No.309733

真・恋姫†学園~新たなる外史の青春演技!?~蒼燕の過去

青二 葵さん

ようやく投稿。
しかし、短い。
理由はあとがきにて。
そして過去話かと思いきやそれは次回。

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2011-09-29 21:15:25 投稿 / 全6ページ    総閲覧数:1542   閲覧ユーザー数:1452

場所はいきなり、白い広々とした上下左右も分からない空間。

現在はクリエイター全員が集合していると言う状態。

 

『一刀もげろ~。一刀もげろ~』

 

胡散臭い魔法使いや超能力者がやるような両手を前に出し指をもよもよと動かす怪しげな集団。そんな彼らの前には楕円形に景色を切り取ったかのように揺らめく一つの景色。どうやら、それに対して念を送っているようだった。

 

「何やってるんですか……」

 

呆れるように突っ込んだのは彼、この白い空間にみんなを呼び込んだ張本人で名は蒼(あおい)。蒼いくせ毛のある髪に濃い茶色の瞳、白装束を身に纏(まと)い紺色のフレームをした眼鏡を掛けている十代後半の少年。

 

「いやあ、一刀に対する嫉妬心が行動に表れて」

 

蒼の声で全員が彼の方を向き恥ずかしいところを見られたとばかりに照れくさそうに何人かが頬や頭を掻いたりしながら、一人が代表のようにこの集団の行動の理由を簡潔に述べた。その声の主は、眼は鳶色で髪は黒色のモヒカンに眼鏡と言う一風変わった男。蒼と同じく白装束を纏っていた。名前を砂のお城と言う。

 

「あんまり物語に影響を出さないでくださいよ。プロットからずれたら修正するのは私なんですから。皆さんの気持ちも分からないでもないですけど」

 

台詞を言いながら蒼は一息吐きながら眼鏡の鼻当てを人差し指で上げる。この会話から察するに、ここにいる面子は少なからずとも一刀と言う人物に嫉妬心を抱いているようである。

北郷一刀、ひょんなことから美少女だらけの三国志の世界に飛ばされた人物。この白い空間にいる彼らから言わせれば物語の主人公。更に言わせてもらうならハーレム野郎である。そんなハーレム野郎は、他の物語では類をみないほどの女誑(たら)しで50人以上の美女が彼にほの字である。男にとっては浪漫ではあるが、果たしてそれに似合うだけの甲斐性があるかと言われれば、一体何人がイエスと答えられるだろうか。

ちなみに、『誠氏ね』と同じように『一刀もげろ』がここでは共通言語であったりする。誠の方は世界的な共通言語になりつつあるらしいが……。

 

「しかし、前の回で張郃にフラグ立てるの早過ぎないか?」

 

そう言ったのは銀色のショートヘアで鶯色の瞳をした男性。彼も白装束だが少し袖口が広い。顔の第一印象はクールな感じである。彼の名は護衛と言う。

 

「大丈夫だ問題ない」

 

と砂のお城、

 

「種馬クオリティ―ですから」

 

と蒼が続けて言う。

最早慣れたとばかり、いや、それが北郷一刀には当たり前となっている。周りもうんうんと頷き、護衛も「種馬だから不思議じゃないか」と自分で疑問を投げかけておきながらもあっさり納得してしまった。あちら(外史)でもこちら(正史)でも、一刀=種馬の公式は既に成立しているのである。

そんな中、金縁の眼鏡をかけた30代後半の男性がふと思いついたように蒼を見る。

 

「あ、そうだ蒼。この外史はリクエストって受け付けてるのか?」

 

「小話的なモノ、もしくはこう言うのが見たいとあればある程度の融通は利かせますけど……極端すぎるモノは却下しますよ?狼(ろう)さん」

 

「大丈夫大丈夫。ようはプロットに影響を与えなければいいんだよな?」

 

「端的に言えばそうなりますね」

 

『主(ぬし)の事だから、くだらぬ事であろうがな』

 

蒼に狼と呼ばれた男性。名前を狭乃(はざまの) 狼と言う。紺色のスーツに同色の革靴、長髪のポニーテールに真紅の瞳と金縁の眼鏡。左腕には狼を象った手甲が装備されており先程の声はこの手甲から発せられていたようであった。名を牙と言い彼の良き相談役でもあり喧嘩相手でもある。

