No.226877

真・恋姫無双「新たなる地と血」魏・拠点ー3

…もう昨日になりましたが七夕だったんですね。余りにも関係ないんですっかり忘れてましたww
マアこの話は置いといて拠点ー3です。
今回は華琳と桂花です。

2011-07-08 00:34:14 投稿 / 全3ページ    総閲覧数:5715   閲覧ユーザー数:4467

ここ数日、華琳はすこぶる機嫌が良かった。その理由は先日一刀が出した改善案で城下の治安がよくなった事やそしてその影響で商人達の出入りが多くなり経済が活性化した事等々。

約一名を除いては概ね皆機嫌良く働いている。

日が頂に上がり頃華琳は昼餉を取りに食堂へ向かおうとした所で中庭で桂花が難しい顔で卓を睨んでいるのを見つけ、何をしているのかと思い近寄ってみると象棋を指していた。しかも相手は一刀。

「やあ華琳、どこに行くの?」

一刀は気が付き挨拶をする。だが桂花の方は華琳に気が付かずじーっと盤を睨み微動だにしない。よっぽど集中しているらしい、普段の彼女なら華琳が近寄って来ようものなら何をおいても駆け寄ってくるのだがそれが無いほど真剣に盤を神経を注いでいるようだ。

そんな桂花に気を使ってか華琳も小声で一刀に話しかける。

「お昼を取りによ。ねえどういった状況なのよ?」

象棋の経過を一刀に訪ねる。

「………長考中。」

一刀の間のある答えに随分考え込んでることが伺えた。

先ほどの約一名とは桂花である。先日一刀が持ってきた改善案に(間違った方向での)対抗意識を燃やした桂花はここ数日暇を見つけては象棋で勝負を挑んできたのである。

最初は落とし穴を掘って一刀を嵌め様としたのだが一樹が嵌まりちょっとした大騒ぎになり華琳からきつくなが~いお説教を食らったのだ。

それならばと今度は象棋を持ち出し勝負を挑んだのだが、いきなり連敗を食らってしまい続く3戦目・4戦目で連勝し五分まで持っていった。

その後は勝ち負けが入れ替わってなかなかどちらも連勝出来ないでいた。だが今日は違ったらしく昨日一刀が勝ったのだから今日は桂花というわけではなさそうだ。

桂花が次の手で悩んでいるという事は一刀が優勢らしく、華琳が盤を覗くと桂花は何とか打開策を見つけようとしているが明らかにここから覆せ無い状態であった。

軍師たるものどこかで打開策を見つけ所属する軍を勝利を導く。その心意気は買うが素人目に見ても明らかでこれは悪足掻きに他ならない。

「一刀あなたお昼は?」

「まだ。」

「…呆れた、桂花がこんなんじゃいつまで経っても食べられないわよ。放って置いて行けばいいのに。」

「いや~それは酷いんじゃないかな。真剣に考えてるのに放って置いてメシに行くなんて。」

「ふう、本当にお人好しね。食べる時間が無くなってお昼抜きで働く気?」

昼からは警邏で動き回らなければならない為お昼は食べておいたほうが良いに決まっている。

見かねた華琳は盤を取り上げた。

「ちょちょっと何を…って華琳様!?」

「桂花あなたねぇお昼から仕事があるでしょうに、何時までしているつもり?」

「え?え?…あ~もうこんな時間!?」

桂花は華琳に言われて気が付く、もう昼餉を取る時間になっている事に。

華琳の仲裁により二人は昼餉を取りそれぞれの仕事へ向かったが、桂花には散々言われた。

「お昼になったならちゃんと言いなさいよ!それさえ出来ないの?ほんと馬鹿じゃない?死ぬの?死ねばいいのに!」

とまあ気を利かせたつもりだったが裏目に出たようだ。

夜、夕餉を取り終え一樹を寝かしつけた後一刀は中庭で酒を飲んでいた。

そこへ華琳がやってきた。

「華琳お疲れ、今仕事が終わったのか?」

「仕事はとっくに終わってたわ。少し打ち合わせをしていたのよ。それにしてもいい身分ね、私がまだ仕事をしているのに飲んでるなんて。」

「飲むか?」

器を差し出し一緒に飲もうと一刀は誘う。

 

酒が進んだ頃華琳は不意に一刀になぜ今まで此処に来なかった事を尋ねた。

「ねえ一刀、なんで今まで姿を見せなかったの?」

「…何回か皆の居るトコには行ったよ、けど逢えなかった。」

「逢えなかった?」

オウム返しに華琳は聞き返す。

「ああ、例えば此処に来ても華琳は用事等で居なかったり、いや華琳だけじゃない他の子達も同じ様に其処に行っても行き違いで逢えなかったりだったよ。正直あの時は何の嫌がらせかと思ったよ、泉に聞いても何も応えてくれなくてさ。けど今なら何と無く分かるよ。今はその時じゃないんじゃないかってね。」

「その時じゃない?」

「そ、今まで逢えなかったのに急に華琳たちに逢えた、この8年間は力を蓄える時じゃないかって思うんだ。」

「…そう。ねえ一刀あなた父親なのよね?」

「?ああそうだが…?」

一刀は華琳の言おうとしていることが判らず戸惑ってしまう。

「だったら生きなさい。あの子を悲しませない為に。」

「華琳…わかったよ。」

「分かればいいわ。さてそろそろ寝ましょう。明日も仕事があるんだし。お休み一刀。」

「ああ、お休み華琳。」

二人は分かれそれぞれの部屋に向かう。

(華琳は気が付いているのか?…だとしたら流石と言うか何というか。)

一刀は華琳の観察力に感心しながら部屋に入り一樹が寝ている寝台の隣に入り眠りに付く。

あとがき

 

オチ?そんなものは無いです。

 

今回一刀と華琳のちょっと真面目なお話です。

 

次回は黄巾党のお話、と言ってもあんまり長くは無いでしょうが…

 

ではまた次回~


 
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