No.221124 仮面ライダーディケイド×新・恋姫†無双 feat戦国乙女 新たなる外史への扉 第9話 西女国男BLACKさん 2011-06-06 16:55:29 投稿 / 全10ページ 総閲覧数:1873 閲覧ユーザー数:1750 |
第9話 西女国男
「わぁ~い、海だ海だ」
何とか西国に着いたヒデヨシは海を見てはしゃいでいた。
「はしゃぐでない。まだ病み上がりであろうに」
はしゃぐヒデヨシをなだめるノブナガ。
「え~、だって海なんか久しぶりだし~。あ、お館~おっきな貝が~」
ヒデヨシが拾った大きな貝をノブナガに見せ、ノブナガが手を挙げる。
そのノブナガの後ろには思いつめた表情のミツヒデがいた。
「どうしたんだ? ミツヒデ」
そこに一刀が声をかけてくる。
「何でもない」
「何でもなかったら声かけるわけないだろ。何かあると思ったから声かけてるんだ。俺に相談してみな。
力になるかもしれないぜ」
「貴様に関係ない!」
ミツヒデが一刀に怒鳴る。
「うん? どうしたミツヒデ」
ノブナガがようやくミツヒデに声をかける。
「やはり具合が悪いのではないのか?」
「あ、いえ…お館様。何でも……ございませぬ」
ノブナガが相手でも何でもないと言いとおすミツヒデ。
「あれ? あけりん元気ないね。もしかしてお腹すいちゃった?」
そこにヒデヨシもやって来る。
「それはお主の方であろうが…」
「え……」
「はっはっはっ」
「こりゃ一本取られたな」
「ばれておるぞ、ヒデヨシ」
ノブナガと一刀は笑う。
「え~、私いつもそんなに食べ物のこと言ってませんよ~」
「そうよの~、一日にたったの十回くらいよの~」
「あ~、ひっど~い」
「はっはっはっ」
「実はもっと言ってたりしてな~」
「一刀さんも~」
三人の楽しそうなやり取りに思わず目をそらすミツヒデ。
「ねえねえねえ、あけりん」
ヒデヨシに声をかけられて視線を戻すミツヒデ。
「これから会いに行く人達ってどんな人なの?」
「どんな…とは?」
「だってほら、あたし、名前くらいしか教えてもらってないし~」
そんな時、海の方から何やら音がしてきたので、一同がそちらに目をやる。
「知らざあ言って聞かせやしょう!」
海の上には小舟があり、そこには三人の女性が立っていた。
「桂浜にて産湯を浸かり、鍛え抜かれたこの体! 朱色の兜は鬼面! 巨大な斧を自在に操る、天下無双の力自慢! 長曽我部モトチカとは……あ、あたしのことだ~!」
「さて、その次に控えしは肥後に生まれし武士の自慢の金髪なびかせて、天使の顔も三度まで…。なめてみてると痛い目遭うよ。弩・佛狼機(ドン・フランキー)砲使いの大友ソウリン、ここに見参!」
「さて、どん尻に控えしは安芸の宮島にて育ち、風雅知りたる流し目の才色兼備と謳われて、世にい出たるは武将筋。武芸に秀でし、その名も毛利モトナリ」
「われら」
「西国」
「「「三人衆!!!」」」
三人がそれぞれ小舟の上で名乗りを上げていると……。
「非情ノ大剣!」
ノブナガはいきなり必殺技を繰り出し、小舟の上にいる三人に命中した。
「ふ、たわけ。三人お揃いとはちょうど良い。出向く手間が省けた」
浜に流れ着く三人。
「お前、思ったよりひどいな」
「そうか?」
一刀にツッコマれるノブナガ。
流れ着いた三人は捕まり、縛られた。
「よい格好だな、貴様ら」
「くっ……」
モトチカはソウリンの方を見る。
「大体ね、あんたがああいう出かたしようって言うけんよ~」
「あ、ひどか~。皆だってノリノリだったやん。ノブナガ達の度胆抜いてやるんだ~って」
「確かにある意味、度胆を抜かれたけどね~。目が点になっちゃったし~」
「ではさて、早速だが貴様達が持っている真紅の甲冑をわしに……」
「お断りじゃ」
