No.203099

真・恋姫無双 魏が滅亡した日 Part11 いざ建業

見習いAさん

建業

2011-02-22 15:24:09 投稿 / 全5ページ    総閲覧数:3822   閲覧ユーザー数:3443

「見えてきた」

 

俺たちは再び船に乗り呉の中心都市、建業に向かっていた

 

「おーい、二人とももう少しで到着だぞー」

 

「ぅぅぅ・・・」「・・・・」

 

あの日、殺されかけた俺は罰としてある提案を呑まされた

それは、船の移動の間、二人に膝枕をすること

今は右膝に春蘭、左膝に秋蘭が頭を乗せている

 

「あのー、膝の痺れがやばいんですが・・・・」

 

二人が頭を少し浮かせると、俺は脚を伸ばす

そうすると今度は伸ばした足に二人が頭を乗せる

俺は二人の頭をなでる

 

「まったく、いつからこんなに甘えるようになったのやら」

 

船の上では猫なのに、地上に降りれば虎になるか

かわいいからいいけどね

 

「呉・・・・か」

 

呉というと赤壁の戦いの時に来たぐらいで

ゆっくり街を見物したこともなかったりする

平和な呉を見るのは初めてだ

 

「おお、すっげ、船の数が魏と段違いだ」

 

大河を行き来するたくさんの船が呉に来たことを教えてくれた

前に来た時は鎖で繋いだ船を見せられたんだっけ

あの時とは比べ物にならない船の数だ       

建業についた俺たちは二人を休ませるため一泊

呉との接触は翌日となった

 

「秋蘭、孫策さんたちとどうやって連絡を取るの?」

 

「任せておけ」

 

そう言うと秋蘭はある酒家を案内してくれた

 

「雪蓮殿は家督を蓮華殿に譲りたがっていてな、今ではほとんどの業務を蓮華殿がこなしているそうだ」

 

「蓮華さんというと孫権さんだね」

 

「うむ、雪蓮殿はよくこの酒家でサボっているらしくてな。まあ、すぐに会えるとは思えんが」

 

「おい秋蘭、あれは雪蓮ではないか?」

 

春蘭が指差す方向

一般人とは違う別格のオーラ?みたいなものを放つ人物が酔いつぶれている

 

「ああ・・・雪蓮殿だな」

 

秋蘭もいきなりサボっている孫策さんと会えると思っていなかったようで顔が引きつっていた

おかげで苦労せずに接触できそうだ      

「いくぞ姉者、北郷」

 

俺たち3人は孫策さんが酔いつぶれている机に向かった

 

「ぐがー、ぐがー」

 

「なんて奴だ、公衆の面前で王が酔って居眠りなど!おい雪蓮、起きろ!」

 

「・・・・うっさいわねぇ、何よ一体・・・・あら、春蘭じゃない。久しぶりー」

 

「久しぶりー、ではないわ!こんなところで何をやっておるのだ」

 

「何って、サボってるのよ」

 

「姉者は少し黙っていてくれ。雪蓮殿、突然の訪問をお許し頂きたい」「うぅ・・」

 

「秋蘭も元気そうね、あ、そっちの男の子はもしかして」

 

「北郷一刀です。お会いするのはあの戦いの後の宴会以来ですね」

 

「そうね、あなたのことよーーーく知りたかったのに、消えちゃったって言うから驚いたわ。今までどこにいたの?」

 

「はは、俺自身わからなくて」

 

「へぇー、あなたのこと凄く興味あるわ。でも、今日はそういうことじゃないんでしょ秋蘭?」

 

「はい」

 

「言っておくけど、晋と戦争を始めろなんて提案は却下よ」

 

「ここでは話しづらい内容です」

 

「・・・・わかった。明命を迎えに来させるから、少し待ってなさい。私は城に戻るから」

 

「なあ雪蓮、お前酔っていたのではないのか?」

 

「こんな程度じゃ酔わないわよ。ただね、なんとなく予感がしてたの」

 

「予感?」

 

「そう、そろそろあなた達が来るんじゃないかって予感がね。私の勘は結構あたるのよ」

 

予感がしたからここで待っていたってことか?

やっぱ凄いよ孫策さん              

孫策さんが城に向かってから、すぐに周泰さんが来た

俺たちは難なく建業の城に入ることができた

 

「皆様、こちらで待機をお願いします」

 

会談が始まったのはその日の日が落ちてからだった

 

「ごめんね秋蘭、こんなに待たせちゃって」

 

「いえ、突然の訪問に応えていただき感謝します」

 

会談の場には呉の主要な人が勢ぞろいしていた

 

「さて、話てもらいましょうか」

 

「は、実は・・・・・」

 

秋蘭の説明を聞いた呉の面々はざわついていた

 

「あの貢物の一行に華琳が同行していたのではないかと?」

 

「はい、華琳様のお姿を見かけた者がおります」

 

「冥琳、何か聞いてる?」

 

「聞いていたらお前に真っ先に伝えているよ」 「そうよねぇ」

 

「ただ、気になることがある」

 

「気になること?何?」

 

「晋から来た隊は多くの貢物を運び込んだ。しかし持ち込まれた品があまりに多くてな。建業だけでは受け入れきれなかったのだ」

 

「それで、受け入れ切れなかった分はどこに保管したの?」

 

「会稽へ回させた。その一隊に紛れていた可能性も捨て切れんな」

 

華琳が建業にいる可能性は低いか     

「では雪蓮殿、私と姉者の二人が会稽へ向かうことをお許し頂きたい」

 

ん?二人?

 

「俺は?」

 

「それと、私達が会稽へ向かう間、北郷を預かって頂けないだろうか。建業ならば北郷も安心でしょう」

 

「ほぉ」

 

孫策さんの目が一瞬光った

 

「どういうことだよ秋蘭」

 

「罠である可能性が捨てきれんし、海路を使えない以上安全とは言えんさ」

 

春蘭も秋蘭の意見に賛成のようだった

 

「北郷の腕じゃ何かあった時足手まといだしな。華琳様は私達に任せてここで待っていろ」

 

「でも」

 

食ってかかる俺に秋蘭が諭してくれた

 

「北郷、お前はもう魏に欠かすことが出来ない存在なんだ。それを自覚しろ」

 

「ふん、せっかく戻ってきたのだ。危険な目に会わせたくないのは当然だろう。お前はそういう存在なんだ」

 

春蘭から急に殺気が

 

「ただし!!!もし呉の将に手を出したら・・・・コロス」

 

「・・・・はい」

 

納得はできない、けど二人の優しさが俺に拒否をさせなかった。でも

 

「・・・二人とも、違う」

 

「「?」」

 

「魏に、欠いていい存在なんて誰もいないんだ」

 

「ふむ・・・」「うむ」

 

「魏を、みんなを、必ずあの魏を取り戻そう」


 
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