No.221605

恋姫外史・あるところに一刀第25話

アキナスさん

さて、孫呉が動き出します・・・

2011-06-09 10:29:53 投稿 / 全5ページ    総閲覧数:11480   閲覧ユーザー数:8372

「・・・随分にぎわってるわね」

 

「ああ、この短期間の間にここまでやるとは・・・」

 

孫策と周瑜は袁術に呼ばれ、彼女のいる南陽に来ていた

 

そして街の様子を見て驚いていた。

 

前に来た時は活気はさほどなく、民もみな疲れた顔をしていた

 

しかし今は、市には活気、街には笑顔が溢れていた。

 

「・・・ここを攻め取っちゃったら私達のほうが悪者になっちゃうんじゃない?」

 

「・・・だろうな。しかし、もう止められんよ」

 

「そうよね・・・」

 

そんな会話を交わしながら二人は歩いて行く

 

袁術たちのいる城へと・・・・・

 

 

 

「よく来たのお」

 

「ええ、来たわよ。それで今日は何の用なの?」

 

「は~い、それは私が説明しますね~」

 

孫策の質問に七乃が答える

 

「どうも各地で農民の反乱が起きてるようなんですよ、それで孫策さんたちに鎮圧をお願いしたいな~?なんて・・・」

 

「ふーん・・・」

 

「・・・それは構わんが、兵が足りん。呉の旧臣たちを呼び寄せてことに当たりたいのだが・・・」

 

周瑜はチラッと、袁術の左側にいる男、北郷一刀を見る

 

「・・・・・」

 

一刀は無言で孫策たちを見ていた

 

「はいは~い。構いませんからちゃちゃっと片付けてきてくださいね~」

 

「うむ!任せたのじゃ!」

 

二人は深く考えず決めてしまう

 

「それじゃあ帰るわ。準備しなきゃいけないし・・・」

 

そう言い足早に帰っていく孫策

 

周瑜も彼女に続いて出て行った・・・・

二人が出て行って少しして

 

ようやく一刀が口を開いた

 

「・・・んで、どうするつもりだ?」

 

「・・・ほえ?」

 

「何がですか~?」

 

美羽と七乃は一刀の質問がよく分からないようだ・・・

 

「だから、孫策たちとどう戦うか?ってことだ」

 

「何故孫策と戦うのじゃ?」

 

美羽の質問にハァ、と一刀はため息をつき

 

「あのな、あいつらが呉の旧臣集めるって言ったのは、お前達と戦って呉の領土を奪い返す!って言うことだったんだよ」

 

「な・・・なんじゃと~~~!!」

 

ようやく事態が飲み込めたのか美羽が叫ぶ

 

「どうしてさっき、その事を言わなかったんですか~?」

 

「あそこで言ったらその場で孫策に殺されそうだったしな・・・」

 

「そ、それで、どうするのじゃ~~?」

 

涙目になっている美羽

 

「心配するな、策はある!」

 

自信満々に胸を張る一刀

 

「そうなんですか?」

 

「ああ。とっておきのやつだ!」

 

「そんないい策があるのかえ?」

 

「フフフフフフ、それはな・・・・・」

それから少し時は流れて・・・

 

孫策率いる孫呉の軍は南陽に到着していた

 

のだが・・・

 

「・・・ねえ冥琳」

 

「何だ?雪蓮」

 

「あれって・・・」

 

パタパタとたなびく旗

 

それは白旗だった

 

「許してもらえると思っているのかしら?」

 

孫策がそんな事を言っていると

 

ズズズズ・・・

 

正門が開いた

 

「・・・・どうする?」

 

「・・・・とりあえず部隊を先行させて、様子を見てみよう」

 

周瑜の命令で、1つの部隊が正門に入っていく・・・

 

結果をいえば

 

抵抗はなかった

 

というより抵抗する兵士がいなかった

 

街には警邏兵しか残っておらず、城には文官しか残っていなかった。

 

城にも最低限の物しか残っておらず、美術品などは全て無くなっていた

 

金もほぼ無く、糧食も最低限、そして武器に至っては塩水がかけられておりほとんどが使えなくなっていた。

 

この事態を文官に訊ねると

 

「北郷様のご指示で・・・」

 

と言う答えが返ってきた

 

話はこうだ

 

一刀は贅沢品は全て売り払い、国庫の金、そして糧食もそのほとんどを民に分け与えたのである

 

また兵たちには民に分け与える前に退職金を渡し、故郷に帰らせた

 

結局旅費だけを持ち、一刀と麗羽、美羽と七乃、そして美羽の親衛隊100人程はさっさと城を抜け出したのである

 

ほぼからっぽの城を残して・・・・・

 

「・・・やってくれるな、北郷一刀」

 

「ホント・・・これだけ準備してきたのに何だったのかしら?・・・今までの私達の苦労は・・・・」

 

苦々しい表情を浮かべる周瑜と、怒りを通り越して脱力してしまった孫策

 

 

こうして

 

 

 

孫呉の悲願は

 

 

 

全く予測できないカタチで

 

 

 

成就したのだった・・・・・・・

 

 

 

 

 

話は孫策たちが来た日に戻る

 

一刀はこう言った

 

「逃げるんだよォォォーーーー!!」

 

その言葉に二人は唖然とした

 

そして正気に戻った後

 

「それのどこがとっておきなんですか~~!」

 

「そのとおりじゃ!」

 

口々に非難する二人

 

「じゃあ、臣下勢ぞろいのあいつらに勝てるのか?」

 

「「う・・・・」」

 

二人は押し黙る

 

「いいか?偉大なる紳士の言葉にこんなものがある。「逆に考えるんだ。あげちゃってもいいさと考えるんだ」とな。命は助かるし、領主なんて立場に縛りつけられる事もなくなる、結構いい選択だと思うんだがなあ・・・・・」

 

「う~ん」

 

「しかしの~・・・」

 

二人はまだ渋っている

 

それを見て一刀はこう言った

 

「美羽、戦って負けたらお前も七乃も殺されるかもしれないんだぜ?いいのか?」

 

「・・・・・い、嫌なのじゃ」

 

孫策に殺される所を想像したのかブルブル震えだす美羽

 

「七乃さん。アンタは美羽さえ無事ならいいんじゃねえのか?少なくとも、生活は俺が保障するぜ?」

 

「う~ん、それもそうですね」

 

結局二人はその案に乗ることにした

 

そして一刀は

 

「せっかくあげるんだから、ちょっと苦労してもらおう」

 

という事で城の中を空っぽにして出てきたのである

 

こうして彼らは白蓮のところに向かった。

 

意外とスッキリした顔で・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

どうも、アキナスです

 

そんなこんなで新章も終わりです(笑)

 

ちょっとおまけを書くつもりです

 

美羽たちを仲間にした一刀たちのこれからは?

 

それでは次回に・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

「ターちゃんパンチ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 
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