モトナリが即答する。
「………」
ノブナガは怒りに震える。
「落ち着け、落ち着け」
一刀がノブナガの肩に手を置いて、落ち着かせる。
するとノブナガは後ろにいるヒデヨシに対して後ろを向きながら手を挙げて、指を鳴らす。
「はあ~~い」
ヒデヨシはすぐにある物の準備をする。
ヒデヨシが取り出したのはくすぐるのによく使う鳥の羽であり、ヒデヨシは三人をくすぐる。
そして三人はようやく吐く。
「なるほど、真紅の甲冑はあの漁師小屋の中の桐の箱に入れてあると」
ノブナガ達の近くには漁師小屋があった。
「ミツヒデ、取ってまいれ」
「はっ」
「俺も行く」
元気のない返事をするミツヒデについていく一刀。
「ついて行かなくてもよいのに…」
「なんとなくだ。いざとなったら使えるかもしれないぜ?」
一刀はノブナガの静止を無視してミツヒデについて行った。
「ねえねえお館、あけりんなんか元気ないし、あたしも一緒にいこっかな」
「いや、心配はいらん。ミツヒデは計略、詐術に長けておる。つまりはそれらの術を見抜くのにも長けておると言うものよ。むしろ、お主が行く方が危うく足手まといとなりかねん」
「あ~、ひっど~い」
「はっはっは」
「お館、失礼ですよ~」
ノブナガ達が見てない傍で薄ら笑うモトナリ。
ミツヒデと一刀は漁師小屋につく。
「よしと……。うりゃあっ!」
一刀が扉を蹴破る。
「一刀殿、そこまでしなくても……」
「あいつらが罠仕掛けてないって保証はないんだ。これくらいでもやらないとな」
「その判断は私がやる。お前は控えていろ」
「はいはい」
一刀は扉の前で待ち、ミツヒデは小屋の中に入り、桐の箱を見つける。
(ただの箱を持ち帰るだけのこと。ヒデヨシであってもよかったはず……。何故お館様は私に……)
ミツヒデは何故ノブナガが自分に行かせたのかを分かっていなかった。
ヒデヨシだと危険なことがあった時の対処はできない。ミツヒデなら出来ると判断したから行かせたのだが、今のミツヒデにはそんな簡単なことも理解できないでいた。
(!)
ミツヒデは待っているノブナガとヒデヨシの方を見る。
「うん? どうした?」
一刀もミツヒデが見ている方を見る。
(今のところ特に異常は見当たらないな)
一刀はノブナガ達だけでなく、モトナリ達の方にも注意を配っている。
しかしミツヒデはノブナガ達だけを見ていた。
(くっ…)
ミツヒデはノブナガ達から目を背ける。
(もしやお館様はヒデヨシと二人になりたいがために……。いや、そんなはずはない。そんなはずは……)
恋は盲目とはよく言った言葉だが、しかしそれは時にはとてつもない事態を招く。
ミツヒデ達は桐の箱を持って帰ってきた。
「お待たせいたしました」
「うむ」
「待ちな」
ノブナガが桐の箱に手をかけようとすると、一刀が止める。
「なぜ止める」
「念には念をだ。俺が変身して開ける。変身」
「カメンライド、ディケイド」
一刀はディケイドに変身する。
「これなら何があっても対処できる」
ディケイドはライドブッカーをソードモードにして、刃の部分で箱の蓋を開けた。
すると箱の中からはバネがついた剣が数本飛び出してくる。
「だと思った」
「もしこれを開けたのがお館なら危なかった……」
一刀はすでにモトナリ達の考えを見抜いていた。
「で、これはどういうことだ?」
ディケイドはライドブッカーをモトナリ達に向けて問い詰める。
「悪運が強いね~ノブナガ殿。じゃけど、そこの人は気づいてもそちらの明智殿は気づかなったようね、このからくりに……」
「!」
ミツヒデはショックを受けた。一刀が見抜けたことを自分が見抜けず、一刀が対処してくれなければノブナガの命に関わっていた。
「俺が用心深いだけだ。それで質問に答えろ」
「おのれーーーーー!」
