No.276644

思春の気持ち

黒山羊さん

へぅ( ゚∀゚)o彡°(おはようございます)黒山羊です。
第2回同人恋姫祭りが開催しました。

まず、簡単に自分の作品の説明をしますね。
2本長編を書いています。

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2011-08-17 19:38:39 投稿 / 全13ページ    総閲覧数:4989   閲覧ユーザー数:4147

視点:一刀

 

風が香り、果てしなく水面が続くこの光景。この風景は久しぶりだ。

三国が統一してから、政務で多忙なため、なかなか都の外に出ることが無かったからだ。

この光景を見て、この先にある古き俺の故郷があると思うと少し懐かしくなる。

そう、俺は呉のある港で海を見ている。

後ろから足音が聞こえてきた。足音は俺の警邏隊の副官、楽進こと凪のものだった。

 

「隊長!もう少ししたら、到着します!」

 

「あぁ、ご苦労さん。凪。あれの試運転はどうだ?」

 

「はっ!真桜が言うには全く問題ないそうです。」

 

「しかし、すごいよな。俺は簡単な構造しか教えていないのに、マジで作ってしまうなんて。」

 

「えぇ、カラクリのことになると真桜はいつもの百倍仕事をしますから。

……警邏の時もこのぐらい仕事をしてもらいたいです。」

 

「たしかに、それはそうかもしれないな。」

 

以前凪の気弾で工房が全壊し、カラクリを弄る資金も無ければ、機会も、設備も無かったため、真桜はカラクリに餓え、まるで浜に打ち上げられた魚…いや、煮干しそのものだった。

不憫に思った俺は、真桜のカラクリ技術を生かしたあるプロジェクトを立ち上げ、冥琳の助力を得た。

俺と冥琳からそのプロジェクトを真桜に説明したら、皺くちゃだった真桜の顔はハリのある綺麗な顔に戻った。

それからの真桜はすごかった制作期間は半年と見積もられたのに、3ヶ月でカラクリを完成させてしまったのだ。

そして、出来たカラクリがもうすぐこの港に着こうとしている。

 

「……たしかに、すごいな。」

 

「隊長は初めて見られるのですか?」

 

「あぁ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「すごいな。豪華客船、白帝号は」

 

そう、呉で真桜に作らせたのは、豪華客船だ。

なぜ、こんなモノを作ったかというと、三国を旅したいと言う人が増えたため、国営で海運業をすれば、儲かり、国庫が潤うと思ったからだ。

呉で作らせたのは呉の造船技術のレベルが最も高かったからである。

この船は帆船では無く、スクリューで動く。スクリューの動力はこの豪華客船に搭載された気のバッテリーだ。

だから、この船を作るのに真桜のカラクリ技術が必要だったのだ。

運行速度も帆船とは比べ物にならないぐらい速く、安定している。

しかし、この船のバッテリーは気の使い手である祭さん、春蘭、凪、真桜ぐらいしか充電できない。

これがこの船の唯一の欠点だが、燃費はとても良いので、一度充電すれば、1年はもつらしい。

凄過ぎだろ。日本が誇るホン○・カブもびっくりの燃費の良さだ。

 

驚いていると真桜と思春が船から降りてきた。

 

「どうや、隊長?ウチらが作った白帝号は?」

 

「いや、マジですげぇよ!真桜なら出来ると思っていたけど、こんな完成度が高いと思わなかったよ。」

 

「いやぁーん♡隊長。もっと褒めて♡」

 

「真桜は天才だな。」

 

俺は真桜を褒めながら、抱きしめて、頭を撫でる。腕の中の真桜はくすぐったいのか、くねくねと体をよじる。

 

「思春もお疲れ様。どうだった?スクリュー船を動かした感想は?」

 

「確かに悪くないが、帆船でなれている私達からすれば、ものたらん。どうにかしろ。」

 

「ふっふーーん。思春はん。さっきと言っている事ちゃいますやん。

さっきは、北郷を見直したとか、北郷と天の国に行ってみたいとか言ってましたやん。」

 

「真桜!余計な事を言うな!北郷!今真桜の言ったことを忘れろ!」

 

「分かった!分かった!!忘れるから鈴音はマジで止めて下さい!首筋に当てないで下さい!」

 