そして、そんな相棒の余計な一言に若干肩を落とす。

 

「はぁ~、どうしてお前は余計なこと言うんだ」

 

『事実であろう?たまにやんちゃしては墓穴を掘っておろうに』

 

「お兄さんだってやんちゃしたくなるもんだよ」

 

『三十路(みそじ)は過ぎておる奴がお兄さんなどと言う枠組みにおるはずがなかろう』

 

「一回鋳造し直すぞ。型があるかは知らんがな」

 

「まあまあ」

 

ケンカ腰になったところで程良く砂のお城が仲裁に入る。

 

「ところで結局何を言いかけてたの?」

 

先程に狼が何をリクエストするのか気になったのか一人の女性が脱線した話を戻す。

その女性の見目はお淑(しと)やかな印象を受ける。金髪のロングヘアーに黒いリボン、瞳は紅色。名前をほわちゃーなマリアと言い通称はマリア。断じて三千院のパーフェクトメイドさんとは違うので混濁しないように。

その一言で、そうだったと言いながら先程の提案をしようとしていた事を口にしようとするがその前に彼は蒼に一つ確認しておく。

 

「あっちって、今は明け方だよな?」

 

「ええ、美女に挟まれて」

 

「だったら―――――」

 

 

そして、場所は打って変わり聖フランチェスカ学園留学生寮。

時刻は明け方で、東の空に明るみが朧げに見えると言った感じである。そんな寮の一室に着衣が乱れている男性一人と女性三人。

客観的にどう見ても事後である。ちなみにチョイスは愛紗、亞莎、霞である。霞が愛紗と一緒になり歓喜したのも重点的に戯れたのも言うまでもない。

ここで普通に目を覚ませば爽やかに日の出を拝む事が出来るであろうが、そうはならず静寂(せいじゃく)は破られることになった。

 

「うわああああああああああぁぁ!?」

 

そんな叫び声と共に一刀は上半身をバッ、と起こした。冷や汗がなぜか服に滲んでいる。

そして、すぐさまアレが夢であると言うことを把握し心の中で安堵する。

 

「(なんだ、夢か。しかし、やけに生々しかったな。変な集団に俺の息子が何度もバッサリやられる夢とか女にされたりとか、貂蝉と卑弥呼となんか青いつなぎを着た奴に……)」

 

この先は思い出すのは止めようと思った。下手をすればまた出るかもしれないし既にトラウマものである。

取りあえず、再び寝ると言う選択肢は先程の夢で消えた。もう一度地獄に飛び込むのは御免である。そう思い、腰を上げようとするが左腕を掴まれる。

 

「どこへ行くんや?」

 

この声が誰か分かりつつ起こした事による反省を同時に行った。先程の大声で起きなかったから大丈夫だとは思ったのだが、そう都合よくはなかった。

 

「いや、ちょっと外にでも行こうかと。もう一度寝る気にはなれなくて」

 

言いながら霞の方に視線を見やる。恐らく今は苦笑いしているだろうと思いながら。

 

「なんや悪夢でも見たんかいな?えらいけったいな叫び声上げてたみたいやし」

 

「悪夢と言うかトラウマと言うか……」

 

一刀は布団に腰を落とし左側にいる霞に顔を見せながら横になる。それと同時に霞も掴んでいた左腕を離す。

 

「ふーん、あんまり聞かんとくわ。思い出したくないみたいやし」

 

「ありがとう」

 

さらりとお礼を述べる一刀に、どことなくムズ痒さを霞は感じていた。これが彼の魅力ではあるが相変わらず慣れないと言うか、小恥ずかしいと言うか。

 

「もう、これぐらいでお礼言われることやあらへんのに。それはそれとして」

 

そう言いながら霞は一刀の股間に手を這わせる。その行動に思わずビクッと一刀は見を震わせた。

 

「ふふ~ん♪朝からお盛んやなあ」

 

今の彼女は非常に悪戯っぽい笑みを浮かべている。気のせいか猫耳が見えるし、頻(しき)りにピコピコと動いている気がする。

 

「おい、霞!?」

 

「まあまあ、ウチに任せてくれたらさっきの嫌な夢も忘れさせたるさかい」

 

「いや、そういうんじゃなくて他の二人が起き――――」

 