ノブナガが大剣を振るおうとしたその時、箱が爆発を起こす。
「二重だったか」
するといつの間にか縄をほどけるようにしていたモトナリ達を縛っていた縄が切れる。
「しゃらくさい真似を!」
ノブナガが大剣を振り下ろすも三人の姿はない。
「!」
「きゃあーーーーーー!」
ヒデヨシの悲鳴が聞こえる。
「ヒデヨシ!」
ノブナガ達が見ると、そこには三人に捕まったヒデヨシがいた。
「お館~、あけり~ん、一刀さ~ん」
「ヒデヨシ!」
「この小娘は預かった。返してほしけりゃ、あの山の頂まできんさい。ついでに真紅の甲冑も準備しといちゃるわ」
「この野郎ー!」
ディケイドが仮面ライダーファイズアクセルフォームのライダーカードを取り出そうとすると、モトナリが指を鳴らす。
「はいにゃっ!」
ソウリンが弩・佛狼機砲を持つ。
「そんじゃ~待ったね~」
ソウリンは大砲を発射させる。
「ちっ! うりゃあ!」
ディケイドがライドブッカーで大砲の弾をすべて捌く!
ディケイド達が気を取られている隙に三人の姿はなくなっていた。
「ちっ、逃げられた」
ディケイドは変身を解く。
「お館様、ご無事で…」
ノブナガの顔は怒りに満ち溢れていた。
しかしそれ以上に一刀の顔は怒りに満ち溢れていた。
山の中の小屋ではヒデヨシがモトチカとソウリンにくすぐられており、ノブナガ達三人の弱点を探ろうとしていた。
そんなさなか、モトナリの武器である三魂爪(みこんそう)はまがまがしいものを放っており、モトナリはその爪から聞いていた。
「そう、ノブナガとミツヒデの他にいたあの者が一人で山に……」
ノブナガとミツヒデ以外にいたのは一刀だけであるので、一刀だけでこの山に向かっているのだ。
「さて……」
モトナリは三魂爪から何かを聞き出そうとするが………。
「………モトチカ、ソウリン。策が決まったわ」
モトナリはそう言うが……。
(あの者、情報が何一つ入ってこなかった。どういうことだ)
時は少し前に遡る。
「俺一人で行く」
「そんな無茶な…」
「言ったはずだ。戦いになったら俺一人でやってやるってな」
「だが…」
一刀は声を震わせながら言う。
「やらせろ」
一刀の怒りはノブナガにも勝るとも劣らずである。
「そうか……。ならわしも一緒に……」
「来るな。俺一人で行く。足手まといになったら困るからな」
「わしが足手まといだと?」
「いや、違うな。俺は今まで以上に暴れるから、それに巻き込まれないようにするために来るなと言うことだ。
別に弱いとは言ってない。分かってくれ……」
一刀が必死にノブナガを説得する。
「分かった。ただし、お主が失敗したらわしが行くからな」
「失敗しねえよ」
一刀は笑いながらそう言った。
(ずいぶん久々にこいつを使うか)
一刀はあるカードを一枚取り出す。
(モトナリ、モトチカ、ソウリン……俺を怒らせたことを後悔させてやるぜ。
破壊者を怒らせたことをな……)
一刀達を待つノブナガ達。
「申し訳ありません、お館様。私がもう少しあの箱をしっかり調べておれば……」
ミツヒデが自分の失敗を悔やみながら言う。
「悪いと思うなら、…そう感じておるのなら、行動で示せ。一刀はそう思っておるから一人で行ったのじゃ」
ノブナガの言葉は当たらずも遠からず。一刀がさっさとファイズアクセルに変身などすればヒデヨシは獲られなかっただろう。
一刀はそれも含めて怒っていたのだ。
「……はい」
「だが、一刀が一人でやると言った以上、一刀を信じて待つのじゃ」
「………はい………」
一刀は一人でヒデヨシ達の待つ山へと向かう。
一刀はすでにディケイドに変身しなおしていた。
「………」
ディケイドはマシンディケイダーを呼び寄せ、マシンディケイダーに乗る。
「行くぜ!」
マシンディケイダーは地を走る!