「ふん、分かれば良い//////。」

 

思春は俺と目を合わせずに、顔を赤くしながら、鈴音をしまう。

そんな思春の照れ隠しに、俺は萌えてしまい、思春を抱きしめたい衝動に駆られたが、ここで思春を抱きしめたら、鈴音の柄で殴られて、海に突き落とされるだろう。

それなりに泳げるとは言え、服を着ながら泳げるほど上手ではないので、止めておこう。

 

「あれ?思春?何処に行くの?今から船上で白帝号完成パーティーだよ?」

 

「ふん、面倒だから行かん。じゃあな。」

 

「待ってくれ。思春。」

 

俺は咄嗟に思春の腕を掴む。思春は振りほどこうと手を振るが、俺は思春の柔らかく小さな手を握りしめる。

理由は分からないが、何故か思春はいつものような力が入っていない。

手を振りほどこうとするのを諦めたようなので、俺は思春を引き寄せて、思春の前で膝まづき、両手を握る。

思春はあいかわらず、こっちを見てくれない。

 

「俺は白帝号完成パーティに思春も出て欲しいんだ。真桜からの手紙で思春がこの白帝号を作るのに、すごく貢献してくれたって聞いていたから、俺は思春と完成の喜びを分かち合いたいんだ。

だから、パーティに出てくれないか?」

 

「貴様がどうしてもと言うのなら、考えてやらんでもない//////」

 

「どうしても俺は思春とパーティーに出たいんだ。頼む。」

 

「ふん。そこまで言うなら、仕方なく船には乗ってやる。感謝しろ。」

 

思春は船の方に戻って行った。俺はそんな思春を見て安堵する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

視点:思春

 

ふん、私はどうしたのだろう?

真桜が北郷に抱きしめられて、頭を撫でられているのを見ると、何故かイライラしてしまった。

だから、あの場に居るのが楽しくなかったので、私はあの場から離れようとしたのだ。

しかし、北郷は去ろうとする私の手を握ってきた。

私はその手を振り払おとしたが、北郷の大きな手の感触が気になって本気で手を触れなかった。

北郷の力は思った以上に強く、私の力は思った以上に出ない。私は手を振りほどくのを諦めた。

押してダメなら、引いてみろ。隙を突いて逃げるつもりだった。しかし、そんな思惑とは裏腹に、北郷は私を引き寄せ、私の前に膝まづき、私を泣きそうな目で見てきた。私は、必死に目をそらした。

そんな目で見るのは止めろ!貴様男だろう!私にどうしろと言うのだ。

私の頭の中がそんな言葉で混乱する。

そして、頭の中が混乱している私に北郷はパーティーに出て欲しいと懇願してきた。

北郷の泣きそうな目に逆らうことが出来なかった私は仕方なく、船には乗ると言った。パーティーに出席してやると言わなかったのは、北郷がパーティーで真桜とイチャイチャするのだろうと思うとどうしても参加する気になれなかったからだ。もしかして、私は嫉妬しているのだろうか?

私が北郷と二人っきりで居たいと思っているだと!?ふん、馬鹿馬鹿しい!

 

だが、やはり面白くないと思った私は船の屋根の上で、唯ボーっと海を見ている。

今頃、北郷は女尻でもおっかけているのだろうな。ふん、浅ましい男だ。

あの男が皆から好かれている理由が分からん。蓮華様もあの男に心酔しすぎだ。

あの男が蓮華様を泣かす日も遠くないだろう。それを防ぐためにも、あの男を監視し続ける必要があるな。

 

「うん?あそこに居るのは焔耶か?」

 

焔耶。魏延という名の蜀の武将だ。

これまでに、何度か北郷の護衛で任務を共にしたことはあったが、私と仲の良い人物では無い。

確か、三国が戦をしていたころに蜀に潜入した時の情報では、北郷のことが嫌いだったらしく、主君の劉備になついていたと記憶している。要するに当時の焔耶は今の私にもっとも近しい人物だった。

しかし、先日の五胡の戦で心境が変化したのか、北郷と仲良くなったらしい。

要するに今の焔耶は今の私からもっとも遠き人物だ。

 

