No.229958

真・恋姫無双「新たなる地と血」第15話後編

一樹の危機に現れた人物。それは雪蓮であった。

そしてある人物が一刀に接触してくる。

2011-07-23 00:10:51 投稿 / 全5ページ    総閲覧数:5672   閲覧ユーザー数:4437

客間に通されお茶をしながら待っていると扉が開き雪蓮たちが入ってきたかと思い、そちらを向くと入ってきたのは銀色の長い髪の女性。

先の黄巾の乱の際、雪蓮と協力して賊を殲滅した時に一緒に居た女性、確か黄蓋さんと思い出し挨拶をする。

 

「お久しぶりです。黄蓋さん。」

 

「策殿が客を連れてきた言うから来て見れば北郷では無いか。久しいな、…ん、その子はお主の子か?」

 

「はい、ほら一樹ご挨拶。」

 

「こんにちは、北郷一樹です。」

 

「ほう、中々礼儀正しい子じゃ。儂の姓は黄、名は蓋、字は公覆、真名は祭じゃ。よろしくな一樹。」

 

真名を預けられた一刀は驚く。

 

「良いのですか?」

 

「構わん、策殿も預けたんじゃろう?それにお主は信用出来るからな、子供が真っ直ぐ育っておるのがなによりの証拠じゃ。」

 

一樹の頭を撫でながら言う。

 

「ところで雪蓮は?」

 

「今頃、公瑾にこってり絞られておるじゃろう。まあいつもの事じゃ。」

 

「いつもの事、なんだ…」

 

『姉様は何時も自由奔放でした。』

 

蓮華が言っていた事を思い出し、顔を引き攣らせながら笑うしかなかった。

しばらく祭と談笑しながら雪蓮たちを待つこととなり、ようやく冥琳達が現れたが雪蓮はげっそりとし心なしか痩せ細って見えたのは気の所為では無いだろう。

 

「待たせたな、お客人。…と祭殿何をされてるんですか?」

 

「心配せんでも良い、儂は今日の分は終わらせておるから。」

 

周喩の目が一瞬険しくなるのを見て一刀は(この人もか…)と思わずにはいられなかった。

 

「いえ、祭さんが来たんで退屈では無かったですよ。」

 

「なら結構です。何時もこうなら良いのですが…」

 

「止めい公瑾。客がおる前で、みっともない。」

 

「…そうですな。では改めて。姓は周、名は喩、字は公瑾です。先日の共同作戦の件、誠に有難う御座います。」

 

さらに言葉を続けようとしたが祭に言われ客の前ということで止め、咳払いをして周喩は自己紹介を始めた。

 

「始めまして北郷一刀です。こっちが息子の「北郷一樹です。」。礼を言われるほどのものじゃ無いです

よ。最善の策を選んだだけですから。」

 

一刀は周喩の表情を窺い見るが特に変化が無い為、此処の彼女は記憶が無いと思った。

 

「え~冥琳、一刀に真名は預けないの~?」

 

いつの間にか復活した雪蓮は周喩に文句を言う。

 

「…私はしばらくの間様子を見て彼が信用に足るかどうか判断してからにする。」

 

「ぶ~ぶ~冥琳固~い。」

 

雪蓮の野次を無視し周喩は侍女に宴の用意を命じる。そして宴と聞いて雪蓮は直ぐに文句を言うのを止めたちまち上機嫌になったのは言うまでも無いだろう。

そして宴が終わり一刀は一樹を寝かし付けた後、厠に行った帰る途中周喩に会った。

と言うより周喩は一刀を待ち構えていた。

 

「あれ、未だ寝ないんですか?周喩さん」

 

「…少し話があるんだがいいだろうか。」

 

特に断る理由も無く、そして周喩の只ならぬ雰囲気に一刀は後を付いて行った。

人気の無い所で立ち止まり周喩は口を開いた。

 

「北郷一刀、お前はあの『天の御使い』と言われていた男か?」

 

「?!」

 

一刀は驚いた。最初会った時、特に何の変化も示していなかった周喩の口から嘗て自分がそう呼ばれていた『天の御使い』という言葉が出て来た事に。

 

「…あなたも記憶があるのですか?」

 

「以前雪蓮にお前の名前を聞いた時からずっと引っ掛かっていた。そして今日会ったとき全てを思い出したよ。蓮華様を裏切った事も、城に火を放ち自害した事も…」

 

「そうですか…。ではあなたにあの後の出来事と俺が此処に来てからの事を話しましょう。」

 

「いいのか?また裏切るかも知れんぞ。」

 

「大丈夫ですよ。雪蓮が生きているんですから。それにこれを聞いたらそんな気にはならないですよ。」

 

そして一刀は今までの事を話した。

「…そんなことがあったとは。」

 

自分が居なくなった後の大陸のいや世界のいってもいいだろうその行く末、それにより蓮華達『呉』だけではなく『魏』も『北郷軍』も全て無くなった事を聞いて言葉を失う。

だが一番辛い筈の一刀は何か決意をした目をしていた。それに気付いた周喩は尋ねてみた。

 

「北郷、貴様私に『全て』話して何を考えている?」

 

「考えるって言うほどのものじゃ無いですけど護りたい。只それだけですよ。」

 

周喩の言う『全て』とは司馬懿から一刀が聞いた外史の存在、最初周喩はそんな馬鹿なと思っていたが一刀の存在に気付き否定する事を止めた。

一刀の存在、それが何よりの証拠となっている事に気が付いたからだ。どこからとも無く現れ、その知識を以って大陸を平定した男。これ以上に無い説得力のある存在だから。

 

「だから周喩さん。あなたも雪蓮や蓮華たちを護って欲しい。俺が望むのはそれだけです。」

 

「冥琳だ。「え?」真名を貴様に預けよう。私もお前と同じ思いを持つ者、かつて孫堅様も仰られていた。

 

『呉の領地に住まうものには平穏な日々を、呉の領地を荒らす者には容赦無い死を。』

 

雪蓮の死によってそれを忘れてしまい、勘違いをした私は蓮華様に覇道を歩ませようとした。

 

それを償うために私は再び生を受けお前に出会い記憶を取り戻したのかもしれん。」

 

「そんな大袈裟な…」

 

「そう思うか?ではなぜ今まで会えなかった者達に会えるようになった。そこに疑問を持った事もあるだろ

う?お前も言っただろう自らの力を蓄える時期ではないか、と。その時期を過ぎ会うことが許されたんだと

私は思う。」

 

「・・・・・・」

 

「だれに?と聞かれると返答に困るがありきたりな所で言うと神、又は外史という奴かもしれん。」

 

一刀は驚く、少し話しただけで其処までの推論に辿り着いた事に。流石は呉の柱石、周公瑾だと舌を巻いた。

 

その後、すこし話をした後は寝所に別れていった。

あとがき

 

一刀と冥琳の邂逅。如何でしたでしょうか?

 

この二人って直接の会話はほぼ無かったですよね?(作者はうろ覚え)

 

だから変な遺恨も無くこうなりました。

 

ここで蓮華達が居ないのは黄巾の乱の事後処理で空けているという裏設定です。

 

蓮華達と一刀が会うのはモちょっと先の予定です。

 

ではまた次回ぃ~


 
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