するとディケイドの上から大砲の弾が飛んでくる!
マシンディケイダーは大砲の弾をかいくぐりながらその場を走り去る!
「俺をこんな小細工でやれると思うな。いい加減に出てきやがれ!」
ディケイドはマシンディケイダーから降り、木の方を向くとそこから一気にモトナリ、モトチカ、ソウリンの三人が出てくる。
また三人が現れると霧も出てくる。
「お前一人か?」
「ああ。あいつらと約束してたからな。お前達と戦闘になったら俺一人でやるってな……」
ディケイドは手をはたく。そしてライドブッカーをソードモードに変えて、持つ。
「行くぜ!」
ディケイドは走り出すが……。
「!」
突然と走るのをやめて、その場に膝をつく。
「くそ……体が……」
「心配しなくても毒じゃないけん」
「痺れ粉か。この霧に混ぜたな」
「それは違うな」
「この霧は風に撒いたのをごまかすためよ」
「そうかい……」
「あなたを倒して、ノブナガ達に来てもらうしかないわね」
モトナリは三魂爪を上に上げる。
「出会ったばかりで名残惜しいんじゃけどね!」
モトナリが三魂爪を振るが……。
「!」
「「「何!?」」」
「残念だったな」
ディケイドがライドブッカーでそれを防いだのだ。
ディケイドの思わぬ反撃にモトナリはすぐに下がる。
「なんで動けるん!?」
「お前達がそう来ることは最初っから予想済みだったからな。ここに来る前にこいつを使っておいた」
ディケイドがあるカードを見せる。
「なんだそりゃ?」
「バイオライダー。仮面ライダーBLACK RXの姿の一つだ」
バイオライダーの能力の一つに毒などの抗体を作る能力があり、一刀は毒のことを考慮し、ディケイドに変身しなおしてすぐにバイオライダーに変身。
しかし変身途中でバイオライダーのカードを抜いたため、バイオライダーの姿にはならずディケイドのままでバイオライダーの能力を得たのだ。
ただしこの方法は賭けに近く、バイオライダーの能力のうち、一つしか使うことができないうえに、一度使ったらその効果もなくなり、新しく変身しなおすまでバイオライダーのカードは使えないのだ。
とはいっても一刀は一度外史で同じような賭けをしたことがあるので、一刀は確信を持って賭けをしたのだ。
「わけのわからんことを…」
「そうだな。…で、ヒデヨシはどこだ?」
「あそこたい」
モトチカ達が見る方には木に吊るされているヒデヨシがいた。
「一刀さ~ん、助けて~」
「すぐに助けてやるから安心しろ」
「すぐに……。出来ると思っとるんか?」
「思ってるから言ってるんだ。それにお前達は怒らせた」
「それがどうした?」
「破壊者を怒らせたらどうなるか身をもって教えてやるよ」
ディケイドはディケイドライバーを展開させて、あるカードを持つ。
「変身」
ディケイドはそのカードをディケイドライバーに挿入し、正位置に戻す
「フォームライド、ダブル! ファアアアアング、ジョーーーーカーーーー!!」
ディケイドはディケイドダブルファングジョーカーと変身する。
「うぉおおおおおおあああああああああ!!!」
ディケイドダブルは叫ぶ。その叫びは怒りに彩られていた。
一刀がファングジョーカーになるのはかなり珍しい。正確に言えばドラスジョッカーとの戦いでしか今のところ使ったことはない。
一刀はその時の戦いで思ったのだ。ファングジョーカーを使う時は自分の怒りが激情態の一歩手前まで溜まった時であると言うことを……。
「くそ!」
「なんてでけえ声だ」
「ふぅ~」
ディケイドダブルはアタックライドカードを挿入する。
「アタックライド、ショルダーファング!」
ディケイドダブルにショルダーセイバーが現れ、ディケイドダブルはそれを右手に持つ。
そしてディケイドダブルは前かがみになって戦闘態勢を取る。
「いくぞ!」
ディケイドダブルが先制攻撃を仕掛ける!
