No.211601

真・恋姫 呉伝 -為了愛的人們-第七話

獅子丸さん

第7話。
やっとこさっとこ雪蓮と一刀の絡みの話です。
ちょっとキャラ崩しすぎたかも(ぁ


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2011-04-14 01:44:55 投稿 / 全4ページ    総閲覧数:25657   閲覧ユーザー数:20262

 

 

 

 

― 孫策Side ―

 

 

 

 

今朝、冥琳が報告があるとかで私のところに来た。

最初は他愛の無い話や現時点の政策の報告なんかの話をしただけ。

そこまでは良かったんだけどね・・・・・・。

 

 

「で、これはどう言うことか説明してもらえる?」

 

「ん?さっき説明しなかったか雪蓮」

 

 

何か問題があるか?的な顔してんじゃないわよ!

冥琳は私の事わかってくれてると思ったのに・・・・・・。

 

 

「・・・・あ~、なんか俺居ない方がいいっぽいし外に・・・・・・」

 

「北郷。別にお前が気にする必要は無い。それにお前が居なければ誰が天の国の話をするのだ?」

 

「・・・・・デスヨネー」

 

 

あーもう!!

冥琳はいったいどう言うつもりなのよ!!

 

 

「後で冥琳が私に伝えてくれればいいじゃない」

 

「俺はそれでも構わないよ」

 

「・・・・・・・雪蓮。少しは素直になったらどうだ?」

 

「っな!?私はいつも素直じゃない!!いったい私のどこが素直じゃないって言うのよ!?」

 

 

そうよ。

私は孫伯符。

自分の心に素直に生きてる。

私のために。

孫呉の民ために。

そして母様の・・・・・・・・・・。

 

 

「そう言う所だよ雪蓮。逃げているだけじゃないか?私の知る孫伯符はそんな人間じゃなかったはずだが・・・・・・・」

 

「ぅ・・・・・・」

 

「いや、二人とも何でそんなに険悪な雰囲気になってんの!?少しは落ちつ・・・・・」

 

「「お前は(あんたは)黙ってて!!」」

 

「・・・・・・・ハィ」

 

 

何よ、私が逃げてるですって?

何から?

どうして?

冥琳は何を言いたいの?

まったくわからない!!

こんな時こそ頼りになるはずの私の勘も一切反応してくれない。

 

 

「雪蓮、お前は美蓮様としっかり話したか?」

 

「なによ、何で今母様の事が出てくるわけ?」

 

「私が言わなくても自分でわかっているのだろう?」

 

「何が言いたいわけ?」

 

「自分で考えればすぐわかるだろう?」

 

「・・・・・・・・」

 

「あ~、ちょっと良いかな?」

 

「なんだ北郷?」

 

「なんとな~く話が読めてきたんだけどさ、少し孫策さんと話がしたいんだけど・・・・・・いいかな?」

 

「・・・・・・・ふむ、そうだな。これは、私よりもお前の方が適任かもしれんな」

 

「いや、一番適任な人が居るんだけどね・・・・・」

 

「ハハ、それは無理だろうな。なんせ・・・・・」

 

「「あの人だから」」

 

「それじゃ私は少し席を外そう。終わったら声をかけてくれればいい」

 

 

そう言って冥琳は部屋から出て行く。

目の前の男は冥琳に礼をいって私に向き直る。

 

 

「なによ?」

 

「え~と、あ!そういえばちゃんとした自己紹介はまだだったよね?

俺は、姓は北郷、名は一刀。好きに呼んでくれて構わない。

よろしく」

 

 

自身の名を告げ右手を前に出してくる。

なにその右手?

私のお腹のあたりに出された手を無視して自身の名を告げる。

相手の礼に答えなきゃ孫家の名折れになるだけでホントは自己紹介なんてしたく無いんだから。

 

 

「姓は孫、名は策、字は伯符。孫家の王よ」

 

 

必要最低限だけ告げると北郷は苦笑いしながら手を引っ込めた。

 

 

「話って何よ?」

 

「ん~、あんまり回りくどいの好きじゃないからさはっきり言って良い?」

 

「私も回りくどい事は嫌いだわ」

 

「んじゃ、言わせて貰うよ。って、雰囲気的にこの部屋じゃまずそうだし中庭にでも行かないか?」

 

「・・・・・・・わかったわ」

 

 

外に出てまでいったい何を言おうとしてるのかしら。

あー、もう!!

勘が働かないから行って良いのか悪いのかまったくわからないわ!!

