?」
俺を見つめてくる、綺麗な瞳に一瞬ドキリとした。
程昱先生「やはり、お兄さんの突っ込みのタイミングは抜群ですねー。長年の突っ込み役の稟ちゃんと比べても遜色ないですねー」
一刀「は、はぁ。ありがとうございます…(褒められてるんだよね?これ)」
程昱先生「それに比べて…」
程昱先生は、半目で黄蓋・厳顔両先生方をじと目で見つめる。
黄蓋先生「なんじゃ、儂はお主と漫才をする気はないぞ」
厳顔先生「そうさのう、そんなに漫才がしたければ、稟としておればよかろう」
程昱先生「残念な事に、稟ちゃんは少し前に、おっちにましたので。だから風の突っ込み役は名実共にお兄さんだけですねー。では、行きましょうかお兄さん」
シュタッ!っと片手を挙げ、俺を連れ出そうとする程昱先生だったが
???「待ちなさい、風!人を勝手に殺さないでください!」
若干荒い語気で、眼鏡の女性がそれを制止する。
程昱先生「おー、稟ちゃん。生きていたのですねー、風はとっても嬉しいですよー」
???「白々しい事を…」
一刀「あ、郭嘉先生。もう体調は平気なんですか?」
郭嘉先生「あ、はい。一刀先生、ご心配おかけしました」
この眼鏡の女性は、姓を郭・名を嘉・字を奉孝 と言い、先生方が呼んでいる『稟』と言うのが真名だ。
あまり体が丈夫ではないのか、血を流して保健室に担ぎ込まれる所を何度か目にしている。
※郭嘉先生本人&程昱先生が平気と言ってるので、平気なんだろう…。
程昱先生と幼馴染で仲が良く、よく漫才のような事をしている。
一刀「そうですか、急に倒れたと聞いて心配していたんですよ」にこり
戻られた郭嘉先生を見て安堵した。
郭嘉先生「そ、そうですか。ありがとうございます////」
のだが、まだ顔が赤いのでやはり心配になる。
一刀「郭嘉先生、顔が赤いようですが、やはりまだ?」
郭嘉先生「い、いえ、もう本当に大丈夫ですので////」
程昱先生「そうですよー、稟ちゃんなど放って置いて、さっさと行きましょう」
一刀「え、でも…」
程昱先生「だいたい、稟ちゃんが保健室に担ぎ込まれた理由だって、お兄さんと園長先生のエ「ちょー、風!!何を言おうというのですか!」もぐぅぁもが…」
倒れた理由を言おうとする程昱先生を、郭嘉先生は慌てて口を塞いで黙らせる。
一刀「え?俺と月先生の、何ですか?」
郭嘉先生「何でも無いんです!」
一刀「はぁ…。月先生はご存知で?」
何でも無いと言われても、俺が関係しているのなら気になる。
そこで、もう一人の関係者らしい人物に尋ねた。
月先生「い、いえ、、あの…////」
しかし、月先生は真っ赤になって口籠ってしまった。
趙雲先生「その問いには、私がお答えしましょう!」
口籠る月先生の代わり、趙雲先生が答えてくる。
月先生「趙雲先生!」
郭嘉先生「星!」
趙雲先生「北郷先生、実はですな…」
月先生「そういえば、先程の事、まだオハナシヲキイテイマセンデシタヨネ、チョウウンセンセイ?」ニコニコ
趙雲先生「ハイ…」
答えようとしたのだが、ニコニコ月先生のオーラに気圧され、趙雲先生の顔から血の気が引いていった。
一刀「えっと、結局は何だったんでしょうか?」
郭嘉先生「いえ、本当に気にしないでください」
一刀「分かりました。でも何かあったら遠慮なく言ってくださいね?」にこり
郭嘉先生「はい、ありがとうございます////」
程昱先生「むー…」
ギュッ!