ディケイドダブルのショルダーセイバーで三人を切る!
三人はそれぞれの武器でショルダーセイバーを防ぐもディケイドダブルのパワーに押される。
「私が力負けしてる!」
モトチカはショックを受ける。
「怯むな! 数じゃこっちの方が上……」
「量より質だ!」
ディケイドダブルは一度後ろに下がる。
「下がった?」
「なら、これでどうだ!」
ソウリンが弾を発射させる。
それと同時にディケイドダブルはショルダーセイバーを三人に向かって投げる。
ディケイドダブルは弾をうまく避け、ソウリン達にショルダーセイバーを避ける。
「へっ、これで武器がなくなった……」
三人は気づいていなかった。ショルダーセイバーが後ろから戻ってきていることに……。
「それじゃあ今度はこっちの……」
モトチカが駆け出そうとしたその時、ショルダーセイバーが後ろから戻ってき、モトチカの体を切り裂く!
「くっ!」
「モトチカ!」
「きぁっ!」
ショルダーセイバーはモトチカだけでなく、モトナリ、ソウリンの体も切り裂く。
「ふん!」
ディケイドダブルの元に戻ってきたショルダーセイバーは再び投げられ、それと同時にディケイドダブルは三人の方に駆け出す。
「ううううう!」
ディケイドダブルは素手でもかなりの力があるので、三人はショルダーセイバーにだけ気を置くことができなかった。
また、ディケイドダブルはアクロバティックな動きで戻ってくるショルダーセイバーを蹴ったりなどして打ち返し、ショルダーセイバーを巧みに三人に命中させる。
そして何回目かのショルダーセイバーを投げ、三人に近づくとき、ディケイドダブルは一枚のカードを挿入した。
「アタックライド、アームファング!」
ショルダーセイバーは三人の目の前から突然と消え、ディケイドダブルの右手からアームセイバーが突然現れる。
突然現れたアームセイバーに対処できず、三人は体を切り裂かれる。
「ふん! ふん!!」
アームセイバーで何度も三人を切り裂く。
三人の服がボロボロになっていく。
ディケイドダブルは新しいカードを挿入した。
「ファイナルアタックライド、ダダダダブルゥ!!!」
ディケイドダブルの右足にマキシマムセイバーが現れる。
ディケイドダブルはそのマキシマムセイバーを駆使して、モトナリを蹴り上げる!
