一刀様の様子がおかしい。
黄巾党討伐から帰って数日、一刀様は何か悩んでいるようだ。
「何かあったのか……」
私が悩んでいると
「あらぁ~。思春ちゃんじゃないですか」
「ん?穏か。どうした?」
いつもぼんやりしている穏が話しかけてきた。
「ぼんやりしてるのは思春ちゃんの方じゃないですかぁ」
心を読まれた!?
「別に用はないですぅ。なんだか難しい顔をしてたからぁ、話しかけたんです」
そう言ってふふふと微笑む穏。
…穏か…こいつは普段のんびりしているがこれでも軍師だ。
一刀様の事を相談するのも良いかもしれない…
「今何か失礼なこと考えませんでした?」
「…いや、考えてないぞ。それより一刀様のことで……」
穏に、一刀様が最近おかしい事について相談した。
「……と言うことなのだ」
「そうですか…ふふふ、思春ちゃんは本当に一刀様のことが好きなんですねぇ」
「ばっ!!違う!!そんなんじゃ無い!!」
何を言っているのだ穏は!思わず大きな声が出てしまったではないか!
「そう言うのでは無い!…家臣として主を心配するのは当然のこと…
そうだ!部下として当然なんだ!!」
「本当ですかぁ?顔が赤いですよ?」
~~~。こいつは…相談相手を間違えたか?
「どうしたんですか~?何か大きな声が聞こえましたけど…」
「あ、明命ちゃん。」
「明命か…何でも無い」
私の叫び声で妹分の周泰がやってきた。
「?どうしたんですか、思春様?」
「思春ちゃんが一刀様のことが好きだって話をしてたんですよ」
「なっ!?」
「えっ!?思春様が一刀様の事をすk、うむ~~~~!?」
大変な事を叫びそうになった明命の口を私は手でふさいだ。
腕の中で明命がじたばたと暴れだす。
「ち、違うぞ明命!そんな話では無い!分かっったな!」
私が睨みつけると明命は首を上下にコクコクと振った。
理解した明命を私は放した。
「ぷはっ。でも一刀様ですか~。最近ますます凛々しくなって、あぅぁぅ……」
ムッ。なんて顔をしているのだこいつは。
急に顔を赤くし、恍惚とした顔をしている。
気のせいか明命の周りに花が咲いているように見えるぞ…
「そうですねぇ…久しぶりに見てびっくりしましたぁ。とても逞しくなっていて……はふうぅ~」
というと穏は体をくねくねとしだした。…正直気持ちが悪い。
それよりも相談した事についてだ。
「おい穏!それよりどうなのだ?一刀様は何をお悩みになっておられるのだ?」
「ほふうぅ…はっ、そうでした。一刀様の事ですね?」
「ああそうだ。私はどうすれば良い?」
「う~~ん、そうですね……特に何もしなくてもいいんじゃ無いんですかぁ」
「どういう事だ!?」
「一刀様の事です、時期が来ればきっと話してくれますよ」
そうかと言うと私はその場をあとにした。明命はまだお花畑のなかだ。
夜。穏はああ言ったがやはり気になる。悩み事に注意を取られ政務に支障を来されると困る。
そうだ!部下として主を心配するのは当たり前の事ではないか(2回目)。
一刀様の部屋の前で扉を叩こうとすると急に昼間の事を思い出した。
『思春ちゃんは本当に一刀様のことが好きなんですねぇ』
~~~!!穏やつが変なことを言うから考えてしまったではないか。
そう言うのでは無いのだ!私は一刀様の親衛隊だ。
そして一刀様は呉の王族…だから私では…
そんなことを考えていると部屋の中から
「誰か居るのか?」
と一刀様の声が聞こえてきた。
「…はっ!私です!」
「…何だ思春か」
そう言うと一刀様は部屋の扉を開けてくれた。
「どうしたんだ?こんな時間に。だした書類に何か不備でもあった?」
「いえ…そうでは無いのですが…」
私がどうするかを迷っていると、とりあえず中に入る?と一刀様は言った。
私はそれに答え部屋の中に入れさせてもらった。
どうやらひとりで酒を飲んでいたらしく、机の上には徳利と杯がおいてあった。
「で、どうしたんだ?」
「いえ、実は…最近一刀様の様子がおかしかったので何かあったのかと思いまして……」
私は俯きながら答えた。
「……そっか、顔に出てたか…心配かけて済まなかったな」
