『あかりんのことかーーーーーーー!!!』
「いつ見ても面白いな、このアニメ」
智樹が昼間からテレビアニメを見ていた。
「何なのよ? このアニメ」
「俺が小さいころにやってたアニメ『ブレイクグレイブ』って言う番組だ。
昔かなり流行ってたんだぜ。今やってるのは再放送なんだけどやっぱり流行っただけあって面白いな~。
特に今の場面、主人公の京志郎が女友達の燈(あかり)が殺されて怒りのあまりに金髪に覚醒するとこ……。
男なら一度なってみたいと思うぜあんな風に覚醒して強くなるの」
「………」
智樹の反応を見てイカロスの顔が少し暗くなる。
「どうしたのアルファー」
「マスターが強くなるのはいいのですが……」
「……ああ、そこはあまり気にしなくていいわよ。
智樹だって強くなりたいとかは思っても実際にアルファーや私達にいなくなって欲しいだなんて思ってないわよ」
「ですが……」
「ああ~、一度でもいいからあんな風に強くなりてえな~」
「お兄ちゃん強くなりたいの?」
「まあできればだけどな…」
「う~ん」
カオスが少し考えた末答えを出す。
「イカロスお姉様、カードない?」
「あるけど」
「出して♪」
「でも……」
「大丈夫だよ♪ お兄ちゃんなら大丈夫」
「………分かった」
イカロスがカードを取り出し、智樹に渡す。
「よし、これでいくぜーーーーーー!!」
智樹の手に渡ったカードがすべてを包み込むかのように光り輝くのであった。
智樹、覚醒!!
それから数日後。
「智ちゃん……」
いつものごとく、エッチな本を読んでいたところをそはらに見つかる智樹。
「覚悟は出来てるんだよね……」
そはらがいつものようにチョップの体勢に入り、チョップを振り降ろす!
数日前なら智樹はただ無抵抗にそはらの殺人チョップをくらっていた。
しかし今は違っていた。
智樹にチョップが届こうとした瞬間、智樹はそのチョップをなんと受け止めたのだ。
「え?」
そはらは信じられず智樹を見た。
すると智樹の髪の毛は逆立ち金髪になっていた。
「智ちゃん……」
「……のことか………」
「え?」
智樹が何を言ったかそはらは聞き取れなかった。
「レミさんのことかーーーーーーーーー!!!」
「ええええええええ!?」
智樹がエッチな本に出てくる女性の名前を叫んだためそはらはひどく動揺した。
「うおおおおおおおお!!」
智樹はお返しとばかりそはらの胸やお尻を触りまくる。
「きゃあああああああああ!!」
そしてそはらはその場に力尽きるように倒れこんだ。
「はあ……はあ………」
「これが……今の俺の力……うひょひょひょひょ」
智樹はエッチな本を見ている時の顔をした状態で家を出て行った。
「智ちゃん……」
そはらは智樹の後を追おうとするが、力が入らない。
「そはらさん、大丈夫ですか?」
そはらのところにイカロスがやって来る。
「イカロスさん、智ちゃんを止めて…」
「マスターを…」
「今の智ちゃんは私達の知ってる智ちゃんじゃない……。エッチに目覚めた怒りの……戦士……」
そはらは意識を失う。
「そはらさん……分かりました」
「アルファー、行くわよ」
「うん」
イカロスとニンフは智樹の後を追う。
「ひょひょひょひょ!!!」
『きゃぁああああああああ!!』
智樹は街中で思いっきり女性達にセクハラ行為を繰り返していた。
「ひょおおおお!!」
智樹は叫ぶ。
「そこまでよ! 智樹!」
そこにニンフ達よりも前にアストレアがやって来る。
「覚悟しなさい!」
アストレアがchrysaorを構え、智樹に向かって突撃していくが、智樹はなんとアストレアの加速スピード以上の速さでアストレアの攻撃を避けた!