一刀の台詞は最後まで言わせてくれなかった。

 

 

そして、見ていた景色が突然閉じられる。

 

「はい、カットー」

 

そう声が上がったのは再び正史の人間たちがいる白い空間。

楕円形に切り取られていたかのように揺らめく景色。具体的には先程の一刀と霞のやり取りをリアルタイムで見ていたのだが、蒼が閉じた。まるで、テレビをリモコンで消すかのようにぷっつりと。

 

「蒼さん、今いいところじゃないですか」

 

そう愚痴るのは砂のお城。余程続きが見たかったのだろうか溜息を吐き残念な表情を蒼に向ける。その様子に蒼は呆れて突っ込む。

 

「張飛(鈴々)風に言うなら、にゃんにゃんはなしです」

 

「え~……」

 

砂のお城は消えいるかのような声で、『それはないわあ』みたいなニュアンスが含まれている一言であった。

しかし、蒼にも言い分はあった。

 

「私、(現在)17ですよ?」

 

「運営的に無理なら、仕方がない」

 

それで彼は納得してくれたようである。

 

「と言うか砂さん、喰いつき過ぎでしょ」

 

とここで別の方から突っ込みがきた。

砂のお城がそちらの方を見ると、無双ゲームの関平がいた。彼の名はそのまま関平である。冗談好きではあるが、基本つまらなかったり笑えなかったりするので大体の人はスル―している。

人当たりはいい方である。

 

「そうだよねえ。物凄く食い入るようにして見てたし」

 

そう言いながらも手を先程からまったく休めずに試験管やらフラスコやらリービッヒ冷却器やら、様々な道具を白い机に並べながら色のついた液体を混ぜ合わせている女性。

名前をプーすけ6と言う。黒髪のテールに科学者の様な白衣、眼の色は赤である。

 

「前屈みになって鼻の下伸ばすのも分かるけど、露骨に出すのは駄目じゃないの?」

 

「某クマが言ってたじゃないですか、仮に変態だったとしても変態と言う名の紳士って。つまり、俺は紳士的な行為しかしてないわけですよ」

 

「変態の皮かぶった変態の間違いでしょう。甘露さんはどう思う?」

 

ジト目で砂のお城を一瞥した後、甘露と言う人に話を振る。

 

「ん~?」

 

そんな間延びの返事をして振り返ったのは、椅子に座っているくしゃくしゃの天然系の髪型をした栗色の髪の男性。眼の色は濃い群青色で眼鏡と腕にアクセサリーを数個つけ

 

ている。少し彼は考えるそぶりをしながら、椅子を回転させる。そして、止まったかと思うと。

 

「いいんじゃないですか?変態と言う名の淑女で」

 

「甘露さん、話聞いてないなら聞いてないと言ってちょうだい」

 

どうやらうろ覚えであったようで、見当違いな解答が飛び出た。突然話を振ったのにも原因はあるだろう。思わず突っ込んだが、彼女は手は止めずジト目で一瞥するだけ。

そしてプーすけ6にとっては前回の当てつけの様な感じがしないでもなかった。

 

「そう言えば、プーすけ6さん」

 

と、今度は甘露から話が振られてくる。

勿論手は止めないが。

 

「ん~?どうしたの?」

 

「今度からプーさんと呼んでいいですか?」

 

「ぶーーーっ!!!?」

 

「おい!?汚ねえな森羅」

 

甘露の思わぬ一言でアクシデントが発生した。

蒼と砂のお城の後方で聖フランチェスカ学園の話に花を咲かせていた戦国と森羅である。会話の内容から、森羅が何かしら吹き出したのだろう。

そう思い蒼がそちらの方に目を向けると、なぜか2リットルのペットボトルに入ったコ〇・コーラが戦国と森羅が使用している白い机の上に置かれていた。そして不思議な事に戦国に液体が掛かっているかと思えばそうではなく、液体が小さい球状になって戦国の目の前でピタリと止まっている。その光景を目の前で見ている戦国も呆気に取られている。

 

「危ないところだったね」

 

声がした方に戦国が視線をやり、

 

「サラダか、助かった」

 

と彼の名前を呼びお礼を述べた。

そこにいるのは中性的な少年で明るい緑色の天然パーマで、瞳は青竹色であった。

 

