西暦20XX年世界に革新的なまでのシステムが開発された。
それは全世界の仕事の効率を一気に引き上げることに成功する。
『ヒューマノイドシステム』
それは一つの大型制御コンピュータを頭脳としその管轄下にあるヒューマノイドロボットがそのコンピュータの指示に従って行動を行うといったものだ。
その発明はすぐに世界中で取り上げられることとなった。
世界国際機構もそのシステムに目をつけ世界中にこのシステムを推進し始めた。
世界をバックアップにつけたそのシステムは瞬く間に世界中に浸透。
世界中で仕事の革命がおこっていった。
しかし世界はまだ知らない。
このシステムが原因で世界が混乱に陥るということにまだ誰ひとり気がついてはいなかった。
システムが世界中の大都市で使われ始めたころその事件は幕をあけた。
電子テロリズムである。
しかし人々はこのテロを知らない。
マスメディアがそのテロを取り上げることもなく、そのテロは内密に“事故”として片づけられるのであった。
レイドはそんな世界事情とは少し離れた町で機械の何でも屋を営んでいた。
代々親から引き継がれて来たこの店は創業50年をもうすぐ迎える町の大御所だ。
しかし早くに父親を亡くしてしまい今ではその父から技術を受け継いだ若干20歳にも満たない青年がこの店の店主をやっている。
「・・・暇だなぁ。」
この店が創業したころはこの辺りは鉱山で工業の中心となっていたそうだ。
しかし今となってはその鉱山は底をつき大都会から取り残されたちっぽけな田舎町にすぎなかった。
レイドの夢は世界に、大都会に出て成功することだった。
早くから父に磨かれた技術にレイドは自信をもってはいたものの出ていく機会もないまま店を継いで5年目となった。
「レイド!いるか!?」
町唯一の工場を営むカッタルさんが慌ててみての扉を開ける。
「なんだ?そんなに慌てて。」
「俺の工場が!俺の工場がやられたんだ!!」
「は?」と思わず聞き返すとどうやら都会のほうでは噂になっている『ヒューマノイドシステム』の不具合だという。
「だからあんなわけのわかんないもの取り入れるのはよせって言ったんだよ。」
「なんでもいいから助けてくれ!」
助けろと言われても『ヒューマノイドシステム』についての知識は多くはない。
知識としてある程度知ってはいるものの実物を見たのはついこの間が初めてだ。
「俺なんかよりも政府に頼んだほうがよくないか?」
「こんな田舎にそんな政府様がわざわざ来るもんか!!」
この町は鉱山が機能しなくなってすぐに政府から切り離されてしまった過去がある。
そのせいか今でも政府を嫌うものが多いのだ。
「わかったよ。でも約束しろ!壊れても俺は知らんぞ。」
「かまわん。工場がぶっ壊れるよりもましだ!」
工場は町から少し出て行った元々鉱山の跡地だったところを整備して使っている。
「制御コンピュータはどこにあるのさ。」
「鉱山の中心部にある工場の中だ。まぁロボとかは壊しても構わん。だが工場は壊すなよ?」
「はいはい、できる限り頑張るよ。」
工場入口まで来て一息つく。
住み慣れた町のお得意様の工場だけあって工場の中の構造は知り尽くしている。
「まぁ壊してもいいってわけだし。無理せずに行くか。」
工場の内装は依然来た時と何ら変わりはないままだったがいたるところから機械の足音が聞こえた。
「とりあえずブレーカーを落としに行くか。」
所詮機械なんだし電源もとを切ってしまえば落ちるのが道理。
主人公はひとまず電源室へと向かった。
「暴走・・・ねぇ。」
主人公の父は結構名の売れた技術者で顔が広かった。
そのつてもありレイドのもとへはこの暴走の情報が少しだけ入っているのだ。
表向きは世界国際機構が発表している制御コンピュータが環境に対応しきれず内部暴走が起きそれによってプログラムの一部が破損することでヒューマノイドが暴走する。
しかし、暴走がおこった街でそのコンピュータを確認した技術者たち曰くそのコンピュータには何者かが介入した痕跡があるということだ。
すると世界国際機構の発表とはつじつまが合わなくなる。
「ま、俺には関係ないか。」
そういった技術者の情報によればそのプログラムをどうにかすれば直すことが可能だという。
しかしあくまでこれは理論上の話であり成功したといった話は聞いていない。
なぜならそんなことをせずとも世界国際機構より派遣される部隊が収集をつけるからだ。
そんなことを考えながらブレーカーのある部屋の扉を開ける。
電源室は工場の中心から少し離れたところにある小さな部屋だ。
その扉を開けるとそこには・・・。
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科学が進みホストコンピューターがいくつもの機会を制御する時代。
『リストラ反対連盟』による電子テロが世界を襲う。
レイドのところに暴走したロボットをとめてくれとの依頼が。
そしてレイドのお店繁盛技術向上世界救出のためのたびが始まる!
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