何でこの男に対して私の勘は一切反応しないのよ!!

いろいろ思考をめぐらせて居るうちに北郷はさっさと歩いていて庭の片隅に着いた。

 

 

 

 

 

「・・・・・・・で、なにかしら?」

 

「んじゃ改めて言うよ?」

 

「もったいぶらないで早く言ったらどう?回りくどい事が嫌いなんじゃなかったかしら?」

 

「そんな殺気を出さなくても・・・・・。まぁ、いいや。孫策さん、もしかしなくても俺に嫉妬してるでしょ?」

 

 

今なんて言った?

 

 

「ゴメン、もう一回言って・・・・・・くれるかしら?」

 

「うわー、目が据わってらっしゃる・・・・・・」

 

「何て言ったのかしら!?」

 

「あ、ハイ、もう一度言います。・・・・・俺に「あんたに?」、嫉妬してるでしょ?「誰が?」、孫策さんが・・・・・・」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

 

こいつコロス・・・・・・。

 

 

「っちょ!なんで剣を突きつけるんだよ!?」

 

「・・・・・・・コロス、コロスコロスコロス!死ね!!」

 

「っちょ、っま!って髪の毛切れた!?まって!!それ真剣だろ!?やめろって!!

 

「うるさいうるさいうるさいうるさあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁい!!!!!」

 

「っと!!・・・・・・・危ないってば!!・・・・・・・・・・・はぁ、やっぱり部屋の中で話さなくて良かった・・・・・・・」

 

 

私と距離を置いた北郷は何かぶつぶつ呟いている。

私が嫉妬してる?

北郷に?

何でよ。

何で私が北郷に嫉妬しなきゃいけないわけ?

 

 

「冥琳から聞いて来てみればなにやら面白いことをしておるのぉ」

 

「なんの用なの祭。邪魔しないでくれないかしら?今からこの男を殺すところなんだから・・・・・」

 

「マジカヨ!!祭さん止めて!!」

 

「はっはっは!北郷、お主の撒いた種じゃて。ほれ、冥琳からの手土産じゃ・・・・・自分で刈り取ってみせい」

 

「これは俺の・・・・・・「ほれ、矢じゃ」・・・・・・・周瑜さん準備良すぎるだろう・・・・・・」

 

 

祭はニヤニヤしながら北郷に武器を投げ与えた。

それを見て笑みが零れる。

丁度いい機会じゃない。

どこまで私の剣に耐えられるかしらね。

 

 

「っはぁ!!」

 

「っうぉ!?・・・・・・・・・はぁ、やっぱりこうなるの・・・・っか!!」

 

「ぶつぶつ言ってないでかかって来い!!」

 

「しかたない・・・・・・」

 

 

いいわ。

ゾクゾクしてきた。

だから私は切りかかろうとした。

だけど前には進めない。

 

 

「ッチ・・・・・・」

 

「まぁ、剣を交えながらでもいいから聞いてよ」

 

 

そんなことを言いながら私の進む先、進む先に矢が来る。

切りかかりたくても切りかかれない。

前に進もうと矢をはじき落としてもすぐに次の矢が目前に迫ってきている。

 

 

「ッシ!・・・孫策さんも本当は気づいて・・・ッ・・・るんだろ?」

 

「ック!?・・・・何をよ!?」

 

「っと。・・・自分の感情に・・・・・っだよ!」

 

 

言葉を交わしながら私達は一進一退を繰り返す。

自分の感情。

何かモヤモヤした物が胸の奥で渦巻いているのはわかってるわよ。

だけどこれが嫉妬だって言うの?

 

 

「何であんたにそんな事がわかるのよ!!」

 

「あぶな!?・・・・・ッチ、矢もこれで最後っだ!!・・・・だって、俺があの人と話している時の表情とか見れば誰だってわかる・・・・・ってぇ!!」

 

 

矢が切れた隙を突いたつもりが例の武術で防がれる。

 

 

「表情ですって?そんなものでっ!わたしのっ!何がっ!!わかるって言うのよ!!!」

 

「喋り、ながらっ、よくっ、こんなっ!」

 

「そんな事どうでもいい!!お前に私の何がわかる!!!」

 

「はっきり言っていいの?」

 

 

私はまた距離をとる。

私の剣はまったく届く気がしない。

だけど巌との手合わせで見た反撃は飛んでこない。

馬鹿にされているのか?

私の事がわかるですって?

私の事が言葉すら交わさず、ここに来て日の浅いこんな男にわかってたまるものか!!