「ところでコレってどうすればいいの?」

 

サラダがそう言って液体に翳(かざ)す様にして伸ばしていた右手少し動かすと戦国の前で液体が少し揺れる。

 

「森羅の口にでも戻して置け。そこらに捨てたらジョージが怒りそうだし」

 

「だよね」

 

そう言って右手を森羅の方に少し振ると液体は森羅の口に向かっていった。

 

「ちょ!?待っ―――ごぼ」

 

台詞は最後まで言わせてもらえなかった。

そんないざこざあった途中に原因の方では、

 

「甘露さん狙って言ってる?」

 

「いや、天然だと思いますよ?」

 

砂のお城の問いかけに半分自信なさげに答える蒼。

 

「話が変態紳士グマから夢の国のクマに進化してるんだけど。天然にしては話の飛躍が高度過ぎるだろ」

 

蒼の解答にあまり納得がいかず砂のお城は勢いのまま突っ込む。しかし、そう言われても戸惑うしかない蒼。

 

「もう、甘露さんだからで済ませましょう。この手のはあまり深く突っ込んだら負けです」

 

そうして結局彼は匙を投げた。

 

「しかし、プーさんか。駄目な意味の方での"ぷー"にちなんでるんじゃないのか?」

 

「薬漬けだし?」

 

狭乃 狼が気付いたようにして冗談交じりに言った言葉に関平が便乗する。それを聞いていた周りの何人かは顔を反らして思わず失笑する。が、関平と狼の二人に軽く殺気が飛んできた。思わず二人がそちらに目をやると、当然のことながらそこにはプーすけ6がいた。そして、彼女は俗に言ういい笑顔で一言。

 

「貴方達を"ぷー"にしてあげましょうか?」

 

「「……すみません」」

 

流石にこう言われて二人は押し黙るしかなかった。その後なんとも言えない気まずい雰囲気になってしまったので蒼は軌道修正する。

 

「……そろそろ本編に戻りましょうか」

 

そう言って彼は再び景色を開く。

 

「(そう言えば、この物語の主人公と目的って言った方がいいのだろうか?いや、それだとネタバレか)」

 

蒼の心のつぶやきは当然誰にも聞こえない。

 

 

時は進み、時間的にはお昼前と言うところ。今日もまた現代知識の講座が開かれている。しかし、一ヶ月程度で文化の違いを全て詰め込める訳ではなく。ましてや、これから学園に通う彼女達に高校科目までの勉学知識が覚えられる訳もない。だが、それでもこの世界での一般常識ぐらいは覚えて貰わないと色々と困る。そんな訳で多少かけ足になり、詰め込み作業となる訳だが当然ついて行けないと言うものは出てくる。

 

「うぅ~~ん……頭が痛い」

 

「……姉者」

 

まだ開始1時間も経っていないのにこの台詞を言う、自分の姉に呆れた視線を向ける。そして、その主君である彼女も溜息を吐く。

 

「春蘭、あなたは何に頭を悩ませているの?」

 

「何にと言われましても、いきなり50個も覚えるのは……」

 

「いえ、実際に使うのは46文字です」

 

「そう。良かったじゃない春蘭、蒼燕が言うには覚える数が減るそうよ」

 

微笑みながら曹操こと華琳は夏侯惇こと春蘭に笑みを浮かべながら言うが、どこか威圧感を放っている。現在は聖フランチェスカ学園留学生寮にあるラウンジの一つ。そこに魏の諸将と袁家の諸将が集まっている。そして、彼女達の居るラウンジのホワイトボードに張り出されているのは、所謂(いわゆる)あいうえお表である。

 

「ただ覚えるだけなのに何をそんなに頭を悩ませる必要があるのよ!!」

 

そう、華琳の言う通りただ書いて覚えるだけ。他に考える必要があるのかと言えばぶっちゃけ必要はない。

 

「むぅ~~~」

 

しかし、春蘭は唸るだけ。

 

「覚えるだけがそんなに苦労……いや、いきなり違う言語を学べと言われても混乱はしますか」

 