一刀「イツ!て、程昱先生、手、抓らないでくださいよ」
袖を掴んでいたはずの程昱先生は、何故か俺の手を抓っていた。
程昱先生「まったく…、子供たちもいるのですよー、公衆の面前でイチャイチャしないで欲しいですねー…」
郭嘉先生「イ、イチャイチャなんてしてません!」
月先生「とにかく、北郷先生は『とうたく組』にご案内します!」
話が脱線してしまい、先に進まない事を見かねて、月先生が強引に戻した。
黄蓋先生「だから何故そうなるのじゃ、担当教員数なら、儂や七乃の所も足らんのだろ」
張勲先生「そうですねー、何か特別な理由でも有るんですか?」
二人は食い下がる。
月先生「そ、それは…」
何か言いたそうではあるが、俺のほうをチラッと向くと、何も言わずに口をつぐんでしまった。
それに加えて、程昱先生も参加したので、また話の脱線が始まった。
程昱先生「教員不足なら、風の所もそうですよー」
厳顔先生「何を言っておる、風と稟、ちゃんと二人居るではないか」
程昱先生「いえー、稟ちゃんは保健室常連さんなので、戦力に組み込まないでください」
郭嘉先生「ふ、風。私はそんなにしょっちゅう保健室に行っていません!」
程昱先生((稟ちゃん、ここは常連と言う事にしておけば、お兄さんが『ぎ組』に来てくれるかもしれませよ―))
郭嘉先生((な、なるほど。そう言う事なら分かりました))
小声で何やらやり取りをしているが、俺の所には全部丸聞こえだったりする…。
程昱先生「おやー、稟ちゃんは今日も保健室に運ばれた程の常連さんだと思ったのですが」
郭嘉先生「そ、そうでした!保健室に行く頻度が最近多いですね」
一刀「そうなんですか!」
先程のやり取りを聞いてはいたが、今日倒れたのは事実なので、郭嘉先生の体調が心配になった。
程昱先生「それは大変です。一度お仕事お休みして入院する事をお勧めするですよー」
月先生「そうですね、一度きちんと検査された方が良いのではないですか?」
程昱先生「と言う事なので、風は一人ぼっちなのですよー」
郭嘉先生「なっ!風、謀りましたね!」
程昱先生「はて?何の事ですかねー」
趙雲先生「稟、そんなに興奮するとまた倒れてしまうぞ」ニヤニヤ
郭嘉先生「星、貴女まで…」
伯珪先生「お前ら、あんまり稟をいじめるなよ…、そもそも稟が倒れる原因の大半って、稟自身の悪癖のせいだろ?」
一刀「悪癖ですか?」
伯珪先生「ああ、稟は「わーわーわーー」」
郭嘉先生「白蓮!フォローは有難いのですが、あの事は言わないでください!」
伯珪先生「ん?そうか?…ああ、そうだなすまん」
伯珪先生は一度ちらりと俺に目をやると、納得したように郭嘉先生に謝った。
伯珪先生「で、結局北郷はどの組に行く事になったんだ?」
またもや脱線した話を、今度は伯珪先生が戻した。
一刀「言い合いと脱線の繰り返しで、決まってないです…」
伯珪先生「それならいっその事、職員室で待っていたらどうだ?」
一刀「それもそうですね、このままだと終わりそうに無いみたいなので」
伯珪先生「そ、そうか、なら私も専属担当組無いから、一緒に行こうか?////」
『迷子』の前科がある俺にとって、その申し出はとても有難かった。しかし
月先生「却下です…」
趙雲先生「却下ですな…」
厳顔先生「却下だ…」
黄蓋先生「無論却下じゃ…」
程昱先生「却下しますー」
郭嘉先生「それは却下します…」
張勲先生「私はどっちでも…「「「「「「ギロリ!」」」」」」、エーット、却下の方向で…」
伯珪先生以外の全員一致で却下されてしまった…。
伯珪先生「お、お前ら、皆して即答する事ないだろーっ!」
半泣きの伯珪先生の叫びがこだまする。
それからしばらくの間ホールでは、俺がどの組を受け持つかの論争が行われていた。
園児達は、とっくにそれぞれの組長に従って、各自の教室に戻っていった。
一刀(優秀だな…)
先生方がこんなので本当に大丈夫か?と思ったが、園児達がしっかりしているので問題は無いようだった。
