No.204616

真・恋姫無双 魏が滅亡した日 Part18 春蘭救出大作戦

見習いAさん

白蓮ごめん・・・

2011-03-03 00:45:26 投稿 / 全7ページ    総閲覧数:4093   閲覧ユーザー数:3678

秋蘭が目を覚ましたのはそれから2日後だった

完全休養の最後の1日を秋蘭の調整日とし、残り3日で作戦の最終調整を行った

 

 

公開処刑前日

春蘭救出隊のリーダーは白蓮さんにお願いすることになった

 

「皆揃ったか。それじゃ最終確認を行うぞ。

まず、潜入部隊は北郷とうちの部下3名だな。

4人は指定の場所に到着次第いつでも春蘭を奪還できるよう待機

煙幕で視界が悪くなるはずだ、絶対に春蘭の方向を見失わないようにな」

 

「「「「おう」」」」

 

「次に、狙撃は秋蘭だ

残念だが、弓で狙撃できる高台がない以上、民衆に紛れて接近してもらうしかない

状況は難しいが秋蘭ならできるはずだ」

 

人ごみから一瞬で正確な一矢一殺

こんな神業が出来るとしたら秋蘭ぐらいか

 

「潜入部隊の配置時間を考えて、春蘭に処刑の執行人が近づいたら矢を射てくれ

矢が執行人に当たったのを確認したら、うちの部下が季衣に合図を送る

ただし、合図は一拍置いてからだ

秋蘭にはすまんが、衛兵の注目を集めるよう派手に矢を打ちまくってくれ

敵の注意が秋蘭に集まったら季衣へ合図を出す」

 

「承知した」

 

「季衣は民衆の後方に待機

春蘭の近くに煙幕球を投げ込んでくれればいい

煙幕球を投げた後は潜入部隊の退路を確保、北郷達と合流して春蘭を私のところに連れてくるんだ」

 

「はい」

 

「残念だけど私は部下と馬車を用意して待ってるよ。この腕じゃ足手まといだしな

皆が無事に帰ってくることを祈ってる。次に、潜入の手はずだが・・・・」          

打ち合わせも終わった

後は当日を待つだけか

 

最初、俺の配置は季衣と退路確保と言われてたんだけど、どうしても俺の手で春蘭を助けたかった

だから潜入部隊に志願させてもらった

 

「それにしても、俺、いつの間に剣の使い方覚えたのかな」

 

力量を見たいと言われ、白蓮さんの部下と組み手をやってみたら全勝してしまった

これには秋蘭も驚いてたな

 

警備隊で鍛えられた経験はあるけど

実戦での剣術はそれほどやってないはずなんだよな

 

「自分で自分がわからないってのも、不気味だな」

 

トントン 「ん、どうぞー」

 

「北郷、まだ眠らないのか?」

 

「秋蘭?なんだか眠くなくてさ」

 

俺の部屋にやってきた秋蘭、まさかね

 

「ふふ、残念だが今日は、その気はないぞ」

 

「ははは・・・・・そりゃそうだよ」

 

「・・・一刀、姉者を頼む」

 

秋蘭に口付けされた

 

「作戦が成功したら続きをしよう」

 

そう言うと秋蘭は行ってしまった

 

「・・・・・がんばんないとな」                 

当日

 

俺の潜入隊は一番早く出発する

 

「行って来る」

 

「ああ」「必ず春蘭様を助けよう兄ちゃん」「健闘を祈るぞ北郷」

 

3人に見送られ、俺達4人は目的地に向かう

 

「皆さんよろしくお願いします」

 

「「「はっ!」」」

 

この作戦の絶対条件、それは春蘭を直接救出する部隊が春蘭の近くに陣取ることだ

 

「と、言うわけで、列に並びますか」

 

コ〇ケ並の徹夜組に参加することになった

日が昇るはるか前のことだった              

無事、前方に陣取った俺達は息を潜め成り行きを見守った

 

秋蘭は徹夜をしていない

寝不足で当日の狙撃に狂いがないようにと白蓮が徹夜を禁止したからだ

秋蘭のことだから、1人なら問題なく群集に入り込めるだろう

 

この刑場は都の郊外に臨時で作られた物で

だだっ広い草原を大きく区切り、中央に処刑の舞台が設置されている

都の中でなら建物からの狙撃もできただろうけど、これでは無理だ

そして

一週間宣伝したからだろう

こいつら一体何人集まってんだ

娯楽の少ない時代だから仕方ないけど、そんなに春蘭の処刑がみたいのかよ!

 

「くそっ」

 

「北郷様、もうしばらくの辛抱です」

 

「・・・・すいません」

 

予定の刻限が近づくと

都から厳重に警備された大隊が群集を掻き分け中央へ進む

その隊は2つの馬車を守っていた

一つは王族を輸送する豪華な馬車

そしてもう一つは、荷台に檻を置くだけの罪人を運ぶ馬車

罪人を運ぶ車は罪人を小さな檻にいれ、晒し者にするように運ばれていた

 

(春蘭・・・・)

 

春蘭は手足を縛られ、口には猿轡をされていた

今すぐ助けたい、今すぐ近くによって抱きしめてあげたい

でも、もう少しだけ待っててくれよ春蘭

 

「これより、大罪人、夏侯元譲の処刑を執り行う!」

 

始まった                     

「魏は、民の苦しみに耳を貸さず、己の懐を豊かにするのみで、民を不幸に陥れるだけであった!