「くっ!」
モトナリははるか上空に飛ばされ、ディケイドダブルもジャンプで追いかける。
飛ばされたモトナリの元にディケイドダブルはすぐに追いつく。
「これ以上は……」
モトナリが三魂爪でマキシマムセイバーを防ごうとするも、力はマキシマムセイバーの方が上で、モトナリの三魂爪はいとも簡単に破壊された。
「はああああああああああ!!!!」
ディケイドダブルはファングストライザーをモトナリの体に当て、空中で爆発を起こす。
「ぬっ!」
「あれは!」
その爆発は砂浜で待っているノブナガ達にも見えていた。
爆発とともにディケイドダブルは地面に降り立ち、落ちてくるモトナリをモトチカとソウリンが拾う。
「モトナリ!」
「くそ、意識がねえ」
「てめえ!」
モトナリは意識はないものの死んではいない。服はボロボロで肌の露出が多くなっている程度である。
そんなモトナリ達をよそにディケイドダブルは元のディケイドに戻る。
「次はこいつだ」
ディケイドはディケイドライバーを展開させて、新しいあるカードを持つ。
「変身」
ディケイドはそのカードをディケイドライバーに挿入し、正位置に戻す
「カメンライド、エーーーックス!」
ディケイドは仮面ライダーXの姿になる。
「はっ!」
ディケイドXは構える。
「悪いが一気に決めさせてもらう!」
ディケイドXはまた新しいカードをディケイドライバーに挿入する。
「ファイナルアタックライド、エエエエッーーーーーークス!!」
「うおおおおおおおりゃああああああ!!」
ディケイドXは腕を大きく上に広げて、両腕を横に下す。
モトチカが大きな斧をディケイドXに向かって振り下ろす!
しかしディケイドXは大きな斧をかいくぐるようにモトチカの懐に入る。
そしてモトチカの体をつかみ、そこから地獄車をする。
「うああああああああ!!」
地獄車で地面を転がり、一度回転しながら宙を舞い、モトチカを地に叩き落とす!
「ぐはっ!」
「ふん!」
ディケイドXはモトチカを上へと放り投げ、モトナリを追いかけたように上空へと追う。
「たああああああああっ!」
上空へ飛ばされているモトチカの背中にXキックをくらわせ、その場で再び爆発する。
これは仮面ライダーXの必殺技「真空地獄車」の一連の動きである。
「モトチカ!」
ソウリンが落ちてくるモトチカを抱き留める。
「くそ!」
ディケイドXが着地すると同時に元のディケイドに戻る。
「次で最後だ!」
ディケイドが新しいライダーカードを手に持つ。
「させるかよ!」
ソウリンが弩・佛狼機砲を発射させる!
その弾はディケイドに命中する。
「やった!」
ソウリンは喜ぶ。
「一刀さん!」
一刀を心配するヒデヨシ。
すると大砲の弾の爆発の煙がやむとそこには仮面ライダーアマゾンの姿があった。
「なんだありゃ?」
「変身成功だ」
そのアマゾンの腰にはコンドラーではなく、ディケイドライバーがついていた。
そうこのアマゾンはディケイドの変身した姿であった。
「変身中の攻撃とはちょっと卑怯だな。ちょうどいい姿になってるからいたぶってやるか」
ディケイドアマゾンが手を空に切る。
「ふざけやがって!」
ソウリンは大砲を発射させる。
その弾をディケイドアマゾンは野生の獣のように避ける。
そしてディケイドアマゾンとソウリンの距離はほぼゼロとなる。
「きぃいいいいい!!」
ディケイドアマゾンはソウリンの首元を噛みつく。
「ああああああ! てめえ!」
「きぃいいいい!!」
今のディケイドアマゾンは普通のアマゾンと変わらない。
ソウリンはディケイドアマゾンを振りほどこうとしても離れない。
ディケイドアマゾンは首元から口を放し、ソウリンを思いっきり抱きしめる要領で体を締め上げる!
「かああああああああっ!」
ディケイドアマゾンの力はかなりものであり、ソウリンは苦しめられる。
しばらくしてディケイドアマゾンはソウリンを放す。
「これで最後にしてやる」
ディケイドアマゾンはファイナルアタックライドカードを挿入する。
「ファイナルアタックライド、アアアアマゾン!!」
ディケイドアマゾンは少し後ろに下がり、高く飛ぶ!