一刀(それはそれで、どうかとも思うが…)
論争の決着、未だ付かず。
これ以上話ていると、園児の帰宅が遅れる可能性が出てくるので、俺は提案する事にした。
一刀「あの…」
月先生「何ですか?今大事な話をしているのですが」
こ、怖いです、月先生…。
一刀「あ、あまり遅くなると、園児の帰宅時間にも影響出てきてしまいますので」
黄蓋先生「それもそうじゃの」
一刀「はい、ですので一度保留にして、園児を帰宅させた後の会議で話し合われては如何ですか?」
俺は、恐る恐る提案を出した…。
月先生「わかりました」
月先生や他の先生方はしばらく考えると、提案に賛成してくれた。
一刀(ほっ、よかった…)
郭嘉先生「ですが、我々が園児を帰宅させている間、一刀先生はどうするのですか?」
一刀「職員室で待っていますよ、ただ恥ずかしい話、また『迷子』になる可能性があるのでどなたかに送って頂けると有難いのですが…」
伯珪先生「私が…」
自分がと言いかけた伯珪先生だったが、無言の圧力にその後の言葉が続かなかった。
月先生「ここは一度全員で職員室に戻り、その後私達だけで各教室に行くと言うのはどうですか?」
なんとも非効率的だと思うが、口を出せる雰囲気ではない。
先生方は納得しうなずく。
月先生「それでは、皆さん納得したようなので、行きましょうか。北郷先生」
厳顔先生「何を呆けておる、行くぞ一刀」
趙雲先生「では、参りましょうか、北郷先生」
黄蓋先生「ほれ、行くぞ北郷」
程昱先生「行きますよー、お兄さん」
郭嘉先生「行きましょうか、一刀先生」
張勲先生「早くお嬢様の所に行きたいんですから、キビキビ歩いてくださいね。一刀さん」
伯珪先生「そ、その、何だ…、行こうか、北郷」
一刀「……ハイ」
こうして俺は、美女達に連れられて『職員室』を目指す冒険が始まった!
俺たちの戦いはこれからだ!!
【真・恋姫†無双 三国子園児―4時間目『北郷一刀争奪戦・先生編』―終 】
俺、この戦いが終わったら、故郷に帰ってあとがきを書くんだ・・・
はい、皆様、こんばんは、こんにちは、おはようございます、作者です。
大半の皆さんは恋姫をプレイ済みですよね?
真をやった事がある方は、どの√から始めましたか?
作者は、魏⇒蜀⇒呉 の順です。
そもそも作者は、某動画サイトでの真の実況プレイを見て恋姫に嵌ったので、無印からやっている方に比べるとまだまだ新参者です。
その実況プレイをされた方が魏√だったので、エンディングで実況者の方と一緒になって号泣してしまいました。
良いですよね、華琳さま。
蜀のプレイ時は、エンディングでエーってなりましたが、皆ハッピーな終わり方だったのでアレはアレでよかったかなーと思いました。
(さすがに真名を読み間違えるのはどうかと思いましたがね…)
呉は…、挿入歌、あれずるいですよね。あんなの泣くに決まってるじゃないですか!
今となっては、歌聴いただけで思い出し泣きできちゃいますよ!
TINAMIで、恋姫系の小説を書いてらっしゃる方の作品は、魏√のアフターや呉√のアナザー・董卓√など色々有りますよね。
読んでて面白くて、製品版で出して欲しいです!
自分も面白い作品が書けるように、これからも精進していきたいと思います。
・・・・・・なんか打ち切りっぽい感じになっちゃってますね。
終わりませんよ!?
だって、作中時間では、一刀君の園での先生生活始まってまだ1日もたってないんですよ!
なんか今回、作品の事について何にも触れてないな・・・
ま、たまにはこういうあとがきもいっか。
という事で
またに~(・д・)ノン
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こんにちは、こんばんは、おはようございます、Rocoです。
この作品は『小説』ではありません。作者の頭の中の『妄想文』です。
なので、生暖かい目で見守ってやってください!