司馬仲達様は、魏の官僚腐敗を嘆き、義憤によってこれを滅ぼした!

 

夏侯元譲は、魏の高官にありながら、私欲を貪り、民から搾取し、己が欲望に溺れ、民を苦しめ続けた!

さらに、この罪人は、魏を滅ぼした晋を逆恨みし、おろかにも呉へ取り入り、呉を用いて晋を滅ぼさんと画策したのである!

この罪、万死に値する!よって、ここに正義の鉄槌を下すものである!!」

 

拳を握りすぎて血が流れているのがわかる

春蘭が私利私欲で民を苦しめただと

呉を利用して戦争を起そうとしただと

 

「あいつら・・・・・」

 

「北郷様、もう少しです。もう少しだけ辛抱を」

 

ざわざわ  ざわざわ

 

処刑の舞台を囲んでいる民衆がざわめき始めた

 

「夏侯惇様がそんなことをするわけありません!」

「そうです、ちょっとお馬鹿なところがありますけど、悪い人じゃねえ!」

「そうだそうだ!大体、夏侯惇様がそんな大それたことを考えられると思えねえ!」

「その通りだ!夏侯惇様の頭じゃ無理だ!」

 

ズコッ

 

酷い言われ様だけど、そうだ、これが民の答えなんだ司馬懿!

 

群集が口々に春蘭の助命を訴え始めた

これなら、思ったよりもうまく作戦が成功するかもしれない

 

「ぐぬぬ・・・」

 

 

 

 

「静まれ!!!!!」

 

 

 

 

今の声、王族用の馬車からか?

その一言であれだけざわついていた民衆が一瞬で

それに今の声って・・・・                  

「嘘・・・・だろ・・・・」

 

そんな・・・馬鹿な・・・・

 

「し、司馬懿様!とんだ失態をお見せしてしまい申し訳ございませぬ」

 

「・・・ふん、使えない屑は必要ないの。この者を牢にぶち込んでおきなさい」

 

「ひ、ひぃ~~~」

 

馬鹿な、いや、これは・・・・

 

「か・・・・華琳じゃないか・・・・・」

 

華琳だ

どうしてここに華琳が!?

 

「夏侯元譲、あなたの罪は万死に値する。この場で死んで頂戴」

 

「・・・ぁ・・・・ぁぁ・・・・・ぁぁぁ・・・・」

 

何言ってんだよ

春蘭なんだぞ

俺達はお前を助けるために

 

「あなたが邪魔なのよ・・・・・・夏侯淵もね!!」

 

嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ

華琳がそんなこと言うわけない!

 

「何をしている、さっさと首を刎ねなさい!」

 

・・・はっ!

処刑の執行人が動き始めてる

秋蘭は?秋蘭はどうした??

 

いや、この状態で秋蘭が狙撃なんて無理だ

 

「くっそおおおおおおおおおおおおおおお!!!」

 

「北郷様!!」

 

作戦も何もない!春蘭をここで殺されてたまるか!!

 

「うおおおおおおおおおおおおおおおおおお」

 

1人切った、次は

 

「ふふ、見つけたわよ一刀・・・・あの男を捕らえよ!ただし、傷一つつけるな!邪魔する者は殺してかまわん!」

 

「北郷様!くっ、お前達、北郷様をお守りするんだ!!」          

「遅い、煙幕はまだ投げられないのか!?」

 

「はい、爆発音が聞こえておりません」

 

「くっ、中で何が起こってんだよ・・・・」

 

 

 

「あの声、華琳様の声だった。一体・・・どうなってるの?合図は??」

 

 

 

「・・・・・・・・・ぅそ・・・・・・だ・・・・・華琳様が・・・・・私が邪魔・・・・・・・」

 

 

 

「うおおおおおおおおおお春蘭!!!」

 

「だめだ数が多すぎる!ぐあ」

 

「あ!」

 

白蓮さんの部下3人は既に切り殺されていた

 

「ちくしょおおおおおおおおお」

 

ガツン

 

鈍器で殴られた?

 

「ぐ・・・くぅぅぅ」

 

「ひるんだぞ!ひっ捕らえろ!」「抵抗するなこいつめ!」

 

「・・・・・まだだ!」

 

押さえつけようと襲い掛かった数人を横凪に切りつける

俺は返り血に染まっていた

 

「まだ・・・まだだ!」

 

「ちっ、足を打て!」

 

弓兵が俺の脚を打ち抜いた

 

「倒れたぞ、今だ!」

 

 

俺が覚えているのはそこまでだった

みんなが無事に逃げれたのか、春蘭は助かったのか?

どうなってんだよちくしょう・・・・


 
このエントリーをはてなブックマークに追加
 
 
28
0

コメントの閲覧と書き込みにはログインが必要です。

この作品について報告する

追加するフォルダを選択