張郃こと蒼燕は粗方基礎知識については色々と話し終えたので次にこの世界(場所は日本なので日本語)の文字について簡単な説明をした。しかし、習うよりも慣れろ。それに切羽詰まっていることもあって早速あいうえお表を使って書いて覚えて貰おうと思ったが矢先これである。そして、蒼燕は教師ではないため果たしてこの方法で合っているのかは分からない。だが、まさかここで詰まるとは思ってもいなかった。このまま、全員が出来るまで待つのは時間の関係上厳しいものがある。

蒼燕は一息吐いた後、別の案を頭に浮かべ言葉にする。

 

「仕方ありません。やり方を変えましょう。理解出来る方は先に進めながら分からない方に教えてください。質問に関しては臨機応変に自分が答えられる範囲で答えます」

 

そう言った後、ガヤガヤと少し騒ぎだすラウンジ。見る人が見ればテスト前の風景に見えるかもしれない。

蒼燕を除く彼女達の格好に目を瞑ればだが。

 

「さすがに貴方一人だけじゃ厳しいでしょうね」

 

「ええ。さらにに言うなら自分と美雄(メイション)に北郷さんの三人だけでは教えるのに時間がかかります。しかも、その時間さえも限られてくるとなるとかなり厳しいですね。北郷さんに関しては詳しくは知らない見たいですし。この時代の人たちは自国のことには疎いんでしょうか?」

 

華琳の言葉に肯定を示し、問題と疑問を言いながら彼女は本を開く。当然、華琳は彼女が読んでいる物が気になった。

 

「あなたが今読んでいる本は何かしら?」

 

「これですか?これはこの国の法ですよ」

 

そう言いながら、ページを閉じずに半開きのまま少し見せつけるように掲げる。

 

「教えられたら教えようかと思ったんですが、さすがにこれは止めておいた方がいいですね」

 

「あら、どうして?」

 

「一言で言うなら"ややこしい"に限りますね。まあ、殺しや盗みに暴行などをしなければ基本的には引っかからないでしょう。あと、物を壊したりとか武器を持つのは禁止と言うところですか。これも、臨機応変に答えて行くしかなさそうですね。大人しくして居れば何事もないのでしょうけど……はぁ~」

 

「どうしたのよ。いきなり溜息を吐くなんて」

 

「いえ、なんでも。ただ、袁家にいたと時のことを思い出しただけですよ。あちらでは何事もない方が珍しかったですから」

 

戦や警邏や賊の出現などは抜きにして、と付け足して蒼燕は再び溜息を吐く。

 

「そう言えば、貴方もあの非常識の家臣だったわね」

 

「"元"家臣ですけどね。前にも話しましたけど降伏した後に飛ばされて有耶無耶になってしまったんですよね。ところで今思えば自分は仕官出来るんでしょうか?」

 

「有能な子ならいつでも受け付けているわよ。次代の人材を育てるための教育者も欲しいところね。それはそうと、貴方が袁家にいた時の話に興味があるわ」

 

「別に話しても構いませんけど、あちらで猪々子や斗詩に聞く機会はいくらでもあったのでは?」

 

蒼燕の疑問は的を射ていた。多少の諍いはあるだろうが戦は終わり、政(まつりごと)が忙しいにしても気が休まる時が無い筈はないだろう。休暇の一つや二つぐらいはあるはずだ。

 

「確かに私自身は暇が時々出るわ。だけど、その二人はほとんど麗羽にべったりだから向こうには機会が無いのよ。それに仮に二人だけだとしても途中で後から出てくるわよ。麗羽とはあまり鉢合わせたくないしね」

 

「ああ、成程」

 

華琳の言葉に思い出すような顔をしたあと、蒼燕は納得した。

 

「それに」

 

「?」

 

「私は貴方自身に興味があるのであって、袁家の内部事情に興味がある訳ではないわ。いくら切羽詰まってるからと言っても息抜きぐらい必要でしょう?」

 

「そう言う事ですか。気遣いは自分には無用だと言いたいのですが」

 

「駄目よ」

 

きっぱりと華琳は切り捨てたが、蒼燕自身としても遠慮するつもりは最初からなかった。曹孟徳からのせっかくの好意だし少々根を詰め過ぎと言うのも自覚していた。

文字の練習はいいのかと突っ込まれそうだが、蒼燕が少しだけ華琳の手元を見た時、そこにはさまざまな単語が書かれており(勿論ひらがなだが)見ている限りは間違いなどは見受けられなかった。