「くそ……」
ソウリンは弩・佛狼機砲を持ち、上空に飛んだディケイドアマゾンに対して放つ!
「でゃああああああ!!」
ディケイドアマゾンの放つ大切断は砲弾を切り裂く!
「なっ!」
「ああああああああ!!」
ディケイドアマゾンの大切断は終わっておらず、そのままソウリンの弩・佛狼機砲を切り裂き、ソウリンを真っ二つにするかのように切る。
実際はソウリンは切れておらず、切れたのは着ていた服くらいである。
しかし大切断の衝撃ダメージはあるので、ソウリンはその場で倒れた。
それと同時にディケイドアマゾンはディケイドに戻る。
「くっ…」
「くそ……」
「まさかたった一人に負けるなんて……」
三人は怪我はしていない。変わったとすれば、服がかなり切り裂かれて、肌の露出が増えているくらいである。
「なぜ殺さない?」
「仮面ライダーは人は殺さん」
正確には殺せない。このディケイドの力は管輅がくれたもので管輅が一刀の殺したくないという気持ちを汲んで、人間は殺せないようにしてあるのだ。
そのため、どんなに激しい攻撃を受けても死ぬことはない。ものすごく悪くて重傷を負う程度である。
また、悪人ならばその性根を改正させることができる。
「で、気分はどうだ?」
「気分……」
三人はディケイドに言われて考えてみると…。
「なんかいい気分だわ~」
「こんな気分、初めてかも…」
「悪くない……」
「そうか……」
ディケイドは変身を解く。
「その心、忘れるなよ」
一刀は吊るされたヒデヨシの方に向かう。
「大丈夫か? ヒデヨシ」
一刀がヒデヨシを木から降ろして、縄をほどく。
「大丈夫です。でも…」
「でもなんだ?」
「さっきの一刀さん、怖かったです」
「そりゃあ、かなり怒ってたからな」
「でもあの人達を殺さなくてほっとしました」
「やっぱお前……現代人だな」
一刀が笑みを浮かべる。
「だってあたし、今時の子供だも~ん」
「ははっ」
「お館~」
一刀に助けられたヒデヨシは真紅の甲冑を持ってノブナガ達のところに戻ってきた。
一刀はヒデヨシの後ろでマシンディケイダーを押して歩いていた。
ヒデヨシは思わずノブナガに抱きつく。
その姿を見たミツヒデに衝撃が走る!
「お館~、怖かったよ~」
「そうか、そうか。すまなかったなヒデヨシ」
ノブナガはヒデヨシの頭をなでる。
「うん? それは奴らの分の甲冑か! でかしたぞ、ヒデヨシ」
「あ、あたしは何も…これは一刀さんが…」
「そうか。しかし本当によく一人で倒したな」
「通りすがりの仮面ライダー、舐めんなよ」
一刀が少し笑う。
「して、奴らはどうした?」
「あ? あいつらか。俺が改心させた後、適当に行っちまったぜ。そいつ渡してな」
一刀がヒデヨシの持つ真紅の甲冑の方を見て言う。
「改心とは一体どういう風の吹き回しなのだ?」
「俺の力ってところだ。はっはっはっ」
一刀が笑い、ヒデヨシ達もそれにつられて笑う中、ミツヒデだけは憂鬱になっていた。
(本来なら、褒められるのは私のはずなのに……)
ミツヒデは一刀はともかく何もしておらずただ足手まといになっていたのに褒められたヒデヨシに納得できなかったが、それを口にすることができなかった。
とある場所では……。
「ついに甲冑をすべて手に入れたか」
ハンゾウの知らせでノブナガが甲冑を手に入れたことがイエヤスの耳にも入っていた。
「さあ…これで……いよいよ……」
また別の場所でも伊達先生はノブナガ達が甲冑を手に入れたことを知っていた。
「真紅の甲冑、その全てをわが手にする時が……」
伊達先生にも何かが秘められていた。
「とうとう全部揃いましたね、お館♪」
帰り道、ヒデヨシはうきうき気分となっていた。
「うむ、これでわしの夢、天下統一をなすことができる」
「すっごい、夢ですね」
「そりゃあ、そうだろ。全国制覇なんだもんな」
三人が楽しく話す中、ミツヒデは一人後ろで考えていた。
(まだか……まだ足りぬと言うのか……。それとももはや私には……もしそうなら私は……私は……)
ミツヒデの頭には不吉なことが考えられていくのであった。
究極完結予告編
ミツヒデ「敵は……」
ディケイド「ここにあり」
ミツヒデの後ろに立つディケイド激情態。
場面が変わり、ディケイドが兵士達を次々に切り倒す!
