No.212965

真・恋姫無双 魏が滅亡した日 Part26 激戦の予感

見習いAさん

時間がなくてあまり書けませんでした。
今までのを読み返して一話完結を目指しすぎてる気がしました。
少し書き方を代えて見ようと思います。

2011-04-22 23:40:38 投稿 / 全3ページ    総閲覧数:3157   閲覧ユーザー数:2825

北伐は紫苑と桔梗を街亭に配置することで決着

これで万全の状態で決行することができる

 

一方、荊州呉蜀連合軍は苦境に立たされていた

 

城壁から敵陣を見下ろす将たち

呉の陸遜、呂蒙

蜀の関羽、馬超、呂布、馬岱、陳宮

いずれも大陸に名を轟かせる名将揃いだ

 

この遠征に最も反対したのは翠と蒲公英だった

北伐に参加すれば故郷の涼州のために戦える

そのため北伐への参加を求めたのだが、呉からの指名があり荊州に配置されてしまった

 

少し前まで翠も蒲公英も不満げにしていたのだが、今はそれどころではない

 

「こいつは絶景だぜ・・・・」

 

「やっぱ北伐に行けばよかった・・・・」

 

呉蜀連合軍の前に立ちふさがる晋の大軍

この大軍を見れば晋の本命が荊州であることは明らかだった

 

荊州防衛戦の総指揮は呉の陸遜、その参謀に呂蒙

そして蜀の関羽が軍を統括する体制だ

 

愛紗が穏にたずねる

 

「穏、敵は恐らく80万、いや、もっとだろう。これは想定の範囲か?」

 

穏は慌てた様子も無くあっけらかんと答えた

 

「戦力を集中してくるのは想像してましたけど、ここまで集中してくるとは考えませんでした

 合肥だけでなく西方の兵もこちらに回しているのではないかと」

 

亞莎は目前の光景にめまいを起しそうになっていた

 

「さすが華琳さんとしか・・・・このような思い切った采配は想像できませんでした」

 

恋の表情はいつもと同じ、ねねもいつもどおりにまくし立てる

 

「恋殿がいれば雑兵の100万200万蹴散らしてくれまずぞ!」「・・・・・おなかすいた」  

敵が大軍であるのは嫌と言うほど分かった

問題はどう撃退するかだ

 

穏は全員を集め軍議を開いた

 

「敵は凡そ80万から100万、こちらはせいぜい8万と言ったところでしょうか

 まともにぶつかっても勝ち目はありませんね」

 

愛紗が答える

 

「だからと言って逃げ出す臆病者は蜀におらぬぞ」

 

「はい、もちろん呉にもいませんよぉ」

 

穏は事前に獲ていた情報と先ほどの視察の考察を述べる

 

「調査によると晋軍を構成している兵の大半が元黄巾党です。

 視察から考えると、調査内容を信用してよいでしょう」

 

晋の軍隊は強大ではあるものの、そこに弱点がある

圧倒的多数ゆえの油断、そして兵士にとっての戦う意味だ

それを穏は既に見抜いている

 

「黄巾党の方々は張三姉妹に忠誠を誓った人たちです。ですが晋に天和ちゃんたちはいないようです

 彼らに命を懸けて戦う理由は無く、士気も上がらないのでしょうね」

 

彼らの陣を見渡すと必要以上に篝火が多いことが分かった

彼らは思い思いに酒を飲み、語り、宴を行っていたのだ

 

「士気の低い兵など100万いようと烏合の衆、対する呉蜀連合軍は士気高く精鋭揃い

 数で圧倒的に不利であっても勝ち目は十分にあります」

 

兵の質、そして将の質

連合軍に勝てる要素があることは分かった

しかしどうしても分からないことがあるのが翠と蒲公英だ

 

「なぁ、愛紗は分かるけど、どうしてあたし達が必要なんだ?」

 

北伐参加を望む二人をなぜ荊州に呼んだのか                 

翠の疑問に答えたのは亞莎だった

 

「翠さんと蒲公英さんにお願いしたいことがあるんです。涼州騎馬隊を率い、敵陣の正面から切り込んで頂きたい」

 

「えええええええええーーーーー。そんなの自殺行為じゃん!蒲公英やだよ」

 

100万の大軍に正面から突撃をかけろと言われ、蒲公英は青ざめた顔で抗議する

亞莎が落ち着いて欲しいと目で訴えると、蒲公英は一旦引き下がった

 

「お二人には敵陣深くまで切り込ん頂きたいのです。そして、頃合を見て反転、一直線に城まで引き返します

 その、引き返す時なのですが・・・・」

 

亞莎の視線が蒲公英を捕らえると、申し訳なさそうに下を向いてしまう

蒲公英に嫌な予感が走った

 

「・・・・蒲公英さんには・・・・張三姉妹を罵り、元黄巾党の方々を引き付けて頂きたいと・・・・」

 

がーーーん

蒲公英を大きな眩暈が襲う

翠もそのあまりに危険な行為に抗議しようとしたのだが

穏が先手を打った

 

「厳しい任務と思います。ですが敵は油断しています。作戦が成功すれば必ず勝てます。

 そして、翠さんが蒲公英ちゃんを守ってあげてください」

 

守ると言われても100万の大軍に突撃するのはあまりに無謀

涼州騎馬隊と言ってもその数は凡そ2000

本当に皆を守りきれるのか、翠は確信が持てなかった

 

翠は少しだけ考えると蒲公英を見る

蒲公英の表情は青ざめている

将としての自覚が見え始めている妹を翠はもう一歩ステップアップさせたかった

これはもしかしたらいい機会になるかもしれない

 

「・・・・・蒲公英、お前も策を授けられる一人前の将になったんだ。涼州騎馬隊の凄さ見せてやろうぜ」

 

「策?悪口言って標的にされるだけじゃん!」

 

「あたしが守るから安心しろって、な、蒲公英」

 

「ブー」

 

なんだかんだと受け入れる二人はやはり勇敢だった

愛紗が続きを促す

 

「それで私は何をすればよいのかな」

 

「愛紗さん、恋ちゃん、ねねちゃんは城の前で兵を伏せていてください。

 涼州騎馬隊が通りすぎたのを確認したら追撃してきた敵を迎撃してもらいます」

 

張三姉妹を罵れば相当数の敵が釣られるはずだ

その大軍を迎撃できるとしたら、関羽と呂布の2大将軍しかいないという訳だ

 

「時を同じくして、亞莎ちゃんががら空きとなった敵陣に火を放ち陣を焼き払います。

 前後に行き場を無くした敵は瓦解するはずですから

 愛紗さんと恋ちゃん、さらに体制が整い次第、翠さんと蒲公英ちゃんにも加わってもらい

 敵を殲滅します

 同情は無用です。徹底的に討ち取っちゃってください」                  

 

「ふむ、承知した」

 

数的不利な連合軍決死の奇襲作戦が始まる             


 
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