おそらく、大方はすでに理解しているのだろう。

質問が来たら途中で話を切ると断りを入れてから蒼燕こと張郃は本を机に置き、話し始めた。

 

 

~あとがき劇場~

 

さて今までならここから過去話が始まり、終わりまでぶっ通しなんですが………。

 

蒼燕「さすがに能率が悪く、上書き保存してなかった絶望感が大き過ぎるので、こまめに投稿するという方針で行くことにしたそうです」

 

さすがに何日も掛けると学校の予定が差し迫って中断してまた日数が延びると、悪循環だと言うことに気付いたのです。

 

蒼燕「今更感全開ですけどね」

 

全開も全開ですよ。あと、マンネリ化してくること。

 

蒼燕「熱意とか意欲が冷めないでしょうね?」

 

恋姫熱は冷めてませんよ。無印からやれば萌え上がりますから。

 

蒼燕「字が違います」

 

イメージとしては、初代アニメガンダムの歌詞のように燃え上がれ~♪と言う感じで恋姫に対する意欲が上がりますから。

 

蒼燕「逆に分かりにくいんじゃないですか?」

 

まあ、置いといて。まだ入学にすら入ってないと言うこの遅さ。何を言っても屁理屈や言い訳にしか聞こえないでしょう。結果を出さないことには信用なんてされませんからね。

 

蒼燕「要は謝罪する暇があれば書くと言う方針に出るみたいです。ちなみに自分の過去話はどれくらいで終わりますか?」

 

前編と後編に分けそして、一週間以内には終わってる予定。あと、突っ込みどころはコメント欄にて受け付けます。

 

蒼燕「ちなみに凌統こと自分の妹は出番が無いから、と言って寝ました」

 

要は不貞寝です。

 

蒼燕「さて、お互いに頑張りましょうか。自分は外史で」

 

私は正史で。それにしてもやっぱり謝らないと後味悪いですね。更新遅れてすみませんでした。ああ、この後私が乗りと勢いのみで考えた蛇足と言うか一種の企画を考えました。本編には影響ありませんので読まなくても大丈夫ですよ。と言うかこんなの考えてる暇があったら続き書けって話ですけどね。マンネリ化対策で考えてたんですが。それでは、どうぞ。

 

 

~おまけ~

 

「他の外史に行きましょう」

 

蒼(あおい)が唐突に言った言葉。そこから巻き起こる波乱。

 

「唐突な話ね」

 

「ちなみに行く外史は『魔法先生ネギま!』と『緋弾のアリア』と二つありますがどうします?企画的には行きたい人だけ行って好き勝手するという原作介入万歳な世界ですけど」

 

ほわちゃーなマリア、通称マリアに構わずテンションが上がり気味な感じで唐突に言った本人は話を進める。

 

「ルールはチートなしでその世界に似合った能力を身につけると言うゲーム的な方針で行きます。最初の標準的な能力からどの分野に飛躍するかは各々で決める。チートなしですから、地道に修業しなければならないと言う面倒くさい仕様。当然、その外史の一度きりの人生。死んだら終了。コンテニューなしのワンコインゲームです。と言う訳で私は『緋弾のアリア』でトリガハッピーと罠使い、人間火薬庫の称号を得に行ってきます」

 

そして、ハイテンションなまま楕円形に揺らめく景色を開くと、とう!と言いながら飛び込んで行った。

 

「蒼さんが壊れたにゃ」

 

丸い猫、うたまるが蒼を見て誰もが示す普通の感想を漏らした。

 

「鬱憤でも溜まってたんじゃないのか?」

 

青で赤の線の入ったジャージに頭にタオルを巻いた黒髪で黒眼の男。スターダストがうたまるに続き呟く。視線は蒼が飛び込んであろう地点に自然と向く。勿論、景色は既に閉じられている。

 

「そもそも、正史の人間が外史に入ってもいいものなのだろうか?」

 

「チートはなしって言ってたから外史に影響を及ぼすほど力は出さないでしょうね」

 

MGSの雷電のような顔立ちをした男、へたれ雷電が疑問を呟く。そして、プーすけ6が答える。

そして全員はうーん、と首を傾げる。

 

この企画、果たして伸るか反るか!?

 

 

 

 

 

――希望があれば続く!!(多分)


 
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