ブーブーブーブー
一刀
「もしもしー?」
電話
【……】
一刀
「おーい、もしもしもしもし?」
電話
【……】
繋がってるよな?
一刀
「もしかして恋か?」
電話
【ん】
どうやら正解だったようだ。
一刀
「どうしたんだー?」
電話
【……散歩行く】
一刀
「おう?」
電話
【……早く来る】
一刀
「俺も来いってか?」
電話
【ん】
プープープー
一刀
「切られた!?」
相変わらず言葉の足りない奴だな。
まあどうせあそこに行けばいるだろう。
◆ ◆
歩きで恋がいるであろう河原に向かう。
天気も良いし絶好の散歩日和だ。
ぐ~
一刀
「……腹減った」
昼飯も食べずに飛び出して来たから当然だ。
そして見計らったかのようにあるラーメン屋に入るのは必然だった。
◆
ラーメンの良い匂いが鼻をくすぐる。
おやじ
「へいらっしゃい。おっ、一刀じゃねえか」
一刀
「おう」
おやじ
「紫苑さんは元気か?」
一刀
「母さんはやらねえぞ!」
おやじ
「ちっ。今日はラーメンでいいのか?」
一刀
「おう。大急ぎで頼むぜ!」
おやじ
「任せな。ここいらじゃ神速の張遼と呼ばれた俺に任せな」
相変わらず三国志好きなおっちゃんだ。
◆ ◆
霞
「なんか聞き捨てならんこと言われた気がするでー」
かゆうま
「次は孫策ボールZⅢで勝負だ!」
霞
「ええでー。またボコしたるわ」
かゆうま
「次こそ勝つ!」
◆ ◆
おやじ
「へいお待ち」
美味そうなラーメンが目の前におかれる。
一刀
「いただきまーす」
フーフーしてラーメンにがっつく。
一刀
「うめー! 最高だぜおっちゃん」
おやじ
「ったりめえよ! んで紫苑さんは元気か?」
一刀
「うるせえ!」
母さんは譲らねえよ!
「店主!」
店の端でラーメンを食べている青髪の女の子がおっちゃんを呼んだ。
この辺じゃ見かけないけど髪の毛でも入ってたのかな?
おっちゃんハゲだけど。
おやじ
「へい。どうかしやしたか?」
青髪の女の子
「なぜメンマが入っておらぬのだ!」
メンマ?
そういえばいつもは入っているメンマが今日は入ってないな。
おやじ
「それはすいやせん。カカアが風邪引いちまって仕込みが出来なかったんです」
おばちゃん風邪引いたのか。
それは心配だな。
青髪の女の子
「言い訳は聞きたくありませぬ! メンマのないラーメンなど関羽のいない三国志であるぞ!」
それは言い過ぎでしょう。
おやじ
「そ、それを言われるとますます申し訳ないです」
一刀
「えー」
認めちゃうんだそこ。
おやじ
「も、もう一度チャンスをくだせえ!
次来た時は最高のメンマを大盛で提供しますんで!」
青髪の女の子
「ふむ。
店主にそこまで言われては仕方がありませぬ。
今回はこれで引き下がるとしましょう」
おやじ
「ありがとうございやす!」
なんなのこれー。
◆ ◆
一刀
「はぁ、はぁ」
二人のやり取りを見てたらすっかり遅くなってしまった。
恋
「遅い」
お嬢さんはご立腹のようです。
一刀
「ごめんなー。
ちょっといろいろあってさ」
そういって頭を撫でてやる。
恋
「ん」
こうするとだいたい機嫌を直してくれる。
セキト
「わふ(よろしくな!)」
ん?
なんか変な声が聞こえたような?
セキト
「わんわん!」
一刀
「よしよし。
元気にしてたかセキト?」
セキト
「わん!」
飼い主同様に頭を撫でてやると喜ぶセキト。
癒されるぜ。
一刀
「学校行く準備は完璧か?」
もうすぐ恋も聖フランチェスカ学園に入学する。
俺の後輩である。
恋
「…………………………たぶん」
一刀
「その間が不安だ」
恋
「……一刀がなんとかしてくれる」
一刀
「恋ェ……」
信頼されてるのは嬉しいんだけどなぁ……。
一刀
「恋は高校生になるんだから一人で出来るようにならなきゃダメだぞ?」
俺だっていつまでも恋といられるわけじゃない。
恋
「……」
聞いてるのかなこのおとぼけさんは。
一刀
「そうやって大人になっていくんだ」
恋
「……むずかしい」
一刀
「まずは自分でやってみてどうしてもダメなら俺を頼れ。
恋の兄貴でもいいけど」
でもやっぱり助けてあげたくなる。
そういう子なのだ恋は。
恋
「一刀に頼む」
一刀
「お、おう」
嫌われているなあいつは……。
恋
「……寝る」
ゴロンと横になる恋。
一刀
「よっと」
俺もその隣に寝転ぶ。
暖かい陽気に誘われてあっという間に眠気がやってくる。
恋
「くー」
セキト
「ワフー」
一刀
「やっぱり似た者同士だな」
真・恋姫†無双 ~俺は君に恋をする~
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