「嘘っ!」
「遅い!」
智樹はそのままアストレアの後ろに回り込み、アストレアの胸を鷲掴みにする。
「きゃっ!」
「ひょひょひょひょひょ!!!!」
「きゃあああああああ!!」
アストレアは智樹のセクハラ行為によりダウンする。
「はあ……はあ…」
「さてと、もういっちょ…」
「パラダイス=ソング!」
智樹の上空からパラダイス=ソングが飛んでくる。
「!」
パラダイス=ソングは智樹に直撃した。
「やった?」
爆発の煙が晴れるとそこには服がぼろぼろではあるものの無傷で立っていた智樹がいた。
「無傷!?」
「町は壊せてもたった一人の人間は壊せないようだな」
「トモキ…一体……」
「マスター、あなたは一体何者なんですか?」
「とっくにご存じなんだろ?
スケベ心を持ちながら、激しい怒りによって目覚めた伝説の戦士、スーパーエッチ人桜井智樹だ!」
智樹は力を放出する。
「スーパーエッチ人って……」
「行くぜ!」
智樹は上空にいるイカロス達に向かって跳んでいく!
「うひょひょひょひょ!!!!」
智樹は高速の速さで手を動かし、イカロスとニンフの胸と尻を触りまくる。
「きゃぁああ!!」
「マスター……」
智樹はニンフはともかく、いつもはセクハラをしないイカロスに対してもセクハラ行為を行う。
「………っぽ」
イカロスはセクハラされたことに頬を染める。
「アルファー?」
「マスター、ありがとうございます」
「へ?」
イカロスのとんでもない発言にセクハラしている智樹も一瞬戸惑った。
「今までマスターは私に対して、ニンフやアストレアやそはらさんみたいなスキンシップしてくれなくて寂しかったです」
イカロスは感動のあまり思わず涙が流れてくる。
「けど……マスターが他の人にも同じようなスキンシップを続けるのなら……私はマスターを止めます! Artemis」
イカロスが智樹に向かってArtemisを発射させる。
しかし智樹はアストレア以上の速さで動き、Artemisをすべてかわしきる。
「速い!」
「デルタ以上の加速!」
「もらった!」
智樹が再びイカロス達に手を伸ばそうとした時、突然智樹の手は何かに巻きつかれる。
「何!?」
智樹が巻き付いてきたものがやって来た方を見る。
そこにいたのは大人の姿になっていたカオスがいた。
「カオス……」
「お兄ちゃん……」
カオスは羽で智樹の体を縛り上げ、自分の元に近づける。
「お兄ちゃん……」
カオスは智樹を縛っていた羽を一時的にほどき、ほどいたのと同時に自身と智樹を縛り上げ、智樹と自分の体を密着させる。
「カオス」
「お兄ちゃん、私も寂しかった…。お兄ちゃん、私もイカロスお姉様と同じでニンフお姉様やアストレアお姉様のようなスキンシップしてくれないもん。
でも、これならお兄ちゃん、私に触り放題だよ」
カオスは修道服を脱ぎ始める。
「ううううううう……ああああああ………」
密着された状態で大人カオスの脱ぎ姿を見て智樹は興奮を抑えきれない。
「氣が高まる……溢れる………。うおおおおおおお!!」
智樹が密着されながらも何とか手を動かしてカオスの大きな胸を触ろうとしたが……。
「aegis」
カオスと智樹の周りにaegisが張られたことに気づく。
そして智樹はようやく気付いた。
既にイカロスがAPOLLONを放っていたことに……。
「ぎゃああああああああああ!!」
智樹はカオスと共にAPOLLONをくらい、地面に落ちて行った。
「マスター!」
イカロスは智樹を抱える。智樹の髪は元の状態に戻っていた。
「よかった…」
「今度からカードの使い方、改めた方がいいかしら」
それからと言うものの……。
「うひょひょひょひょ!!」
相変わらずエッチな本を読みまくる智樹。
「智ちゃんのエッチーーーーー!!」
そして女性にセクハラするたびにそはらのチョップをくらう智樹。
「あんなことがあったのに懲りないわね、トモキ」
「でもお兄ちゃんらしくていいと思うよ」
「はい。あれでこそ、マスターです」
「……それもそうね」
なんやかんやでそんな日常を楽しむイカロス達であった。
終わり
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今回はいつもとは作風を変え、枡久野恭(ますくのきょー)さんの作品を参考にしたかなり話が変わったものです。