<魏>
一刀が消えた後
華琳―曹操―はひとしきり泣いた後、宴へと戻った…
無理やり覇王の仮面をかぶって…
しかし、常の曹操にはどう頑張ったところでなりきれない。
普段から彼女の傍に控える春蘭、秋蘭、桂花―夏侯惇、夏侯淵、荀彧―は違和感を覚えた。
だが、それを問う間もなく華琳は
「私はもう休むわ。みんなほどほどにね」
とだけ言って一刀のことを伝えずに宴を辞した。
華琳は今日だけは皆に宴を楽しませようと、そして翌日皆に伝える心構えをつくるため、あえて一刀のことを伝えなかった。
(全く、本当にやっかいな問題を残してくれたわね、馬鹿)
魏の者は皆、一刀がいないことにも気づいていたが、華琳が早々と引き上げたことで何か邪推したようで対して気にはしなかった…
夜は更ける。喧騒に包まれながら、宴は終わらない。皆これからの未来を思い描き、笑顔に溢れていた。
ただ、一人を除いて…
次の日の昼、華琳は皆を集めた。
「なんや孟ちゃん。今日はみんな休みのはずやろ。ウチまだ眠いわ。」
霞―張遼―は不満そうな顔で眠たげに文句を言う。
「ボクもまだ眠いよー。」
「全く、季衣ったら。」
許緒―季衣―を典韋―流琉―が叱る。
「…ぐう」
「起きなさい、風」
風―程昱―と稟―郭嘉―がいつものやりとりをしている。
「そうなのー、眠いのー」
「なんやのー、たいしょー」
沙和―于禁―と真桜―李典―も不満げである。
「こら、お前ら!」
凪―楽進―が怒るが彼女も先ほどまで立ちながら寝てたりする。
「かまわないわ、凪。今日は皆に大事な話があるのよ。」
華琳が話しだそうとすると、
「お待ちください華琳様。まだ北郷が来ておりません。」
「む、北郷の奴たるんでおるぞ。」
「全くこれだから男って生き物は。華琳様がお呼びなのに遅れるなんて、何様のつもりなのよ。」
秋蘭、春蘭、桂花がそれぞれ言い出す。
「…いいのよ。…一刀は天に帰ったわ。己の使命を果たしてね。」
時が止まった。
しばらくして、
「嘘だっ!」
凪が叫ぶ。
「孟ちゃん、その冗談はおもろないわー。」
霞がひきつった顔で言う。
風は咥えていた飴を落としていた。
風だけでなく皆が呆然としていた。
「嘘じゃないわ。一刀はもういない。後は魏に帰ってから色々決めましょう。」
華琳は努めて冷静に、淡々と話す。
しかし、その手が震えているのを、秋蘭と桂花は見てしまった。
その後は散々だった。
華琳に食ってかかる者、
それを止めつつも動揺を隠しきれない者、
怒りだす者、
真実を未だ受け止められず呆然とする者、
逃避するかのように寝る者、
憮然とした表情で罵声を吐く者、
ただただ泣く者…
どれくらい経ったのか、一人、また一人とその場を去っていく。
そして、そこには静寂のみが残された。
それからの魏はひどいものだった。皆から笑顔が消え、元気はなく、仕事のミスは増えた。
ぼーっとすることが多くなる者、
寝る回数が増す者、
酒量が増える者、
毒舌にブレーキがかからなくなる者、
食事の量が減る者、
得意の料理を失敗する者、
鼻血がでなくなる者、
己の趣味に没頭できなくなる者、
様々だった。
夜にはすすり泣く声が至る所から聞こえてきた。
張3姉妹―天和、地和、人和―は公演から帰ってきて、一刀のことを伝えられ、大好きなはずの歌が歌えなくなりそうなほどショックを受けた。
そんな中で1年半あまりが経った。
三国での会合や親睦会も定期的に行われ、五胡などの襲撃も少ない平和の中で、皆それなりに心に折り合いを付け表面上は平気に振る舞えるようになっていた。
未だに夜になるとすすり泣く声は響いているが…
そして警備隊の隊長は空席のままであった。
魏の皆が一刀の居場所を残したいと華琳に懇願したのだった。
ちなみに警備隊は凪が隊長代理を務めている。
そんな中、北郷一刀は目を覚ます。
消えたはずの川辺で。
今回は流星も伴わず、静かに…
あとがき
時の流れについて
外史であんま時間経たせたくないし
でも一刀強化したいしで
もとの世界の3年=外史で1年半
というなんとも無理やりご都合設定をぶちこみました。。。
まあ所詮はこんな作品ですよ(´・ω
キャラの性格や口調がむずい!
もう別物かなorz
しっかし、くどいし、わかりずれー
自分の成長を切に願う今日このごろ
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今日休みなんで見習い卒業まで勢いにまかせて書いてみました。
この先どうなるか作者にもわからないです。
とりあえず、そろそろ原作キャラださないと、と思いまして
では、くそ作品第3弾です。
古代中国の地理わかんないことに気付いたんでそこは追及しないでください。駄目男すぎる…