「気分転換に少し話してみるか。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うん、思春。ひさしぶりだな。何処に行っていたんだ?」

 

「船内の巡回だ。雪蓮様が乗られているのだ。念入りに船内を調べる義務が私にはある。」

 

「そうだったのか。お館が探していたぞ。」

 

「気が向いたら、あってやる。ところで、一つ聞いて構わんか?」

 

「どうした?」

 

「お前は元々北郷のことが嫌いだったと言う。しかし今では劉備と同等の感情を抱いていると聞いている。

いったい何がお前を変えた?」

 

「へぇっ!!アンタどこでそんなことを知った?」

 

「昔の話だ。気にするな。で、何がお前を変えた。答えろ。」

 

「こっちの疑問には答えてくれないのかよ。まぁ、いい。少しばかり素直になっただけだ。」

 

「素直になった?」

 

「あぁ、私は確かに昔お館が嫌いだったかもしれない。

桃香様の尻を追いかける。それだけなら百歩譲って許したとしても、他の女にまで手を出している。

色恋沙汰には酷くだらしなく、翠が言うようにエロエロ魔神だ。

だから、許せなかったが、お館を知っていくうちに嫌いという感情が消えて行ったのだと思う。

そして、五胡の戦いの時に、私はお館の危機で居ても経っても居られなくなり、単騎で五胡の軍勢に飛び込んだ。

そこでお館が無事だったのを確認すると、嬉し過ぎて泣きそうになった。

なぜ此処まで嬉しかったのか、あの時はよく分からなかった。桃香様は恋だと言ったが、私は納得できなかった。

恋というモノがどういうモノなのか経験がなかったからだ。経験のない物を始めから理解できるわけがない。

私は数日悩んだ。自分の気持ちを持て余してしまった。

そして、この気持ちがなんだったのか気付いたのは桃香様達と服屋に行った時だった。

沙和や真桜、華琳殿、桃香様に見立ててもらった服を試着して、外に出てみると、そこにお館が居たんだ。

お館はヒラヒラした服を着た私を見て、可愛いと仰られて、私は凄いドキドキした。

その後、お館と二人でデートしたら、お館が私のことを好きって言ってくれて、胸が張り裂けそうになった。

私はその時分かったんだ。嬉しかった。もっとお館に好きって言って貰いたいって。お館に恋してるって。

私は自分の気持ちを理解して、納得して、自分の気持ちと正面から向き合おうと思った。

だから、私は素直になったんだ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

焔耶はとても嬉しそうに、頬を染めながら話してくれた。

こちらから聞いておいて何だが、正直とてもイライラした。理由は分からないが、イライラする。

よし、今度北郷にあったら、アレをもいでやろう。あの男のことだ。もいでもどうせ生えて来るだろう。

 

「私から一つ聞いてみても良いか?」

 

「質問に答えてくれた礼だ。答えても良いだろう。」

 

「何で私にそんな質問をしたんだ?」

 

………何故だろう?

気分転換で焔耶に話しかけ、面白くなくなり、イライラしたが、最後まで焔耶の話を聞いてしまった。

イライラしたのなら、途中で話を切るか、逃げてしまえばよかったのに…。

 

「わからん。」

 

「わからんって…アンタ。」

 

「知らないモノは知らん。分からないモノは分からんだ。仕方あるまい。」

 

「昔の私を見ているようだ。………とすると、お館のことが気になりだしたのか?」

 

「馬鹿な!ありえない!戯言は寝てから言え!」

 

「いやだって、お館の話をしてきたってことは、お館のことを知りたかったんだろう?

これまでアンタと話をしたことがあったが、お館の話題になった事が無かったから、もしかしてと思ったのだが、違うのか?」

 

「当たり前だ!あのだらしない忌々しい男のことを誰が気になるものか!」

 

「フフフ…、本当に昔の私のようだ。」

 

「貴様!笑うな!」

 

「アンタはお館に好きだとか、可愛いとか言われたことは無いか?」

 

「あったが、どうかしたか?」

 

「どんな気持だった?」

 

「……わからん。」

 

「なんでだ?好いていないのなら、不愉快にならないか?だが、アンタは今分からないと答えた。

だとすると、アンタはお館の事が嫌いだが、可愛いと言われて嬉しかったんじゃないのか?