すると一刀様は私の頭にぽんっと手をのせた。あまりのことに私は、はっと顔を上げ、
「いえっ。私の方こそ出過ぎた真似をして申し訳ございません」
と答えた。
「でも、心配してくれたんだろ?ありがとう」
一刀様は頭の上に載せた手で優しく撫でてくれた。
うぅ~~~~~。恥ずかしい。
顔が熱くなるのを感じた。
「少し話を聞いてくれるかな?」
そう言うと一刀様は私に杯を手渡した。
「…これからきっと世の中は群雄割拠の時代となる。そうすると我等呉も天下泰平のため打って出るだろう」
「…はい」
「そうすると民にはより一層負担をかけることになるだろう。ただでさえこんな世の中だ。民の事を考えると本当にこれでいいのかと思ってね…」
ああ、この方は本当にお優しい方だ。民の事を思っている。しかし…
「しかし、他の諸侯の考えは違います。他の諸侯はこの時代を利用し、権力を勝ち取ろうとします。
一度付いた火じゃ一気に大陸じゅうに燃え広がることでしょう。そうすると我等は呉の民を守るために剣を持ち立ち上がる他ありません。」
一刀様は私の話を聞くとまた考えるような顔をした。
「…それに民の負担を減らすには一刻もこの世の中を終わらせる必要が有ります。一刀様にはそれが出来ます!一刀様は『天の子』なのですから」
そう言うと一刀様は驚いたような顔をこちらに向けた。
「『天の子』か…久しぶりに言われたよその言葉。でも俺にはそんな力なんて無いよ」
苦笑いをする一刀様に
「いえ、一刀様は間違いなく天の子です!その光る衣が何よりの証拠です」
と言って一刀様が着ている『光る衣』を指さした。
「それに一刀様はこんなにも民の事を思っておられます。その優しさは必ずや大陸を包み込むことでしょう」
ぽかんとした顔をした一刀様は急に
「ははは、そうだね。悩んでいても時代は来る。民を守るために導いて行かなくてはいけないな…『天の子』として」
そう言うと一刀様は笑顔を向けてくださった。
一刀様の笑顔を見ると胸の中が暖かくなるのを感じた…
前回に引き続き今回もグダグダな感じがします…きちんと書いたことが伝わらないよ(涙)
今回は思春視点でお送りしました。思春の話し方難しい!文中でちぐはぐな感じになってますが、気にしないでください…
今回はこの話の補足をQ&Aで書いていきたいと思います。
Q1.蓮華様はどこ言った!?
A.すみませんm(_ _)mこの話は一刀と思春のイチャイチャした話がみたいなと思い書き始めました。だから思春の好きなもの=孫権という安直な考えでスタートしました。決して私が蓮華のことが嫌いとかそう言うのでは無いんです。蓮華様は大好きです!
Q2.『天の子』って?
A.『天の子』とは一刀孫権の事を指します。一刀の義母孫堅が一刀を拾ったときの状況を考え 「こいつは天の子だ!」と言ったことから始まります。特に根拠は有りません…ぶっちゃけ名前を箔を付ける為のものです。
Q3.『光る衣』とは?
A.今回出てきた一刀の着ている『光る衣』とは、孫堅が一刀を拾った時に一刀を包んでいた「日光のように光る布」で作った服です。素材はもちろんポリエステル!これは天の子としてのシンボルとなっています。
Q4.一刀強すぎwww
A.確かに強くなっています。しかし江東の虎や麒麟児、宿将黄蓋に幼少の頃からもまれていたので強くなりました。合間1では雪蓮に勝ちましたが、ぎりぎりです。雪蓮と一刀の強さはほぼ同じと思ってください。
Q5.ヒロインは思春だけ?
A.メインヒロインは思春ですが、他の娘たちとも…そこは種馬ですから(笑)
Q6.オリキャラは?
A.出す予定です。今のとこひとり考えています。甘寧と関係ある人。他の方の作品でもよく出てますね。
こんなものでしょうか?質問があったらいってくださいね。できるだけ答えてゆきたいと思います。
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拠点その2です。今回は思春視点です。
一刀の事を心配する思春は年少組の穏と明命に話しますが…
軽い気持ちで見てください。