No.208003

恋姫無双 ~天が地に還るまで~二章 華琳編

くらのさん

どうも初めまして? くらのです。……いえ、初心に帰ろうかと思いまして。さて、今回は華琳です。是非ともお楽しみください。コメントを頂けると、「ヒャッハー」と言って狂喜乱舞いたします。それではケロリとお楽しみください。

2011-03-25 01:56:29 投稿 / 全3ページ    総閲覧数:6234   閲覧ユーザー数:4996

「ふぅ、月が綺麗ね」

 

自分で言っているのに、なんて白々しいんだろう。何が綺麗だというんだろうか。

 

 あと一週間もすれば満月になる。

 

「一刀……」

 

 一刀が居なくなって三年。表面上は皆も普段通りに過ごしている。

 

「でもね、一刀……」

 

 ふと、耳を澄ますとどこからか、かすかに泣き声が聞こえる。

 

 そのため息を聞いて自分もため息を吐いてしまう。

 

 今日は一体誰なのだろうか。凪? 流琉? 季衣? 案外、秋蘭かもしれない。

 

 誰にしろ、一刀の部屋に居るのだろう。もう、匂いも無い部屋。

 

 だけど、思い出が残っている部屋。

 

「私は……幸運な方なのよね」

 

 最後の最後まで一刀の側に居られたのだから。最後まで言葉を交わしたのだから。

 

 そう、だから私が泣くことも、弱音を吐くことも許されない。

 

 他の子達は言葉を交わす事が出来なかったのだから。

 

 別れの言葉一つもらえず、あげることも出来なかった。

 

 中に、あの日は満足に顔を見ることさえも出来ないまま別れた子が居るかもしれないのだから。

 

 だから、私は笑っていなければならない。そうでなければ他の者達があまりに哀れだ。

 

 それに、ようやくこの大陸に平穏を手に入れたというのに、たかが一人の為に涙を流すなど。 

 

 覇王がしてはならない。

 

 今まで何万者の同胞が死んでいったというのに、それまで涙を見せもしなかった。

 

 それが涙をたかが一人の為に涙を流すなど許されるはずがないのだ。

 

 あの時、私はどうするべきだったのだろうか。

 

 覇王という仮面を脱ぎ捨てでも一刀に縋りついたのなら、一刀は残ってくれたのだろうか?

 

 下らない、けど甘美な想像は私にありもしない思い出を植え付けようとする。

 

『そこまで言われたら仕方がないな。華琳、一生お前の側に居させてくれ』

 

 ……そんなことが起きるはずがない。

 

『華琳、ただいま。天の国に戻ったけど今度はずっとこっちに居ていいって』

 

 ……そんな楽観的に考えられない。

 

 でも、もし許されるなら。願いが叶うなら。

 

「一刀、帰って来なさい」

 

 私は泣いてはいけない。笑って普段通りに過ごさないと。 

 

 多分、明日も晴れるだろう。空は青いままで。

 

 

 はい、ここ最近、調子がいいくらのです。今回は覇王様の華琳です。

 

私の中の華琳と言うのはどうしても悲しいくらいまでに覇王。これに尽きます。

 

冷徹、というか公の為なら私を殺す。そんな女性です。

 

だからこの中の華琳も酷く第三者の立場で物事を見ようとしています。

 

ほんとは辛い。それなのに、自分は皆よりも幸福だった。という思いを持ち、悲しみません。

 

華琳という一人の女性では大切な一刀ですが、魏の覇王、曹操という立場では所詮、

 

一人の人でしかないんです。

 

一刀のために泣けば一刀を特別扱いすることになり、死んでいった人達に申し訳が立たない。

 

そんな想いで曹操さまは笑みを浮かべます。

 

さて、次はついに皆の一刀です。一刀の後悔。勿論、決まっています。けど……。

 

まぁ、次をお楽しみに。

 

そして気付いたと思いますが、行間を少し開けてみました。こちらの方が読みやすいですか? 

 

出来れば、それに関してのコメントもよろしくお願いします。

 

それでは次回まで、しばしお別れを!

 

See you next again!

 


 
このエントリーをはてなブックマークに追加
 
 
31
1

コメントの閲覧と書き込みにはログインが必要です。

この作品について報告する

追加するフォルダを選択