つまり、お館に好きや可愛いと言われて、不愉快だったが、嬉しかった。不愉快と嬉しいは矛盾する感情だ。

自分の気持ちが理解できなくて困っている。だから、私にさっきの質問をしてきたんじゃないのか?」

 

「!!もう、これ以上は話すことは無い。じゃあな。」

 

「おい!!なんだよ、アイツは。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私が本心では北郷のことを好いているだと?ありえん!蓮華様と似たようなことを焔耶は言う。

これまで、あの男と肌を重ね、子を産んだのは、孫呉の繁栄の為だ。

決してあの男が好きだからという阿呆みたいな理由からではない!そうだ!あの男のこと…な………ど。

確かに、可愛いや、好きといわれて嫌な気持にはならないが…………。

本当に私は北郷のことをどう思っているのだろう?

 

「一体、私はどうしたい?どうありたいのだ?」

 

私は甲板の手すりを持ち、外を見ながら、歩く。

何処まで海は続いている。海の水平線をこうやって見るのは初めてだ。長江で見る水平線と違う。

長江の水は茶色だから、空と水の境目がハッキリしているが、海の水は空の色に近いため、水平線の境目が長江のモノよりハッキリと見えない。まるで私の心のようだった。何処が海なのか空なのか分からない。

私は北郷の事が好きなのだろうか?それとも嫌いなのだろうか?私の気持ちはどちらなのか分からない。

 

そもそも、私は北郷にどう思われたいのだろう?それが分かれば、自分の気持ちが分かるような気がした。

とりあえず、北郷と仲良い関係だった場合を思い浮かべてみる。

しかし、全くと言って良いほどそんな関係の私と北郷を想像できない。

ただ、娘の為にも良い関係でなくてはならないとは思っている。

次に北郷と仲が悪い場合を思い浮かべてみた。しかし、これも想像できない。

想像できないのだから、自分がどうありたいかなど分かるはずが無い。

 

「仕方ない。試してみるか。」

 

以前私が自分の心のモヤと向き合った時に使った手法を使ってみることにした。そう、北郷と接してみる。

相手を知るには相手と接してみるのが良い。逃げながら、観察し、隙を突くより、遥かに能率的だ。

そして、この方法は孫呉の流儀でもある。方針が決まれば、あとは行動あるのみ、私は北郷を探しに行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

視点:一刀

 

「居ないな。思春。何処に行ったんだろう?」

 

白帝号完成パーティーが始まり、皆で立食パーティーをしている。

でも、俺は今その場には居ない。なぜなら、思春を探しているからだ。

あの時、船には乗ると言ってくれたが、パーティーの会場には居なかった。

やっぱり、思春ともこの船の完成を祝いたい。だから、必死に探している。

ほとんど回ったはずなんだけど、入れ違いになったか?

いや、一か所だけ行っていない所がある。操縦室だ。俺はそこへと向かった。

 

「って誰も居なくても大丈夫なのか?」

 

操縦室は誰も居なかった。ちゃんと操縦出来ているのか心配になった俺は操縦のからくりを見る。

何と、自動運転の所にレバーが入っていた。マジかよ!真桜凄過ぎだろう。こんなのも作れるのかよ。

 

「って、それより思春を探さないと。」

 

俺は操縦室から出て行こうとすると、横からいきなり押さえつけられ、からだが操縦室にあるからくりにぶつかり、床に倒れた。俺はどうやら誰かに襲われたらしい。ヤバイ。誰かを呼ばないと!

だが、口を押さえつけられ、声が出せない。俺は死を覚悟した。

 

「北郷。」

 

聞いた事のある声だった。俺は俺に馬乗りになっている相手を見る。思春だった。

俺と目が合うと思春は俺の口を解放してくれた。何処行ってたの?とかパーティーに行かないか?と聞いても無視された。何やら考えごとをしているのか、馬乗りの状態で、一人でブツブツ言っている。

だが、何かを決意したのか、思春は俺を睨みながら言った。

 

「貴様に頼みがある。」

 

「何かな?」

 

