No.264148

真・恋姫無双 魏が滅亡した日 Part44 春蘭

見習いAさん

春蘭の異変

2011-08-07 22:39:13 投稿 / 全4ページ    総閲覧数:2400   閲覧ユーザー数:2224

今の俺なら春蘭と戦える気がするんだ

 

「正気か?」

 

秋蘭の反応は当然だと思う

けど

 

「うん、秋蘭は兵の指揮を、春蘭は任せて」

 

秋蘭の静止を振り切り前へ進むと、騎馬の攻撃を防ごうと構える重装歩兵の後ろに立った

春蘭なら必ず歩兵を乗り越え、ここに来るはずだ

 

「なんだろう・・・・高揚感?」

 

初陣でもないのになんだろこの気持ち

まるで

 

「試したがってる?」

 

何を試したいのか自分でも分からない

不思議な感覚だった

 

「・・・来たっ!」

 

晋の騎馬隊が目前に迫ってきた

騎馬隊と歩兵の距離が縮まったタイミングを計り秋蘭が号令をかけた

 

「あげろーーーー!」

 

号令を受けると、盾となるはずの重装歩兵が足元に隠していた長槍をスッと騎馬隊に向け持ち上げた

突撃を開始していた騎馬隊は、前方に長槍の柵が突然現れ慌てふためいている

長槍を回避できなかった騎馬がどんどん倒れていく

 

「よしっ!」

 

会心の結果に心の中でガッツポーズをしていた

 

「北郷おおおおおおおおおおおおお!!!!」

 

春蘭が来た

春蘭は味方の騎馬隊に目にもくれず、一足飛びでここまで来た

壁がなんの役にも立たない

 

大ジャンプを決め大きな落下音と共に、土煙を上げながら春蘭が俺の前に立った

 

「春蘭・・・・」

 

今にも噛み付いて来そうな春蘭

今まで何度も殺されそうになったけど、今回は違う

やらなければやられる

 

真桜特製の刀を構えた             

俺の刀、春蘭の七星餓狼

武器の長さは互角、少しこちらが長いくらいかな

 

「間合いだ。間合いで勝負するしか」

 

七星餓狼よりも先に打つ

それしか春蘭に勝つ方法はない

 

刀を右手で持ち、後ろに力を溜めるように構える(牙突の右イメージ)

右の平突き

真っ直ぐに突っ込んでくる春蘭は平突きを避けるだろう

右か左に避けたところへ、刀を返し横薙ぎの一撃を撃つ

真っ直ぐな春蘭なら軌道を変えたことで必ず態勢が崩れるはずだからきっと決まる

 

「春蘭ごめん、峰打ちで行く」

 

春蘭を傷つける

そんなことやりたくないけど、負けるわけにはいかないんだ

 

「来る」

 

土煙の中から七星餓狼を構えた春蘭がまっすぐに突っ込んできた

 

「右か、左か」

 

どっちだ

どっちに避ける

 

今だ!

 

「ッ!!」

 

春蘭は避けなかった           

「そ、そんな・・・・嘘だろ・・・・・・」

 

刀は、春蘭の胸に突き刺さっていた

 

「そんな馬鹿な・・・・・春蘭なら簡単に避けれるはずじゃ・・・・」

 

「・・・・北・・・郷」

 

「春蘭!?」

 

春蘭の声を聞き、刀を手放し春蘭に手をかけようとした

 

「だめだ一刀!!」

 

「秋蘭?」

 

秋蘭へ顔を向けたとき、春蘭の七星餓狼が振り上げられた

 

間一髪、秋蘭の弓が七星餓狼を迎撃

 

慌てて春蘭から刀を抜き、秋蘭のところへ

秋蘭の隣でようやく春蘭に視線を向けることができた

すると、春蘭の胸の傷が見る見る治っていくのが見えた

そういえば、刀が刺さっているのに出血もなかった・・・・

 

「どうなってんだよ秋蘭・・・・」

 

「分からん、以前戦ったときもこうだったのだ」

 

以前戦ったとき、多分救出に来てくれた時のことだろう

 

「あの時、明命の刀が何度も姉者を捉えた。しかし、姉者の傷はすぐに回復してな」

 

あの時、俺は秋蘭が開けたドアに頭をぶつけて気を失ってたんだっけ

 

「姉者は・・・・・人ではなくなったのかもしれん」                   

秋蘭は知っていたんだ

だから何の躊躇もなく春蘭に矢を放った

 

どうしたら、春蘭は元に戻ってくれるのだろうか

 

「華琳の部屋に行くしかない・・・・」

 

「うむ、そのためにも、ここを生き残らねばな」

 

華琳の部屋の秘密

その謎を解かない限りこの戦いは終わらない

 

「ところで北郷、いつの間にそんな戦い方を覚えたのだ?」

 

「祭さんに叩き込まれた」

 

「やはり黄蓋か」

 

「うん、さっき確信したよ。俺は・・・・呉に居たんだ」

 

「いつだ?建業を訪れた時のことではあるまい」

 

「う~ん、分からないんだ。ただ、さっき感じてた高揚感は雪蓮の物だと思う」

 

「雪蓮の?言っている意味が分からんぞ北郷」

 

「・・・・自分でもわからない」

 

けど、呉にいたのは確かなんだ

 

「もしかしたら、蜀にも居たのかも」

 

「北郷、貴様いつの間に」

 

秋蘭の弓がこちらに向けられる

 

「ちちち違うって!そういう意味じゃなくて」

 

「・・・・どういう意味なのか詳しく聞きたいところだが、姉者が動き出したようだ」

 

春蘭の傷はきれいに消えていた


 
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