 

 

「言ってるみるがいい!!お前に私の何がわかる!!」

 

「心の奥深くの事なんてわからないさ。だけど孫策さんが素直じゃない事だけははっきりわかる。

孫策さんは俺に嫉妬してんだよ、母親を俺に取られた気がしてさ。

ここからは俺の勝手な推測なんだけど、・・・・・・孫策さんさ、母親に甘えた事ないんじゃない?

で、美蓮さんも甘やかした事がないと見た!」

 

「っ!?」

 

 

言葉が出ない。

私が母様を取られたと思っていた?

だから北郷に嫉妬した?

確かに私は母様に甘えた記憶はない。

そして甘やかされた記憶もない。

物心付いた頃には既に戦場に連れて行かれてた。

縄で母様の馬に括り付けられてまで連れまわされた。

母様から抱きしめられたことなんて私が覚えている限りでは皆無だ。

でもそれが母様だと思ってた。

妹達には笑顔を見せて可愛がっていた記憶がある。

だけど私にはその笑顔が向けられた事なんてなかった。

孫呉の王として、孫呉の民のために。

それが母様の私に対しての言葉。

それが当たり前だと思っていたし、そうなる為に私は頑張った。

そして母様が死んだと聞かされたあの日私は母様の後を継いだ。

母様のような王になり母様の理想をかなえる為に私は必死に王であろうとした。

いつか命尽き、天で母様に胸を張って会えるように。

でも母様は帰ってきた。

天の御使いに命を救われて。

そしてあの朝だ。

目を覚ましてあの部屋に来た母様は私には目も繰れず目の前の男を抱きしめた。

その時、私はどう思った?

・・・・・・・・。

 

 

「・・・・・・ナニヨ?」

 

「いや、心当たりあったんだと思ってさ」

 

「えぇ、あったわよ!!だから何?」

 

「いや、素直じゃないなぁって・・・・・」

 

「うるさい!!うるさいうるさい!!!!死ね!!!!!!!!!」

 

「っちょ!またかよ!!!!!」

 

 

 

私は嫉妬してた!!

私には向けられた事のない母様の笑顔が。

私には向けられた事のない母様の言葉が。

私には向けられた事のない母様の全てが羨ましかった。

ここに戻ってきた母様は王となった私には何も言わず見向きもしてくれないのに、この男には何かに付けて絡んでいた。

私だって母様と色々話したい。

孫家のこと。

王の事。

妹達の事。

母様の事。

そして私の事。

胸の奥のモヤモヤの正体に気づいた・・・・・いや、気づかされた今。

私はこのやり場のない気持ちを全て目の前の元凶にぶつけた。

 

 

「死ね死ね死ね!!!絶対殺す!!!必ず殺す!!!嫌でも殺す!!!!」

 

「っちょ!っま!それってっ!絶対っ!八つ当たりだろおおおおおおおおおおおおおおお!!!」

 

「うっさい!!!黙れ!!!」

 

「祭さーん!!いい加減笑ってないで!!!たすけてよー!!!!!!!」

 

「はっはっは!愉快じゃのぉ。いい酒の肴じゃわい!」

 

「駄目だあの人・・・・・・うぉ!?・・・・・・・・くぅ!?仕方ない最終手段だ・・・・・・・」

 

「ぶつぶつ言ってないで早く切られなさ・・・・・「あ!美蓮さん!!」っえぇ!?」

 

「隙あり!!」

 

「あぁ!?」

 

 

北郷の視線の先に目を向けた瞬間に北郷の武器の二股に分かれた石突の部分で剣を絡め取られてしまった。

 

 

「ふぅ、石突をこの形状にしといてよかった・・・・・・・」

 

「剣が取られたくらいで!!」

 

「雪蓮、お前の負けだ大人しく諦めろ。祭殿も笑ってないで止めてくださればいいものを・・・・・」

 

「「冥琳(周瑜さん)!!」」

 

「仕方ないじゃろう?あんなに狼狽した策殿を見るのは初めてじゃからのぉ。可笑しくて仕方なかったわい」

 

「「祭さん(祭殿)」」

 

「はっはっは!いや、いい物を見せてもらったわい!」

 

「「「はぁ・・・・・・」」」

 

「さて、北郷ご苦労だった。お前のお陰で多少頭も冷えただろう。なぁ、雪蓮?」

 

「・・・・・・ふん」

 

「周瑜さんもこうなるって気づいてたならもっと武器を渡すんじゃなくて止めに来てくれればいいのに・・・・・」

 

 

 

 

私をよそに三人はあーだこーだ話し始めた。

嫉妬・・・・・・・か。

名前が付いて初めてそれが何か実感できた。

私は北郷に嫉妬していた。

母様を取られたと思って。

別にこの年になって母が恋しいというわけじゃない。

北郷に向けられた物が羨ましかっただけなんだと思う。

少しでいいから私にも分けて欲しかっただけ。

はぁ、まさか王である私が嫉妬に狂って八つ当たりなんて・・・・・・・。

しかも気づいてなかったのは私だけっぽい。

冥琳や祭の様子からすると他の皆も気づいていそう。

あー!!もう!!なに!?