初めてかもしれない。思春が俺に頼みごとをしてきた。いつもなら脅してくるのに。

いつものように睨んできてはいるが、全然怖くなかった。顔を赤くし、殺気はまるで無かったからだ。

 

「私に愛情表現をしてみろ。」

 

「はい?」

 

「だから、私に接吻するとか、好きとか言えと言っている。」

 

「えぇーっと。何でか教えてくれないかな?」

 

「四の五の言わずさっさとしろ!」

 

「はい!」

 

俺は思春を引き寄せると思春は俺の上に倒れた。左腕を思春の腰に、右腕を右肩にまわして抱きしめる。

そして、俺は思春の左耳元でささやく。

 

「思春がどういう思惑なのか分からないけど、俺は思春の事が好きだから言う。

俺は思春という女の娘が大好きだ。好きで好きで仕方がない。」

 

俺は転がり、今度は思春に覆いかぶさる体勢になった。

俺は思春の首にキスをし、胸を揉む。俺の下で思春は身もだえしている。

 

「思春好きだ。愛してる。」

 

「わ…かった。もういいか……ら…やめ……ろ。」

 

「いやだ。思春が俺に愛情表現しろって言ったんだ。だったら、最後までさせてくれ。」

 

「いいかげんしろ!」

 

「げふっ!」

 

俺は膝蹴りを喰らい、のたうちまわる。なんで!?

 

「っはーーっはーーっはーーー。よ……よく分かった。では、もうひとつの頼み事だ//////。」

 

「俺は何も全く分からないんだけど。で、どんな頼みごと?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「私に嫌いと言え。」

 

「えっ!?」

 

「いいから、私に嫌悪の態度を示せと言っている。さっさとしろ。」

 

「どうして?」

 

「四の五の言わずにしろ!」

 

「嫌だ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

視点:思春

 

「ふざけるな!さきほどの事は聞けて、今のは聞けないだと!!」

 

「ああ、俺は思春が好きだ!だから、どんなに頼まれても、思春に嫌いなんて言えない!」

 

「貴様の気持ちは良いから、言えと言っている!」

 

「ちょっと落ち着いてくれ。思春。どうしたんだ?今日の思春はおかしいぞ?」

 

「私はいたって冷静だ!貴様がおかしいに決まっている!」

 

「思春!!」

 

北郷が吠えた。私はビクッとなり、目を瞑ってしまう。私は不覚にも北郷ごときに気押されてしまった。

私は恐る恐る目を開けると、北郷は泣きそうな目で私を見てきた。

 

「ごめん、思春。怒鳴ってしまって。でも嫌だったんだ。

好きな女の娘には嘘でも嫌いなんて言えなかったんだ。理由も教えてくれないから、訳が分からなくて

……つい。」

 

「ふん。」

 

「………で、なんで俺に嫌いって言わせようとしたんだ?」

 

「実は……。」

 

私は北郷に全てを吐いた。

自分が北郷にどう思われたいのか、北郷をどう思っているのか分からないから、前の時のようにすれば、何か分かるかもしれないと思ったと。

すると、北郷はいきなり笑いだした。

 

「貴様!何を笑っている!」

 

「だって、あっはっはっはっはっはっは!すっげーーー思春らしかったから。つい。」

 

「いい加減笑うのを止めろ!切り落とすぞ!」

 

「ごめんごめん。

だって、そんなの最初から答えは決まっているから。」

 

「なんだと!?」

 

「だって、好きな相手の気持ちは気になっても、嫌いな奴とかどうでも良い奴とかの気持ちなんて気にしないだろう?

俺は思春の気持ちとか思春の考えている事が気になる。それはやっぱり思春が好きだから。

でも、今あそこで飛んでいる鳥の気持ちなんて、正直俺にとってどうでも良い。

思春はどう?蓮華が思春にたいしてどう思っているか、気になっても。呉で暴れる賊が思春に対してどう思っているかなんてどうでもよくない?」

 

「確かにそれはそうだが……。だが、私は…。」

 

「じっくり考えてみてよ。それで思春が何か試したいことがあるなら、俺はつきあうよ。

あ!でも、俺は何が合っても思春が嫌いだなんて言わないからな。例え演技でも。」

 

「わ、わかった。」

 

「じゃあ、パーティーに行かないか?思春?」

 