イエヤス「ついに真紅の甲冑をこの手に!」
ディケイドはマシンディケイダーを走らせ、走らせる中で一枚のライダーカードを手に持つ。
伊達先生「これですべてが終わるわ」
伊達先生の前に立つヒデヨシと一刀。
東王父「相変わらず面倒なことに巻き込まれてるな」
東王父の姿が映る。
一刀「俺は破壊者だ! 外史のその流れを破壊する!」
戦いの中、突然と紫色のでかい刃が振ってくる。
ケータッチ「カメンライド、プトティラ」
ディケイドコンプリートフォームの横に仮面ライダーオーズの最強フォーム、プトティラコンボが姿を現す。
ディケイドライバー「ファイナルアタックライド、オオオオーーーーーズ!!」
ディケイドコンプリートフォームとともに後ろを向くオーズプトティラコンボ。
それと同時にディケイドコンプリートフォームの方に画面がアップされ、ディケイドコンプリートフォームが振り向くと同時に画面が切り替わる。
仮面ライダーディケイド×新・恋姫†無双 feat戦国乙女 究極完結編
おまけ
作者「さてさて、いよいよ終わりが見えてきた第9話だ」
一刀「俺かなり暴れてるな」
作者「最初はファングジョーカーだけにするつもりだったけど、つまらないと思って、Xとアマゾンを追加で入れた」
一刀「なんでそんなチョイスなんだ?」
作者「Xは最近ガンバライドで『真空地獄車』を見たから。アマゾンはファングジョーカーとは別の意味で野生的だからだ」
一刀「なるほどな。それで今回で『究極完結編』とあるが……」
作者「まだ第10話も放送されてないからどうなるか正直わからん。だからあの予告は嘘予告だと思ってくれ。つまりは実際書くものとは異なりますというわけだ」
一刀「真に受けないか心配だ」
作者「ここをきちんと読んでもらえればいいんだけどな」
一刀「そういえば俺、殺さなかったな」
作者「仮面ライダーに人殺しさせられないよ。昔、一度だけさせたことあるけど、あれは読者がすごく嫌がってたけど、書いてた俺もすごく嫌だったよ」
一刀「じゃあなんで書いたんだよ」
作者「話の展開と一刀の心境と力の関係上避けて通れない道だと思ったからだ。
二度とあんなことはしないと思うけどな」
一刀「で、第10話からのはどうするんだ?」
作者「アニメ雑誌見た限りじゃかなりシリアスになるし、あえてここは最終回を見るまでは一時お預けだな」
一刀「ということは最低でも三週間後になるのか」
作者「一応、下書きみたいなものとしては書くけど、この作品の投稿は三週間後ということになる。それと今回の話で何か思うことがあったらコメントなり、ショートメールなりでいいので聞いてください。ショートメールで返事を書こうと俺は思っています。
それでは!」
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この話は作者が書いていた「仮面ライダーディケイド×新・恋姫†無双」の続編とされるものですが、舞台は「戦国乙女(アニメ版)」となっています。また話によっては主人公である一刀があまり出番がないことがあることをご了承下さい。
なお、今回はかなり原作とかけ離れた部分が存在します。