なんか無性に恥ずかしくて居た堪れないんだけど!!

 

 

「雪蓮、何一人で百面相しているのだ?」

 

「ほっといて!!」

 

「はぁ~」

 

「なによ北郷?何か言いたい事あるなら言いなさいよ」

 

「いや、素直じゃないなぁって思ってさ」

 

「そーですよ、どうせ私は素直じゃないでわよ!」

 

「いや、孫策さんだけじゃなくて美蓮さんもだよ。さすが親子って思う」

 

「「フフッ(ハハハ!)」」

 

「なによ?冥琳と祭まで!?」

 

「いや、北郷の言う通りじゃと思っての」

 

「えぇ、確かに」

 

「うぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!」

 

「まぁ、だから美蓮さんも俺が孫策さんと関わるようにあんなこと言ったんだろうな」

 

「あんな事?」

 

「私は孫家の主じゃないからって、孫策さんに聞けってさ。あの表情、今思えば・・・・・・・・」

 

 

何で言いかけて途中で止めるの?

あーもう、イライラするわね!!

 

 

「言いかけないでちゃんと言いなさいよ・・・・・」

 

「いや、それは本人に自分で確認したら?うん、それがいい!そう思うよな周瑜さんも祭さんも!!」

 

「あぁ。それはいい考えだ」

 

「そうじゃの。儂も北郷の案に賛成じゃて」

 

「っえ?あ、いや、ちょっと待って!?」

 

 

無理よ!

そんなの聞けるわけないじゃない!

もうこれ以上の恥はかきたくないわ!

 

「お、堅殿」

 

「祭まで!?もうそんな手には引っかからないわよ!!」

 

「あ~、後ろ後ろ・・・・・・・」

 

 

北郷に言われた方へ振り向いてみるとそこには気まずそうに視線をそらす母様の姿が。

 

 

「・・・・・・・ぇ?・・・・・ぁれ?・・・・・・・・冥琳」

 

「なんだ雪蓮」

 

「・・・・・・・ぁれは幻覚?」

 

「いや、私にもはっきり見えるぞ」

 

「嘘だ!!!!!!」

 

「いや、嘘も何も俺にもはっきり見えるし」

 

 

まずい。

この状況は物凄くまずい。

いつから居た?

どこまで見られてた?

なにを聞かれた?

どうしよう。

どうしようどうしようどうしよう。

 

 

「雪蓮、いつまで固まっているつもりだ?今更恥じも外聞もあるまい」

 

「ハッハッハ!!策殿これはまた面白い表情をしておるな!」

 

「あー、二人ともその辺にしておいたほうが・・・・・・」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・イヤアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!」

 

 

私はその場から全力で走り出す。

最悪だわ。

今日は最悪な一日だわ。

私は全力でその場から走りぬけて此処じゃない何処かへ行こうと密かに誓うのだった。

 

 

 

 

 

 

あとがきっぽいもの

 

 

キャラを崩しすぎたかなと反省中です獅子丸です。

やっとこさっとこ雪蓮と一刀の絡み。

雪蓮と一刀の初の邂逅?ですw

今の今まであえて引き伸ばして来た雪蓮との絡み。

コメントでもご指摘いただきましたがこういったことだったんですb

なので呉√なのに雪蓮を後回しにしていました。

そろそろ他のキャラも呼び寄せたいところですがまだまだ序盤。

書きたい事は色々あるんですが中々それを文章に起こすのが大変でw

雪蓮と美蓮の絡み、巌夫妻の絡み、祭さん、冥琳。

孫親子の絡みは・・・・・・・脳内では一応筋書きはできてるのですが素直じゃない親子って設定なので

うまく纏まらなくてorz

まぁ、愚痴っても仕方ないので気合い入れなおして頑張ります!!

 

 

ってな訳で毎度の一言

 

次回も

 

生温い目で読んでいただけると幸いです。

 


 
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