「待て。北郷。さっそく試したいことが出来た。」

 

「何?」

 

「貴様はそこで座って居たら良い。」

 

「此処?」

 

「あぁ、そして、私が今からすることを黙って受けていろ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

視点:一刀

 

「んんンんン…………。」

 

いきなり俺の唇に思春は唇を押し当て、貪るようについばんでくる。

俺も積極的な思春を抱きしめようとしたら、その手を払いのけられた。

 

「貴様はじっとしていろ。」

 

「えぇーっと、思春?何がしたいのか教えてくれないか?」

 

「いつも貴様が私にやっている事を私が貴様にする。思いつく限りのことをしてみる。

それで私が嫌だと思えば、止める。続けたいと思えば、少しの間する。やりたいことができたら、それもしてみる。

それで最終的に貴様がいつも私にやっている事と、私が続けたいと思ったことを比較してみる。

一致するモノが多ければ、貴様と私の気持ちの共通点が多いと言う可能性が産まれる。

だから、貴様は私が指示するまでじっとしていろ。」

 

「了解。」

 

「そういえば、耳の後ろを舐められたことがあったな。」

 

「し…しゅん。く……くすぐ………ったい。んンんん//////」

 

「……悶える相手を見るのは存外悪くないな//////ならこれはどうだ?」

 

「ししゅ……ん!!ンんンんん!!!!みみをあまぎゃみしにゃいでく…りぇぇぇぇぇ!!!」

 

「いつも貴様に攻められてばかりだ。私が攻めても良いだろう?可愛いぞ。北郷//////」

 

「俺は可愛いなんて言われても、困る。女の娘は可愛いけど、俺なんか、男だし可愛くねぇ―だろう?

ッッッッッツーーーーーー!!!駄目だ!思春。乳首を噛まないでくれ!!

刺激が……強すぎて……ら…め………。

止め……って……。待っ………って…くれっ!!!思…しゅ……ンんンんンん!!!!

頼む!まっンんんンんって……ら……めらんら……。」

 

「どうしてだ?言ってみろ。

涎を垂らしながら、息絶え絶えの貴様に発言を許可してやる。」

 

「その…しげ…きがつよ…すぎて…いき……そう……。っはあーーっはあーー。」

 

「結局のところ貴様はどうしてほしいんだ?止めてほしいのか?続けてほしいのか?」

 

「そ……それは………。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふふっ…、楽しかったぞ。貴様を鳴かすのは…。光栄に思えよ。」

 

「っそーーーっですか。ありがたきーーー幸せにーーーございます。っはーーーっはーーー。」

 

「これからも色々と試すから、楽しみにしていろ。さて、早くパーティーに行くぞ。支度しろ。」

 

「はい、思春女王様//////」

 

「皆の前でその呼び方をしたら、もう次は無いぞ。」

 

「分かったよ、思春。」

 

「分かればよい。」

 

「で、思春は俺のことは好き?嫌い?」

 

「今は好きということにしておいてやる。貴様に抱かれるのも、貴様を抱くのも悪くないからな…。

それに、貴様に触れられないのが続くと思うと…少しばかり……寂しいかもしれん。

だが、この気持ちでは確定ではないから、これからも相手しろ。」

 

「わかったよ。思春。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

パーティー会場に行くと思春は女王様と呼ばれ、弄られた。艦内放送で思春の情事筒抜けだったらしい。

どうやら、俺が思春に押し倒された時にぶつかったカラクリが放送のからくりだったらしく、その時にスイッチが入ったようだ。そして、弄られた思春の怒りの矛先は当然俺に向けられる。

 

「くたばれ!!北郷!!!」

 

俺は船から投げ飛ばされて、海に落ちた。

その後、海流に乗り、流され、気が付いたら、日本に居た。

マジで死ぬかと思ったぜ。

 

 

 

 

メェー( ゚∀゚)o彡°黒山羊です。

 

如何だったでしょうか?

 

 

 

 

 

 

………なんじゃこりゃ?ですよね。すみません。駄作ですよね。

思春女王様って……皆さんはありですか?

 

 

では、またお会いしましょうww。

 

へぅ( ゚∀゚)o彡°

 

 


 
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